虫干の読まず捨てざる学会誌 赤間 学 「滝」10月号＜滝集＞

　学会誌というのは、同じ学問を研究する学者などによって
構成される学会が発行する会誌のことです。作者は何かの研
究をされていたのでしょうか。読まないのに、面倒でしょう
に虫干していると言うのですから、今年も捨てる気はないよ
うです。その「なぜ？」を知ることは出来ませんが、気持ち
は良く分かる気が致します。私も、もう歌わないと決めたの
に、捨てられない楽譜。そして、歌のイメージに合わせて買
った洋服は、何処かに着て行けるような物ではないのに捨て
られないのです。虫干しは、それが「大切」だからするので
す。心の葛藤が詠まれて、作者が嘗て志した夢に繋がってい
た学会誌なのではあるまいかと想像させて頂きました。(Ｈ)