ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

そそるライヴ 3月編

2012-02-29 23:59:20 | そそるライヴ
関東近辺にて3月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。


3/02(金)OWEN @渋谷 O-nest
3/03(土)Tom Freund @鎌倉 Cafe Goatee
3/03(土)Paul Brady @吉祥寺 STAR PINE'S CAFE
3/06(火)Vinicius Cantuaria & Bill Frisell  @渋谷 Mt.RAINIER HALL
3/06(火)Al Jarreau and the George Duke Trio @ビルボードライヴ東京
3/07(水)FRANK McCOMB @丸の内コットンクラブ
3/07(水)Leon Russell @ビルボードライヴ東京
3/07(水)LOU DONALDSON @ブルーノート東京
3/08(木)THE ZOOT16 @タワーレコード新宿店(インストア・イベント)観覧フリー
3/09(金)Cyndi Lauper( with Charlie Musselwhite ) @Bunkamura オーチャードホール
3/09(金)LEW LEWIS BAND @新代田 FEVER
3/10(土)Peace On Earth @日比谷公園 噴水前特設ステージ 入場フリー
3/11(日)Peace On Earth @日比谷公園 噴水前特設ステージ 入場フリー
3/12(月)小南泰葉 @タワーレコード新宿店(インストア・イベント)観覧フリー
3/14(水)Hayley Sales @表参道 スモーク
3/15(木)NRQ @タワーレコード新宿店(インストア・イベント)観覧フリー
3/17(土)BEN L'ONCLE SOUL @ブルーノート東京
3/21(水)Ledisi @ビルボードライヴ東京
3/24(土)Gary Jules & Jim Bianco @鎌倉 Cafe Goatee
3/24(土)Tara Priya @ビルボードライヴ東京
3/25(日)Shanti @タワーレコード渋谷店(インストア・イベント)観覧フリー
3/25(日)THE WILD ROVER 2012 @渋谷 clubasia , VUENOS, Glad , LOUNGE NEO
3/25(日)MOUNT SUGAR @下北沢SEEDSHIP
3/28(水)THE POGUES @Shinkiba STUDIO COAST
3/29(木)MY MORNING JACKET @渋谷 AX
3/30(金)Pascal Pinon @西荻窪 CAFE JUHA
3/30(金)FOUNTAINS OF WAYNE @恵比寿 LIQUIDROOM
3/31(土)春風 @代々木公園野外ステージ周辺 入場フリー&カンパ
4/01(日)春風 @代々木公園野外ステージ周辺 入場フリー&カンパ



お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!

サマーソニック第2弾!

2012-02-28 19:48:50 | フェス、イベント
JAMIROQUAI / EMERGENCY ON PLANET EARTH

サマーソニック出演者第2弾がオフィシャルサイトにて発表になりました!

JAMIROQUAI
FRANZ FERDINAND
PITBULL
FOSTER THE PEOPLE
THE VACCINES
KINDNESS

という6組。思ったより少なかったな…。と言うのが正直な印象。とは言え、ジャミロクワイ、フランツ・フェルディナンドという大物を揃えてくる辺り流石サマソニ。何てったって全盛期には東京ドームでライヴをした程のジャミロクワイと、フジロックでは2度もグリーン・ステージのトリを務めているフランツ・フェルディナンドですからね~。さらにフォスター・ザ・ピープル、ザ・ヴァクシーンズ、カインドネスといった米英期待の新鋭ロック・バンドも気になります。あとピットブル。ラッパーには疎い私ですが、この人、つい先日のNBAオールスターゲームで、クリス・ブラウン、ニーヨをゲストに向かえてド派手なハーフ・タイム・ショーを繰り広げていた人ですよね? なるほど~。

ま、「ルーツな日記」的に気になるビーチ・ステージはまだまだな感じですね。それと例の“Fun,Fun,Fun”の件はどうなったんですかね?




*写真のアルバムはジャミロクワイ、93年のデビュー作「EMERGENCY ON PLANET EARTH」。このデビュー作は衝撃的でしたね~。当時はインディアン・ファンクなんて呼ばれてたりして。まあ、インディアンのイロコイ族(Iroquois)からバンド名をとったことからそう言われてたのかもしれませんけどね。それでもインディアン・ファンクという語感と、冒頭のディジュリドゥの響きがなんともエギゾチックで、さらにアシッド・ジャズが持つクールなクラブ感と、鋭利且つ粘り気のあるファンクネス。極めつけはスティーヴィー・ワンダーを思わせるようなジェイ・ケイの歌唱。これがとにかく新しかった! そしてジャケット・デザインとなってる角の生えたシルエットが妙に格好良くって、まるで連作のアートのように色々なヴァリエーションでリリースされるシングルを買い集めて壁に並べて楽しんだりしてました。今、久々にこのアルバムを引っ張り出して聴いてるんですけど、格好良いですよ!




マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル

2012-02-26 22:34:23 | ソウル、ファンク
Marvin Gaye & Tammi Terrell Sing "Ain't No Mountain" on "The Tonight Show" - Johnny Carson - 1960s


先日、YouTubeをチラチラ見ていましたら、なんと!マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの見たことない動画を発見。しかも口パクじゃないんです! こんな映像あったんですね。この2人のデュエットで口パクではないものを見たのは初めてです。って言うかタミー・テレルにいたっては、そもそも生歌を歌っている姿を初めて見ました。もう感無量です。「The Tonight Show」という米テレビ番組に出演した際の映像のようです。曲はお馴染みの「Ain't No Mountain High Enough」ですが、従来のスタジオ・ヴァージョンとはアレンジがまるで違います。そう言えば音源的にもそのスタジオ・ヴァージョン以外のものは初めて聴きましたね。

ステージ両袖からゆっくりと2人が登場する所からなんかドキドキです。そしてジャズっぽいアレンジが素敵な感じ。いたって自由な感性で歌うタミーに対し、それを見守りながら抜群のスウィング感で包み込むマーヴィン。生ならではの2人の呼吸が感じられます。幸せそうな表情を浮かべるマーヴィンと、思わせぶりにからかうような仕草を見せるタミー。途中、タミーがマーヴィンの手を握り、グッと引き寄せる所が良いですね。その時のタミーの表情がまた何とも言えません。最後にサビを繰り返す所の声の重なりあいも、やはり生歌はまた格別。そして終わり方がまた素敵!


この曲がリリースされたのが67年ですから、おそらくその年にプロモーションのため出演したんでしょうね。もしそうであれば、これと同じ年にタミーはステージ上でマーヴィンの腕の中へと昏倒してしまう訳で、そしてそのおよそ3年後に彼女は亡くなってしまうのです。脳腫瘍のため、24歳の若さで。その死のショックからマーヴィンは音楽活動を一時休止。そして「WHAT'S GOING ON」へと大きく舵を切るのです。




それにしても、こんな貴重な映像がパソコンで気軽に見れてしまうなんて、良い時代になりましたね。この映像を繰り返し見ながら、2人のデュエットにうっとりしています。




Marvin Gaye & Tammi Terrell (Beautiful quality) - Ain't No Mountain High Enough

こちらは同曲の有名なPV風ビデオ。ここでのタミー・テレルも堪らない程チャーミング!!



MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL / COMPLETE DUETS COLLECTION
マーヴィン&タミーのデュエットをコンプリートで収録した2枚組。極上デュエットがたっぷり味わえると同時に、病いと闘いながら録音に臨んだタミーの姿が目に浮かびそうで、涙無しには聴けません…。



TAMMI TERRELL / COME ON AND SEE ME : THE COMPLETE SOLO COLLECTION
こちらはマーヴィンとのデュエットではない、タミーのソロ録音を集めたアンソロジー盤。貴重な音源ばかりですが、最注目は数曲のライヴ音源。タミー・テレル独特のセクシーさを堪能出来ます。

ベン・クウェラー@新宿タワーレコード

2012-02-25 23:47:16 | インストアイベント

インストア・イベント観覧記その2 ベン・クウェラー@新宿タワーレコード

2月24日、新宿タワーレコードにてベン・クウェラーのインストア・ライヴを観てまいりました。21時スタートという、インストア・イベントにしては遅い時間帯にも関わらず、沢山の人が集まっていました。

テキサス育ちのシンガー・ソング・ライター、ベン・クウェラー。5作目となるソロ・アルバム「GO FLY A KITE」をリリースしたばかり。元々は90年代にラディッシュというポスト・グランジ系のバンドをやっていたそうですが、私はソロになってからの作品しか聴いたことはありません。また、ベン・フォールズ、ベン・リーと共にザ・ベンズとしても活躍し、米ポップ界3 大ベンの一人とされているとか。前作にあたる2010年リリースの「CHANGING HORSES」はカントリー色の濃い彼流ルーツ探訪アルバムになってまして、これがなかなか格好良いんですよ~。

さて、この日のインストア・ライヴ。登場するやいなや声を上ずらせながら「シンジュク~!」と叫ぶなど、闊達とした雰囲気でテンポ良く楽器やマイクの準備を済ませ、勢いよく新作から「Mean To Me」でスタート。エグく歪ませたアコギを弾きながら歌うベン・クウェラー。彼の瑞々しいハジケ具合が妙に気持ち良い! アルバム・ジャケットの写真なんかではモサ~っとした雰囲気なんですけどね。いや~、引き込まれますよ。サポートにはベーシスト、ギタリスト、そしてリズムを担うタンバリン奏者の3人。ベーシストとタンバリン奏者の2人はコーラスも受け持ってました。ポップ且つ歪んだロックンロール。格好良い!

2曲目も新作から「Full Circle」。ここからベンはアコギを歪ませずに使う。フォーク・ロック/カントリーロック的なサザン・フィーリングが感じられる曲。こういうの良いですね~。続いてやはり最新作から「Jealous Girl」。キャッチーなフックを持ったロックンロール。ベン・クウェラーって人は良い曲書きますね。爽快感のなかにセンチメンタルな蒼さを感じさせる、ポップでありながらエッジは効いている。格好良い! ラストはファーストソロ作から名曲「Walk On Me」。曲名が告げられると女性客から悲鳴のような歓声が上がってましたね。ギターソロではまたエフェクターを踏んでアコギを歪ませてました。いや~、それにしてもホント良い曲です。で、それをちゃんと良い曲に聴かせながらライヴならではの荒々しいエネルギーに溢れてる。たった4曲でしたが、最高のライヴでした。曲間のMCもインストアらしい和気あいあいとした雰囲気で楽しかったです。

正直、翌日に行なわれる下北沢でのライヴに行きたくなっちゃいましたよ。ま、貧乏なので行けませんけどね…。あ、ちなみに最新作「GO FLY A KITE」もまだ買えてません…。




BEN KWELLER / CHANGING HORSES
こちらはカントリー色濃い前作「CHANGING HORSES」。


ありがとう!フジロッカーズ掲示板!!

2012-02-24 18:00:26 | フジロック
先日、いよいよFUJIROCKERS.ORGのサイトが2012年ヴァージョンにリニューアルされました。それと同時に、とっても悲しいことに、あのBBSが閉鎖されてしまいました。「LET'S GET TOGETHER BORAD」の時代から、長い長い役目を終えたということですかね。このBBS、フジロックにはなくてはならない存在でしたし、ある意味フジロックの象徴のような存在だったとも思っています。とは言え私はただ見てるだけで、書き込みしたことは一度もないんですけどね…。そんな私でも、この閉鎖はやっぱり寂しいですよ。

私が初めてフジロックに行ったのは98年、第2回の豊洲の時でした。その時からフジロックのBBSはほぼ毎日チェックしていました。仕事から帰って、パソコンを付けてフジロックのBBSをチェックするのが本当に楽しみでした。不特定多数のフジロッカーズ達がフジロックについて語り合っている、それを読んでるだけでワクワクしたものです。

あの頃は恒例のすっぱ抜きもBBS上で行なわれていたように記憶しています。いつすっぱ抜かれるかわからないので、毎日ドキドキしながらチェックしていました。もちろんすっぱ抜きがなくても、常連さん達が有意義な話題を提供してくれて、毎日それを楽しみに読んでました。するとある日突然、誰々がー!! 誰々もー!!みたいな興奮の書き込みで溢れ変える訳です。うわー!すっぱ抜きかー!と思い、ページを遡る。しかしすっぱ抜きの後は書き込みが集中するので、なかなかスッパ抜き本体に辿り着かない。何ページも遡ってやっとその書き込みを目にした時の喜び!!

あと初期の頃は日高社長がインタビューで発表前のアーティスト名について変な日本語訳でヒントをくれたりして、それについてBBSで、あれはあの人じゃないか?この人じゃないか?と解明しあったり。もちろんガセネタに一喜一憂したりもしました。またこのBBS上でフジロック初参加の人や、キャンプする方々などの情報交換も頻繁に行なわれ、まさにフジロッカーズ達がネットという媒体を使って繋がりあう場となってました。あと訳の分からない“荒し”に翻弄されて大激論になったこともありましたっけ。またフジロックに対して否定的な書き込みも削除せずに残す管理の仕方も好きでした。その辺もフジロックらしいなと。

まあ、そんなこんなひっくるめて、私にとってこのBBSは間違いなくフジロックの一部でした。フジロックを中心に一年が回っているのなら、このBBSがその時を刻んでくれていたのです。

ですがここ数年はすっぱ抜きもなくなってしまい(一部の方が自主的にすっぱ抜いてくださったりしていましたが)、さらにツイッターやフェイスブックが広まるにつれてBBSへの書き込みもめっきりと減ってしまいました。そんな状況を見てなんだか寂しいなと思っていたのです。まあ、自分で書き込んだことがない私がそんなこと言えたあれではないんですけどね…。さらに大量のスパム。そしてついに閉鎖。残念でなりません。


でもFUJIROCKERS.ORG自体が無くなった訳ではありませんからね。これからもフジロックに向けて、益々の内容の充実に期待しています!


フジロッカーズBBS、長い間ありがとうございました! またBBSを管理してくださった皆様、お疲れさまでした!!

ボビー・ウーマック@ビルボードライヴ東京

2012-02-23 23:58:21 | ソウル、ファンク
BOBBY WOMACK / RAW

2月22日、ラスト・ソウル・マンことボビー・ウーマックのライヴを観に、ビルボードライヴ東京へ行ってまいりました。私が観たのはこの日の1stショー。今回の来日公演の初回ライヴです。

もうね、ボビー・ウーマックが来るっていうだけで結構なミラクルですよ! なにせ17年振りの来日ですから。ソウル・ファンの誰もが待ち望んだ待望の来日公演ですよ!チケットの売れ行きも異様に早やかったようですしね。ちなみに私はカジュアル席、ステージ向かって右サイドから見下ろす感じの席を予約しました。

開演予定時刻から少し遅れて始まったステージ。まずはバンド・メンバーが登場。ドラムス、ベース、ギター、キーボード×2、ホーン隊3名、女性コーラス3名という大所帯。ファンキーなリズムが“ラスト・ソウル・マン”への期待をさらに募らせるなか、程なくして左奥からボビー・ウーマックが姿を現す。いきなり観客の握手攻めに遭いながらステージに上がる。 真っ赤なスーツに真っ赤な帽子。挨拶代わりにロング・シャウトを決める!!本物です!!

いきなり代表曲「Across 110th Street」。72年の映画「110番街交差点」のタイトル曲。ニュー・ソウル~ブラック・シネマというあの時代の名曲ですよね。これを生で聴ける喜び。ホーン隊が良い感じ。そして「シャナナ~」のコーラスが印象的な「Harry Hippie」。この曲ではバック・ヴォーカルの女性の一人が前に出てきて、艶やか且つパンチの効いた美声を披露してくれました。さらにフリー・ソウル界隈でも人気のメロウ・ファンキーな「Daylight」。そこからしっとりスローな「I Wish He Didn't Trust Me So Much」へ。

いつしかボビーはジャケットも帽子も脱いでかなりラフな感じに。その雰囲気はほとんど酔っぱらった田舎のおじいちゃんな態であり、声にもそんな年輪を感じさせる渋みと灰汁が濃厚でありながら、衰え知らずなディープ・シャウトを決めまくる。しかもそれでいてトロットロなソウル感を醸すという、老いてなお盛んな超人振り。いや~、凄いですよ。まさにラスト・ソウル・マンここに有りです! しかも、やたら語る。スローな曲などでは特に曲中で語る。でもその語りが妙にソウルフルで、さらに歌い始めの声でグワッ!と持っていく。その辺のさじ加減にも脱帽。

大名曲「That's The Way I Feel About Cha」。これほどミラーボールが似合う曲もあまりないんじゃないですか? 上から眺めてると会場中がキラキラしてて、それとこの曲のメロウネスが合わさってホント夢心地でした。途中、コーラス隊とは別の女性が一人紹介され、一節を歌っていましたが、誰だったんですかね?ボビーの娘さんですか?ちょっと分かりませんでしたが…。続いてまたも大名曲「Woman's Gotta Have It」。いや~、大好きなんですよ、この曲! ネヴィル・ブラザーズのカヴァーも素敵ですけどね、やっぱり本家本元ですよ!さらに「(You're Welcome) Stop On By」。しかも曲中でマーヴィン・ゲイについて語り出し「What's Going On」を歌い出すという展開。良いですね~。それにしてもこの中盤に70年代前半の名曲を固め打ちされたのには参りましたね。やはりこの時代のボビー・ウーマックは特別ですよね。

71年にユナイテッド・アーティスツからリリースした最初のアルバム、それが「That's The Way I Feel About Cha」を収録した「COMMUNICATION」でした。このアルバムから既にボビー自身のセルフ・プロデュースによって、サザン・フィーリング&ニュー・ソウルな独特の音世界を確立していました。これってかなりヒップな感覚だったと思うんです。ボビーの凄みって言うのは、シンガー、ギタリスト、ソングライターとして超一流であることはもちろんなんですが、それ以上に彼ならではの空気感をものにするプロデュース力にあったと思うんです。そういった空気感て言うのは、もちろんライヴにも顕著だったと思います。バンド・サウンドを自分の手足のように操るボビー。その動きはおじいちゃんの如くに怪しい感じでありながら、その腕の一振りにバンドが着いていく。そしてブラス・セクションを煽り、コーラス隊を鼓舞し、その空気を徐々にディープに染めていく。老いたとは言えまぎれもないボビー・ウーマックのソウル感ですよ!

そして案外この日のハイライトは次の曲だったかもしれません。まずバックの演奏無しでボビーが「ア~~~~~」と渋いシャウトで唸り出す。もうこの声が素晴らしく味わい深くて、さらに「ワズボ~~ン」と来てバンドのリズムが合流。場内から割れんばかりの拍手。「A Change Is Gonna Come」です。サム・クックですよ! ボビー・ウーマックってソロ・デビュー前はヴァレンティノスとしてサム・クックのサー・レコードに所属してたんですよね。サム・クックのバックでギターも弾いてました。言わば師匠ですよ。なんか感慨深かったですね~。さらにこの曲では先程とは違う女性バック・ヴォーカルの一人がフューチャーされてまして、実は後で知ったことなんですが、この女性、サム・クックのお孫さんらしいです。

そしてそのヴァレンティノス時代の「Looking For A Love」。この曲ではボビーのもう立っちゃおうよ!的なジェスチャーで観客総立ちに。81年「POET」からのヒット曲「If You Think You're Lonely Now」。これも良い曲ですよね~。ボビー・ウーマックならではのメロウな感覚が堪らない! さらに『ジーザス!~』というサビが印象的な曲。この曲はちょっとよく分からなかったんですが、どうやら「Jesus Be A Fence Around Me」という曲だったようです。99年のゴスペル作「BACK TO MY ROOTS」に収録された曲ですね。作者はなんとサム・クック! ソウル・スターラーズ時代の曲ですね。元々ボビーはゴスペル・グループからキャリアを始めたことを考えれば、それを伺わせるこういう選曲も嬉しいですね。

さらにアルトサックスの素晴らしいイントロから始まった「 (No Matter How High I Get) I'll Still Be Looking Up to You」。このスローも味わい深かった!そしてラストはこれも名曲「Love Has Finally Come At Last」。ボビーの込み上げるようにソウルフルな歌唱にゾクゾクさせられました。またコーラス隊との兼ね合いも見事! 最後は真っ赤なジャケットを着直し、帽子も被り、そして再び握手攻めに遭いながら退場。まさにラスト・ソウル・マン!

1時間20分ぐらいだったでしょうか?もう少し演ってたのかな?かなり押してたようですけどね。全盛期やもう少し若い頃のボビー・ウーマックを体験している方々にとっては、色々な意味で感慨深いものがあったかもしれません。でも私は今回が初めてだったので、まず、観れて良かった! そしてボビー・ウーマックのソウルを充分過ぎる程、堪能出来ました。67歳ですからね。歩く時は杖を突いてましたし、体調も悪いという噂もあります。確かに椅子に座って歌っている時間も長かったかも。それでも1日2ステージ×2日ですからね。凄いです!天晴です!!

あ、そう言えば、何処かの曲のイントロでボビーは一回だけアコースティック・ギターを弾いてました。でももどの曲だったか忘れてしまいました…。正直、そのギタープレイについては、良いんだか悪いんだかよく分からないうちに終わってしまったような感じでしたが、何はともあれ、ボビーがギターを弾く姿が観れて良かったです!


セットリストは以下のような感じだったようです。(間違いがあったらごめんなさいね)

01. Opening
02. Across 110th Street
03. Nobody Wants You When You're Down & Out
04. Harry Hippie
05. Daylight
06. I Wish He Didn't Trust Me So Much
07. That's The Way I Feel About Cha
08. Woman's Gotta Have It
09. (You're Welcome) Stop On By
10. A Change Is Gonna Come
11. Looking For A Love
12. If You Think You're Lonely Now
13. Jesus Be A Fence Around Me
14. (No Matter How High I Get) I'll Still Be Looking Up to You
15. Love Has Finally Come At Last


BOBBY WOMACK(Vocals)
LISA FRAZIER(Vocals)
LISA COULTER(Vocals)
ZEKKUJCHAGULA ZEKKARIYAS(Background Vocals)
CORI JACOBS(Keyboards)
SUNDRA MANNING(Keyboards)
CHARLES GREEN(Saxophone)
BRIAN MANTZ(Trumpet)
Ermuelito Navarro(Trombone)
WOODWARD APLANALP(Guitar)
ELBERT ALLEN JR(Bass)
ARNOLD RAMSEY(Drums)



*写真は会場で買ったボビーのCD。2010年リリースのアンプラグド的なライヴ盤のようです。

78年のジョン・レノン

2012-02-20 23:34:39 | 余話
今日、ふらっと入った銀座の喫茶店「カフェーパウリスタ」。78年にジョン・レノン&ヨーコ・オノ夫妻が訪れたお店とのこと。

店内に入り、適当に空いてる席へ座る。セット・メニューについてウェイトレスさんに問いかけると、コーヒーについての説明をしてくれて、ちょうど私達が腰掛けたその席でジョン・レノン夫婦が「パウリスタオールド」というコーヒーをいただいたとか。「えー!この席で!?」と驚きを隠せないなか、迷わずパウリスタオールドを注文。当時の面影を残していると思われるレトロな雰囲気の内装を眺めながら、待つことしばし、そのパウリスタオールドが登場。白いカップの中で揺れる黒いコーヒー。そのほろ苦い風味を味わいながらジョン・レノンに思いを馳せる。78年のジョン・レノンに…。


78年と言えば、あのセックス・ピストルズが解散した年でありながら、まだまだパンクの残り香がロック界を牽引していた時代。その一方でその年度のグラミー賞最優秀アルバム部門は映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサウンドトラックが受賞するなど、ディスコ・フィーバー真っ盛りだったり。ちなみにローリング・ストーンズが「女たち」をリリースした年でもあります。その78年、ジョン・レノンは何をしていたかと言いますと、愛息ショーンの良きパパとなっていました。

75年にショーンが誕生し主夫宣言をしたジョン・レノン。それからおよそ5年に渡ったジョンの主夫生活、その間、77年から79年の3年間は毎年夏になると家族で日本を訪れていたそうです。その時滞在した軽井沢の万平ホテルや、箱根の富士屋ホテルはジョン所縁の地として有名ですね。そしてその頃、銀座を訪れ立ち寄ったと思われる「カフェーパウリスタ」。しかも三日三晩通うほど気に入ったとか。

それから2年後の1980年11月、ジョンは復帰し名盤「ダブル・ファンタジー」をリリース。そしてそのおよそ一ヶ月後の12月8日、凶弾に倒れます。


ジョンはヨーコとこのお店で、この席で、いったい何を語り合ったんでしょうね? このパウリスタオールドを飲みながら。そんなことを考えながら、ジョンが飲んだのと同じパウリスタオールドをすすると、なんだか一瞬、ジョンがここに居たあの時の空気に触れたような、そんな不思議なタイムスリップ感を覚えたひと時。


*お店の入口には、ジョン&ヨーコ夫妻が来店時にサインしたカップ&ソーサーの写真(写真上)が飾られてました。



嗚呼、フジロック早割@岩盤

2012-02-18 23:10:33 | フジロック

今日は、早朝から渋谷パルコに軒を構えるFRFオフィシャルショップ「岩盤」に行ってまいりました。もちろんフジロックの早割チケットを買うためです。そう、先日の抽選にハズレたフジロッカーズにとって、ここ岩盤は早割チケを買うための最後の砦なのです。しかしその砦はなかなかに難攻不落なのでありました。

まあ、始発ぐらいで渋谷に行けば充分買えるだろうと高を括っていたのが大きな間違いでした。前日の夜12時前後の時点で岩盤のツイッターが既に400人くらいが並んでいるという状況を発信。発売数は600セットですからね。まあ、600と言ってもあくまでもセット数であり、2人で1セット買うパターンもあり得る訳で、必ずしも『並んだ人数=セット数』ではないのですが、正直この数字には驚きましたね。少なくとも400人以上が徹夜覚悟な訳で、しかも雪が降る中という状況ですよ。私のように翌朝6時前に着けば良いかな?なんてお気楽な考えで臨もうとしてる人間の出る幕無しな雰囲気…。

それでも一応、朝4時半過ぎに起きて渋谷に向かいました。すっかりフジロッカーズとなった妻と一緒に。そしてパルコに着いて驚きましたね。スペイン坂方面の入り口を先頭に、列はあの大きなビルを時計回りに一周し、もとの入り口に戻ってきてさらに折り返し、公演通り側の入り口付近にやっと最後尾がある感じ。しかもその間にある2つの螺旋階段の中にまで列は入り組んでいるという、知らない人が見たら何事か?と驚愕するであろう状態。まあ、知ってる私が見ても何事ですか?って感じでしたけどね。だってまだ朝の6時前ですよ? お馴染みのカラフルなアウトドアチェアが並びフジロッカーズらしい雰囲気を醸し出しているものの、ほとんどが徹夜組なだけあり、なかなか死屍累々な壮絶さ。その様子を見て、こんな遅くに来てすいません、と思わず謝りたくなっちゃいましたね。

さて、とりあえず最後尾に並ぶやいなや、スタッフさんから「既に700人程が並ばれてるので、今から並んでもチケットは買えないかもしれません。」的なことを言われつつ、そんなことは百も承知!と気合いを入れ直す。まあ、とにかく寒かったですね! もちろん徹夜組の寒さはこんなものではなかったことでしょうが、それでもかなり寒い。整理券配布が6時からなので、すぐに解放されると踏んでいたのですが、列は遅々として進まない。寒さはつのるばかり。妻と交代でマックに暖を取りに行ったりしながらなんとかしのぎました。

徐々に進み始めた列がようやく半分程の地点にたどり着いた頃、スタッフさんによる「駐車券は売り切れました」との声。そしてさらに進んで「チケットあと100枚」。その時点で前方を眺めると、どう見ても200人程度居る。どうなのこれ?と思いながらも列から離れる人はほとんど居ない。そしてその列がなかなか進まないなか残りチケット数は「あと60枚」、「あと40枚」みたいな感じに告げられていく。それでもみんな並び続けてる。もう、チケットが欲しいんではなく、「完売しました」の一声が聞きたいがために並んでる感じ。

その後も無情なカウントダウンが続く中、「どっかからチケット100枚ぐらい出てきて追加されないかな?」なんて冗談を言ってる間に遠くから「完売!」と叫ぶ声が聞こえたような…。今「完売」って言ってなかった?マジで?と確認しあっている間に目の前の列が崩壊。みんなわらわらと前方へ向かって歩き出す。その様子を見て、あ~、終わった、と悟る。私達もその波に乗って歩き出す。辿り着いた先には、業務を終えた受付カウンターと、それをバシバシと携帯で撮りまくるフジロッカーズ達という、なんとも微笑ましい風景。たかが早割、されど早割。


という訳で、残念ながら早割チケットを取ることは出来ませんでした。朝早く起きたことも、寒い中およそ2時間半並んだことも、全てが無駄になってしまった瞬間、思わず妻と爆笑してしまいました。ま、良いじゃないですか! なにはともあれ、確実にフジロックの季節がやってまいりました!


岩盤に並んだ皆様、本当にお疲れさまでした。


 

DR. JOHN@ビルボードライヴ東京

2012-02-16 14:45:57 | ニューオーリンズ
2月15日、ビルボードライヴ東京にて、ドクター・ジョンを観てまいりました! 私が観たのはこの日の2ndショー。今回の来日公演最終ステージです。

ほぼ定刻、まずはバック・バンド、ザ・ロウワー・911のメンバーがステージに登場。ジョン・フォール(g)、デヴィッド・バラード(b)、レイモンド・ウェバー(ds)の3人。そして始まったのはなんと「Iko Iko」。いきなり~!!しかもドクター・ジョン抜きで?みたいな雰囲気の中、しばらくしてステージ左奥からドクター・ジョン様登場。拍手喝采を受けながら、お馴染みのジャラジャラと飾り付けられた杖をつきながらゆっくりと。ストライプのスーツにハンチング、そしてサングラス。首からやはりジャラジャラとしたものをぶら下げてる。ドクターらしい派手&妖しいお洒落。そしてピアノの前に座り歌い始める。あのしゃがれ声!! ピアノも良い!!やっぱりドクター・ジョンの歌い弾く「Iko Iko」は格別ですね。

続いてデューク・エリントン「Caravan」をスローな妖しい雰囲気で。この曲ではドクターはオルガンを弾いてました。ステージ中央にピアノとオルガンが向かい合わせにセットされてまして、公演前半はほぼ交互な感じでピアノ弾いたり、オルガン弾いたりな感じでした。もちろんピアノ&オルガンの上は、なにやらジャラジャラしたものや、しゃれこうべ的なもので飾られていて、妖しい雰囲気を醸していました。

前半印象的だったのは「Mama Roux」と「I Walk On Gilded Splinters」。68年のデビュー作から2曲続けてというディープな展開。「Mama Roux」の漂うようなトロピカル感と、そこに軽快に絡むドクターの歌声が気持ちよかったです。そしてヴードゥー感全開の「I Walk On Gilded Splinters」。これはまさにドクターの“魔術”がじわじわと浸透していくような演奏。途中、ピアノの上にあった例のジャラジャラや、巨大な蟹のハサミ?みたいなものを、骨?のような棒で叩きながらステージ上を徘徊してました。妖し過ぎる~。でもそこが格好良い!!

そしてニューオーリンズ印のピアノ・イントロから始まる「Qualfied」。名盤「IN THE RIGHT PLACE」収録のファンキー・ナンバーですね。やっぱりこういう曲は上がりますね。ブレイクでのピアノのハネ具合も最高でしたし、途中、左手はピアノで伴奏しながら、右手を後ろに延ばしオルガン・ソロを弾くなんていう場面もあって痺れました。そしてまたふくよか且つタイトなリズムを演出するバンドの演奏が良い! 昨年亡くなられた名手ハーマン・アーネストに代わってドラムスに座るレイモンド・ウェバー、彼もニューオーリンズを代表する人気ドラマーですよね。 そしてデヴィッド・バラードのベース。アダルトなグルーヴの中に流石はニューオーリンズな瑞々しい躍動感が溢れてました。そして的確なバッキングだけでなく各所で秀逸なソロも披露したギタリスト、ジョン・フォールも見事でした。

そしてドクター・ジョンがギターを弾きながら歌った「Wang Dang Doodle」。ハウリン・ウルフ、ココ・テイラーで知られるウィリー・ディクソン曲ですね。何故この曲なのかはよく分かりませんが、ドクターのライヴでは度々お目にかかる曲のようです。最近ではシンディー・ローパーとのツアーでこの曲を彼女と共演したことが話題になってましたね。で、ドクターのギターですが、味わいのある切れ味でした。やっぱりそのタイム感には譲れないニューオーリンズ臭を感じましたね。そして立ってギターを弾く姿も格好良かった!

ギターでステージを沸かしたあと、ピアノに戻って弾き始めたフレーズ。エレガントな洒落た響きに何処か枯れた風合いが漂う。「Such A Night」です! やはりドクター・ジョンと言えばこの曲ですよね。このままインストでもいいかも?ってぐらい長めなイントロがまた極上で、そのピアノの音色に観客達も静かに聴き惚れる感じ。そしてドクターがいよいよ『サッチャナイ~』と歌い始めると一際大きな拍手。この歌ですよ! いや~、この味わいはドクターにしか出せない唯一無比のもの。これぞドクター節。さらに終盤には素晴らしいピアノ独奏ソロもあったりで、ホント最高でした。

そして89年のアルバム「IN A SENTIMENTAL MOOD」から「Makin' Whoopee!」。この曲ってリッキー・リー・ジョーンズとのデュエットでグラミー賞のジャズ・ヴォーカル部門を獲ってるんですよね。この選曲も嬉しかった!そして「TRIBAL」からの「Potnah」を挟んで「When the Saints Go Marching In」。と言ってもあの明るいあれではなく、「N'AWLINZ DISDAT OR D'UDDA」収録の重いゴスペル・スタイル。アルバムではメイヴィス・ステイプルズが重厚な歌声を聴かせてくれましたが、ここではベーシストのデヴィッド・バラードが素晴らしくソウルフルな喉を披露してくれる。そのデヴィッドとドクターの歌い継ぎがまた何とも言えない深い陰影を感じさせてくれましたね。

ステージもいよいよ終盤。トラディショナルなゴスペル曲「Lay My Burden Down」。アップテンポな昂揚感が会場の熱気をぐんぐん上げていく。そしてトドメの「My Indian Red」。あのTREMEのサントラにも収録されていたこの曲。これはもうニューオーリンズの楽しさ満開。インディアンの土っぽい伝統とセカンドラインな弾力が会場をうねるように巻き込んでいく。ドクターの歌とピアノも弾けまくる。途中、「Down By the Riverside」を挟む展開も圧巻でした。そして観客の握手攻めに遭いながらステージを去るドクター。およそ1時間30分、見事にドクター色に染められた一夜でした。


セットリスト↓

01. Iko Iko
02. Caravan
03. Feel Good Music
04. Mama Roux
05. I Walk On Guilded Splinters
06. Qualified
07. Wang Dang Doodle
08. Such A Night
09. Black Widow
10. Makin Whoopee!
11. Potnah
12. When the Saints Go Marching In
13. Lay My Burden Down
14. My Indian Red~Down By The Riverside


それにしても見事なセットリストでしたね。いきなり代名詞的な「Iko Iko」で始まり、代表曲やマニアックな選曲を含めながら、最後は「When the Saints Go Marching In」からのニューオーリンズ印のトラディショナル3連発。天晴でした。ちなみに各ステージごとにセット・リストはガラッと変わったようです。私が見たステージでは演らなかったあの名曲やら、あんなカヴァーやら、見所、聴き所がそれぞれ満載だったようです。ま、それはまた次回、来日してくれた時にうまく巡り会えば、って感じですかね。きっと新作を携えて近々来てくれることでしょう。ドクター・ジョン自身、もう70歳を超え、杖をつきながらその歩き方もゆっくりだったとは言え、まだまだ元気でしたから!

ホイットニー・ヒューストン

2012-02-15 17:06:49 | R&B、HIPHOP
遅ればせながら、ホイットニー・ヒューストンさん、安らかに。

Whitney Houston - Greatest Love Of All




時代を作った偉大なアーティストでしたね。そして現在まで続く黒人女性シンガーの道筋を作った人だったとも思います。完全復活が待ち望まれる中での早過ぎる死。残念でなりません。