2月15日、ビルボードライヴ東京にて、ドクター・ジョンを観てまいりました! 私が観たのはこの日の2ndショー。今回の来日公演最終ステージです。
ほぼ定刻、まずはバック・バンド、ザ・ロウワー・911のメンバーがステージに登場。ジョン・フォール(g)、デヴィッド・バラード(b)、レイモンド・ウェバー(ds)の3人。そして始まったのはなんと「Iko Iko」。いきなり~!!しかもドクター・ジョン抜きで?みたいな雰囲気の中、しばらくしてステージ左奥からドクター・ジョン様登場。拍手喝采を受けながら、お馴染みのジャラジャラと飾り付けられた杖をつきながらゆっくりと。ストライプのスーツにハンチング、そしてサングラス。首からやはりジャラジャラとしたものをぶら下げてる。ドクターらしい派手&妖しいお洒落。そしてピアノの前に座り歌い始める。あのしゃがれ声!! ピアノも良い!!やっぱりドクター・ジョンの歌い弾く「Iko Iko」は格別ですね。
続いてデューク・エリントン「Caravan」をスローな妖しい雰囲気で。この曲ではドクターはオルガンを弾いてました。ステージ中央にピアノとオルガンが向かい合わせにセットされてまして、公演前半はほぼ交互な感じでピアノ弾いたり、オルガン弾いたりな感じでした。もちろんピアノ&オルガンの上は、なにやらジャラジャラしたものや、しゃれこうべ的なもので飾られていて、妖しい雰囲気を醸していました。
前半印象的だったのは「Mama Roux」と「I Walk On Gilded Splinters」。68年のデビュー作から2曲続けてというディープな展開。「Mama Roux」の漂うようなトロピカル感と、そこに軽快に絡むドクターの歌声が気持ちよかったです。そしてヴードゥー感全開の「I Walk On Gilded Splinters」。これはまさにドクターの“魔術”がじわじわと浸透していくような演奏。途中、ピアノの上にあった例のジャラジャラや、巨大な蟹のハサミ?みたいなものを、骨?のような棒で叩きながらステージ上を徘徊してました。妖し過ぎる~。でもそこが格好良い!!
そしてニューオーリンズ印のピアノ・イントロから始まる「Qualfied」。名盤「IN THE RIGHT PLACE」収録のファンキー・ナンバーですね。やっぱりこういう曲は上がりますね。ブレイクでのピアノのハネ具合も最高でしたし、途中、左手はピアノで伴奏しながら、右手を後ろに延ばしオルガン・ソロを弾くなんていう場面もあって痺れました。そしてまたふくよか且つタイトなリズムを演出するバンドの演奏が良い! 昨年亡くなられた名手ハーマン・アーネストに代わってドラムスに座るレイモンド・ウェバー、彼もニューオーリンズを代表する人気ドラマーですよね。 そしてデヴィッド・バラードのベース。アダルトなグルーヴの中に流石はニューオーリンズな瑞々しい躍動感が溢れてました。そして的確なバッキングだけでなく各所で秀逸なソロも披露したギタリスト、ジョン・フォールも見事でした。
そしてドクター・ジョンがギターを弾きながら歌った「Wang Dang Doodle」。ハウリン・ウルフ、ココ・テイラーで知られるウィリー・ディクソン曲ですね。何故この曲なのかはよく分かりませんが、ドクターのライヴでは度々お目にかかる曲のようです。最近ではシンディー・ローパーとのツアーでこの曲を彼女と共演したことが話題になってましたね。で、ドクターのギターですが、味わいのある切れ味でした。やっぱりそのタイム感には譲れないニューオーリンズ臭を感じましたね。そして立ってギターを弾く姿も格好良かった!
ギターでステージを沸かしたあと、ピアノに戻って弾き始めたフレーズ。エレガントな洒落た響きに何処か枯れた風合いが漂う。「Such A Night」です! やはりドクター・ジョンと言えばこの曲ですよね。このままインストでもいいかも?ってぐらい長めなイントロがまた極上で、そのピアノの音色に観客達も静かに聴き惚れる感じ。そしてドクターがいよいよ『サッチャナイ~』と歌い始めると一際大きな拍手。この歌ですよ! いや~、この味わいはドクターにしか出せない唯一無比のもの。これぞドクター節。さらに終盤には素晴らしいピアノ独奏ソロもあったりで、ホント最高でした。
そして89年のアルバム「IN A SENTIMENTAL MOOD」から「Makin' Whoopee!」。この曲ってリッキー・リー・ジョーンズとのデュエットでグラミー賞のジャズ・ヴォーカル部門を獲ってるんですよね。この選曲も嬉しかった!そして「TRIBAL」からの「Potnah」を挟んで「When the Saints Go Marching In」。と言ってもあの明るいあれではなく、「N'AWLINZ DISDAT OR D'UDDA」収録の重いゴスペル・スタイル。アルバムではメイヴィス・ステイプルズが重厚な歌声を聴かせてくれましたが、ここではベーシストのデヴィッド・バラードが素晴らしくソウルフルな喉を披露してくれる。そのデヴィッドとドクターの歌い継ぎがまた何とも言えない深い陰影を感じさせてくれましたね。
ステージもいよいよ終盤。トラディショナルなゴスペル曲「Lay My Burden Down」。アップテンポな昂揚感が会場の熱気をぐんぐん上げていく。そしてトドメの「My Indian Red」。あのTREMEのサントラにも収録されていたこの曲。これはもうニューオーリンズの楽しさ満開。インディアンの土っぽい伝統とセカンドラインな弾力が会場をうねるように巻き込んでいく。ドクターの歌とピアノも弾けまくる。途中、「Down By the Riverside」を挟む展開も圧巻でした。そして観客の握手攻めに遭いながらステージを去るドクター。およそ1時間30分、見事にドクター色に染められた一夜でした。
セットリスト↓
01. Iko Iko
02. Caravan
03. Feel Good Music
04. Mama Roux
05. I Walk On Guilded Splinters
06. Qualified
07. Wang Dang Doodle
08. Such A Night
09. Black Widow
10. Makin Whoopee!
11. Potnah
12. When the Saints Go Marching In
13. Lay My Burden Down
14. My Indian Red~Down By The Riverside
それにしても見事なセットリストでしたね。いきなり代名詞的な「Iko Iko」で始まり、代表曲やマニアックな選曲を含めながら、最後は「When the Saints Go Marching In」からのニューオーリンズ印のトラディショナル3連発。天晴でした。ちなみに各ステージごとにセット・リストはガラッと変わったようです。私が見たステージでは演らなかったあの名曲やら、あんなカヴァーやら、見所、聴き所がそれぞれ満載だったようです。ま、それはまた次回、来日してくれた時にうまく巡り会えば、って感じですかね。きっと新作を携えて近々来てくれることでしょう。ドクター・ジョン自身、もう70歳を超え、杖をつきながらその歩き方もゆっくりだったとは言え、まだまだ元気でしたから!
ほぼ定刻、まずはバック・バンド、ザ・ロウワー・911のメンバーがステージに登場。ジョン・フォール(g)、デヴィッド・バラード(b)、レイモンド・ウェバー(ds)の3人。そして始まったのはなんと「Iko Iko」。いきなり~!!しかもドクター・ジョン抜きで?みたいな雰囲気の中、しばらくしてステージ左奥からドクター・ジョン様登場。拍手喝采を受けながら、お馴染みのジャラジャラと飾り付けられた杖をつきながらゆっくりと。ストライプのスーツにハンチング、そしてサングラス。首からやはりジャラジャラとしたものをぶら下げてる。ドクターらしい派手&妖しいお洒落。そしてピアノの前に座り歌い始める。あのしゃがれ声!! ピアノも良い!!やっぱりドクター・ジョンの歌い弾く「Iko Iko」は格別ですね。
続いてデューク・エリントン「Caravan」をスローな妖しい雰囲気で。この曲ではドクターはオルガンを弾いてました。ステージ中央にピアノとオルガンが向かい合わせにセットされてまして、公演前半はほぼ交互な感じでピアノ弾いたり、オルガン弾いたりな感じでした。もちろんピアノ&オルガンの上は、なにやらジャラジャラしたものや、しゃれこうべ的なもので飾られていて、妖しい雰囲気を醸していました。
前半印象的だったのは「Mama Roux」と「I Walk On Gilded Splinters」。68年のデビュー作から2曲続けてというディープな展開。「Mama Roux」の漂うようなトロピカル感と、そこに軽快に絡むドクターの歌声が気持ちよかったです。そしてヴードゥー感全開の「I Walk On Gilded Splinters」。これはまさにドクターの“魔術”がじわじわと浸透していくような演奏。途中、ピアノの上にあった例のジャラジャラや、巨大な蟹のハサミ?みたいなものを、骨?のような棒で叩きながらステージ上を徘徊してました。妖し過ぎる~。でもそこが格好良い!!
そしてニューオーリンズ印のピアノ・イントロから始まる「Qualfied」。名盤「IN THE RIGHT PLACE」収録のファンキー・ナンバーですね。やっぱりこういう曲は上がりますね。ブレイクでのピアノのハネ具合も最高でしたし、途中、左手はピアノで伴奏しながら、右手を後ろに延ばしオルガン・ソロを弾くなんていう場面もあって痺れました。そしてまたふくよか且つタイトなリズムを演出するバンドの演奏が良い! 昨年亡くなられた名手ハーマン・アーネストに代わってドラムスに座るレイモンド・ウェバー、彼もニューオーリンズを代表する人気ドラマーですよね。 そしてデヴィッド・バラードのベース。アダルトなグルーヴの中に流石はニューオーリンズな瑞々しい躍動感が溢れてました。そして的確なバッキングだけでなく各所で秀逸なソロも披露したギタリスト、ジョン・フォールも見事でした。
そしてドクター・ジョンがギターを弾きながら歌った「Wang Dang Doodle」。ハウリン・ウルフ、ココ・テイラーで知られるウィリー・ディクソン曲ですね。何故この曲なのかはよく分かりませんが、ドクターのライヴでは度々お目にかかる曲のようです。最近ではシンディー・ローパーとのツアーでこの曲を彼女と共演したことが話題になってましたね。で、ドクターのギターですが、味わいのある切れ味でした。やっぱりそのタイム感には譲れないニューオーリンズ臭を感じましたね。そして立ってギターを弾く姿も格好良かった!
ギターでステージを沸かしたあと、ピアノに戻って弾き始めたフレーズ。エレガントな洒落た響きに何処か枯れた風合いが漂う。「Such A Night」です! やはりドクター・ジョンと言えばこの曲ですよね。このままインストでもいいかも?ってぐらい長めなイントロがまた極上で、そのピアノの音色に観客達も静かに聴き惚れる感じ。そしてドクターがいよいよ『サッチャナイ~』と歌い始めると一際大きな拍手。この歌ですよ! いや~、この味わいはドクターにしか出せない唯一無比のもの。これぞドクター節。さらに終盤には素晴らしいピアノ独奏ソロもあったりで、ホント最高でした。
そして89年のアルバム「IN A SENTIMENTAL MOOD」から「Makin' Whoopee!」。この曲ってリッキー・リー・ジョーンズとのデュエットでグラミー賞のジャズ・ヴォーカル部門を獲ってるんですよね。この選曲も嬉しかった!そして「TRIBAL」からの「Potnah」を挟んで「When the Saints Go Marching In」。と言ってもあの明るいあれではなく、「N'AWLINZ DISDAT OR D'UDDA」収録の重いゴスペル・スタイル。アルバムではメイヴィス・ステイプルズが重厚な歌声を聴かせてくれましたが、ここではベーシストのデヴィッド・バラードが素晴らしくソウルフルな喉を披露してくれる。そのデヴィッドとドクターの歌い継ぎがまた何とも言えない深い陰影を感じさせてくれましたね。
ステージもいよいよ終盤。トラディショナルなゴスペル曲「Lay My Burden Down」。アップテンポな昂揚感が会場の熱気をぐんぐん上げていく。そしてトドメの「My Indian Red」。あのTREMEのサントラにも収録されていたこの曲。これはもうニューオーリンズの楽しさ満開。インディアンの土っぽい伝統とセカンドラインな弾力が会場をうねるように巻き込んでいく。ドクターの歌とピアノも弾けまくる。途中、「Down By the Riverside」を挟む展開も圧巻でした。そして観客の握手攻めに遭いながらステージを去るドクター。およそ1時間30分、見事にドクター色に染められた一夜でした。
セットリスト↓
01. Iko Iko
02. Caravan
03. Feel Good Music
04. Mama Roux
05. I Walk On Guilded Splinters
06. Qualified
07. Wang Dang Doodle
08. Such A Night
09. Black Widow
10. Makin Whoopee!
11. Potnah
12. When the Saints Go Marching In
13. Lay My Burden Down
14. My Indian Red~Down By The Riverside
それにしても見事なセットリストでしたね。いきなり代名詞的な「Iko Iko」で始まり、代表曲やマニアックな選曲を含めながら、最後は「When the Saints Go Marching In」からのニューオーリンズ印のトラディショナル3連発。天晴でした。ちなみに各ステージごとにセット・リストはガラッと変わったようです。私が見たステージでは演らなかったあの名曲やら、あんなカヴァーやら、見所、聴き所がそれぞれ満載だったようです。ま、それはまた次回、来日してくれた時にうまく巡り会えば、って感じですかね。きっと新作を携えて近々来てくれることでしょう。ドクター・ジョン自身、もう70歳を超え、杖をつきながらその歩き方もゆっくりだったとは言え、まだまだ元気でしたから!