JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

スウェーデンの森の中へ HELLO TROLL / HELGE LIEN

2008-09-24 21:19:10 | 聞いてますCDいいと思う


Helge Lienのアルバム前作の「トゥー・ザ・リトル・ラジオ」は大変好きなアルバムでしたのではとても期待の大きなものでした。
非常に多面的なプレーのできるリエンが、今度はどのような演奏をしているのでしょうか。
そして1曲目、とても驚きを感じて聴き始めました。
これって、亡くなったスヴェンソンのやっていることと同じでないでしょうか。
循環するリズムラインの上にメロディを作りながらテンションを高めていく演奏、これはリエンの今までの感じとは少し違う、1曲目でビックリしました。そしてこれは歓迎です。e.s.tを意識したとしか思えません。
このアルバム、すべてリエンのオリジナルになっているので、前作に比較してより個性のあるアルバムになっています。ということはリエンの曲が好きかで印象は異なってくるでしょう。
2曲目クラシカルな途中からのメロディーがとても好きです。クラシカルなテクニックの裏付けがあります。普通のJAZZピアニストではここまで弾けないでしょう。
3曲目も雰囲気はクラシカルなピアノにアルコのベース、ピッチカートのベースとそれぞれの技量が塩梅良く絡み合って、このように長くグループをやっている利点で、ある意味安定したインプロビゼーションです。
4曲目ラテン調のリズムに、ボー弾きのベースがいい緊張感があるフレーズ、アクセントになります。
この曲では、ドラムス、ステックに持ち替えて思い切り叩いていいのでないでしょうか、爆発を抑制する緊張感が目的だったのでしょうか、e.s.t.の最後の方に感じるストイック感があります。終わり方が未完のような感じがします。
ソロから始まるピアノはとても美しい、ベースとドラムスのリズムと一体とのなったメロディーはもちろん普通のピアニストの域を超えた素晴らしいもの、下手な無駄な音もない、タイミングもいい、音も綺麗に感じます。
6曲目、曲調がにているのは、ベースとドラムス、に対してのピアノが主体的な作りになっていくからでないでしょうか。この曲でのベースソロでベースの存在感を大きく感じたぐらいで、それまで感じませんでした。
7曲目はリエンらしいというか、鋭いタッチで斬りかかるというか、この曲をアルバムタイトルにしていいるのはこれが方向ではないかと思う演奏です。
このアルバム私は2曲にとても緊張を感じます。
聴く私の勝手な想像ですが、タイトルになった7曲目はリエンの本来の演奏、そして1曲目スヴェンソンと同じことを表したかったように感じるのです。
1曲目のスヴェンソンへの思いと7曲目の自分の世界を表現する、間はちょっとまだ未消化の状態のように感じてしまいました。
9曲目大好きな演奏です。
これからすると、素晴らしい着陸点が見つかるような気がします。
多分スヴェンソンが亡くなった事に関係つけて記憶したいと、私が思っているのです。

HELLO TROLL / HELGE LIEN

       Helge Lien(p)
Frode Berg(b)
Knut Aalfjaer(ds,per)

1.gamut warning
2.axis of free will
3.radio
4.troozee
5.diverted dance
6.it is what it is,But it is
7.hello Troll
8.snurt
9.in the wind somewhere

コメント (4)
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