「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

黒竹に銀河の響きありにけり 伊藤英子 「滝」10月号<滝集>

2013-10-28 05:09:51 | 日記
 黒竹は、庭に植えられたり、鉢植えにしたりして、わりと
身近にある竹。秋ごろから稈の色が黒色に変わる。その色と
たわみ具合が好まれ、工芸品を作るのによく使われている。
「銀河の響きありにけり」と、詠んだ日中の黒竹に吹く秋風
を言い止めた感性は素晴らしい。銀河の空は昨夜かも知れな
いし、数日前、数年前かもしれない。黒竹が記憶している銀
河響きとしての「ありにけり」かと思います。現実時間と次
元の違う時空間を広げる詩的な句に思わず耳を澄ましてみた
くなりますね。(H)