ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

カーク・ジョセフ(DIRTY DOZEN BRASS BAND)

2011-10-29 19:59:45 | ニューオーリンズ
DIRTY DOZEN BRASS BAND / MY FEET CAN'T FAIL ME NOW

ニューオーリンズを代表するブラス・バンド、ダーティ・ダズン・ブラス・バンドの来日公演が間近に迫ってきました! って言うかもう明日です…。もう何度も日本に来ている彼等ですが、注目は何と言ってもスーザフォンのカーク・ジョセフですよ!

ダーティ・ダズン・ブラス・バンド(以下DDBB)が、84年にアルバム・デビューした際の衝撃って言うのは、私のような後追い世代にとってはなかなか想像しづらいものがありまが、どうなんでしょうね? DDBBの結成については、その原型が出来たのは77年頃だそうです。おそらくそれまでのニューオーリンズ・ブラス・バンドと言うのは、土着した伝統的な存在であると同時に、トラディショナルという名の化石同様な状態だったんだと思うんです。そこにDDBBのような若い世代が新しい血を取り入れていく。例えばモダン・ジャズとか、ファンクとか、ソウルとか。DDBBは全員黒人のグループですから、その辺のアイデンティティも強烈に持っていたことでしょうね。特にブラス・バンドのファンク化、言い換えればマーチング・ファンクのような、あのハネながら疾走するファンクネスは、そうとう衝撃的だったのではないでしょうか?

そしてリリースされたデビュー作「MY FEET CAN'T FAIL ME NOW」(写真上)。1曲目「Blackbird Special」からブラス隊が堰を切ったようにもの凄いスピードでシンコペーションしまくるリズム。それをリードするのがカーク・ジョセフのスーザフォン。とにかくのたうち回るような低音フレーズをブンブンとドライブさせていく。ミュージック・マガジン誌05年12月号のニューオーリンズ特集において、この頃のDDBBの革新性について「エレクトリック・ベースの野太くうねるベース・ラインをスーザフォンが吹く」と評せられてますが、まさにその通り。ブラス・バンドのファンク化を可能にしたのはカーク・ジョセフのスーザフォンがあったから!と言っても過言ではないでしょう。その証拠に、このアルバム、全10曲中7曲がカークの吹くスーザフォンから始まりますからね。

おそらく、デビュー当時のDDBBは、ジャズ・バンドの括りで紹介されてたと思うんです。あのデビュー作もコンコード・ジャズからリリースされてますからね。これを聴いたジャズ・ファンは驚いたことでしょうし、これを紹介する側も興奮したことでしょうね。2nd作「MARDI GRAS IN MONTREUX」の日本盤のライナーには「凄いバイタリティに溢れた、大変なカッペ連中」とか、「伝統ブラス・バンドへの反逆か…」とか、いかにこのバンドが型破りだったか、最大限の愛情を込めた驚きが記されてます。またフェイクや即興を駆使して煽りまくるカーク・ジョセフのスーザフォンも「普通のブラス・バンドだったら、まずクビは間違いないだろうナァ…」と絶賛されてます。(間違いなく絶賛です!!)

その後、カーク・ジョセフはDDBBを離れ、ソロ・プロジェクトに着手。DDBBはバンド編成をモダンにチェンジしながらジャム・バンドやヒップ・ホップに接近。そして目下のところ最新作となるのは06年の「What's Going On」。ここではカーク・ジョセフがスーザフォンを吹いていますが、大所帯バンドによくありがちな、いまいち正式メンバーが誰なのかはっきりしない感じ。レコーディング・メンバーではあるけれど、ツアーには参加しないとか、そんな感じもあるみたい。で、今回の来日メンバーですけど、ビルボードのインフォメーションによれば、グレゴリー・デイヴィス(Trumpet, Vocals)、ロジャー・ルイス(Baritone, Soprano Saxophone)、ケヴィン・ハリス(Tenor Saxophone)、エフレム・ET・タウンズ(Trumpet, Flugelhorn)、そしてカーク・ジョセフ(Sousaphone)と、ホーン陣にはデビュー作発表当時のオリジナルメンバーが揃っています。これは現在考えられる最強メンバーと言っても良いでしょう! ある意味、流動的なメンバー編成を考えれば、今回のこれを見逃す手はありません! 特に出たり入ったりなカーク・ジョセフは次ぎいつ見れるか分かりませんからね!!!




熱くなったついでに、カーク・ジョセフ参加作品をいくつかご紹介。


THR DIRTY DOZEN BRASS BAND / LIVE: MARDI GRAS IN MONTREUX
DDBBの2ndアルバム。85年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。初期DDBBの凄みを味わいたいのなら、まずこのアルバムがお勧め。もちろん1st作もマストですけど、とにかくライヴですよ! 灼熱のブラスバンド流セカンドライン・ファンク! カーク・ジョセフが吹くべースラインの暴れっぷりも最高!!



FORGOTTEN SOULS BRASS BAND / GONE BUT NOT FORGOTTEN
カーク・ジョセフはDDBB以外にもブラス・バンドから引っ張りだこ。その一つがこのFORGOTTEN SOULS BRASS BANDで、こちらはその01年作。リズム隊がDDBBのカーク・ジョセフと、リバース・ブラス・バンドのキース・フレイジャー (bass drum)&アジェイ・マラリー (snare drum)なのが面白い。音的には意外とオーソドックス。ちなみにライナーに、“Cover photo features a young Kirk Joseph second lining in the French Quarter" とありますが、ジャケ写の赤いシャツの子供がちっちゃいカーク・ジョセフってことですかね?



TREME BRASS BAND & MARDI GRAS INDIANS / TREME TRADITIONS
そしてカーク・ジョセフが参加するもう一つのブラス・バンドがこのトレメ・ブラス・バンド。このバンドは数年前に来日しまして、なんと、みなと区民祭に参加して増上寺周辺をパレードしたんですよね~。私も観に行きましたよ! ま、残念ながらカーク・ジョセフは居ませんでしたが…。(バスドラのライオネル・バティステが格好良かった~!) で、こちらは今年リリースされた最新作。マルディグラ・インディアンとの共演作となっています。



KIRK JOSEPH'S BACKYARD GROOVE / SOUSAFANK AVE
カーク・ジョセフのソロ・プロジェクト。05年作。いわゆるブラス・バンドではない、ブラス・ファンクとでも言いましょうか。ジャム・バンドも視野に入れたサウンド。グルーヴィーなカーク・ジョセフのスーザフォンが素晴らしい! DDBBをやめて、こういう方向へ行くとは正直思いませんでした。メンバーには日本人ギタリストのヒロナリも居ます。



ANDERS OSBORNE & BIG CHIEF MONK BOUDREAUX / BURY THE HATCHET
アンダーズ・オズボーンがモンク・ボードルーを向かえた02年作。カーク・ジョセフは元DDBBのトロンボーン奏者チャールズ・ジョセフと共に兄弟で参加。ポップな歌物でも、カーク・ジョセフがスーザフォンを吹いてるだけで随分とガンボ感が増すから凄い。こういったブラス色の薄い作品でこそ、かえってカークの凄さが浮き彫りにされる感じ。



STANTON MOORE / TAKE IT TO THE STREET (THE MUSIC)
スタントン・ムーアのソロ作、と言うよりは、教則DVD用に録音された音源のアルバム化。08年リリース。録音は03年だそうですが、この頃のカーク・ジョセフはDDBBとは離れていたようにも思うのですが、何故かDDBBのメンバーと共に参加。私の大好きなミーターズのジョージ・ポーター・JRも参加していまして、まさにニューオーリンズ・ファンク2大ベーシストの揃い踏み。スタントン・ムーアがオーセンティックなセカンドラインを叩いているのが逆に新鮮。



R.E.M. / COLLAPSE INTO NOW
先日解散を発表したR.E.M.の最新作にしてラスト作。これに参加している、Kirk M. Joseph, Sr.ってカーク・ジョセフのことですかね? 数曲ニューオーリンズ録音があり、そこでシャマー・アレンや、ボノラマのメンバー達と共レコーディングに加わっているスーザフォン奏者なんですけど…。ま、どのみちニューオーリンズ色はほとんど感じられませんし、スーザフォンの見せ場もまったく無いんですけどね…。なんか“M.”とか“Sr.”とか付けられると誰なの?みたいな。別人だったらごめんなさい…。


さて、いよいよ明日ですね。私はカーク・ジョセフが大好きですが、生で観るのは多分初めて。って言うか、本当に来るのかまだ不安だったり。結構、蓋を開けてみるまで分からない的なものってありますよね。来てくれることを祈ります!!

アース ガーデン“秋”

2011-10-26 22:52:31 | フェス、イベント
10月22日、23日の両日、代々木公園で開催された「アース ガーデン“秋”」に行ってまいりました。もうお馴染みのオーガニック・イベントですね。「クラフトフェア」というサブタイトルが付いているだけあり、洋服はもちろん、アクセサリー、雑貨、楽器など、色々なお店が出店されていて、ぶらぶら見ているだけでもかなり楽しい。でも私のお目当てはやはりライヴなのです。

まず初日、トロンボーンの菊池ハルカさんとバンジョーの丸山朝光さんによるニューオーリンズ・ジャズ・ユニット、ハチャトゥリアン! 今回はドラム(スネア)も加わった3人編成のステージでした。プランツ・ステージという小さなステージでしたが、野外イベントらしいざわざわとした雰囲気が、トラディショナルなジャズと良く似合ってる感じでしたね。それとニューオーリンズ好きの私といたしましては、アースガーデンのようなイベントに、ニューオーリンズの音楽が響くというのは何とも言えない嬉しさですよ! バンジョーのスウィング感とか、トロンボーンの暖かい華やかさとか、二人の音色が醸す古き良き時代の情緒と、代々木の空気が何とも言えない心地良さでした。もちろんスネアのリズムも! あと丸山さんがしゃがれ声で歌う「On The Sunny Side Of The Street」とか、なんか幸せな気持ちになりましたね~。

この日は天気が怪しかったこともあり、人出も少なめで、かえって過ごしやすかったですね。なんとか雨も降らなかったですし。で、せっかくなのでフェス飯的なものを食べようと、屋台でアーモンドキーマカレーを注文。ちゃんとエコを考えてマイ・タッパー&マイ・スプーン持参で臨みましたよ! そしてこれを食べながらハチャトゥリアンの演奏を楽しむという、フェス気分満喫。それとフジロックでお馴染みの天然酵母パンのお店ルヴァンも出店されていたので、フジではなかなか食べられない蜂蜜バターパンも食べました。これ噂通りの激旨でした。来年はヘヴンで食べたいな~。その後はメイン・ステージで繰り広げられた、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文さんによるソロ・ライヴとか、80年代に何度かライヴを観たことのあるthe JUMPSのステージをチラチラと見たり見なかったり…。そんな感じ。ちなみにメイン・ステージには「THE ATOMIC CAFE」という大きな文字が掲げられてました。

そして2日目。前日に比べると天気も良かったせいか、かなりの賑わいでした。私のお目当てはモダン・アイリッシュ・プロジェクト。ギター、フィドル、ドラムスのトリオによる、新進邦アイリッシュ・シーンの旗手達です。ステージは前日のハチャトゥリアンと同じプランツ・ステージ。相変わらず爽快感抜群のアイリッシュ音楽を聴かせてくれました。特に「Newmarket set (polkas) 」のようなアップ・テンポの曲は圧巻でしたね。田嶋友輔さんのタイトなリズム、キレのあるカッティングでぐんぐん疾走する長尾晃司さんのギター、アイリッシュな旋律を流れるように紡いでいく大渕愛子さんのフィドル、良いですね~。

この日もモダン・アイリッシュ・プロジェクトが終わり次第、会場内をぶらぶら楽しんだのですが、もう一つの小ステージ、ピーススマイルステージで、三味線とディジュリドゥのセッションがあったりして面白かったです。結局2日間通じて、メインステージはほとんど見ませんでした…。

実は、前回、当ブログで紹介しました「BOSSA AOYAMA 2011」も同じく10月22日、23日の2日間で開催されてまして、私は両日とも、まず昼間は代々木の「アースガーデン」、そして頃合いを見計らって青山の「BOSSA AOYAMA」へ移動、という、音楽漬けの2日間を過ごすことが出来ました。楽しかったです!



BLUBELL@原宿教会

2011-10-25 22:54:05 | ジャズ
BLUBELL / EU SOU DO TEMPO EM QUE A GENTE SE TELEFONAVA

10月22日、青山の原宿教会にてブルーベルのライヴを観てまいりました。この日は16時からと18時からの2回公演だったのですが、私が観たのは18時からの回。無料だったこともあり、立ち見が出る程の盛況振りでした。

ブラジル、サンパウロの女性シンガー、ブルーベル。大洋レコードのプロフィールでは『ジャズ・ボサ・ノヴァのスタイルを基盤に、ボードヴィルの戯けしさからラテン・ブーガルーへ』と紹介され、『現地の新聞や音楽誌などでマリーザ・モンチやマル・マガリャンエスと並んで賞賛される注目の存在』とのことでしたが、ブラジル音楽に疎い私は、ほぼ前知識ゼロで彼女のライヴに臨みました。

髪を後ろに結わいた小柄なブルーベル、そしてベーシスト&ギタリストの二人の男性からなるトリオ編成でのステージ。“サンパウロの妖精”とも評される、可憐ななかにもちょっぴりミステリアスな雰囲気を漂わすブルーベル、その歌唱はフワッとした妖精ヴォイスにしっとりとしたビター・スウィートなジャズ感が溶け込んでいる。クールなグルーヴを紡ぐベース・ラインに、情緒豊かに音を揺らすエレキ・ギター。3人の醸す空気感は、ジャジーな質感の中に室内楽のような親密感とセンスを感じさせ、その音数の隙間が聴く側の想像力を掻き立てる。

セットは「Estrangeira」、「Música」、「Chalala」など彼女の最新作「EU SOU DO TEMPO EM QUE A GENTE SE TELEFONAVA」からの楽曲が中心だったんですかね? 「Música」での鼻を摘んで歌ったり、カズーを吹いたりという、キッチュなポップ感も印象的でしたね。またバーデン・パウエルの「Consolação」なんかも演ってたかな? そして何と言っても日本の唱歌「故郷」でしょう。いきなり“うさぎ追ひしかの山~”とブルーベルが奇麗な日本語で歌い出した時はびっくりしました。当然、拍手喝采ですよ! 2番は観客も一緒に歌って、良い感じの一体感に。しかも日本語詩とブルーベルの妖精ヴォイスがまたよく合うんですよ。ホント美しい歌声でしたね~。最後には日本語で『よみがえれ日本』なんて言ってくれて、なんかウルウル来ちゃいましたね。ありがとう!ブルーベル!

教会という神聖な雰囲気の中でのライヴ。空間全体に響くような独特の音響から、より一層、ピュア且つ濃密な響きを堪能出来たように思います。終演後、CDを買い、サインも頂きました! とっても笑顔が可愛らしいブルーベルさんでした。


そしてその翌日、23日には青山のスパイラル・レコーズでも彼女達のライヴがあったのですが、私も前日のムードが忘れられず、またまた出かけてまいりました。今度はレコード店と言うよりは大きな雑貨屋さんでのライヴ。前日の教会とはまた違うカジュアルな雰囲気。ブルーベルは髪の毛を下ろし、より女性っぽい感じに。また、この日はツアー最終日と言うこともあってか、リラックスした空気も感じましたね。セットリストは概ね前日と同じだったように思いますが、エディット・ピアフの「La Vie en rose」を歌ってたのが印象的でした。前日には無かったアンコールもありましたし、ブルーベルも最終日らしく日本のファンや関係者に深く謝辞を述べていましたね。2日間に渡って質の高いライヴを心地良く堪能させて頂きました。こういうライヴを無料で見せてくれると言うのは嬉しいですね~。





実はこのブルーベルの青山でのライヴは、「BOSSA AOYAMA 2011」というイベントの一環でして、他にも日本のアーティストを中心に、青山周辺でボサノヴァ系の無料ライヴが多数行なわれてました。街角、雑貨屋、オフィスビルのロビー、BAR、教会など、街を歩きながらライヴが楽しめるという、面白いイベントでした。私もぶらぶらと散歩しながら、mizuGuccie、Muleque、MINASWING QUARTET 、MARQUINHOS LOPES など、いくつかライヴを観ましたが、なかでも 行川さをり という女性シンガーのライヴは素晴らしかったですね。ブラジル音楽をベースにアヴァンギャルドな感じもあったりで。なにしろ存在感抜群の歌声が素晴らしい!特にビョークの「Hyperballad」のカヴァーは感動的でしたね。こんな出会いがあるのも、こういうイベントの面白いところですね!

土と平和の祭典

2011-10-17 18:19:53 | フェス、イベント
10月16日、日比谷公園で開催された大地に感謝する収穫祭「土と平和の祭典」に行ってまいりました。“農的生活”をテーマに環境と平和を考えるイベント。さらに今年は放射能汚染という問題もあって、大地の大切さを考えさせられるイベントとなりました。とは言え、やっぱり私のお目当てはライヴな訳です! 久しぶりの渋さ知らズ、最高でした!

開演予定時間の15時きっかりに始まった渋さ知らズ。相変わらずぶっ飛んでましたね。リズムもブラス隊もダンサーもMCも全てが混沌としながら、一つの生き物のようにグラグラと燃え上がるよう。お馴染みの「火男」で爆発する無節操極まりないノリは強烈極まりない迫力。スローナンバー「ひこーき」の味わいと、その最後を引き継ぐ片山広明さんの貫禄漂うサックスの音色から名曲「ナーダム」へと雪崩れ込む流れにもゾクゾクさせられました。でも何と言っても「本多工務店のテーマ」の前に登場した南波トモコ嬢ですよ!彼女の存在感たるや! 何と言いますか、格の違うアングラ感を放出してました。もちろんいつものふんどし姿で観客を煽りまくる渡部さんも、相変わらずエネルギッシュな漁師ノリで最高でした!

ラストを飾った加藤登紀子さん。キーボードのみをバックにしたステージ。低く朗々とした歌声は流石に味わい深いものがありましたね。娘さんのYaeさんと共演した「アメイジンググレイス」は感動的でした。そしてラストは渋さ知らズを招いての「Power To The People」で大盛り上がり。渡部さんも自分のステージのように全開ですし、私服に戻った渋さのダンサー達は誰が誰だか分からない感じで、それがまたエンディングならではの賑やかさを醸してましたね。あと、韓国太鼓のチェ・ジェチョルさんの姿もありましたね。真っ赤な衣装で独特のステップを踏みながら、渋さのリズムに乗って太鼓を叩いてました。出演者も観客もみんなが笑顔になるような、気持ち良いエンディングでした。



当初、出演予定でしたFUNKISTのフルート奏者、春日井陽子さんが10月13日に亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りいたします。





フジロック・ベストアクト 番外編 その3

2011-10-16 00:34:17 | フジロック
まだやってる、「ルーツな日記」的フジロック・ベストアクト。しかも今回も番外編。題して「フジロック何でもベスト5」です。


・観れなくて残念至極だったアーティスト、ベスト5

1位:バディ・ガイ
2位:フェイセズ
3位:サム・ムーア
4位:ベスト・コースト
5位:マヌ・チャオ

なんかベスト3があまりに凄いメンツでクラクラしますね~。ちなみに1位のバディ・ガイは現地でキャンセルを知ってガッカリでした。他はいわゆる“かぶり”です。こればっかりは仕方ありませんね。サム・ムーアだけは2曲程チラッと観れましたけどね…。あとはビッグ・オーディオ・ダイナマイトも観たかったな~。いやもちろんコールドプレイだって、ケミカルブラザーズだって観たかったですよ。あとモンゴルのHANGGAIも!(言い出したらきりがありません…。)



・ライヴ以外で良かったこと、ベスト5

1位:夜のヘヴン
2位:夜のボードウォーク
3位:前夜祭
4位:カフェ・ド・パリ
5位:ぬかるみ

最終日、バディ・ガイのキャンセルはホント残念だったんですけど、じゃあ、その空いた時間をどうしようか?と考えた時、オレンジでその代役のニュー・マスター・サウンズを観るとか、ヘヴンでダーク・スター・オーケストラを観るとか、ホワイトでケイクを観るとか、意外とよりどりみどりだった訳ですよ。ですが、そこを敢えてまったりと、夜のヘヴン&ボードウォークを楽しんでしまおうと、そう思った次第なのであります。まずホワイトに行き、ケイクの始まりを待ちます。そして2曲程堪能した後、いよいよボードウォークへ入いる。ケイクの生演奏をBGMに夜の森林探検ですよ。なんて贅沢。途中、木道亭がスクリーンを利用したサイケデリックなライト・ショーのようになっていて凄く奇麗でした! そしていつしかBGMはヘヴンで演奏中のダーク・スター・オーケストラへと変わる。ヘヴンへの分かれ道を通り過ぎると、魅惑のミラーボール地帯。毎年これを楽しみにしている人も多いんじゃないですかね。森の中でキラキラ光る大小のミラーボール。ロックフェスだからこその異空間。思わず時が経つのを忘れてしまいそう。そしてオレンジ・コートへと辿り着く。そこではニュー・マスター・サウンズがファンキーに演奏中! しかしその演奏を横目にヘヴンへと足を向ける。オレンジとヘヴンを繋ぐ道では、ミラーボールとその光を映し出す布のデコレーションが、めくるめく虹色の輝きを演出している。その光をくぐり抜け、フィールド・オブ・ヘヴンへ入る。ステージではグレイトフル・デッドのトリビュートバンド、ダーク・スター・オーケストラがトリッピーに演奏中。それをチラチラ観ながら後方のテント群に軒を並べるオーガニックなショップを見て回る。それぞれが奇麗な飾り付けをしていて楽しい。Swanka Shankaでドリンクでも頼もうかと思うと、店員さんが踊りながら注文とってる。なんか幸せな気分になりますよね~。夜のヘヴン、大好きです! バディ・ガイのキャンセルという思わぬ事態が、夜のヘヴンをがっつり堪能、という極上の時間を生み出してくれたという、フジロック・マジック!

3位の前夜祭は、そのイベント自体が楽しいのはもちろんなんですが、それ以上に、『あ~、フジロックに戻ってきた!』という感動と、『明日から夢のような3日間が始まる!』という希望に満ちあふれたワクワク感。これが堪らないのです。間違いなく、1年で最も気分が高揚する夜。そしてカフェ・ド・パリ。相変わらず独特な雰囲気がありましたね。JOJO SWING QUINTETや、BIG WILLIE'S BURLESQUEのライヴももちろん最高でしたが、突然始まったセクシーなテキーラ・ガール達のアクロバチックなポール・ダンスには驚きました。あと、今年はぬかるみに悩まされた3日間でしたが、あれだけぬかるんじゃうと、逆に愛着がわくような。ある意味フジロック名物みたいな?だって他のフェスに行っても足下がぬかるんでないと何となく物足りなく感じちゃったり。でもね、来年はぬかるんでない方が良いかな…。



・美味しかった、ベスト5
1位:蜂蜜とシナモンのクレープ(ル・ジャルダン・ゴロワ)
2位:ベーコンエッグロール(Pizza la Andy)
3位:カットパイン(Swanka Shanka)
4位:豆腐ドーナッツ(太陽食堂)
5位:ラムチョップ(ながおか屋)

私にとって、フジロックで欠かせないのがル・ジャルダン・ゴロワのクレープ。忘れないうちにと初日の朝に食べました。絶品です! 場外エリアにあるピザ屋さんPizza la Andyは、フジ終了の明朝、帰りがけに食べた朝メニュー。これは来年も必ず食べよう!とおもう旨さでした。何だかんだで3日間ともお世話になったSwanka Shankaですが、フレッシュなカットパインが妙に嬉しかった!


・残念だったこと、ベスト5
1位:もっと、パレスで遊びたかった…
2位:ドラゴンドラに乗れなかった…
3位:嗚呼、マイタケ天丼…
4位:今年も盆踊りに間に合わず…
5位:---

毎年、夜のパレスには憧れるんですが、疲れちゃってなかなかね~。今年も少しは覗きましたけど、サーカスは観れなかったですし、その他アトラクションも全然体験出来ませんでした…。ドラゴンドラもここ数年、乗れてないんですよね~。あとタナカクマキチのマイタケ天丼。これこそ私にとってフジの味なんです!最終日に食べようと楽しみにしていたのですが、なんと売り切れ…。これには参りました。食べたいものは初日からガンガン食べていかないとダメですね。という教訓を得ました。前夜祭参加は今年で3回目か4回目なんですけど、いまだに盆踊りに間に合ったためしがないんです。今年は随分、早めに現地入りしたつもりだったんですけどね~。


そう言えば、今年のフジロック開催が発表されたとき、私の目標ベスト5というのを考えたんです。それは以下の5つでした。

1. 大小全てのステージを見る!
2. エコ活動をする!
3. 前夜祭の盆踊りに参加する!
4. 初日の朝一でドラゴンドラ!
5. 最終日の「Power To The People」をモッシュピットで騒ぐ!

正直、ハードルが高すぎました。結果は一つも達成出来きないという体たらく。まず1つ目ですが、これは結構観ました。ですがドラゴンドラに乗れてないので、デイ・ドリーミングがね~。あとピラミッド・ガーデンは仕方ないかな…。2つ目は、初日に紙コップの仕分け作業をやろうと思ったのですが、まだ紙コップ自体が集まってないという事で出来ませんでした。それ以降、なかなかタイミングが合わず…。3つ目は、先に書いた通り今年も間に合わず…。4つ目は、やる気充分だったのですが雨降ってたのでやめました…。そして5つ目。これはね~、クロージングのザ・ミュージックが終わった直後、モッシュ・ピットに入ろうと、その入り口付近に待機してたんですが、次から次へとピットから出てくる人が延々と続いて、そのうち記念撮影が終わり、「Power To The People」がかかり、その間も出てくる人の列が途切れず、結局、入り口外から、みんなが中で騒いでる姿を眺めてるだけという感じで終わりました。ちなみに我妻はその中で知らない人達とハイタッチしたりして楽しんでたそうです。ちょっと悔しい…。


下の写真は夜のヘヴン&ボードウォークを中心に。

















~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 11.09.30 フジロック・ベストアクト 番外編 その2
 11.09.29 フジロック・ベストアクト 番外編 その1
 11.09.23 フジロック・ベストアクト第3位! アマドゥ&マリアム
 11.09.19 フジロック・ベストアクト第4位! ウィルコ
 11.09.17 フジロック・ベストアクト第5位! マーク・リボーと偽キューバ人達
 11.08.05 フジロックの10曲!


BEAT CIRCUIT 2011 ASA&TETE @六本木ヒルズアリーナ

2011-10-12 18:43:29 | フェス、イベント
10月10日、六本木ヒルズにて「BEAT CIRCUIT 2011」を観てまいりました。出演はキリエ・クリストマンソン、テテ、アシャの3組。六本木ヒルズアリーナで行なわれるイベントと言うと椅子席な印象ですが、この日はオール・スタンディング。私は前から3列目の中央付近に陣取り、かなりの至近距離から観る事が出来ました。


まずはキリエ・クリストマンソンから。彼女はこの日のオープニング・アクトという位置づけ。カナダ生まれで現在はフランスのパリ在住だそう。なるほど北国出身らしいひんやりとした幻想的な世界を聴かせてくれました。透明度の高い美声で落ち着いた雰囲気ながら、リズムを強調した歌唱スタイルはかなりフリーキーな印象。ギター弾き語りだけではなくトランペット&歌に観客のコーラスを巻き込んで1曲披露したりと、たった一人でなかなか面白いステージを見せてくれました。

そして2番手はこの日のメインの一人、テテ。セネガル出身ながら幼い頃にフランスに移住したという彼。そのせいか、ポップ且つメランコリーなメロディと、ファンルセットを交えた軽快且つ叙情的な歌声には、ヨーロッパ的な“粋”を感じさせられます。さらに佇まいや服装(帽子とか腰につけた小さなバッグとか)などもかなりオシャレな印象。ですがその歌唱やギターの躍動感にはさすがアフリカ生まれな血を感じさせられましたね。なんて言いますか、まるでリズムにバネがあるような、そんな弾力感に溢れてるんです。それはアコギ弾き語りとは思えない“しなやか”なグルーヴ。さらにちょっとした身のこなしなんかも“しなやか”。例えば間奏になると跳ねるように前へ出てきたり。そして左右に動き回っては、観客を煽る。表情も豊かで人懐っこい。曲目は「L'envie et le dédain」とか、「Fils De Cham」とか、「Le premier clair de l'aube」とか演ったかな? “Do you like brues?”と観客に声をかけて始めたブギー調の曲(80年代のUSパンク・バンド、VIOLENT FEMMESの「Blister in the sun」のカヴァーかな?)も印象的でしたね。ラストは「A la faveur de l'automne」をアンプもマイクも無しの完全アンプラグドで。シーンと静まり返った会場に滲みるような彼の歌声が素晴らしかったですね! 最後に日本語で『またね!』と言って去っていきました。

そしてトリを務めたアシャ。彼女はパリ生まれのナイジェリア人。ドラムス、ベース、キーボード、ギター×2という5人の男性+バック・コーラスの女性1人からなるフル・バンドを従えてのステージ。アシャは黒い踊り子のような衣装で登場。「Bimpé」で始まったそのステージ。中盤のメタリックなギター・リフが冴えるアーバンな演奏にアシャのソウルフルな歌声が映える。アーバンとは言え、アフリカはもちろん、レゲエとか色々な音楽がミクスチャーされている。そしてアシャの歌声はスモーキーな憂いを感じさせつつ、まるで土っぽさと洗練の狭間をエモーショナルに、そして力強く泳いでいくような感性。そして「Why Can't We」のようなポップな曲では一瞬にして会場が華やかな雰囲気に。サビの『フッフー!フッフー!』という掛け声を観客みんなで歌ったり。さらにスロー・ナンバーの「Bamidele」がまた圧巻。野外の空気を包み込むようなアシャのスピリチュアルな歌声に聴き惚れました。またこの曲の終盤で裸足の足首に鈴をつけてステージ狭しとステップを踏むアシャの姿も印象的でしたね。

ステージ終盤の「Jailer」ではテテが飛び入りして盛り上がりました。数日前にJ-WAVEの番組で二人が生デュエットをしたのを聴いたばかりでしたので、この日もきっと共演があるだろうと期待していましたが、やはりでした! この曲での二人の楽しそうな感じがまた良かったですね。そして本編ラストは「Be My Man」。ちょっぴりアンニュイなフレンチ・ポップが夜の空気には弾けました!

そしてアンコール。アシャは低いトーンで観客に語りかける。私は例によって何を話してくれているのか分かりませんでしたが、おそらく震災について語ってくれてたんでしょうね。意味は分からなくても、アシャの気持のようなものはひしひしと伝わってきました。そしてガット・ギターをバックに歌った「Eyé Àdabà」。感動的でしたね。間違いなくこの夜のハイライト! そしてしっとりとした後はアップ・テンポの「Broda Olé」で楽しく終わる。もうノリノリで終了。しかし拍手が鳴り止まない。2度目のアンコール。今度はテテを伴って。曲はU2の「One」。この曲こそ2人がJ-WAVEで歌ってた曲。このデュエットは最高でしたね! 二人のソウルが生み出すピュア且つオーガニックな昂揚感で会場が満たされました。あ~、終わっちゃった、と思いつつも、また拍手が鳴り止まない。永遠に鳴り止みそうも無い拍手に、もう一度メンバー達がステージに現れ、1列になって2度、深々とお辞儀をして終了。

それにしても、アシャ、テテ、両人のポジティヴなメッセージが、音楽から溢れ出るようなライヴでした。さらに二人ともMCや曲中に沢山の日本語を交えてくれたので、とても親密感の高い、幸福感一杯のライヴになりましたね。で、二人とも盛り上げ上手! 特にテテは自分のステージよりアシャのステージで弾けていた感じで、コール&レスポンスとか腕を左右に振ったりとか、持ち前のキャラ全開で盛り上げてくれました。私は前の方で観ていたので、観客全体の盛り上がりはよく分からなかったのですが、後ろから遠目に観ていた私の妻が、終演後「凄い楽しそうなライヴだったね! もの凄く盛り上がってたよ!」って言ってたので、やっぱりね~、と思いました。


アシャのセットリスト↓

01. Bimpé
02. Ok Ok
03. Why Can't We
04. Fire On The Mountain
05. Bamidele
06. 360°
07. The Way I Feel
08. Jailer
09. Be My Man
--------------------
1st アンコール
10. Eyé Àdabà
11. Broda Olé

2nd アンコール
12. One




ASA / BEAUTIFUL IMPER FECTION


TETE / LE PREMIER CLAIR DE L'AUBE

終演後のサイン会で、お二人にサインを頂きました。長蛇の列が出来ましたが、二人とも惜しみなくファンと交流をされるフレンドリーな方でした。ま、そのおかげでサイン会はもの凄く時間がかかりましたけどね…。でもそれもお二人のファンへ対する愛ゆえにということで。


*曲目等、間違ってましたらごめんなさいね。

京浜ロック

2011-10-10 12:17:23 | フェス、イベント
10月9日、川崎の東扇島東公園で開催された京浜ロックに行ってまいりました! 

ちょっと出遅れてしまいましてリクル・マイさんには間に合わず、ブルース・ザ・ブッチャー&ムッシュかまやつから。黒スーツ&黒ネクタイで決めてきたブルース・ザ・ブッチャー。そしてその向かって左側に超ラフな格好のムッシュさん。「Walking The Dog」とか、「High Time Baby」、「Te-Ni-Nee-Ni-Nu」など、ムッシュさんが加わると選曲がモッズっぽくなるから格好良い! もちろんブルース・ザ・ブッチャーお馴染みの「Baby What You Want Me To Do」とか「Mojo Boogie」なんかも演りました。コテツさんのハープはいつ聴いても勢いがあって素晴らしい! ラストは「Kansas City」で終了。

木村充揮さんは一人でフルアコ型のエレキ・ギター弾き語り。曲間では観客とのやり取りや、突然「シュボボボ~ン」みたいな意味不明な言葉を可愛いダミ声で発したりと、キャラ全開。ですが「胸が痛い」とか、「あたしの彼氏」とか、「花」とか、「君といつまでも」とか歌い出したらそりゃもう、極上の世界。堪りませんでしたね。特に「胸が痛い」は絶品でした。「おそうじオバチャン」も演ってました。最後はお馴染み「嫌んなった」。そして鳴り止まない拍手にアンコール「ケサラ」。これも素晴らしかった!!

そして正直、ノーチェックだったBACA-BACCA。元キャロルとか、元ダウンタウンブギウギバンドとか、元竜童組とか、元キングトーンズとかっていう腕利きメンバーからなるロック・バンドらしいのですが、流石に演奏はやたら上手い。そのバンド名からもっと趣味的なユルい感じを想像していましたが、これがやたらタイトなブルース・ロックで痺れました。これぞいぶし銀の格好良さ!

宇崎竜童さん。アコギ弾き語り。私はデキシーランド・ジャズのバンドを率いてトランペットを吹いている宇崎さんは何度か見かけた事があるのですが、本職の宇崎さんを観るのはこれが初めて。ジャズ・バンドでの控えめな感じとはうってかわって熱血な感じで格好良かったですね~。『俺についてこい!』的にコール&レスポンスや手拍子で観客達を巻き込んでいく姿に痺れましたね。もちろん渋い曲も聴かせてくれました。「横浜ホンキートンク・ ブルース」とか良かったですね~。そしてアンコールで披露された「さよならの向う側」。山口百恵さんに提供された超名曲ですが、宇崎さんが歌うとブルージーな味わい。ホント名曲ですね!


もちろん他にも沢山のアーティストが出演しましたし、これで投げ銭のみですからね~。破格のイベントですよ。天気にも恵まれ、芝生と海が見える会場も気持ち良いですしね。越路姉妹も面白かったです!













アイリッシュ、そしてニューオリンズ・ジャズ

2011-10-06 20:26:14 | ジャズ

最近、立て続けに面白いライヴを見たので纏めておきます。


9/29(木)Modern Irish Project×チェ・ジェチョル @コピス吉祥寺ウッドデッキ
邦アイリッシュ・シーンにおける新世代の旗手、モダン・アイリッシュ・プロジェクト。ドラムス、ギター、フィドルのトリオ。彼等のライヴは何度か見た事がありますが、今回は韓国太鼓チャンゴ奏者のチェ・ジェチョルさんとのセッション。とにかくモダン・アイリッシュ・プロジェクトのライヴは凄い! 数曲をセットにして演奏されるアイリッシュのスタイルが、まるでメドレーをインプロの流れで自在に繋いでいくかのようなジャム・バンド的なスリルを横溢に感じさせてくれる。田嶋友輔さんのスウィンギーなドラム、キレのあるカッティングで縦横無尽にグルーヴを支配する長尾晃司さんのギター、そしてワウなどのエフェクターを駆使しつつイマジネイション豊かなソロを彩る大渕愛子さんのフィドル。この3人の絡みはエネルギッシュ極まりない。さらにこの日は、チェ・ジェチョルさんの韓国太鼓が加わる。日本の鼓を一回り大きくしたような形の太鼓を腰の辺りで叩くのですが、これがもう、まるで舞うように叩く。ここぞという時はステージの前方へ躍り出て華麗にステップを踏みながら叩いたり。さらに頭に被った帽子の先端には新体操で使うような長いリボンが付いていて、リズムに合わせて頭を振ると、そのリボンが奇麗な円を描くようにぐるぐる回るというパフォーマンス。アイリッシュ音楽に舞う韓国の伝統。面白いですね~。もちろん彼が乗ってくるとリズムの勢いも俄然増してくる! 大渕さんのフィドルも格好良かったな~! この日は吉祥寺コピス前で行なわれているバスキングというストリート・ライヴでして、彼等のエキサイティングな演奏に沢山の人が集まっていました。

Moden Irish Project のサイト→http://mipmusic.jimdo.com/



10/2日(日)John John Festival×神永大輔 @コピス吉祥寺ウッドデッキ
モダン・アイリッシュ・プロジェクトの数日後、同じ場所でのバスキングで観たジョン・ジョン・フェスティバル。こちらも今熱い邦アイリッシュ・シーンの一角を担うグループ。今回は尺八奏者の神永大輔さんを加えてのライヴ。モダン・アイリッシュ・プロジェクトが韓国太鼓とのコラボならば、こちらは尺八とのコラボですよ! アイリッシュ音楽ではティン・ホイッスルなどの笛が使われるので、尺八が入ってもさほど違和感はないかな? でも尺八特有の“ブワッ!”というアタック感や、音をブルブル振るわすような音色がアイリッシュの中で響くとやはり新鮮。私はこのジョン・ジョン・フェスティバル自体、ライヴを観るのは初めてだったのですが、モダン・アイリッシュ・プロジェクトとはまた違った魅力があって良かったですね~。まずリズムがドラムではなくバウロンというアイルランドのパーカッションを使っている。このバウロンを操るトシバウロンさんのリズムがエモーショナルで良いんですよ! で、Johnさんの弾くフィドルもアコースティックですし、Annieさんのギターもいたって素朴な感じ。演奏自体もよりトラディショナルで叙情的。ですが聴き進めていくうちに、やはり現代的な洗練を感じさせてくれる。演っている曲目もオリジナルやゲーム音楽(ファイナル・ファンタージー等)のカヴァーだそう。楽曲のスケール感を感じさせてくれる情感豊かな演奏が素晴らしかったですね。また尺八が加わる事で独特な世界観を聴かせてくれました。

ちなみに、このトシバウロンさんは、モダン・アイリッシュ・プロジェクトの長尾さん、大渕さん、さらにパリ在住で欧州のブルースシーンで活躍中というハープ奏者の清野美土さんと共に、ハモニカクリームズというバンドもやっているそうで、こちらはアイリッシュとブルースを掛け合わせた“ケルト・ブルース”なる音楽をやっているとか。実は私も一度だけこのグループのライヴを観た事があるのですが、なるほどケルト・ブルースでした。さらにジョン・ジョン・フェスティバル本体はニューオーリンズ・ジャズのグループ、ハチャトゥリアンとの交流もあるようで、YouTubeで検索すると両者共演による「聖者の行進」や「Iko Iko」が観れたりして面白い。

John John Festival のサイト→http://jjf.jimdo.com/


それにしても、アイリッシュを中心に、韓国、邦楽、ブルース、ニューオーリンズ・ジャズがクロスオーバーしているこの現況、興味深いですね~。



9/30(金)ハチャトゥリアン @西荻窪ミントンハウス
そして、そのハチャトゥリアン。トロンボーンの菊池ハルカさんと、バンジョーの丸山朝光さんによるニューオーリンズ・ジャズ・ユニット。二人はハロバンドというバンド編成での活動もされていまして、私はそのハロバンドのライヴは一度だけ観た事があるのですが、こちらのハチャトゥリアンはこの日が初めて。トロンボーン&バンジョーというスタイルはなかなか珍しいと思うので凄く楽しみにしていました。やはりトロンボーンとバンジョーだけという恐ろしくシンプルな組み合わせは、より原始的なトラディショナル感を感じさせてくれますし、また逆にシンプル故のディープさがありましたね。二人の呼吸とか、音と音の絡みや反応が濃密に伝わって来る感じ。1曲ごとに曲の説明などもしてくれるので、私のようにジャズに疎い人間でもとても楽しい時間を過ごす事が出来ました。もちろん「On The Sunny Side Of The Street」、「Bourbon Street Parade」、「Basin Street Blues」など超有名な曲もやってくれましたし、「Iko Iko」までやってくれました。トロンボーンの響きはサックスやトランペットとは違う暖かみがあって良いですね。菊池さんの吹くトロンボーンも流石にスウィンギーで味わい深い音色でした。そして丸山さんのバンジョー! 土っぽいコード感はいにしえのかの地へとトリップさせてくれるようでしたし、小気味良いストロークにはまるでパーカッションのような印象さえ受けました。そしてそこへ菊池さんのトロンボーンが絡む。良いですね~!! やっぱニューオーリンズは良いな~! ちなみにこちらの西荻窪ミントンハウスとうジャズ・バーも初めて入ったのですが、休憩時間になると、出演者と観客がマスターの元に集まり、様々なニューオーリンズ・ジャズ話に花が咲くという素敵なお店でした。

で、この菊池ハルカさんという方、「日本でマルディグラをやりたい!」という自らのニューオーリンズ愛から『マルディグラin島根』を計画されているという素敵な女性。マルディグラと言うのはニューオーリンズで行なわれる音楽祭で、世界三大カーニバルにも数えられている巨大なお祭り。それをニューオーリンズの姉妹都市である島根でやろうというもの。ご自身も実際に島根へ行き、現実に向けて着実に歩を進めているようです。ぜひぜひ、実現させて欲しいですね!! 日本でマルディグラ! 楽しそうですよね~!

ハチャトゥリアンのサイト→http://haroband.com/khachaturian/
菊池ハルカさんのブログ→http://haroblog.jugem.jp/


そそるライヴ 10月編

2011-10-03 23:52:51 | そそるライヴ
関東近辺にて10月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。


10/04(火)TOWER OF POWER @ブルーノート東京
10/08(土)朝霧ジャム @富士宮市 朝霧アリーナ
10/09(日)朝霧ジャム @富士宮市 朝霧アリーナ
10/09(日)JOE BATAAN @浅草 アサヒ・アートスクエア
10/09(日)京浜ロック2011 @東扇島 東公園特設会場 入場フリー!(ドメーション)
10/10(月)BEAT CIRCUIT 2011 ASA & TETE @六本木ヒルズアリーナ
10/11(火)TOOTS THIELEMANS @ブルーノート東京
10/13(木)ALISON BROWN QUARTET @渋谷 Mt.Rainier Hall
10/14(金)Stanley Smith @渋谷 CLUB QUATTRO
10/15(土)RICO RODRIGUEZ @新宿 MARZ
10/16(日)土と平和の祭典2011 @日比谷公園 入場フリー!
10/21(金)HERBESTA FESTIVAL ’11 @長野県こだまの森キャンプ場 入場フリー!
10/22(土)HERBESTA FESTIVAL ’11 @長野県こだまの森キャンプ場 入場フリー!
10/23(日)HERBESTA FESTIVAL ’11 @長野県こだまの森キャンプ場 入場フリー!
10/22(土)アースガーデン“秋” @代々木公園 入場フリー!
10/23(日)アースガーデン“秋” @代々木公園 入場フリー!
10/23(日)LET’S GET OUTSIDE @国営昭和記念公園 入場フリー!
10/24(月)Pharoah Sanders @ビルボードライヴ東京
10/25(火)Bruce Hughes, Matt The Electrician & Scrappy Jud Newcomb special guest: Jim Boggia @横浜 Thumbs Up
10/25(火)CHICO presents "THE GYPSY PROJECT" @ブルーノート東京
10/27(木)KAKI KING @丸の内コットンクラブ
10/30(日)ANTARU FESTIVAL @代々木公園 入場フリー!
10/30(日)Dirty Dozen Brass Band @ビルボードライヴ東京
10/30(日)Dr.K還暦記念 LET'S SWAMP TOUR @渋谷 Mt.Rainier Hall



お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!

@三鷹の森フェスティバル

2011-10-02 13:26:00 | フェス、イベント
今日は井の頭公園で開催されている「三鷹の森フェスティバル」に来ています。私のお目当ては、羊毛とおはな。なんか凄くローカルな雰囲気と、公園の木々の臭いが凄く心地好いです。先程、青谷明日香さんが終わりました。羊毛さんにはまだ時間があるな~。


帰宅後追記:

青谷明日香さんは、今年のフジロックにも出演されていたので気にはなっていたのですが、今日、初めてライヴを見る事が出来ました。まろやかな素敵な歌声をしていましたね。でも私、ちょっと遅れて現地に到着したので、最後の1曲しか聴けなかったんですけど…。そして、羊毛とおはな。やはり最高でしたね~。リハーサルの「人魚」から聴き惚れちゃいましたね。「晴れのち晴れ」、「空が白くてさ」などのオリジナル曲の他、フェアーグラウンド・アトラクションの「Perfect」とか、オアシスの「Don't Look Back In Anger」のカヴァーもやってましたね。最後は「カントリーロード」。市川さんのギターが奏でる軽やかなリズム、まるで空に溶け込んでいくような千葉さんの奇麗な歌声。この二人の「カントリーロード」はホント最高ですよね。幸せでした! そしてトリを飾った、おおはた雄一さん。色々なところでしょっちゅう名前を見かけるものの、ライヴをちゃんと観るのはこの日が初めて。ボブ・ディランの「Don't Think Twice,It's All Right」を日本語ヴァージョンで歌ってて、なんか独特の雰囲気があって引き込まれました。ラグタイムっぽいノリの「Ditty Wah Ditty」も日本語詩になってましたけどブラインド・ブレイクの曲かな? ムッシュかまやつさんの「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」なんかもやってました。ただなんとなく、おおはたさんってワイゼンボーンを弾くイメージがあるんですけど、普通にアコギ弾き語りでした。

会場のイメージはいわゆるオーガニックな音楽フェスという感じではなく、地域のお祭りなイメージ。でもそのローカルな感じが逆に和やかな雰囲気で良かったですね。