モナリザの変はらぬ衣や村時雨 八島 敏 2020-02-11 03:32:08 | 日記 画なのだから着ているものが変わろうはずもないが、視線があるのはその微笑みではなく、胸元なのだろう。そこから画の背景の冷え冷えとして寂しい感じに、広くあいた胸元を温める一枚を思ったのかと思う。徐々に自然界の色を消して行く時雨に先人達は、さびれゆくものの中に、美しさと無常の心を養ってきた。「村時雨」とすることで画の背景のありようを失わせずに「肌感覚」に何となくリンクしていく詠みが上手いと思った。(博子)