ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ラリー・ジョン・マクナリー @PIED PIPER HOUSE

2019-09-24 23:52:36 | ルーツ・ロック
今日、9月24日、タワーレコード渋谷店6FのPIED PIPER HOUSEにて、ラリー・ジョン・マクナリーのインストア・ライヴを観てまいりました!!なんと、20年振りの来日だそうです。

1981年のデビュー・アルバム「LARRY JOHN McNALLY」がAOR名盤として人気が高い米シンガー・ソング・ライターのラリー・ジョン・マクナリー。また、ロッド・スチュアート、ドン・ヘンリー、イーグルス、エモーションズ、チャカ・カーンなど、彼の作った曲を歌ったシンガーは多く、ソング・ライターとしても知られます。ニューオーリンズ・ファンには、アーロン・ネヴィルが歌った「Somewhere, Sombody」の作者と言えば、分かり易いですか?かく言う私も、アーロンの「WARM YOUR HEART」のクレジットを追いかける中で、ラリー・ジョン・マクナリーを知ったくち。

さて、PIED PIPER HOUSでのインストア・ライヴ。サポート無しのアコギ弾き語り。まず1曲目、聞き慣れたメロディーは、ボニー・レイットに提供された「Nobody's Girl」です。良い曲ですね〜。ラリー・ジョン・マクナリーの歌声がまた渋くて味わい深い!!続いて「LARRY JOHN McNALLY」から「Real Good Thing」。この曲はメイヴィス・ステイプルズがマッスル・ショールズで録音した曲でもある。そういうことをMCでも話してらしたと思うんですけど、通訳の方、ちゃんと訳してくれなかったな〜。この曲もね〜、凄く良い曲なんですよ!生で聞くとまた格別でしたね。さらにスワンピーでブルージーな「Richie」も良かったですし、最後のテンプテーションズ「Just My Imagination」のカヴァーも素敵でしたね。

弾き語りで5曲、およそ30分という短い時間ではありましたが、ラリー・ジョン・マクナリーの歌世界をじっくりと堪能することが出来ました。いやホントに良い歌でした。

もちろん、他にも聴きたい曲は沢山ありますよ。「Somewhere, Sombody」はもちろん、「The Motown Song」とか。でもインストアですから贅沢は言えません。あとはツアー本番のお楽しみですかね?


ツアー・スケジュール
9月26日 横浜THUMS UP
9月27日 渋谷O-nest
9月28日 渋谷O-nest

ジミー・ジョンソン、安らかに

2019-09-21 17:51:28 | ソウル、ファンク
VA / THE FAME STUDIOS STORY 1961-1973 HOME OF THE MUSCLE SHOALS SOUND


9月5日、マスル・ショールズで活躍したギタリスト、ジミー・ジョンソンが亡くなれました。76歳でした。死因など詳しくは発表されてないようです。

1943年2月4日、アラバマ州シェフィールドに生まれたジミー・ジョンソン。1960年代半ばから、アラバマ州マスル・ショールズのフェイム・スタジオにて、ハウス・バンドの一員とし数々のソウル名曲のレコーディングに携わりました。

マスル・ショールズのフェイムと言えば、サザン・ソウルの聖地とも言える伝説的スタジオ。そのフェイム・スタジオが生み出すマジカルなサウンドを生み出す屋台骨となったのが、後にスワンパーズと呼ばれるハウス・バンドの面々。メンバーは、ジミー・ジョンソン(g)、ロジャー・ホーキンス(ds)、デヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(kbd)、彼らはある意味、スタジオよりも伝説的存在と言えるかもしれません。

※上の写真は、フェイムの歴史と名曲名演が詰まったアンソロジー盤。右端にちらっと映っているギタリストがおそらくジミー・ジョンソン。

さて、このバンドのメンバーを集めるに当たって、スタジオ主のリック・ホールが最初に声をかけたのがジミー・ジョンソンだったそうです。その頃のジミーは、リック・ホールの周りをうろつき、レコーディングの技術なども見よう見真似で学んでいたとか。1964年頃、初代ハウス・バンドと言える当時のレコーディング・ミュージシャン達が揃ってナッシュヴィルへ去ってしまうという事態が起き、リック・ホールは、ジミー・ジョンソンをギタリスト兼第2エンジニアとして迎えたそうです。ドラムスには、ジミーと一緒にデル・レイズというバンドをやっていた、ロジャー・ホーキンスが座り、その後に、デヴィッド・フッドと、バリー・ベケットも加わります。この4人を核に多士済々なミュージシャンが入れ替わり立ち替わり、ソングライターにはダン・ペン、スプーナー・オールダム、ドニー・フリッツなどが居て、彼らをリック・ホールが仕切る。そんなフェイムの黄金時代にここを訪れたのは、ウィルソン・ピケット、クラレンス・カーター、パーシー・スレッジ、エタ・ジェイムス、オーティス・ラッシュ、などなど。数々の名盤が生まれました。

そしてアレサ・フランクリン。コロンビア・レコードから、ジャズ/ポピュラー色の濃い方向で売り出されたものの、大きな成功を掴むことが出来なかったアレサでしたが、心機一転、アトランティックへ移籍し、本格ソウル・シンガーとして再スタートを切る際、その第1歩に選んだのが、フェイム・スタジオでした。アトランティックからのデビュー・アルバムとなる「I Never Loved A Man The Way I Love You」のタイトル曲を録音するも、アレサ側とリック・ホールの折り合いが付かず、アレサはこの一曲だけでフェイムを後にすることになりますが、フェイムの持つマジカルな南部サウンドが、アレサの才能を刺激したことは間違いないでしょう。この後のニューヨーク録音でも、アレサはジミー・ジョンソンらフェイムのミュージシャンを呼び、名作を連発していきます。

さて、スワンパーズの4人は1969年にフェイムから独立し、マッスル・ショールズに接するシェフィールドに、新たにマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオを設立しました。スタジオの所在地を冠したシェールの「3614 Jackson Highway」を皮切りに、ステイプル・シンガーズ、ウィリアム・ベル、ジョー・テックス、ボビー・ウーマック、ドン・コヴェイ、ジョニー・テイラー、などのソウル系はもちろんですが、むしろロックやポップスのアーティストがマッスル・ショールズのサウンドを求めてこのスタジオを訪れました。ボズ・スキャッグス、ロッド・スチュアート、ポール・サイモン、アート・ガーファンクル、ルル、レオン・ラッセル、ドン・ニックス、ボブ・シーガー、キム・カーンズ、フォセ・フェシリアーノ、ジョー・コッカー、レヴォン・ヘルム、などなど。いかにもな方々から意外な方まで、ありとあらゆるアーティストがレコーディングしています。

そしてローリング・ストーンズ。彼らが全米ツアー中にマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオを訪れ、「Brown Sugar」、「Wild Horses」など、名盤「STICKY FINGERS」となる楽曲を録音したのは有名ですね。69年の12月ですから、まだスタジオが出来て間もない頃。残念ながらスワンパーズとのセッションは無かったようですが、ジミー・ジョンソンはエンジニアとしてストーンズのレコーディングに貢献しました。ただ、ストーンズの場合は、マッスル・ショールズのサウンドを求めてというより、人知れずレコーディング出来る小さなスタジオを探した結果、ここにたどり着いたそうですけどね。でもそこに、不思議な引力というか、運命的なものを感じさせられますよね。ストーンズはここでの録音で、真の南部臭を纏い、それを原動力に70年代の黄金時代へ突き進んだのかもしれません。



Muscle Shoals Has Got The Swampers

こちらは、昨年リリースされた、スワンパーズの未発表音源集。69年から70年代末頃まで、アラバマ州シェフィールドはジャクソン・ハイウェイ3614番地に居を構えたMUSCLE SHOALS SOUND STUDIOでの録音を中心に、90年代の録音も含まれています。ちなみに、MUSCLE SHOALS SOUND STUDIO は、79年にアラバマ・アベニュー1000へ引っ越しています。ファンキーなその名も「Swampers」に始まり、ロックンロール、サザン・バラード、AOR風から長尺ジャズまで、流石にスタジオミュージシャンらしい職人肌を感じさせつつ、南部グルーヴに溢れたご機嫌なインストアルバムです。ちなみにタイトルの「Muscle Shoals Has Got The Swampers」は、レイナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」の歌詞にスワンパーズを織り込んだ有名な一説から。写真の右端がジミー・ジョンソン。これ聴いてると、そのふくよかなグルーヴが、マッスルショールズの旅へと連れてってくれるようです。

ジミー・ジョンソンさん、安らかに。

ニール・カサール、安らかに

2019-09-08 23:40:50 | ルーツ・ロック
Neal Casal - Sweeten The Distance


8月26日、ニール・カサールが亡くなられました。

ライアン・アダムス&ザ・カーディナルズや、元ブラック・クロウズのシンガー、クリス・ロビンソンが率いるクリス・ロビンソン・ブラザーフッド等で活躍してきたギタリストとしても知られるニール・カサール。自身のソロアルバムを幾枚もリリースするシンガー・ソング・ライターでもあり、日本でも人気の高いアーティストでした。

今年の6月にリリースされたクリス・ロビンソン・ブラザーフッドの最新作「SERVANTS OF THE SUN」にも参加していたニール・カサール。

死因については詳しく発表されていないようですが、自殺という話もあり、とても悲しいです。まだ50歳という若さでした。

ニール・カサールさん、安らかに。

上原ひろみ 10年ぶりソロピアノ作への期待

2019-09-07 23:56:48 | 邦アーティスト
来たる9月18日に、いよいよ上原ひろみさんのニュー・アルバム「SPECTRUM」が発売になります。いつも休むことなくエネルギッシュに活動している印象の上原ひろみさんでしたが、珍しく昨年は大きな動きがありませんでした。それだけに、いよいよ完全復活か!という期待がかかります。

しかも今回はソロ・ピアノ・アルバム。2009年の「PLACE TO BE」以来、10年振りとなるソロ・ピアノ・アルバムですから、期待せずにはいられませんよね。

まず「SPECTRUM」というタイトルが上原さんらしくて良いですよね。して内容は? 噂によると、”色彩”をテーマに書き下ろされた新曲と、ビートルズやガーシュインのカヴァーも収録されているらしい。そう聞いただけでも、創造力豊かな上原ひろみワールドが目に浮かんできそうですが、そんな我々の期待を遥かに超えてくるであろうことは間違いないでしょう。

ちなみに前作「PLACE TO BE」は、彼女のバンドが、それまでのソニックブルームからトリオ・プロジェクトへと変わる狭間にリリースされました。つまり、「PLACE TO BE」はトリオ・プロジェクト結成前の上原ひろみ、だったのです。そしてその後は怒濤の活躍ぶりです。トリオ・プロジェクトでのレコーディングとツアーに明け暮れる一方で、矢野顕子さんや、エドマール・カスタネーダとの共演作も作りました。そしてスタンリー・クラーク・バンドへの客演作はグラミー賞を受賞しました。同じソロピアノ作でも「PLACE TO BE」の頃とは、そのキャリアはもちろん、内面的な練度も違うでしょう。どんな作品になるのか、楽しみでなりません。

新作「SPECTRUM」は日本先行リリースで、通常盤の他、2010年にニューヨークのブルーノートで録音されたライヴ録音がボーナスCDとして付く初回限定盤もあるようです。マニアはやっぱり初回限定盤ですよね!

そして11月から、待望のジャパン・ツアーも始まります。初日は11月17日の東京はサントリーホールです。そして11月19日に広島、11月21日は札幌、11月23日は水戸、って序盤から凄いスケジュールですよね。上原さん飛ばすな〜って言うかもう少しうまく回れないものですかね?って思いますが、世界各国を飛び回って来た上原さんにしてみれば、どうってことないんでしょうね。その後も日本全国を回り、最後は12月19日の山口市民会館です。いや〜、最終日、行きたいですけどね〜、山口は遠すぎる…。


とにもかくにも、待ちに待った、上原ひろみの季節がやってまいりました。



*写真は、タワーレコードのジャズ・キャンペーンの小冊子。表紙が上原ひろみさんで、裏表紙はマイルス・デイヴィス!





こちらは先行公開されているタイトル曲のライヴ映像↓

Hiromi - Spectrum (Live)

フジロック 最終日を振り返る

2019-09-06 20:57:25 | フジロック
フジロック最終日の夜。アヴァロンの丘の上。ほぼ真っ暗。チェアーに沈む人々。すぐ近くのホワイトステージから、ジェイムス・ブレイクのアンビエントなサウンドが聴こえる。みんな眠るように静かに聴いている。ライトアップされた木々がとてもロマンチック。何ここ、フジロック史上最高のチルアウト空間じゃね!?


という訳で、私のフジロックを振り返る企画も今回で最終回。

前日の豪雨は何処へやら? 最後の最後で、暑〜いフジロックがやって来た!!あんまり暑くて、オレンジで天然氷のかき氷食べちゃいましたもん。黒糖蜜と練乳がけ、美味しかった〜!!

そんなこんなの最終日、私が観たのは以下のような感じ。


STELLA DONNELLY(red)
THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND(heaven)
HIATUS KAIYOTE(green)(少しだけ)
PHONY PPL(red)
VAUDOU GAME(heaven)
DJ/TAN IKEDA a.k.a. P.M.D.M.F! (pari)(少しだけ)
blues.the-butcher-590213+うつみようこ(avalon)(後半だけ)
VINCE STAPLES(white)(前半だけ)
KHRUANGBIN(heaven)
JAMES BLAKE(white)(終盤少し)
THE COMET IS COMING(red)
QUANTIC (SOLO LIVE SET)(red)(およそ半分)


まずはレッド・マーキーにてステラ・ドネリーから。新進気鋭、オーストラリア出身の女性シンガー・ソング・ライター。私はどちらかと言うと、最新作「Beware of the Dogs」でポップに飛躍したステラ・ドネリーより、前EP「Thrush Metal」での憂いのあるフォーキーな世界観の方が好みだったりするのですが、ライヴでは新作モードなポップな姿を見せるのだろうと思ってたんです。ですがいきなりEP「Thrush Metal」から「Grey」をギター弾き語りで。いやもう、最高でしたね。続いて新作から「U Owe Me」。こちらも弾き語り。新作も全面ポップという訳ではなく、EPの雰囲気を引き継いだ曲もあるんですよね。続く「Beware of the Dogs」、「Mosquito」、もドリーミーなエレキ・ギター弾き語りにうっとりでした。こういうステラ・ドネリーが観たかったので、嬉しかったですね。そしていよいよバンド・メンバーを引き込んでの「Old Man」。新作を象徴するポップ・ナンバー。一気に場が華やぐ。「Watching Telly」「Season's Greetings」「Bistro」など、みずみずしく、そして可愛らしいステラ・ドネリーの歌声。CDで聴くのとはまた違うバンド・アンサンブルも凄く良い。いやはや、ポップなステラ・ドネリーも良いじゃないですか!!彼女の歌っているときの姿もキュートですし、その瞬間瞬間の空気に思いのまま反応する様な、自由なフィーリングもとても素敵。彼女が曲名を告げるたびに盛り上がる観客たちに、その都度とても嬉しそうに反応する姿も可愛かった!「Die」ではポップで楽しい振り付けがあって、観客達と一緒に踊ったり。新作の中で私が最も好きな「Boys Will Be Boys」も歌ってくれました。これもホントうっとりでした。そして最もポップにはじける「Tricks」で終了。ステラ・ドネリーの歌と、人柄と、色んな魅力が詰まった40分強でした。

私のフジロック最終日はしょっぱなから最高に気分の上がる、ステラ・ドネリーのステージから始まり、意気揚々でした。実はこの後、岩盤で彼女のアコースティック・ミニライヴとサイン会が予定されていまして、それも楽しみにしていたのですが、少し時間があるので、この間にヘヴンまへ急行してザ・パラダイス・バンコク・モーラン・インターナショナル・バンドを観ようという強硬策。

という訳で、ヘヴンにてザ・パラダイス・バンコク・モーラン・インターナショナル・バンド。タイ東北部の伝統音楽”モーラン”を、現代的なグルーヴで演奏する、タイのグループ。その唯一無比のサウンドで今話題の彼ら。私がヘヴンに着いたころには既に始まっていましたが、かの地の伝統楽器を前面に出しつつ、ファンキーでエキゾチックなグルーヴに一聴で引き込まれました。恥ずかしながら私、モーランがどういう音楽なのか知らないのですが、それでも彼らの音楽がユニークであることはビンビン伝わってくる。伝統楽器の音色はもちろん、反復フレーズが陶酔感を呼ぶ独特なノリが堪らなく格好いい。これはもう否が応にも踊らされる。もちろんヘヴンの観客達も踊りまくり。いやはや、これこそヘヴンの風景ですよね。

そして私は、オアシスへとんぼ返り。途中、ホワイトでインタラクティーヴォ、グリーンでハイエイタス・カイヨーテをチラ見しながらという贅沢。いやもちろんどちらもちゃんと見たかったですよ。ですがここはこの日の被りまくり案件なので仕方ない。ですがグリーンの巨大ヴィジョンに映し出されたネイ・パームの姿は格好良かったですね。しばし見とれちゃいましたよ。

それにしても、余裕のないヘヴン往復はこたえますね。めちゃくちゃ暑かったですし!しかも、オアシスの岩盤に戻ると、悲報が待っていました。

ステラ・ドネリーのミニ・ライヴ中止。いや~これは残念過ぎました…。詳しい理由はよくわかりませんが、まあ仕方ないですね。でもサイン会はやってくれたので、私もドキドキしながらサイン会の列に並びました。ステラ・ドネリーは登場してからず~っと笑顔を絶やさず、一人一人に楽しそうに話しかけ、それでいてとても自然体な姿は本当にキュート。私もサインを貰い、写真も撮っていただきました。近くで接するステラ・ドネリーは、また飛び切り可愛かったです!!

さて、次はこの日、最も楽しみにしていたバンドの一つ、フォニー・ピープルです。ブルックリンのヒップホップ・グループですが、最新作「mō’zā-ik.」に至る過程でソウルに接近し、そのネオでメロウなグルーヴから、西海岸のジ・インターネットとも比較される、注目のバンド。フロントマンのエルビーが何度も自転車でステージを横切りながら、観客達を煽るという、何ともやんちゃな感じで始まったステージ。オープニングは「End of the night」。いきなりそのバウンスしまくるグルーヴに度肝を抜かされる。完全にCDとは違うモードだ! これぞ、現行ブラック・ミュージックの粋!! 「Either Way」「Way Too Far」「somethinG about your love」など、新作からの曲を中心に披露。メンバーそれぞれがテクニシャンで、その技量と個性をたっぷり披露しながら、バンド・グルーヴに厚みとスピード感を増していく。特にリズム隊が半端なかった! ヒップホップのキレをファンキーに刻む変幻自在のビートを叩くドラマーと、低音ラインはもちろんのこと、弾いてる姿も全てバネの塊のような弾力感を持った驚異のベーシスト。彼らの繰り出す黒人ならではのうねりまくる躍動感は凄まじかった。そしてシンガーのエルビーですよ。エネルギッシュでしたね~。時にファンキーに、時にメロウに、レゲエ・フィールもチラつかせながら、ソウルフルに歌う。曲間にはラップのような早口で観客達を先導する。そのMCも歌も動作も全てがフリーキー。その彼にバンド・メンバーはグイグイと引っ張られていく。もちろん観客達も引っ張られていく。「Before You Get a Boyfriend」で盛り上がりも最高潮。観客みんなでサビを歌い、踊りまくる。いやはや、ホント最高でしたね。レッド・マーキーを揺らした、ネオ・ブラック・ミュージックの神髄。そのグルーヴが放つ圧倒的なブラッくネスには、昨年観たアンダーソン・パックと似た臭いを感じました。





超強力なフォニー・ピープルの後は、またもヘヴンに行脚してのヴォードゥー・ゲーム。こちらはアフロ・ファンク。シンガーであり中心人物のピーター・ソロは西アフリカのトーゴ共和国出身。ヴードゥーの祭礼がファンクやソウルを飲み込んだようなアフリカン・ミクスチャー。圧倒的なリズムが放つ異国感が半端なかったですね。そしてすべてを統率し、アフロの何たるかを体現させるフロントマンのピーター・ソロ。真っ赤なパンツに上半身裸、首からじゃらじゃら、頭にも何か撒いてる、そんな彼のディープなパフォーマンス。いやはや、格好良かったですよ。もちろんヘヴンは大盛り上がり。先ほどのザ・パラダイス・バンコク・モーラン・インターナショナル・バンドもそうですが、こういったワールド・ミュージックは、ヘヴンで聴くとまた格別ですよね。

とは言え、さすがに踊れるライヴの連続と、ヘヴンを行ったり来たりは老体にこたえたので、椅子があるカフェ・ド・パリでしばし休憩。ちょうどDJ/TAN IKEDA a.k.a. P.M.D.M.F! がDJ中で、なかなか良い雰囲気でした。その後はアヴァロンを散策したり、blues.the-butcher-590213+うつみようこを観たり。楽しみにしていたホワイト・ステージのヴィンス・ステイプルズは、さすがに旬なアーティストだけあり、独特の緊張感に溢れていました。彼のラップはもちろん、めちゃくちゃ効いた低音リズムがオルタナ感あって格好良かった!ですがヴィンス・ステイプルズは残念ながら、途中で切り上げました。なぜなら、クルアンビンと被っていたから!

という訳で、この日のメインは、ヘヴンでクルアンビン!!

前日深夜、パレスで観たDJセットも最高だったので、楽しみにしていたんですよ!テキサス出身で、タイ・ファンクに影響を受けた3ピース。すっかり夜の帳が下りたフィールド・オブ・ヘヴン。ステージに登場したマーク・スピアー(g)は金ラメっぽい上下のスーツ、紅一点のローラ・リー(b)は派手な柄の全身タイツのような衣装。このフロント2人の放つ雰囲気だけでエキゾチックな香りプンプン。その2人のユニゾン・リフが印象的な「August Twelve」で始まったそのステージ。彼らのチルでダルなエキゾ・ファンクがヘヴンを揺らす。ローラ・リーは時折腰を上下させながら、妖艶な雰囲気で根幹となるベース・ラインを奏でる。そこにマーク・スピアーがビヤビヤとしたエレキギターを絡めていく。これがタイ・ファンクに影響を受けたという独特の異国情緒を醸す。そしてドナルド"DJ"ジョンソンのドラム。彼の抑制の効いたある意味ミニマルなビートこそがクルアンビンの放つ陶酔感の源だったり。そしてここぞという所でメリハリを効かせ、時折ダビーになるところもミソ。観客達は催眠にかかったように、彼らのサウンドに支配されていく。サイケデリックとはまた違うトリッピーな感覚。CDで聴くのと雰囲気自体はさほど変わらないものの、ライヴで聴くと、目の前で観ると、そのトリップ感に溺れるよう。フロントの2人は、特にアクションを決めることもなく、時おり立ち位置を入れ変えたり、向かい合って弾いたり、至ってゆったりとしている。しかし、独特のサウンドと相まって、そのゆったりが不思議な恍惚感を誘う。そしてヘヴン全体がクルアンビンの虜になった頃合いに、ギアを上げてくる。「The Infamous Bill 」。これまでとは違うアッパーなグルーヴ。ローラ・リーのうねる低音に、身も心も踊らされる。終盤には、2人が向かい合って空瓶をキンキン叩いたり。そしてさらに盛り上がったのが、YMOで知られる「Fire Cracker」。ちょっとコミカルな感じのする東洋的メロディー。元々はエキゾチカの元祖マーティン・デニーのオリジナルで、そこにクルアンビンのルーツが透けて見えたり。そして私の一番好きな曲、やらないな〜、と思っていたら、最後にやってくれました。「Maria También」。格好良かったー!!そしてアンコールでは数曲披露してくれる大盤振る舞い。ジャムセッション風だったり、クラブ的なダンス・ミュージックに接近したりと、ライヴならではのディープな展開に胸が踊る。ローラ・リーのギンギラなセクシーな衣装も格好良かった!





いや〜、ヘヴンで見るクルアンビン、最高でしたね。そしてローラ・リーに惚れました…。ま、それはさておき、クルアンビンが終わったということは、ヘヴンが終わったということ。毎年のことながら、この瞬間はホント寂しいです。しばし黄昏てしまいます。


ヘヴンにサヨナラを告げてジェイムス・ブレイクがやっているホワイトへ。その道すがら、なんとなしにアヴァロンへ立ち寄ったんです。ホワイト方面に突き出た丘の上。それが冒頭の写真です。ほぼ真っ暗。目の前にライトアップされた木々。眠るように椅子に沈む人達。ジェイムス・ブレイクのアンヴィエントなサウンドが森にこだまする。なんだここは?フジロック史上最高のチルアウト空間か?時の経つのを忘れそうでした。


とは言えね、やっぱりジェイムス・ブレイク見たいので、丘を下りてホワイト・ステージへ。一番好きな曲「The Wilhelm Scream」聴けました!


いよいよフジロックも終わりです。今年の私のシメは、レッドでコメット・イズ・カミング!各ステージのメインが終わった後、深夜にコメット・イズ・カミングが待ってるって凄いですよね。率いるのは、UKジャズの騎手シャバカ・ハッチングス。米のカマシの次は、英のシャバカが来ると、大注目のサックス・プレイヤー。ステージ向かって右にシャバカ、左にキーボーディスト、後方中央にドラムスの3ピース。まるで怒涛のカオスに飲み込まれるようなライヴ。まさに彗星が落ちてきそうな迫力。シャバカのサックスのテンションも凄まじい。これはジャズなのか?ロックなのか?

いやはや、最後に凄いもん観た!!


ま、この後もクアンティック観たり、岩盤で踊ったり、だらだらと名残惜しんでいたんですけど。そんなこんなで、私のフジロックも終わりです。

最終日のベストアクトは、フォニーピープル!
次点はクルアンビン!



さて、今年も3日間、若手からレジェンドまで、ロック、ポップス、ヒップホップ、R&B、ワールドミュージックなどなど、溢れんばかりの濃密音楽体験でした。3日間でのベストアクトは、

1位 ジョージ・ポーター・ジュニア&フレンズ
2位 フォニー・ピープル
3位 クルアンビン
4位 ザ・ルミニアーズ
5位 ゲイリー・クラーク・ジュニア
次点 マタドール!ソウル・サウンズ、ステラ・ドネリー、

単独公演を観たジャネール・モネイをもしフジで観ていたら、多分、2位か3位辺りに入ってきたでしょう。


という訳で、フジロックを振り返る企画も、これにて終了です。
長々とお付き合い頂きまして有難うございました!



ペドロ・ベル、安らかに

2019-09-05 23:19:21 | ソウル、ファンク
FUNKADELIC / STANDING ON THE VERGE OF GETTING IT ON

8月27日、P-FUNK系のアルバム・ジャケットを手掛けたことで知られる、ペドロ・ベルが亡くなられました。69歳だったそうです。

ペドロ・ベルは、ファンカデリックの73年作「Cosmic Slop」を始め、「Standing on the Verge of Getting It On 」など、その後のファンカデリック作品や、ジョージ・クリントンのソロ作品のジャケット・デザインをを手掛けました。細かい筆致と色使いにより、ありとあらゆるキャラや文字が溢れる、サイケデリックで混沌とした刺激的な作風で、ディープなファンカデリックのイメージ作りに多大な影響を与えました。

ペドロ・ベルの描くファンカデリックの独特のアルバム・ジャケットは私も大好きでした。一目でファンカデリック!!って分かりますし、当時のファンカデリックの無秩序感を見事に表していますよね。それは悪夢のようなファンタジー。アートと呼ぶには落書きのようであり、難解と言うよりはブラック・ジョークのようでもある。そしてその独創的なタッチはヒップホップにも通じるものと思えます。

ディープなファンクをイラストで表現し、後々までファンの脳裏に焼き付くような、そんな象徴的な作品を残したペドロ・ベル、安らかにお眠りください。




ドニー・フリッツ、安らかに

2019-09-04 23:58:33 | ルーツ・ロック
DONNIE FRITTS / OH MY GOODNESS

8月27日、ドニー・フリッツが亡くなられました。心臓手術の合併症だそうです。享年76歳。

1942年11月8日、アラバマ州フローレンスで生まれたドニー・フリッツ。ナッシュヴィルやマッスル・ショールズでソング・ライターとして活躍しました。特に、フェイム・レコードには、ダン・ペンやスプーナー・オールダム等と共に、草創期から貢献しています。またクリス・クリストファーソンのバンドのキーボード・プレイヤーとしても知られます。1974年には1stソロ・アルバム「Prone To Lean」をリリース。こちらは今でもスワンプ・ロック名盤と語り継がれる傑作となっています。作品リリースはスロー・ペースで、亡くなられるまでにリリースした作品は5枚。ですがそのどれもが、サザン・フィーリング溢れる、魅力的な作品で、南部ファンの間で愛され続けてきました。近年は、2015年に「Oh My Goodness」、2018年に「June (A Tribute To Arthur Alexander) 」と、良いペースで好盤をリリースしていましたし、今年の4月には来日の予定もあったりで、活発な活動を期待されていただけに、訃報はとても悲しく、残念です。4月の来日もドニー・フリッツの体調不良のために中止になっていたので、心配はしていたんですけどね。

私は、2009年に観たドニー・フリッツの来日公演が忘れられません。あの時は、バックにスコット・ボイヤーやデヴィッド・フッドのいるデコイズを従えての来日で、まさに南部の空気そのままのステージといった感じで、本当に最高でした。

ああいうライヴ、もう一度観たかったんですけどね…。


ドニー・フリッツさん、安らかに。


*写真は2015年リリースの「OH MY GOODNESS」。アラバマ州フローレンスの録音。デヴィッド・フッド、スプーナー・オールダム、レジー・ヤング、さらにはアラバマ・シェイクスのベン・ターナーや元ドライヴ・バイ・トラッカーズのジェイソン・イズベル等も参加。南部臭たっぷりで、ドニー・フリッツの歌声が格別に味わい深い!当ブログの2015年のベストアルバム第4位に選ばせて頂いた、大好きなアルバム。

そそるライヴ 9月編

2019-09-03 23:13:33 | そそるライヴ
関東近辺にて9月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。

8/31(土)東京JAZZ @NHKホール 他
9/01(日)東京JAZZ @NHKホール 他
9/01(日)THE WEIGHT BAND  @ビルボードライヴ東京
9/02(月)KAMASI WASHINGTON @恵比寿 LIQUIDROOM
9/03(火)CHARLES LLOYD "Kindred Spirits" @ブルーノート東京
9/03(火)JORDAN RAKEI @丸の内 コットンクラブ
9/05(木)black midi @代官山 UNIT
9/09(月)Chassol  @ビルボードライヴ東京
9/09(月)CAMILA MEZA & THE NECTAR ORCHESTRA @ブルーノート東京
9/14(土)TAKUYA KURODA @ブルーノート東京
9/17(火)Yemen Blues Duo  @代官山 晴れたら空に豆まいて
9/18(水)Eagle-Eye Cherry @ビルボードライヴ東京
9/21(土)BLUE GIANT NIGHTS 2019 @ブルーノート東京
9/21(土)Dawn Landes @鎌倉 Cafe Goatee
9/22(日)KIRK FLETCHER BAND  @丸の内 コットンクラブ
9/24(火) LARKIN POE @代官山 SPACE ODD
9/25(水)Brian Jackson @ビルボードライヴ東京
9/26(木)FLYING LOTUS in 3D  @新木場 スタジオコースト
9/27(金)Larry John McNally  @渋谷 O-nest



お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!

サマソニ 最終日を振り返る

2019-09-02 23:33:27 | フェス、イベント
サマーソニックを振り返る企画、今回が最終回。3日目となる最終日の日曜、私が見たのはこんな感じ。

CASH CASH(MARINE)
MAHALIA(MOUNTAIN)(序盤間に合わず)
THE REGRETTES(RAINBOW)
PREP(BEACH)(後半)
LOLO ZOUAï(Billboard)(後半)
TOPAZ JONES(Billboard)(序盤数曲)
BROCKHAMPTON(MOUNTAIN)(後半)
CHVRCHES(MOUNTAIN)
FKJ(BEACH)(序盤間に合わず)
THE CHAINSMOKERS(MARINE)(終盤数曲)

この日は、チェインスモーカーズ、ゼッド、ディスクロージャーなど、ダンス系アクトが充実した1日。とは言え、私はそのほとんどを観ない予定なので、せめてオープニングぐらいはと、EDMのCASH CASHからスタート!マリンの爆音で聴くバキバキのダンスビート。暑かったけど、踊らずにはいられなかったー!途中で抜けてメッセのSHAEDを観に行こうかとも考えていたのですが、楽しすぎて最後まで踊ってしまいました。おかげで楽しみしていたマヘリアにも間に合わないという失態。

という訳で、マウンテンにてマヘリア。UK期待の女性R&Bシンガー。揺れるようなグルーヴに乗って、円やかな歌声を聴かせてくれる。ライミングのようにリズムを捉え、エモーショナルにメロディを歌う。オープニングに間に合わなかったのが残念ではありましたが、それでも堪能させて頂きました。

マヘリアの後、田中ヤスタカ/きゃりーぱみゅぱみゅを観にレインボー・ステージに行ったのですが、入場規制で入れませんでした。その辺りは人で溢れかえっていましたね。幕の隙間から少しステージが見えるのですが、その隙間を頼りに人の群れが半端無くて、しかも盛り上がってる!! 私も隙間からチラチラときゃりーぱみゅぱみゅを観ましたけど、田中ヤスタカのエグいダンスビートにきゃりーの天然系の歌声は、なかなか良いもんでした。

きゃりーの後は同じレインボーでレトロなガレージ・ロックを鳴らすザ・リグレッツ。ドラマーは男子ですが、フロントの3人は女子なので、ほぼガールズ・バンドな佇まい。ガールズならではのポップさと、パンチの効いた楽曲が魅力的でした。

そして今年初のビーチ・ステージへ。初日は入れませんでしたからね。やっぱり海辺は暑かった。ここで観たのはプレップ。スタイリッシュなシティッポップを鳴らすロンドン発のグループ。ヴォーカリストさんの、まったりとしたしなやかな歌声が良かった!また、アーバン・メロウな、洗練されたグルーヴが格好いい。彼らのサウンドは、シティポップだったりアーバンソウルだったりする訳ですけど、海辺の潮風が妙に似合うサウンドだったりもして、気持ちよかった〜。

やっぱりビーチは良いですね、かき氷も美味しかった!


さて、ビルボードでチャーミングなロロ・ゾウアイ、続いて新星ラッパー、トーパス・ジョーンズ。ロロ・ゾウアイはまだ23歳ということで、とにかくキュートでしたね。可愛かった! そしてトーパス・ジョーンズ。女性DJの低音の効いたトラックをバックに、黒人ならではのバネを感じさせるラップでグイグイ攻めてくる。スタジオ録音作ではネオ・ソウルっぽい抑制された雰囲気も醸していましたが、ライヴでは溌剌とした勢いをストレートに感じさせてくれました。ファンキーな「Toothache」も格好良かった!

ですが、このトーパス・ジョーンズとブロックハンプトンが被ってた。数少ないヒップホップ系を敢えて被らせるサマソニの真意が分からない。でも被っているもんはしょうがない。泣く泣くトーパス・ジョーンズを離脱し、メッセのマウンテンへ。

今回のサマソニで、"今、観なければいけないアーティスト" の最右翼が、LAが産んだヒップホップ集団、ブロックハンプトンでしょう。大注目の初来日。中央に階段、両脇に巨大な両手というセット、宇宙服のようなギラギラの銀色スーツに身を包んだメンバー達。黒人、白人、入り乱れての、まるでエネルギーが爆発したかのような扇動的なラップ。やたらバウンスするトラック。モッシュする観客。なんか、新しい時代を感じさせられましたね。私は正直、もう少しソウル、ジャズに寄ったヒップホップの方が好みなのですが、流石にライヴで観ると、格好良かった!

そのままマウンテンに残ってのチャーチズ。エレクトロ・ポップですけど、私、結構好きなんです。実はこの時間帯、ビルボードではもっと好きなネナ・チェリーがやってたんですけど、ネナは単独を観ることにして、この日はじっくりチャーチズを堪能。最前列は無理でしたが、前から2列目という好位置をキープ。

ローレン・メイベリーの歌声がもつ圧倒的な高揚感は、それだけで至高ですね。凛とした姿も美しかった。バックの分厚いエレクトロニック・サウンドも含めて、チャーチズの音を浴びるような陶酔感。大好きな「Clearest Blue」で踊りまくり!最高でした!

そしてこの日のラストは、ビーチでFKJです。フランス・パリ在住のプロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリスト。彼が私にとってのこの日のメイン。ですがチャーチズを最後まで観てしまったので、序盤には間に合わず、私がビーチに辿り着いた頃には、ちょうど「Unchained」でキーボードをウニョウニョやっている時でした。思いのほかファンキー!! 「Losing My Way」、「Go Back Home」、「Tadow 」など、彼は自分の周りに、鍵盤、ギター、ベース、サックス等、数々の楽器を並べ、それを取っ替え引っ替え弾いてはループを繰り返し、たった一人で極上空間を作り出す。驚かされるのが、そのどの楽器を弾いてもめちゃくちゃ上手い。しかもその上手さで圧倒しつつ、それらをソウルフルな心地よいグルーヴへ集約させていく、そんなプロデュース力に舌を巻く。ライヴ感に圧倒されつつ、甘味なグルーヴに包まれる。いやこれ、ビーチで聴けて最高でしたよ! 中でも特に印象深かったのは、スローナンバー「Vibin’ Out with (((O)))」ですね。FKJの曲の中でも私が最も好きな曲。でも(((O)))の歌声あってのこの曲なので、ライヴではやらないかも?と思っていましたが、もちろん(((O)))はその場に来ないものの、FKJの弾く鍵盤に、彼女の歌声と映像がリンクする。これが、めちゃくちゃロマンチックで、うっとりしましたね。この夏、もっともメロウな瞬間でした。あと、最後に"new song"と言って始めた曲が、めちゃくちゃファンキーで格好良かった。FKJの弾くキーボードやベースは強力!!





さて、FKJの後は、マリンのヘッドライナー、チェインスモーカーズに滑り込み、ラスト数曲を破格なスケールのEDMで締めました。それにしても、チェインスモーカーズはパンパンでしたね。私はグラウンドに行ったのですが、普段なら「立ち止まらないでください!」と言われる通路まで、人、人、人でごった返していました。そんなパンパンな人達が、一体となって盛り上がる様には流石に圧倒されましたし、感動的ですらありましたね。やっぱソールドアウトって大事だな、って思いました。そして最後は花火がドッカーン!!

サマソニらしいエンディングを満喫いたしました。



この日のベストアクトは、チャーチズも良かったですが、やっぱりFKJですね。

美味しかったご飯は、チェインスモーカーズの後、最後に食べたPIZZA BAKKAのマルゲリータ。

最終日も充実でした〜!!





という訳で、当ブログのサマソニを振り返る企画もこれにて終了です。

今年のサマソニも楽しかった!土曜日に行けなかったのは残念でしたが、それでも悔いは残らないぐらい、楽しみました。


金曜、日曜、合わせてのベストアクトは、THE 1975 です。


では、また来年!! あ、来年は無いんだ…。


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