ソフィア市の北のはずれナデジュダ区・・・ つい先日まで日中は半袖だったのに急に寒くなりました。夜は3度くらい。日中でも10度を切る感じで、慌ててぶ厚いジャケットを取り出したりして。しかもダウンジャケット!! 昨年は11月にフランスに行ったけどあったかくてジャケットもセーターもいらなかったんだったな~。今年は寒くなるのが早い?
そうそう、今のアパルタメントはベランダも地下室もあるから、秋のキャベツを買い込んで、「キセロぜレ」でも漬けちゃおっかな~⁉ でも友人のターニャおばちゃんは、「ずいぶん寒くはなったけど、キセロぜレに漬ける”クレフコ”なゼレは霜にあたらないとね~。もうちょっと待たないと出回らないかもネ~」 ・・・「クレフコ」っつーと、 ただやわらかい(”メコ”という形容詞)だけじゃなくて、おいしい、ちょうどいいやわらかさをを示すときによく使われる言葉です。アタシもこの秋に食べられるやわらかいキャベツが大好きで、しかも軽くてみずみずしく、甘いので何個も食べられちゃう!! 鶏ももと煮る「ピレ・スス・ゼレ」なんてキャベツ2個分くらいすぐ使っちゃう!! でもこの料理は漬けたものの方がおいしい・・・ そのキャベツが出回っていないので当然そこから漬け上がるのに2週間くらいはかかるキセロぜレはまだ手に入りません・・・ じゃ~仕方ないからワインの滓でも足してキャベツと鶏ももで煮てみようかな~
そして秋の雨の中、ソフィアの台所「キルコフ」(ジェンスキー・パザール)に行ってみました。ボチボチ、そういう秋の野菜が出始めていますが・・・ アレ?なんか店舗数、少なくなってる? このパザール、数年前の大改装以降、だんだん空き店舗が目立っていますね~(特に改装してキレイになったところ)。もう、どこの住居区にも大型スーパーがあってキルコフまで出てくる必要がなくなってきてるのかも。 以前は日本人旅行者のブログで「中古洋品店が並んでいる」と評された、怪しいブランドもののジャージとかが売っていた(全部新品!!)側が特にお店が少なくなった感じがします。それでも、相変わらずここの野菜はまちがいないっ!!
出始めの秋キャベツをやっと1コゲット!! サラダにしました。
ウチの前の木、赤~く紅葉してます。もうすぐ冬・・・ 急いで衣替え完了しなきゃ!!
EUでNo.1のビンボー&物価安の国、ブルガリア!! そういうわけでEU中の年金生活者が、そして非EUのロシア人とかもすごい勢いでブルガリアの不動産を買っているようです。まァ、便利な都市部から比べると、少し離れたあたりだともう住んでいない家も多いもんネ。特に黒海沿いは空き家だけでなく新築建売物件がたくさん!! マンションでも一戸建てでもありますよ~。この夏旅行したカヴァルナ~ドブリッチ方面なんていーっぱい看板が出てました。まァ最近は、2007年のブルガリアEU加盟前後のヒートアップした時期に比べるとすんごく売れているという感じじゃないですけどネ~。
・・・時々、日本から来られてこちらに住んでおられる年金生活者の方々にお会いすることがあります。そのかなりの方々が住んでおられるのが、なぜかとんでもない過疎化した村。
ぶどう棚があって・・・
果実の木が何本もあるお庭・・・
あんまり手入れもしないのにバラが美しく咲き誇る、お花も野菜も育てられる大きなお庭・・・
「あこがれの田舎暮らし」ということかもしれませんが、どうも聞いてみるとそう理想通りにいっていないような・・・ ほとんどの方がブルガリア語を全く話せないということもありますし、時々「ボられた、だまされた、盗まれた」ということを言ってたりしていたり・・・ 特に家や水道、電気関係の修理、不動産関係などでそういうトラブルがあるような。こちらでは普通、建築、改装業者とは、ブルガリア人同士であってもものスゴイ闘いになる(業者が入っている間はウチにずっといて見張って資材が盗まれないようにしている、もしくは手伝いをさせられるのが常識)のですから、それは仕方がないことです。それが嫌でブルガリアの男性の多くは職人を入れず、DIY感覚で材料、工具をそろえ、自分ですべてやるのです。
またブルガリアの田舎はなぜ過疎か?というと、この田舎にある一戸建ての家の管理の難しさが一因にあるのではないか・・・ 上下水道と暖房は地元民の詳しいレクチャーなしに管理するのは難しいと思います。特にこちらの、コンクリ、レンガ造りの家は、じめじめした日本から来た日本人にとっては「夏涼し~♪」かもしれませんが、こちらの人たちは夏でも必ず手編みやキルティングのベストを羽織っています。そのようにして夏でも冷えから体をずっと守っているのです。それでも、特に女性は注意しないと体を壊しかねません。「ブルガリア・サバイバル=どう暖めるか?」、そう冬だけでなく、一年中気を付けないといけないようです。 でも、ブルガリア語を少しも習得しないとすると、そういうことは教えてもらえないかも・・・ 「英語が通じる人にきけばいい!」と思われるかもしれませんが、英語ができる人の多くは若い人たちで、彼らも私たちと同じ!! ブルガリアの田舎での生活の仕方を実はよく知らない、ということも多いのです。
そもそも、ワタシの中の疑問!! なんで日本人をはじめ外国人のみなさん、都市圏から遠い、ものすごい田舎に住むんだろう? 不動産価格、家賃はそちらの方が安いでしょうが、こちらで車も運転しないのであれば、大都市圏の近所のセロの方がいいのでは?と思ってしまいます。
ちなみにソフィア周辺にも 、市営交通で市内に通える村ってけっこうありますよ~!! ソフィア在住のおじいちゃん、おばあちゃんたちはけっこう近所にセカンドハウスを持ってます。こういうところは過疎の村よりは少しお高いでしょうが・・・ 覚えておいてソンはないブルガリアの常識!! 安かろう悪かろう!! 安いものには理由があるのですっ!!
こう経済がまわらないとどうもこういうヒズミのようなものが出てくるの?という、ブルガリアでよく聞く話。(この記事の写真はイメージです。直接内容とは関係ない・・・かも。)
市場や公園で年配のカップルが仲睦まじく歩く姿に、「国際女性デー」でお花を一緒に探すパートナー・・・ ほほえましいのですが、これ、ホントは夫婦なのか? かなりの確率で同棲か、再婚。しかも最近はじまったっていう・・・ 本当に多いんですよね~っ!!
ワタシのなかでは、日本では「若い二人が」とか「彼がキチンと就職するまで」、「子供できるまで」とかっていう何かしらの考えあって(ないこともあるけど)同棲や、いろいろあっての離婚、そして再婚、というイメージ。でも、こっちで聞くと結婚はただひたすら感情による決まり方が多いようです。「会って数日で決めた」という人の多いこと多いこと・・・ だからでしょうか?20代前半ですでにバツ1、子持ち、という人がいーっぱい!! その後別の人に出会って同居し始めても籍を入れずにいるっていうカップルもいるので、実際、統計上には出てこない「混合家族」はもっと多いかもしれません。こうなってくると一人一人最終的に何を頼りにするか、というと・・・ 資産やお金、ということがよくあり、これがまたトラブルやヤヤコシイ相続問題を引き起こしています。
逆の考え方もよくあります。「このパートナーに、またパートナーの子供たちに自分の資産の相続権を渡したくない」という理由でわざと籍を入れない、または成人した子供たちから 「アイツが不動産を取っちゃうから籍は絶対に入れないで!!」と熟年カップルが反対される、ということも!!
友人の孫、ステフィは30歳、2児の母。二人の子の父親ニコライは10才年上で籍を入れていません。 ニコライは酒癖が悪いのでステフィは籍を入れるのに二の足・・・ しかしそうしているうちにニコライの父親(80代)に介護が必要になり、ステフィは「嫁」として介護をしながら小さな子供二人の面倒を見、生活費もほとんど自分で仕事をして工面している、という生活。ニコライは自分の子供たちも父親も全部ステフィに預けドイツに行ってしまいました。たまに帰ってきて休暇をその「家族」でリゾートに行って過ごすのが唯一の「だんらん」という話。
このステフィのいとこで同い年のデスィにも同棲中の彼氏がいます。この彼、「ぼくはデスィといつかは結婚するヨ!! だってデスィのおばあちゃんはソフィア中心部に土地付き一戸建てをもってて、君がそれを一人で相続するんだろう? だからデスィを愛してるんだ。でも子供はいらないヨ。」とアッケラカン。
欲しいものがはっきりしているこの彼氏クン、デスィとおばあちゃんが用意したクリスマス料理に手を付けることもせず、とっとと自分の実家へ一人で行ってしまってデスィをキレさせたんだとか。でもデスィ的にはこの彼氏クンが本命らしくガマンするしかありません。ここには子供はまだおらず・・・ 30過ぎたんだからデスィにもそろそろ真剣に考える必要があるように思うのですが・・・
今日ものどかに春の鳥たちのさえずりきこえる首都の田舎村ナデジュダ・・・
いっや~、新しいところに引っ越せてヨカッタヨカッタ!! と思っていたらとんでもない事が発覚!! 月半ばに水道光熱費を払いに市営の窓口に行ったら、何と!!
「160レバが電気代で・・・」と窓口のおねえさんが言い始めました。ちょっ、ちょっと待って、160レバ?まだ1か月住んでないのに160は多いでしょう?!
もう10年以上ブルガリアにいて電気代のことはだいたいわかります。どんなに間違ってもこんなに使っていません。何なのよ~(激怒)!!! で、大家のエンチョおじさんに即TEL。すると・・・
「もうジャルバ(嘆願書みたいなもの)を出してるんだよ。前の住人が出てから誰もいなかった時期にも70レバとか請求が来てね。どうも検針する人がキチンと仕事をしていないらしいんだ。次の時に請求明細が来たらそっちに行くから。メーターの数値を確かめてみよう。」
えええ~っ!? 検針員に問題? どうして? リューリンのアパルタメントではそんなことなかったのにーっ!! 思い返してみると、前のタイプの建物だと入口のところに全住宅のメーターが集まっていて、ちょっと入ればすぐ全部を見ることができました。しかし今の住居棟は15階建て、1階に4軒ずつあり、エレベータはICチップを持つ住民のみが使える、という状況。
もちろんヴホッド(入口)はロックされている上に、
ウチの階は階段からの入口にはカギがかかっています。ドロボーも入ってこれないけど、ウチのタイプの住居棟のように各階にメーターが設置してある場合、検針はしづらいでしょう。
じゃあ、どうやって160レバなんていうバカみたいに高い料金を請求してきたのでしょう? エンチョおじさんは受け取った明細をにぎってやって来ました。「ちょっと懐中電灯ある?」 よく見てみると・・・ モォ~全然違う数字じゃ~んっ!!! エンチョおじさんは 「なんじゃ、コリャ~!!!」と急いでもう一度電力会社の窓口へ。その後すぐに電話してくれて分かったのですが、何と!! 検針員は最近、まったく検針に来ていなかったっ!! 数年前のデータを基にテキトーにデータを送ってそれを計算して電力会社から請求が来ていたのでした。ウチは一時期住人がいなかったのでそれが発覚したのです。 じゃあ他のご近所さんは? 少なくともウチの他の3軒もその被害に遭っていたはず。でも、ずっと住んでいたら例年通りの請求が来ているなぁー、と気にしなかったようです。 ・・・検針員の怠慢・・・ モォ~!!! リアルガチな「ブルガルスカ・ラボタ」だ~!!!
メインストリート「ロムスコ・ショセ」にクレジット会社が何軒も並ぶ首都の田舎村ナデジュダ・・・ 友人のリリーおばさんと話していたら、そこへやってきたこれまた友人で「ナボリ」(=同い年。つまり”タメ”)のビリーがいきなり、
「ねえねえ、知ってる?サフカ!! つい最近交通事故で死んだんですってヨー!!」 それを聞いてリリーは「え・・・?!」
このサフカというおばさん、実はとんでもない「借金しまくって生き延びる系」の人で、リリーはその被害に遭っていました。被害総額は2500レバ=リリーの年金の半年分。サフカはその金額をリリーの名義で利用し、取り立てはリリーに・・・ そしてサフカとその夫、そして息子はそのままドロン。 そのショックでリリーはその後大病。 でもそのお金を返すことなくサフカは帰らぬ人となり、事故でその行方が判明するという皮肉・・・
リリーのように気のいい年金生活者をあてにして、最初は5レバ、10レバをその日のパン代として「貸して」もらい、ついには数百単位になり、気がつくとトータル数千になっている、という話、結構聞きます。日本人のワタシからすると、「そんなの最初っから貸さないことよ~!!」というのですが、これがブルガリア人のキャラ。 ある面親切で、そのせいもありこの貧乏な国にしては盗難は少ない・・・ 誰かから借りれば犯罪を犯さなくても何とかやっていけるからでしょう。
こういう「借金しまくりサバイバー」は、最近ではソフィア市内、特に庶民の街々(庶民の街リューリンなんかを含む)で、”各住居棟に1~2人はいる”と言っても過言ではありません。1、2レバあれば、パン1個とヨーグルト1パック・・・ それだけで数日は飢え死にしなくて済みます。
不思議なのは共産体制下、安く持ち家を手に入れているのでホームレスではないのですが、普通の人の300レバくらいの年金(もっと少ない年金しかもらってない人も・・・)では、薬代と水道光熱費を払うと、月の食費を捻出するのは至難の業となります。資産はあるけど現金がない、ということでしょう。 年金生活者だけではありません。普通の会社員も「給料未払い」の被害に!! そして借金サバイバーになってしまうケースも。 そんな一人、先回登場した友人のテメヌシュカおばさんと同じ建物に住むエミリアはBNT(つまりはブルガリアの国営放送?)に勤めていますが、彼女によるとここも給料支払いの遅延がつづいているそうで、先日、様子はどうかと聞くとため息交じりに、
「会社、きっと近いうちに閉じるわネ!!」 ええ~っ!! エミリアは年金受給まであと2年弱あります。若くはないからこの期間だけ雇用されるというのはかなりキビシイ・・・ となるとますます借金しまくりに!!
借金して取り立てはされないの?と思うかもしれません。同じ通りに何軒も並ぶ「消費者金融」でも毎月少しでも返済していればそこまで厳しく取り立てられないかもしれません。それでも最終的に借金のカタにアパートを取られた、ということもあるそうですがこのブルガリアでは驚異的に少ないケースのような。個人の借金の場合これがまた、ブルガリア人のキャラと相まって、取り立てるのは「ネブリヤートノ」(=不愉快な)というんだそうで、これに関しては怠慢、非積極的・・・ こりゃ~ますます借金されるしかないよネ~。
ちなみに、上記のサフカの話には続きが・・・ サフカのことを知る友人たちが事故現場を通りかかったところ、そこを渡るのを嫌がっていたおばあさんがいたそうです。そのおばあさん曰く、「先日ここで事故があって、女の人がはねられて足がフッ飛んだところを見たんで渡りたくないのヨ・・・ 怖くって・・・ でも、その女の人、一命は取り留めたらしいわよ。」 えっ!? じゃあサフカは死んでないってこと? でも足がフッ飛んじゃったら後遺症が残ってたぶん障害者認定を受け年金をもらって借金サバイバーを卒業? でも片足を失った代償はそれに値するのでしょうか?