8月27日、丸の内のコットンクラブにて、ニューオーリンズを代表するアルト・サック奏者の一人、ドナルド・ハリソンのライヴを観てまいりました。私が観たのはこの日の2ndステージ。
ほぼ開演予定時刻に場内が暗転し、メンバーが拍手で迎えられながらステージに登場。ドナルド・ハリソンを中心に、全員ニューオーリンズ出身者で揃えたクインテットのメンバーは、ステージ向かって左からConun Pappas, Jr. (p)、Max Moran (b)、Joe Dyson (ds)、Detroit Brooks (g)、という布陣。このうちConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの3人はTHE BRIDGE TRIOというジャズ・トリオでも活躍するまだ20代の若手達。そしてDetroit Brooksは、80年代以降、エディー・ボ、カーミット・ラフィンズ、ドクター・マイケル・ホワイト、そしてドナルド・ハリソンなどのアルバムに参加してきたベテラン・ギタリスト。私は丁度、Detroit Brooksの目の前かぶりつきで堪能させていただきました。
1曲目はドナルド・ハリソンのオリジナル「Free To Be」。ジェイムス・ブラウンの「Cold Sweat」を思わせるベース・ラインがグルーヴィーに引っ張っていくジャズ・ファンク。暖かく柔らかな音色で吹きまくるドナルド・ハリソンのアルト・サックスに痺れまくりでした。終盤のドラム・ソロも格好良かった!
2曲目からはジャズの名曲が続きます。まずはアート・ブレイキーの「One By One」。元々ドナルド・ハリソンはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに参加して頭角を現した人ですからね。まずは挨拶代わりに師匠ゆかりの曲をといった感じでしょうか。
そして「When The Saints Go Marching In」。ニューオーリンズ・ルーツな曲もやってくれるだろうと思ってはいましたが、まさかスタンダード中のスタンダード「聖者の行進」を持ってくるとは意外でした。ですがかえって100%ニューオーリンズのメンバーが演奏する「聖者の行進」って日本で聴ける機会は少なかったりするので、ホント至福の瞬間でしたね。ヴォーカルはドナルド・ハリソンとDetroit Brooksが分け合って、観客の手拍子も入り、楽しい雰囲気でした。跳ねるスネア、転がるピアノ、軽やかに舞うアルト・サックス、やっぱりニューオーリンズって良いですね!そしてギター・ソロが渋かった!!
デューク・エリントンの「Take The A Train」、チャーリー・パーカーで知られる「Cherokee」と続き、現行ニューオーリンズ・ジャズ・シーンの旗手によるジャズ・スタンダードに酔いしれました。特に「Cherokee」での疾走するようなスウィング感は圧巻でしたね~。
やはりアルトを吹くドナルド・ハリソンの存在感は格別でしたが、MCやメンバー紹介で日本語を交えながら、ちょいちょいギャグを挟んだりして、ジャズ・ライヴという若干の緊張感に包まれた雰囲気を、いい感じに和ませてくれていたのも印象的でした。
さて、ステージも終盤、「Iko Iko」が始まるといよいよニューオーリンズの空気が濃厚となってまいります。誰もが知っているニューオーリンズ・クラシックですが、その根っこにはマルディグラ・インディアンのチャントがあります。実はドナルド・ハリソンはマルディグラ・インディアンの家系出身で、インディアン・ソング縁のアルバムも出したりしている人なんです。なので単なるスタンダードではなく、彼のルーツを感じさせる選曲は嬉しいですよね~。もちろん会場も盛り上がりました。
そして本編ラストはまさかの「Hey Pocky A-Way」。もちろんミーターズのあの曲。これもマルディグラ・インディアンのチャントから出来た曲ですよね。いや~、これはファンキーでしたよ!これまでアップライト・ベースを弾いていたMax Moranもエレキ・ベースに持ち替え、うねるようなインディアン・グルーヴを演出してましたし。私もこれまで色々な「Hey Pocky A-Way」を聴いてきましたが、これは相当格好良い「Hey Pocky A-Way」でした!ドナルド・ハリソンのヴォーカルも良かった!
ステージの端っこにこれまで誰もそれを使うそぶりを見せなかったコンガが用意されていたのですが、最後の最後で、まさかのドナルド・ハリソン自身がコンガ・ソロを披露してくれました。手をクロスさせたり、肘を絡めたり、ドラムスとの掛け合いになったりと、なかなか見せてくれました。そしてそのままJoe Dysonのドラム・ソロへ。途中、ドナルド・ハリソンが何やらJoe Dysonに指示を出したりと、ほとんど教師が生徒に試練を与えてるような雰囲気だったりもしましたが、見応えのあるドラムソロでした。そう言えばドナルドはドラムスの彼のことを“ベイビー”と呼んで可愛がっているようでしたね。実は、このJoe DysonをはじめTHE BRIDGE TRIOの3人は元々ドナルド・ハリソンの教え子だったとか、そんなことをMCで話していたように聞こえました。(違ってたらごめんなさい。なにぶん私、英語が苦手なもので…)。
ドラム・ソロから再び「Hey Pocky A-Way」に戻りステージは終了。もちろん拍手喝采が鳴り止まない。そのままアンコールへ突入しての「Soul To Soul」。07年のアルバム「3D」収録曲ですが、アダルトでムーディだったそれより、断然ファンキーでソウルフル!やっぱりライヴは良いですね!最後は観客達のスタンディングオベーションによる熱い拍手に包まれて終了。
見る前は、いかにもジャズなマニアックな選曲なのかな?なんてちょっぴり不安も有りましたが、蓋を開けてみれば、私のようなジャズ初級者にも分かりやすい選曲でしたし、ニューオーリンズ色も濃く、ファンキー且つソウルフルな演奏に、あっという間のおよそ1時間20分でした。若手の瑞々しい感覚と、ベテランの手練手管、それらがお互いの信頼関係によって見事に纏められたかのような見事なステージでした!!
この日のセットリスト
01. Free To Be
02. One By One
03. When The Saints Go Marching In
04. Take The A Train
05. Cherokee
06. Iko Iko
07. Hey Pocky A-Way
-------------------------------
08. Soul to Soul
終演後はお楽しみのサイン会。私もいくつかサインを頂きました。
DONALD HARRISON JR. / INDIAN BLUES
こちらは91年録音のマルディグラ・インディアンとジャズが融合したドナルド・ハリソンらしい作品。ゲストにドクター・ジョンの他、ドナルド・ハリソンのお父さんも参加しています。(せっかく頂いたサインがビッグ・チーフの伝統的衣装と重なって見えにくいですが…。)
DONALD HARRISON, JR. AND THE TIPITINA'S INTERNS VOL. 1
こちらは会場で買ったCD。ティピティナス・インターンシップ・プログラムという音楽プログラムの生徒達(卒業生?)による作品でしょうか?ドナルド・ハリソンはこのプログラムの指揮をとっているんですかね?その辺りちょっと良く分からないのですが…。もちろんドナルド・ハリソン自身も演奏に参加していますし、プロデューサーも務めています。Max Moranがほとんどの曲でベースを弾き、Joe Dysonも1曲でドラムを叩いています。で、気になるのが多くの曲でドラムスを担当しているRaymond Weber Jr. という人物。おそらくジャケ写のドラマーさんその人だと思うのですが、かのレイモンド・ウェバーの息子さんですかね?どうなんでしょう?アルバムの内容はと言いますと、これがファンキーで格好良い!!ドナルド・ハリソン、そしてConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの若手3人集からサインを頂きました。
ほぼ開演予定時刻に場内が暗転し、メンバーが拍手で迎えられながらステージに登場。ドナルド・ハリソンを中心に、全員ニューオーリンズ出身者で揃えたクインテットのメンバーは、ステージ向かって左からConun Pappas, Jr. (p)、Max Moran (b)、Joe Dyson (ds)、Detroit Brooks (g)、という布陣。このうちConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの3人はTHE BRIDGE TRIOというジャズ・トリオでも活躍するまだ20代の若手達。そしてDetroit Brooksは、80年代以降、エディー・ボ、カーミット・ラフィンズ、ドクター・マイケル・ホワイト、そしてドナルド・ハリソンなどのアルバムに参加してきたベテラン・ギタリスト。私は丁度、Detroit Brooksの目の前かぶりつきで堪能させていただきました。
1曲目はドナルド・ハリソンのオリジナル「Free To Be」。ジェイムス・ブラウンの「Cold Sweat」を思わせるベース・ラインがグルーヴィーに引っ張っていくジャズ・ファンク。暖かく柔らかな音色で吹きまくるドナルド・ハリソンのアルト・サックスに痺れまくりでした。終盤のドラム・ソロも格好良かった!
2曲目からはジャズの名曲が続きます。まずはアート・ブレイキーの「One By One」。元々ドナルド・ハリソンはアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに参加して頭角を現した人ですからね。まずは挨拶代わりに師匠ゆかりの曲をといった感じでしょうか。
そして「When The Saints Go Marching In」。ニューオーリンズ・ルーツな曲もやってくれるだろうと思ってはいましたが、まさかスタンダード中のスタンダード「聖者の行進」を持ってくるとは意外でした。ですがかえって100%ニューオーリンズのメンバーが演奏する「聖者の行進」って日本で聴ける機会は少なかったりするので、ホント至福の瞬間でしたね。ヴォーカルはドナルド・ハリソンとDetroit Brooksが分け合って、観客の手拍子も入り、楽しい雰囲気でした。跳ねるスネア、転がるピアノ、軽やかに舞うアルト・サックス、やっぱりニューオーリンズって良いですね!そしてギター・ソロが渋かった!!
デューク・エリントンの「Take The A Train」、チャーリー・パーカーで知られる「Cherokee」と続き、現行ニューオーリンズ・ジャズ・シーンの旗手によるジャズ・スタンダードに酔いしれました。特に「Cherokee」での疾走するようなスウィング感は圧巻でしたね~。
やはりアルトを吹くドナルド・ハリソンの存在感は格別でしたが、MCやメンバー紹介で日本語を交えながら、ちょいちょいギャグを挟んだりして、ジャズ・ライヴという若干の緊張感に包まれた雰囲気を、いい感じに和ませてくれていたのも印象的でした。
さて、ステージも終盤、「Iko Iko」が始まるといよいよニューオーリンズの空気が濃厚となってまいります。誰もが知っているニューオーリンズ・クラシックですが、その根っこにはマルディグラ・インディアンのチャントがあります。実はドナルド・ハリソンはマルディグラ・インディアンの家系出身で、インディアン・ソング縁のアルバムも出したりしている人なんです。なので単なるスタンダードではなく、彼のルーツを感じさせる選曲は嬉しいですよね~。もちろん会場も盛り上がりました。
そして本編ラストはまさかの「Hey Pocky A-Way」。もちろんミーターズのあの曲。これもマルディグラ・インディアンのチャントから出来た曲ですよね。いや~、これはファンキーでしたよ!これまでアップライト・ベースを弾いていたMax Moranもエレキ・ベースに持ち替え、うねるようなインディアン・グルーヴを演出してましたし。私もこれまで色々な「Hey Pocky A-Way」を聴いてきましたが、これは相当格好良い「Hey Pocky A-Way」でした!ドナルド・ハリソンのヴォーカルも良かった!
ステージの端っこにこれまで誰もそれを使うそぶりを見せなかったコンガが用意されていたのですが、最後の最後で、まさかのドナルド・ハリソン自身がコンガ・ソロを披露してくれました。手をクロスさせたり、肘を絡めたり、ドラムスとの掛け合いになったりと、なかなか見せてくれました。そしてそのままJoe Dysonのドラム・ソロへ。途中、ドナルド・ハリソンが何やらJoe Dysonに指示を出したりと、ほとんど教師が生徒に試練を与えてるような雰囲気だったりもしましたが、見応えのあるドラムソロでした。そう言えばドナルドはドラムスの彼のことを“ベイビー”と呼んで可愛がっているようでしたね。実は、このJoe DysonをはじめTHE BRIDGE TRIOの3人は元々ドナルド・ハリソンの教え子だったとか、そんなことをMCで話していたように聞こえました。(違ってたらごめんなさい。なにぶん私、英語が苦手なもので…)。
ドラム・ソロから再び「Hey Pocky A-Way」に戻りステージは終了。もちろん拍手喝采が鳴り止まない。そのままアンコールへ突入しての「Soul To Soul」。07年のアルバム「3D」収録曲ですが、アダルトでムーディだったそれより、断然ファンキーでソウルフル!やっぱりライヴは良いですね!最後は観客達のスタンディングオベーションによる熱い拍手に包まれて終了。
見る前は、いかにもジャズなマニアックな選曲なのかな?なんてちょっぴり不安も有りましたが、蓋を開けてみれば、私のようなジャズ初級者にも分かりやすい選曲でしたし、ニューオーリンズ色も濃く、ファンキー且つソウルフルな演奏に、あっという間のおよそ1時間20分でした。若手の瑞々しい感覚と、ベテランの手練手管、それらがお互いの信頼関係によって見事に纏められたかのような見事なステージでした!!
この日のセットリスト
01. Free To Be
02. One By One
03. When The Saints Go Marching In
04. Take The A Train
05. Cherokee
06. Iko Iko
07. Hey Pocky A-Way
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08. Soul to Soul
終演後はお楽しみのサイン会。私もいくつかサインを頂きました。
DONALD HARRISON JR. / INDIAN BLUES
こちらは91年録音のマルディグラ・インディアンとジャズが融合したドナルド・ハリソンらしい作品。ゲストにドクター・ジョンの他、ドナルド・ハリソンのお父さんも参加しています。(せっかく頂いたサインがビッグ・チーフの伝統的衣装と重なって見えにくいですが…。)
DONALD HARRISON, JR. AND THE TIPITINA'S INTERNS VOL. 1
こちらは会場で買ったCD。ティピティナス・インターンシップ・プログラムという音楽プログラムの生徒達(卒業生?)による作品でしょうか?ドナルド・ハリソンはこのプログラムの指揮をとっているんですかね?その辺りちょっと良く分からないのですが…。もちろんドナルド・ハリソン自身も演奏に参加していますし、プロデューサーも務めています。Max Moranがほとんどの曲でベースを弾き、Joe Dysonも1曲でドラムを叩いています。で、気になるのが多くの曲でドラムスを担当しているRaymond Weber Jr. という人物。おそらくジャケ写のドラマーさんその人だと思うのですが、かのレイモンド・ウェバーの息子さんですかね?どうなんでしょう?アルバムの内容はと言いますと、これがファンキーで格好良い!!ドナルド・ハリソン、そしてConun Pappas, Jr. 、Max Moran、Joe Dysonの若手3人集からサインを頂きました。