ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

サマソニ第4弾!

2016-03-31 23:37:04 | フェス、イベント
BABYMETAL / BABYMETAL

サマソニもベビメタ?

という訳で、サマーソニック出演アーティスト第4弾がオフィシャルサイトにて発表になりました。今回は以下の5組。

THE OFFSPRING
星野 源
BABYMETAL
MONOEYES
METAFIVE


先日、フジへの出演が発表されたばかりのベビーメタル。サマソニじゃなくてフジなんだ~、と驚いたものですが、やっぱりサマソニにも出るんですね。フジとサマソニの両方に出るってなかなかのインパクトですよね。なんか今年のベビーメタル、天下取りへ勝負をかけてきたような気がします。

そして今回、いよいよ日割りも発表になりました。ベビーメタルも観たいですけど、今のところは、ジェイムス・ベイやマーク・ロンソンの出る日曜の方が魅力的かな~。あ、今気がつきましたけど、ベビーメタルは大阪だけなんですね、なるほど~。一応、フジとのバランスをとってるんですかね?


って言うかサマソニ、こんなもんじゃないですよね? まだまだこれからですよね?





2015年 ベスト・アルバム リイシュー編

2016-03-31 18:32:36 | 2015年総括
遅くなりましたが、ようやく2015年のベスト・アルバム企画です。今回はリイシューやコンピ盤の中から10枚を選んでみました。もちろん私の個人的な趣味と偏見に金銭事情を絡めた選出ですのであしからず。


第1位

THE BEATLES / 1+ <DELUXE EDITION>
1位はビートルズです。ビートルズのビデオ集はず~っと観たいと思っていたのでこれは本当に嬉しい!! 若い頃、ブートビデオを買って動くビートルズの映像の数々に衝撃を受けたものですが、いかんせん海賊版なので画質が悪いんですよね~。もっと鮮明な画像で見たい!と常々思っていたんですよ。それから幾年、期待していたアンソロジーでは画質は良かったものの編集されてたり完奏されなかったり、そもそも曲間に長~いインタビューが入ってるもんで、繰り返し見るようなものではありませんでしたからね。さらにそこからおよそ20年、待ったかいがありました!ついにミュージックビデオ集ですよ!しかもアンソロジーからさらに画質が上がっているという! 見たかったビデオはほぼ全部入ってますし、ブートを見ていた頃の懐かしい記憶が甦ったりで、そんな思い入れも込みでの1位です。もちろん内容的にも文句無しです!いや、ただ一つ文句を言わせて頂ければ、あのベストアルバムに絡める必要は無かったのでは? それと「Come Together」のビデオは違う気がする…。ま、そんな些細な不満はともかく、見る度に新しい発見の連続、そしてビトールズがいたあの時代にタイムスリップ出来るような、ホント、毎日でも見ていたい、そんな極上作品!


第2位

BOB DYLAN / THE CUTTING EDGE 1965-1966: THE BOOTLEG SERIES, VOL.12 <DELUXE EDITION>
ボブ・ディランの出し惜しみの無さにはホント頭が下がります。こちらのデラックス・エディションはCD6枚組ですよ!! ディランが最もスリリングでエキサイティングだった時代。その時代のアウトテイクの山。いや本当にワクワクしちゃいますよね~。ディラン様は偉い!! とは言えさすがに18枚組のコレクターズ・エディションには手が出ませんでしたけどね…。


第3位

THE ROLLING STONES / STICKY FINGERS: SUPER DELUXE EDITION
私がこの世で一番好きなアルバムは?と聞かれたら、ストーンズの「STICKY FINGERS」と答えます。そのスーパー・デラックス・エディションときたら買わないわけにはいかないのです。たしかに多彩な付録がついてて楽しいのですが、上記のディランに比べると圧倒的にレアトラック数が少ないのが残念…。


第4位

BOBBY RUSH / CHICKEN HEADS: A 50-YEAR HISTORY OF BOBBY RUSH
これは快挙ですよ!ボビー・ラッシュのヒストリー・ボックス。もちろんディランやストーンズのブツと比べたら小粒ですし、レアトラックスも少ないですよ。ですがなかなか手に入らない初期シングル曲もたっぷり聴けますし、何よりCD4枚にわたってラッシュの歴史にどっぷり浸かれるのが嬉しい!!


第5位

NEVILLE BROTHERS / NEVILIZATION<EXPANDED VERSION>
84年の傑作ライヴ盤にボーナス・ディスクがついた新装盤。もともとこのアルバムには続編がありましたが、今回カップリングされたのはそれではなく、85年のブレーメンにおけるライヴ録音。ライヴ・バンドとしての凄みと、シンガーとしての兄弟の魅力をあらためて実感させられる強力盤です。やっぱりネヴィルズは素晴らしい!!


第6位

FAME GANG / GRITS & GRAVY
マッスル・ショールズのフェイム・スタジオが誇るリズム・セクション、フェイム・ギャング!! 未発表曲を中心にこんなギャングが聴きたかった!という決定版。

第7位

VA / RHYTHM 'N' BLUESIN' BY THE BAYOU VOCAL GROUPS
止まるところを知らないACEのバイユー・シリーズ。こちらはヴォーカル・グループ編。ルイジアナの沼は想像以上に深かった!!


第8位

EDDIE BO / BABY I'M WISE: THE COMPLETE RIC SINGLES 1959-1962
ACEはバイユー・シリーズ意外でもルイジアナ/ニューオーリンズ・ファンを楽しませてくれます。こちらはエディー・ボのRIC音源集。


第9位

NORMAN JAY MBE PRESENTS SKANK & BOOGIE
レア・グルーヴの重鎮DJノーマン・ジェイによる、ソウルフルでグルーヴィーなセレクト。レゲエからディスコまで、その裏の裏にモータウンを感じさせる技ありの1枚。


第10位

B.B. KING / HERE'S ONE YOU DID'T KNOW ABOUT: FROM THE RPM & KENT VAULTS
2015年の箱物界で、ディランやストーンズ以上の事件と言えるのが、P ヴァインが編んだB.B. キング「コンプリート・RPM/ケント・レコーディング・ボックス 1950~1965」ですが、しがない庶民にはそんなに箱ばっかり買ってる余裕はないのです…。って言うか、この時代のB.B. キングをそこそこ持っている者にとっては結構なハードルなんですよね。という訳で、未発表トラックスのダイジェスト盤で我慢です。こちらもACE絡み。




2015年は上位3組が強力でした。他にもサザン・ソウルのコンピとか、ステイプル・シンガーズのボックスとか、スライ & ザ・ファミリー・ストーンのフィルモアとか、欲しい物はまだまだ沢山あったのですが、金銭的になかなか追いつきませんでした。あ、あと続々とリリースされるストーンズの映像関連にも拍手ですね。その辺も含めて、また追々。

2015年 天に召された偉人達

2016-03-28 22:42:49 | 2015年総括
昨年、2015年も沢山のアーティストが亡くなられました。ここに追悼いたします。



THE HOLMES BROTHERS / STATE OF GRACE
2015年1月9日 - Popsy Dixon 72歳
2015年6月19日 - Wendell Holmes 71歳
ブルージーなゴスペル・トリオとして日本でも人気があったザ・ホームズ・ブラザーズ。トリオのうちお二人が相次いで…。2002年パークタワー・ブルース・フェスでの素晴らしい来日公演が思い出されます。写真はゲストにレヴォン・ヘルムやロザンヌ・キャッシュも参加した2007年作。



BO DOLLIS & THE WILD MAGNOLIAS / 30 YEARS AND STILL WILD!
2015年1月20日 - Bo Dollis 71歳
ザ・ワイルド・マグノリアスを率いた偉大なるビッグ・チーフ。ルイジアナの伝統を代表する一人でした。写真は2002年の結成30周年記念作品。



DON COVAY / THE PLATINUM COLLECTION
2015年1月31日 - Don Covay 76歳
「Mercy, Mercy」等のヒットを出す一方、アレサ・フランクリンの「Chain of Fools」を始めソングライターとしても活躍。その歌い方はミック・ジャガーに多大な影響を与えたこそうです。



JOHN RENBOURN / THE BLACK BALLOON
2015年3月26日 - John Renbourn 70歳
ペンタングルでの活躍も知られる、英国フォーク界を代表するギタリストの一人。写真はギターという楽器の美しき音色を存分に味わえる79年の傑作。



PERCY SLEDGE / IT TEARS ME UP: THE BEST OF PERCY SLEDGE
2015年4月14日 - Percy Sledge 74歳
「When a Man Loves a Woman」があまりにも有名な偉大なるサザン・ソウル・シンガー。



BEN E. KING / DON'T PLAY THAT SONG!
2015年4月30日 - Ben E. King 76歳
ドリフターズ~ソロへと輝かしい経歴を残したソウル・レジェンド。「Stand By Me」は永遠の名曲。写真はその「Stand By Me」と「Don't Play That Song (You Lied)」という2大ヒット曲を収めた、ソロとしては3枚めのアルバム。62年のリリース。



B.B.KING / ONE KIND FAVOR
2015年5月14日 - B.B.King 89歳
説明不要のブルースの王様。写真はグラミー賞「Best Traditional Blues Album」部門を受賞した2008年作ですが、これが遺作となってしいました。



THE ORNETTE COLEMAN TRIO/ AT THE "GOLDEN CIRCLE" STOCKHOLM VOL.1
2015年6月11日 - Ornette Coleman 85歳
フリー・ジャズを牽引したジャズ・ジャイアント。写真は65年録音の傑作ライヴ盤。



MIGHTY SAM McCLAIN / SLEDGEHAMMER SOUL & DOWN HOME BLUES
2015年6月15日(16日?) - Mighty Sam McClain 72歳
マッスルショールズにも録音を残す本格派サザン・ソウル・シンガー。ブルース・シンガーとしても知られ、写真の作品はそんなブルージーな面を味わえる逸品。



HAROLD BATTISTE / THE SOUNDS OF HAROLD'S HORN
2015年6月19日 - Harold Battiste 83歳
ニューオーリンズのジャズ界が誇るサックス奏者。R&B系のプロデューサー/アレンジャーとしても活躍。特に、自ら興したAFOレーベルや、Dr.ジョンの諸作品を手掛けたことは有名。写真は2014年にリリースされたもので、様々な年代のジャズ・セッション音源を集めた作品。バックにはデヴィッド・トーカノウスキー、ヘンリー・バトラー、アルヴィン "レッド" タイラー、ブライアン・ブレイドなども参加。



RICO RODRIGUEZ / WONDERFUL WORLD
2015年9月4日 - Rico Rodriguez 80歳
ザ・ スペシャルズでの活躍でも知られる、ジャマイカから英国へ渡ったスカ・レジェンド。またフジロックをはじめ何度も来日し、日本でも愛されたトロンボーン奏者でした。写真は円熟の味わいが素晴らしい95年リリース作。



THE BAR-KAYS / GOTTA GROOVE
2015年9月21日 - Ben Cauley 67歳
スタックスのメンフィス・ソウルを彩ったバーケイズのオリジナル・メンバー。トランペット奏者。1967年、オーティス・レディングが亡くなった飛行機事故には、そのツアー・バンドだったバーケイズのメンバーも乗っていたのですが、その中で唯一人奇跡的に生き残ったのがベン・コーリーでした。71年にバーケイズを脱退後もサザン・ソウルを中心に数々の録音にその名前を残しています。写真は飛行機事故後にメンバーを補充して制作されたバーケイズの69年リリース作。



SMOKEY JOHNSON / IT AIN'T MY FAULT
2015年10月6日 - Smokey Johnson 78歳
「It Ain’t My Fault」で知られるニューオーリンズの名ドラマー。ファッツ・ドミノのバックで活躍した他、数々のセッションに参加。セカンド・ライン・ビートの雛形ともいえるプロフェッサー・ロングヘアの「Big Chief」でリズムを叩いてるのもこの人。



THE JIM KWEKIN JUG BAND / GARDEN OF JOY
2015年10月23日 - Bill Keith 75歳
ビル・モンローのブルーグラス・ボーイズ出身のバンジョー奏者。ジム・クエスキン・ジャグ・バンドやミュールスキナー、マッド・エイカーズでの活躍が有名。2013年にジム・クエスキン・ジャグ・バンドで来日したのが思い出されます。写真はジム・クウェスキン・ジャグ・バンドのラスト・アルバムにして最高傑作との呼び声も高い67年作。



ALLEN TOUSSAINT / SONGBOOK
2015年11月10日 - Allen Toussaint 77歳
ニューオーリンズR&B、ニューオーリンズ・ファンクの生みの親であり、近年はニューオーリンズの象徴のような存在だったピアニスト。突然の訃報に言葉を失いました…。写真はライヴ録音によりトゥーサンの魅力がしっかり閉じ込められたソング・ブック。2013年リリース。



NATALIE COLE / THE NATALIE COLE COLLECTION
2015年12月31日 - Natalie Cole 65歳
ナット・キング・コールを父に持ち、ジャズとR&Bを又にかけた、アメリカを代表するシンガーの一人でした。



他にも、フリーのアンディ・フレイザー、イエスのクリス・スクワイア、TOTOのマイク・ポーカロ、ゴングのデイヴィッド・アレン、モーターヘッドのレミー、そしてシーナ&ザ・ロケッツのシーナなど、沢山の方が亡くなられました。



天に召された皆様、安らかに。

ジプシー・サウンド・システム・オーケストラ @アンスティチュ・フランセ東京

2016-03-26 23:41:11 | フェス、イベント
今日もGypsy Sound System Orkestraを観ています。昨日のインストアライブより断然ノリノリ!



帰宅後追記:

今日は飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京で開催された「フランコフォニーのお祭り2016」なるイベントに行ってまいりました。端的に言えば、フランス語圏各国の文化を紹介するお祭り、と言ったところでしょうか。色々な国々の料理や音楽が楽しめるイベントでした。ステージではヒップホップやアフロ・パーカッションなど様々なライヴが繰り広げられていましたが、私のお目当てはもちろん、ジプシー・サウンド・システム・オーケストラです! 昨日も渋谷タワレコで観たばかりなんですけどね。ですがインストア・ライヴとは違って、おそらくラップトップから鳴らされていると思われる低音の効いたヒップなビートが強調され、それがサックス、アコーディオン、エレキギターと絡み合い、より一層に妖しいグルーヴを作り出していました。そして頭に真っ赤な花をあしらった紅一点シンガーさんも存在感抜群でしたね。日が落ちた野外というシチュエーションも良かったです!ちょっと寒かったですが、そんなことおかまい無しに観客達も踊りまくっていました!

Gypsy Sound System Orkestra@渋谷タワーレコード

2016-03-25 23:34:21 | インストアイベント
今日はタワーレコード渋谷店にて、Gypsy Sound System Orkestraのインストアライブ。楽しみ!


帰宅後追記:

サックス、アコーディオン、エレキギターに紅一点のシンガーという編成。東欧ジプシー/バルカンビーツ系をベースにカリブやアラブ、そしてヒップホップ等クラブ的な先鋭さも併せ持つ無国籍グルーヴ。インストア・ライヴという短い時間ではありましたが、タワレコ1階フロアを見事にジプシー・サウンド色に染め上げてくれました。






明日26日は、飯田橋のアンスティチュ・フランセ東京で行われるフリー・イベントに出演するそうです。出番は17時頃だとか。

フジロック第4弾!!

2016-03-25 18:01:32 | フジロック
BABYMETAL / BABYMETAL

フジロック出演アーティストの第4弾がオフィシャルサイトにて発表されました! 今回は10組。

BABYMETAL 
illion 
THE NEW MASTERSOUNDS 
FLIGHT FACILITIES 
TODD TERRY 
DEAFHEAVEN  
LA GOSSA SORDA 
SLOT MACHINE 
Suchmos 
KOHH


ついにベビーメタルですか! どんなに海外で評価されても、どんなに凄いパフォーマンスを繰り広げていても、イメージ的にフジロックとは無縁の存在かと思っていました。これは英断でしょうか?それとも凋落の兆しでしょうか? いや、ベビーメタルのイメージを含めたその存在自体が、既に私ごときの想像を遥かに超えた地点にあるということなのかもしれません。それにフジロックの場合、意外なアーティストをポン!と出すこと結構有りますからね、あまり深く考えないことにしましょう。ちなみに私、何だかんだ言ってベビーメタル大好きなので、フジで見るのがめっちゃ楽しみです!!グリーンですよね? 出来ればモッシュピットで観たい!


さて、「ルーツな日記」的にはザ・ニュー・マスターサウンズの決定が嬉しいところ。昨年リリースされた最新作「Made For Pleasure」も評判ですしね。過去の出演に負けず劣らずなディープ・ファンクの神髄を見せてもらいたいです!あとバレンシアから登場のラ・ゴッサ・ソルダも気になります。フェルミン・ムグルザやマヌ・チャオから影響を受け、オブリント・パスと共にバレンシア音楽シーンを開拓したパイオニア的存在とのことですので、このプロフィールだけでもサウンドが聴こえてきそうですよね。


今回の追加、ベビメタのインパクトはありましたけど、もう一つガツン!とこない印象。もっともっと胸躍らせて欲しい!!

リアノン・ギデンズ@ブルーノート東京

2016-03-20 20:06:57 | カントリー
3月15日、ブルーノート東京にてリアノン・ギデンズを観てまいりました!

皆様、キャロライナ・チョコレート・ドロップスというグループを御存知でしょうか? まるで古き良き時代の黒人ジャグ・バンド/ストリングス・バンドを現代に甦らせたようなスタイルにより、2006年に初作「Dona Got a Ramblin' Mind」をリリースして以来、2010年作「GENUINE NEGRO JIG」がグラミー賞『Best Traditional Folk Album』部門を受賞するなど、ここ数年で一気に知名度を上げているオールドタイム・トリオです。そしてその紅一点シンガーこそ、今回の主役、リアノン・ギデンズなのです。

もちろんリアノン・ギデンズ自身も、ここ2~3年の間に数々の話題作に参加し、一人のシンガーとして名うての共演者達にも引けを取らない存在感を発揮したかと思えば、昨年にはついにソロ名義としては初のフル・アルバムとなる「Tomorrow Is My Turn」を名匠Tボーン・バーネットのプロデュースの元にリリースするなど、ソロ・アーティストとしても俄然注目を浴びるにいたっているのです。そしてそんななかでの初来日です。私はその最終公演となる3月15日、2ndショーを観てまいりました!


ほぼ開演予定時刻、客電が落ち、拍手と歓声に迎えられメンバー達が入場してまいりました。リアノン・ギデンズはワンピースのように見える鮮やかなブルーの上下。スカートに裸足というスタイルが眩しい!彼女を中心に向かって左側にはギタリストのチャンス・マッコイ、ウッドベースのジェイソン・サイファー、中央にドラムスのジェイミー・ディック、向かって右側にはアコギやバンジョーを弾く2人の黒人プレイヤー、ハビー・ジェンキンスとローワン・コーベット、以上の6人編成。ハビー・ジェンキンスとローワン・コーベットは現在のキャロライナ・チョコレート・ドロップスのメンバーでもあります。ちなみにチャンス・マッコイはオールド・クロウ・メディシン・ショウの現メンバーだったり。

1曲目、バンジョーの音色に導かれて始まった「Spanish Mary」。ボブ・ディランが地下室セッションに残した歌詞から生まれた企画作「The New Basement Tapes, Lost On The River」でリアノン・ギデンズが歌っていた曲。ルーツに根ざしながらもエレクトリック・ギターをフィーチャーした幽玄なサウンドに、リアノンの凛とした歌声が響きます。

続いてソロ作から「Don't Let It Trouble Your Mind」、「She's Got You」、「Waterboy」と3曲続けて。序盤からドリー・パートン、パッツィー・クラインと女性カントリー・シンガーのカヴァーを持ってくる辺り、今回の公演における彼女の趣向が伺えて、なる程、と思ったり。ですが、圧巻だったのは「Waterboy」。ブルースとしても知られるトラディショナルですが、リアノンは黒人フォークシンガーのオデッタが歌ったヴァージョンを下敷きにしているよう。麗しいメロディーのカントリーを歌うリアノンも素晴らしいですが、私はやはりこういう曲を歌う彼女に惹かれてしまう。特に終盤、アカペラのようになる部分でのブラック・フィーリングは堪らないものがありました。

さらに「Underneath the Harlem Moon」。こちらは昨年11月27日(RECORD STORE DAY)にリリースされた彼女の最新EP「FACTORY GIRL」に収録されている曲で、1930年代に黒人女性シンガー、エセル・ウォーターズが歌った小粋なジャズ・ナンバー。エレキギターがブルージーな味わいを施しつつ、まるでボードヴィルの時代にタイムスリップしたかのような雰囲気がまた最高でした。そしてソロ作から「Last Kind Words」。30年代初頭にパラマウントへ3枚のレコードを残して姿を消したという伝説の女性ブルース・シンガー、ギシー・ワイリー(ジーシー・ワイリー)のカヴァー。この辺り、さすがリアノン・ギデンズ!!と拍手したくなる選曲ですね。

そして続く「Louisiana Man」という曲がまた格好良かった! バンジョーを中心にトラッド的な雰囲気を漂わせつつ、エレキ・ギターによるロックなリフを合わせたオルタナ・カントリー。終盤はちょっとジャムっぽくなったり。リアノンはこの曲について“ケイジャン”と語っていましたが、ダグ・カーショウのあの有名曲とは違う曲でしたね。これも古い曲でしょうか?それともオリジナル?

中盤の聴かせどころはしっとりと、ソロ作からタイトル曲「Tomorrow Is My Turn」。シャルル・アズナヴール他の作でニーナ・シモンが歌った曲のカヴァー。ニーナ・シモンの繊細さとはまた違う、リアノン・ギデンズならではの芯を感じさせる歌声が素晴らしかったですね!そしてこの流れでフレンチな雰囲気のこの曲を違和感無く聴かせるリアノンのルーツ表現には脱帽です。

それにしても彼女にとってのルーツの裾野の広さや、その自由なブレンド感覚には驚かされます。白人の父と黒人の母との間に生まれたという彼女ならでは感性なのでしょうね。


さて、ステージは終盤に差し掛かります。リアノンがハビー・ジェンキンスを紹介し、彼のリード・ヴォーカルによるゴスペル曲「Children, Go Where I Send Thee」。アップテンポに、しかも次々にキーを変えて行く展開が興奮を誘い、客席から自然に手拍子が沸き上がる盛り上がり! 続くトラディショナルな雰囲気を醸した「Come, Love, Come」。こちらはキャロライナ・チョコレート・ドロップスのレパートリーにもなっている曲で、おそらくリアノンのオリジナル。

そしてこの夜のハイライト!私が最も聴きたかった曲であるゲーリック・ナンバー「S'iomadh Rid The Dhith Om / Ciamar A Ni Mi」。この曲もキャロライナ・チョコレート・ドロップスでやっている曲ですが、私は映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」のスペシャル・ ライブの映像でこの曲を観て、これは凄い!こんなの生で聴けたらな~!と羨ましく思っていたのですが、やってくれました!! ケルティックなメロディーが徐々に加速して行くようなリアノンの歌唱が素晴らしい! さらに終盤、みるみる熱を帯びてくると、その歌声には黒さが光り出す。こういう感性はリアノンならではですよね。歌い終わると同時に割れんばかりの拍手歓声。いや本当に素晴らしかったです!あとこの曲ではそれまで後方にいたローワン・コーベットが前へ出て来て、ボーンというパーカッションでまるで踊るようにリズムを繰り出してまして、それがまた躍動感に溢れていて最高でした!

本編ラストは再び「The New Basement Tapes, Lost On The River」から「Duncan And Jimmy」。ブルーグラス&アイリッシュっぽい爽やかなフレイバーに最後はほっこりして終了。いや、もちろんこれで終わる訳はありません。アンコールを求める拍手にステージに戻って来た彼女達。曲は「Lonesome Road」。そして「Up Above My Head」へと繋がれる。シスター・ロゼッタ・サープ・メドレーと言ったところでしょうか? いやはや、最後まで天晴でした!!



最新ソロ作からゲスト参加曲、バンドのレパートリーを織り交ぜ、カントリー、フォーク、ブルース、ケイジャン、フレンチ、ケルト、ゴスペルなど、ジャンルを横断し人種を超えたルーツ解釈により、まるである種のミュージック・トラベルのようでもあり、それでいて散漫にならず、あくまでもリアノン・ギデンズの音楽としての流れを感じさせる圧巻のステージでした。また、伝統的でありながらモダンかつ魔術的なバンド・アンサンブルは、Tボーン・バーネットやジョー・ヘンリーとの仕事を重ね、吸収した、その影響を伺えるものでもありました。

そうなんです、リアノンの歌声が素晴らしいのはもちろんなんですが、バンドの演奏がまた見事だったんです。メンバーそれぞれが多彩な技を見せてくれましたしね。例えばリアノンは2本のバンジョー(ひとつはフレットレス)を曲によって使い分けていました。フィドルも用意されていましたが、結局使わなかったような…? ベースのジェイソン・サイファーは指弾きと弓弾きを織り交ぜていましたし、ハビー・ジェンキンスはバンジョー、マンドリン、大太鼓と大活躍でした。そして曲によってはフィドルも弾いていたギタリストのチャンス・マッコイ。彼の良い具合に歪んだギター・サウンドが、このバンドの音楽性を異空間的な世界に広げていた要だったと思います。実はチェロ奏者の代わりに彼が入ったそうなんですが、この交代は大正解だったのではないでしょうか?(チェロの入ったステージも観てみたかったですけどね…。)




この日のセットリスト↓

01. Spanish Mary
02. Don't Let It Trouble Your Mind
03. She's Got You
04. Waterboy
05. Underneath the Harlem Moon
06. Last Kind Words
07. Louisiana Man
08. Tomorrow Is My Turn
09. Children, Go Where I Send Thee
10. Come, Love, Come
11. S'iomadh Rid The Dhith Om / Ciamar A Ni Mi
12. Duncan And Jimmy
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13. Lonesome Road ~ Up Above My Head




この日のスペシャル・カクテル↑




終演後はお楽しみのサイン会。私もサインを頂いて、ツーショットの写真も撮っていただきました!!