「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

順番に覗かれてをり目高の子 秋山陽子 「滝」7月号<滝集>

2013-08-04 05:12:37 | 日記
 リアルに情景の見える句ですね。言うまでもなく目高は小
さいく、その子どもは1㎜強の卵から生まれるのですから目
を凝らさなければ見えないですね。小さな瓶にでも泳いでい
るのでしょうか。目が大きく、頭部の上端から飛び出してい
ることが、名前の由来になっている目高に、人間の目がクロ
ーズアップされ、絶滅危惧種に指定されて十年程になる今と、
どこの小川にも目高の群れが見られた昔を思った。環境の変
化が目高の繁殖力をいちじるしく削いでいるのだが、なぜ目
高は10個くらいの卵しか産まないのだろうか、体長十二㎝の
シシャモは約一万個の卵を産む、三㎝の目高で割り算すると
四千個の卵を産んでいいはずだ。絶滅は寂しい。(H)