ルーツな日記

フジロックブログが終わり、
サマソニブログと相成りますがどうぞ宜しく。
サマソニの雰囲気を現地よりお届けいたします!

2011年 ベスト・アルバム  第1位!!

2012-02-11 19:15:36 | 2011年総括
PRESERVATION HALL JAZZ BAND & THE DEL McCOURY BAND / AMERICAN LEGACIES

なんか第1位が地味ですいません。でも個人的にはこのジャケ写を見ただけでガッツ・ポーズ!! な1枚なのです。

プリザベーション・ホール・ジャズ・バンドとデル・マッコーリー・バンドの共演盤。ニューオーリンズ・ジャズとブルーグラスです。異ジャンル同士のコラボレーションであり、黒人音楽と白人音楽の邂逅です。しかもそれぞれが古き良き伝統を守ってきたレジェンダリー・バンドですからね! ジャケット写真の佇まいからして、なんか歴史を切り取った1枚のような感じがしませんか?

ニューオーリンズ・ジャズ。1900年代初頭に隆盛を極め、現在まで続くジャズと呼ばれる全ての音楽の原点であります。発祥の地となったのはその名の通りニューオーリンズ。そのニューオーリンズはフレンチ・クウォーターの一角に「プリザベーション・ホール」という小さなジャズ・ホールがあります。1961年に開店したこのホールを根城とし、伝統のニューオーリンズ・ジャズを守り、後世に伝えているのがプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドです。トランペット、トロンボーンなどの管楽器を中心に、ドラムス、ピアノ、バンジョーがリズムを担います。

一方、ブルーグラスは1940年代にビル・モンローのバンドが形作ったカントリー音楽の一形態。ドラムレスで、ギター、バンジョー、マンドリン、ウッド・ベース、フィドルといった弦楽器で編成されます。デル・マッコーリー・バンドは、60年代にそのビル・モンローのバックを務めたデル・マッコーリーを中心に、彼の息子達を加えて作られたバンド。多様化するブルーグラス・シーンにあって、その伝統的スタイルを守り続けているバンドです。

そんな両者、まさにアメリカン・レガシー、アメリカの遺産を守る2バンドによるコラボレーション。これが実に楽しい! 『プリザベーション・ホール・バンドが街にやって来た、デル・マッコーリーが街にやって来た~』と歌われる「The Band's In Town」で始まります。スウィンギーなリズムにのって管楽器、弦楽器が和気あいあいに同居し、ヴォーカルとコーラスのコール&レスポンスも楽しい。端的に言えば管楽器主体のジャズ・バンドと弦楽器主体のブルーグラス・バンドの合流な訳ですが、両者ではその“ノリ”が大分違うはず。ですがここでは見事に融合しています。これが音楽の面白いところであり、素晴らしいところ。

2曲目以降も「One Has My Name (The Other Has My Heart)」「Shoeshine Blues」「You Don't Have To Be A Baby」など、ニューオーリンズ・ジャズであり、ブルーグラスでもある、いや、それらとはまた違うアメリカン・ミュージックなのかもしれない、オールド・タイムでありながら、今生まれたような瑞々しさを持った音楽、そんな芳醇そのものな演奏が続きます。とにかくブラスとストリングスが織りなす多彩な色彩に心が躍ります。アップテンポの「Banjo Frisco」はバンジョーのアルペジオに加えてブラス・バンドっぽいノリのホーン隊が格好良い!そして誰もが知っているカントリー・クラシックでありニューオーリンズ・クラシックでもある「Jambalaya」。ラテンっぽいノリとチューバの低音グルーヴが堪らなく良いですね。 さらにゴスペル曲「I'll Fly Away」。ワンコーラス目はおそらくサックス奏者のClint Maedgenと思われる荒々しくもソウルフルな歌声が素晴らしく、2コーラス目にはデル・マッコーリーを中心にブルーグラスなコーラスを聴かせてくれる。そして間奏で弦楽器ソロから、クラリネットに引き継がれ、さらにホーン隊が入ってきてミューオーリンズな盛り上がりをみせる!堪りませんね!

また、デル・マッコーリーが作曲し、クラリネット、バンジョー、ピアノ、チューバというプリザベーション選抜コンボをバックに歌う「50/50 Chance」も良い味わいですし、ラストを締めるオールド・カントリーな風合いの「One More 'Fore I Die」も素晴らしい。この曲はプリザベーション・ホール・ジャズ・バンドのオリジナル曲のようですね。こういう曲を聴いてると、カントリーもジャズもあまり変わらないな、とさえ思えてくる。ニューオーリンズ音楽が好きで良かった! カントリーが好きで良かった! アメリカン・ルーツ・ミュージックが好きで良かった!

まあ、とにかく聴けば聴く程幸せになるようなアルバムですよ!


ちなみにこのコラボレーションはこの年各地でライヴを行ない、あのジャム・バンドの祭典ボナルー・フェスティヴァルにも出演しました。しかも「Bonnaroo (Feel the Magic )」というテーマ・ソングまで製作してしまいましたからね。この曲がまた良いんですよ!なんかセカンドライン&ブルーグラスな感じで。ま、それはまた別の話ですが、とにかく、アルバムだけでは終わらない活躍振りだった訳です。(フジロック、呼んでくれないですかね~。)



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2011年 ベスト・アルバム  2位~3位

2012-02-10 14:32:49 | 2011年総括
第2位

BUDDY MILLER / THE MAJESTIC SILVER STRINGS
バデ・ミラーのソロ作と言うより、ザ・マジェスティック・シルヴァー・ストリングスというグループの作品と考えた方が良いかもしれません。メンバーはバディ・ミラーを中心にマーク・リボー、ビル・フリゼール、グレッグ・リーズという、現代のルーツ音楽シーンにおいて最も個性的で、最も面白く、最も信頼出来るギタリスト達。この4人が一同に会したグループ、それがザ・マジェスティック・シルヴァー・ストリングス。セッション・ギタリストとして、とりわけ音空間の演出に長けた4人が織りなす、深淵にして茫漠たるアメリカーナの風景。リズム隊はジェイ・ベルローズ(ds)&デニス・クロウチ(b)。こんなの素晴らしいに決まってるじゃないですか!

グレッグ・リーズの幻想的なスティール・ギターとビル・フリゼールの流麗な旋律に導かれる「Cattle Call」。マーク・リボーとビル・フリゼールによるロッキンなエレキ・ギターの絡み合いにバディ・ミラーのバリトン・ギターが割り込んでいく「No Good Lover」。そしてクレオール・フィドラーのキャンレイ・フォンテノットの名曲「Barres De La Prison」はマーク・リボーが選曲し彼自らが歌う曲。少ない音数で幽玄の広がりを魅せる彼等のバッキングがまた素晴らしい! それにしてもこのマーク・リボー。この人の存在感というのはやはり格別で、映画「駅馬車」で知られる名曲「Bury Me Not On The Lone Prairie」でのアコギによる暗澹たるフリーキーな表現も流石の一言。そのアコギに絡むノイジーな音響系ギターはおそらくビル・フリゼール。 そのビル・フリゼールの小気味良いピッキングが楽しめる「Freight Train」は、中盤からグレッグ・リーズのスティール、バディ・ミラーのバリトン、マーク・リボーのアコギも全面に繰り出し、その華麗なアンサンブルが素晴らしい。まあ、とにかく4人の織りなす、妖しく魔術的なギター・サウンドと、その麗しいカントリー・テイストに酔いしれます。ゲスト・ヴォーカルにはエミルー・ハリス、パティ・グリフィン、リーアン・ウーマック、ジュリー・ミラー、チョコレート・ジーニアスなどが参加。バディ・ミラーらしい人選と、彼らしいカントリーとブラック・ミュージックの邂逅も垣間見せてくれます。ラストを締める、ビル・フリゼールが作曲し、バディ&ジュリー夫妻が歌う静かなゴスペル曲「God's Wing'ed Horse」も絶品!


第3位

BEYONCE / 4
ビヨンセ最強!! 第3位ですけどビヨンセ最強!! とにかくビヨンセの歌唱、これにつきます。スタジオ作でこれだけ生々しく歌えるシンガーが他にいますか? とにかく圧倒されます。所謂ヒップホップ以降のR&Bというジャンルには、トラック至上主義と言いますか、ことスタジオ作においては「歌も楽曲の1パーツ」的な風潮が確かにあると思います。もちろんそれが間違いだとも思いませんが、私はもっと歌からソウルを、歌からリズムを感じたいんです。さて、そこでビヨンセです。そういう意味でも彼女のライヴが凄まじいことは周知の事実でしょうが、スタジオ作においても枚数を重ねるごとに歌に対する比重を確実に上げてきています。今作はそんな彼女の4枚目のソロ・アルバム。ドキドキしながら聴き始めた1曲目「1+1」から彼女のスピリチュアル且つリアリスティックな歌唱にゾクゾクさせられました。その後はただただ歌の波に飲み込まれていく感じ。まさに歌!歌!歌! 最後までビヨンセの生々しい歌声が躍動しまくります。もう堪りません。これほど肉感的な歌声というのはちょっと他にないですよ。

作風としては前作、そしてそれに伴うツアーの路線を引き継いだ印象。特にツアーの熱気とスケール感をそのままスタジオに持ってきたような感じ。まさにビヨンセ流の王道路線。しかしその分、あまりにも王道すぎるという難点もあったりするんですが、ビヨンセの歌そのものから感じる興奮度はそれを軽く凌駕します。スロー/ミドル中心の楽曲なのに、ビヨンセの歌声から受ける印象はやたら力強く弾力的。声のハリとキレが半端ない。エモーショナルな感情表現と同時に、バネのようなリズム感を醸し出す。抜群の声量と伸びやかな歌唱は突き抜けるような開放感を感じさせる。ベイビー・フェイスの美メロを昂揚感たっぷりに歌い上げる「Best Thing I Never Had」、軽やかな弾け具合に心が躍るザ・ドリーム&シェイ・テイラーによるアップ・ナンバー「Love On Top」、そしてスイッチが関わった脅威のエギゾチック・ナンバー「Run The World (Girls)」など。でかい音で、桁違いの歌唱を存分に堪能したいアルバム。
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2011年 ベスト・アルバム  4位~10位

2012-02-09 13:28:37 | 2011年総括
第4位

JIM LAUDERDALE / REASON AND RHYME
日本では特に地味な存在かもしれませんが、アメリカン・ルーツ・ミュージック界において確かな足跡を残してきたジム・ローダーデイル。近年はカントリー・ロック作とブルーグラス作を交互に出している印象ですが、今作はブルーグラス作品。私はジム・ローダーデイルが大好きで、当ブログでもことあるごとにプッシュしてきたつもりですが、今作は彼の最高傑作と言っても過言ではない名盤ですよ! いわゆるブルーグラスなんですが、とにかく曲が良い! なんて言いますか響きがロマンチックなんですよ。前作に引き続き作詞家ロバート・ハンター(グレイトフル・デッドで有名なあの方)との共作。そういう点では、アメリカーナ/カントリー・ロック作だった前作に対して、こちらはそのブルーグラス編と考えてもいいかもしれません。プロデュースを務めたRANDY KOHRSの仕事も見事!彼のスライド・ギターの妙技を含む弦楽器のアンサンブルが奏でる、スピード感と哀愁たっぷりのブルーグラス。 もちろんジムの歌も良い!


第5位

BLACK DUB / BLACK DUB
名プロデューサー、ダニエル・ラノワのバンド作。これは格好良い! 正直な話、某CDショップで試聴したときはピンと来なかったんですけど、ラノワ来日の報を聞いて購入してみたらすこぶる良かったという。メンバーは、ダリル・ジョンソン(b)、ブライアン・ブレイド(ds)、トリクシー・ウィートリー(vo)。やはりラノワのギターを中心にした音響空間に魅せられる。黒々とした立体感はなるほどダビーな質感。そして女性シンガーのトリクシー・ウィートリーが良い!! 白人の方らしいのですが、もの凄く黒っぽい。スロー・ナンバー「Surely」のソウルネスには参りました。宇宙観たっぷりの「Ring the Alarm」も格好良い!(本国では2010年リリースのようですが、日本盤は2011年に出たので、強引にこちらに入れさせて頂きました。)


第6位

REBIRTH BRASS BAND / REBIRTH OF NEW ORLEANS
今やニューオーリンズを代表するブラス・バンドであるリバース・ブラス・バンドの最新作。ギラギラと艶光りするホーンの音色が縦横無尽に交差する。これぞブラス・バンド! これぞニューオーリンズですよ! 1曲目「Exactly Like You」の出だしからもう嬉しくなっちゃいましたね。私がリバースを知った90年代初頭の頃はまだ血気盛んな若手のイメージでしたが、もはやベテランの風格と味わいすら感じさせる。スーザフォンがリードする「I Like It Like That」のようなファンキー曲も最高。パシパシと硬い音でハネまくるスネアがまた素晴らしい! こういうバンドがニューオーリンズをパレードする様が目に浮かんでくるよう。


第7位

RON SEXSMITH / LONG PLAYER LATE BLOOMER
これ程までにグッド・メロディが詰まったアルバムもそうそうないと思われる傑作。「Get In Line」「The Reason Why」「Miracles」「No Help At All」など、まるで緩やかな陽光のような爽やかさの中で、蒼く切ない風景がフラッシュバックしていくような感じ。プロデュースはボブ・ロック。彼の作り出す粒立ちのはっきりした艶やかな音像が、ロン・セクスミスのポップ感を全面に押し出し、今作をキラキラと輝かせています。「Believe It When I See It」や「Love Shines」のめくるめくメロディー・ラインとそれを鮮やかに際立たせる絶妙のアレンジ。ロンの物憂げな歌声も素敵です。良いメロディと、素朴なエモーショナル、それを可能なかぎり暖かく表現したような名盤です。


第8位

G.LOVE / FIXIN' TO DIE
G・ラヴ流のルーツ作品。アヴェット・ブラザーズがプロデュース他全面強力。1曲目「Milk And Sugar」から土っぽく猥雑なノリが炸裂。独特に跳ねたグルーヴと軽妙なモグラップに胸が躍ります。タイトル曲「Fixin' To Die」はブッカ・ホワイト~ボブ・ディランのカヴァー。泥臭く唸るように歌うG・ラヴ流ブルース表現と中盤のハーモニカ・ソロにやられます。アンニュイなメロディーをブルージーな小品に仕立てた「Heaven」も秀逸。ポール・サイモンの「50 Ways To Leave Your Lover」のカヴァーも技ありの格好良さ!これまでにないカントリー・スタイルを強く感じさせる作品ながら、いかにもなG・ラヴらしいヒップ感を濃厚に感じさせられるあたりに脱帽です。


第9位

SEUN ANIKULAPO KUTI & EGYPT 80 / FROM AFRICA WITH FURY: RISE
アフロビートの始祖フェラ・クティの後継者シェウン・クティ。彼がフェラのバック・バンドだったエジプト80を率いたソロ2作目。大地からめらめらと沸き上がるようなビートに、踊るようにうねりまくるベースライン、そこへ畳み掛けるホーン隊、全てがエネルギッシュに絡み合いながら押し寄せる超強力アフロビート! これ以上にない弾力性と、しなやかな切れ味を持ちながら、いつ尽きるとも知れないドロドロな無限グルーヴ。シェウンの精悍さを感じさせる歌声も良い! アフリカの土着性とアーバンなファンクが渾然一体となって攻め寄せる!


第10位

LUCINDA WILLIAMS / BLESSED
ルシンダ姐さん!! この存在感抜群の歌声。やられますね~。ささくれだった質感から時折、吐息のように憂いが漏れる。とにかく引き込まれる。彼女の歌声は何度も聴いているのに聴く度に新鮮。そしてバックの演奏が良い。 特にギター! ヴァル・マッカラム、グレック・リーズという名手に加え、数曲でエルヴィス.コステロも弾いてるようです。どこを誰が弾いているのか私にはよく分からないものの、その響きといい、フレージングといい、とにかく格好良い! どっぷりとしたアメリカーナにギラリとしたロック感が光る作品。
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2011年 ベスト・アルバム 11位~20位

2012-02-09 00:49:28 | 2011年総括
第11位

Warren Haynes / Man in Motion
オールマン・ブラザーズ・バンドのギタリストであり、ガヴァメント・ミュールを率いるウォーレン・ヘインズのソロ作。バックにはジョージ・ポーター・JR.、アイヴァン・ネヴィル、レイモンド・ウェバーといったニューオーリンズ勢が参加。しかも固定バンドとしてレコーディングされたようで、トータル的なバンド感が濃厚。しかしニューオーリンズ的ではなくあくまでもウォーレン・ヘインズの世界。でも何故かこのグルーヴ感が私にとってことのほか気持ち良いのは、やはりニューオーリンズの成せる技でしょうか?


第12位

Kelly Price / Kelly
ゴスペル育ちのR&Bシンガー、ケリー・プライス。彼女の通算5作目(クリスマス・アルバムを除いて)となる最新作。1曲目「Tired」から深くパワフルな歌声に持っていかれます。「The Rain」での終盤へ向けてソウルを貯めていくようなスケール感は鳥肌もの。モータウンを思わせるアップ曲「Vexed」の弾けっぷりにもやられます。こういう作品を聴くと、まだまだR&Bも捨てたもんじゃないな、と思いますね。


第13位

EMMYLOU HARRIS / HARD BARGAIN
全体を貫く、幽玄としながらも人肌の暖かさをもったサウンドが素晴らしい。落ちついたエミルーの歌声は凛として優しい。グラム・パーソンズと過ごした日々を歌ったという「The Road」や、2010年に亡くなったケイト・マクギャリグル(エミルーの前作にもコーラスで参加していた)に捧げた「Darlin' Kate」など。タイトル曲「Hard Bargain」はロン・セクスミスのカヴァー。


第14位

CORNELL DUPREE / DOIN' ALRIGHT
コーネル・デュプリーの最新ソロ作にして遺作となってしまったこのアルバム。故郷テキサスで録音。これは制作側のコーネル・デュプリー愛を感じさせる作品ですね。まさにこういうコーネル・デュプリーが聴きたかった!いぶし銀の魅力ながら、まるでギターが語りかけてくるようなフィーリング。このタイム感が堪らない。


第15位

VA / THE LOST NOTEBOOKS OF HANK WILLIAMS
カントリー界のみならず、広くアメリカン・ミュージックに多大な影響を残した伝説的人物ハンク・ウィリアムス。彼は53年に29歳という若さで逝ってしまいましたが、その時歌詞や曲のアイデアが書かれたノートが残されました。時を経てそのノートを元に、ボブ・ディラン、ノラ・ジョーンズ、ルシンダ・ウィリアムス、レヴォン・ヘルムなどが新たな命を吹き込んだのがこの作品。なんかロマンを感じますよね。こういうの好きです。


第16位

ARETHA FRANKLIN / ARETHA: A WOMAN FALLING OUT OF LOVE
クイーン・オブ・ソウル、アレサ・フランクリンの最新作。クリスマス・アルバムを覗けば03年の「SO DAMN HAPPY」以来8年振りだそう。まあ凄いですよ!全てを包み込むような大きな歌。自由奔放でいて包容力に溢れてる。自作の「How Long I've Been Waiting」も素晴らしいですし、カレン・クラーク・シェアードと魂をぶつけ合うのようなゴスペル曲「Faithful」も強力。


第17位

MARCIA BALL / ROADSIDE ATTRACTIONS
ルイジアナ/テキサスのピアノ・ウーマン、マーシャ・ボール。1曲目「That's How It Goes」からスワンプ臭濃厚なノリに嬉しくなってしまいます。弾力抜群の鍵盤も、貫禄すら感じさせる歌声も、気持ち良い程絶好調! ホーンもゴキゲンな「We Fell Hard」も良いですし、スロー・ナンバー「This Used To Be Paradise」も味わい深い。


第18位

JOLIE HOLLAND + THE GRAND CHANDELIERS / PINT OF BLOOD
バックにSHAHZAD ISMAILYとGREY GERSTENという切れ者達を従えたジョリー・ホランドの最新作。この人の歌声が作る空気感というのは特別なものがありますね。オルタナティヴのようでもあり、古いブルースのようでもある。陰影の深いニュアンスでアメリカーナの移ろいを描いていくよう。バックの演奏も秀逸。1曲でマーク・リボーも参加。


第19位

Booker T. Jones / Road from Memph
ブッカー・Tとザ・ルーツがまさかこれ程までに相性が良いとは! ジム・ジェームス、ルー・リードなど豪華ゲスト・ヴォーカル陣を配しながらも、インスト曲がすこぶる格好良い! クエストラヴを中心にキレのあるしなやかなグルーヴを提供するザ・ルーツに対し、あくまでも無骨なプレイに徹するブッカー・T のハモンド。一見ミス・マッチな両者の邂逅がミラクルを生んでます。


第20位

TEDESCHI TRUKS BAND / REVELATOR
デレク・トラックス&スーザン・テデスキ夫妻によるニュー・バンド。スーザンの土っぽくもソウルフルな歌声に、デレクの天翔るスライド。もちろん熟練のバンドも最高。 サザン・ロックに加え、ジャム・バンド世代ならではの風通しの良い爽快なサウンドが気持ち良い。で、実は楽曲も相当良い!
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2011年 ベスト・アルバム 21位~30位

2012-02-08 00:49:13 | 2011年総括
第21位

STEVE CROPPER / DEDICATED
スティーヴ・クロッパーによる、ザ・ファイヴ・ロイヤルズ(50年代に活躍したR&B/ドゥー・ワップ・グループ)のトリビュート盤。豪華ゲストもさることながら、瑞々しいクロッパーのギターが素晴らしい!

第22位

MORIARTY / THE MISSING ROOM
フランスから登場した不思議グループ、モリアーティの最新作。バンドの醸す空気感とローズマリーの歌声は、聴くものを瞬時に謎めいた妖しき古き時代へタイムスリップさせてくれます。

第23位

JEFFERY BROUSSARD & THE CREOLE COWBOYS / RETURN OF THE CREOLE
ザディコ・フォースでの活躍で知られるジェフリー・ブラッサードが自身のバンドを率いての最新ソロ作。これぞザディコですよ!この土っぽさが堪らない!

第24位

JILL SCOTT / LIGHT OF THE SUN
浮遊感のあるメロウなグルーヴとジャジー・ソウルな歌声、さすがはネオ・フィリーを代表する歌姫ジル・スコット! こういう質感好きです。

第25位

TREME BRASS BAND & MARDI GRAS INDIANS / TREME TRADITIONS
ニューオーリンズの老舗ブラス・バンドがマルディグラ・インディアンを向かえてより泥臭くなった強力盤。土地の臭いがプンプンします。

第26位

ETTA JAMES / THE DREAMER
死の直前にリリースされた遺作。ふくよかな歌声と独特の感情表現は健在でした。ガンズ曲のカヴァーという攻めの選曲も、さすがブルースの女王。

第27位

PRISCILLA AHN / WHEN YOU GROW UP
プリシラ流のポップ・センスを開花させつつ、さらに世界観を深化させたような最新作。とにかく彼女の声に包み込まれ、とろけてしまいます。

第28位

T-MODEL FORD & GRAVEL ROAD / TALEDRAGGER
ミシシッピの怪物。前作はアコースティックでしたが、今作はバック・バンドを従えて爆音でドロドロやってます。

第29位

HIROMI / VOICE
もし、2011年のベスト・ソングを選べと言われたら、迷わず今作収録の「Haze」を選びます!

第30位

PASTOR MITTY COLLIER / I OWE IT ALL TO THE WORD
ソウルの世界を離れ、教会へ身を捧げる道を選んだミッティ・コリア。本物のゴスペルです。付属のDVDがさらに凄い!


ようやく発表に漕ぎ着けました。「ルーツな日記」的、2011年、年間ベストアルバム30選!! 毎年書いてますが、特に何かのデータを集計した順位ではありません。単なる私自身の個人的な趣味と気分で選んだベスト30です。アレが入ってないではないか!なんでアレよりコレが上なんだ!など色々あるかとは思いますが、一種の余興として楽しんで頂ければ幸いです。では、2~3日かけて順次発表してまいりますのでお楽しみに!
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2011年 ベスト・アルバム リイシュー編

2012-02-04 14:51:34 | 2011年総括
「ルーツな日記」的2011年リイーシュー作品ベストテン! 正直な話、音源の貴重度とかリリースされた価値のようなものはよく分からないので、単純に聴いてて楽しかったアルバム、そんな尺度で選んだベスト10です。どうぞ!!




第1位 VA / THE FAME STUDIOS STORY 1961-1973 HOME OF THE MUSCLE SHOALS SOUND
これはもう企画の勝利。ホント買う前からワクワクしてました。サザン・ソウルの聖地マッスル・ショールズ。その原点となるフェイム・スタジオ。かの地で録音された、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、ウィルソン・ピケット、アーサー・コンリー、などなど、キラ星の如くなシンガー達の名唱で綴る伝説的スタジオの変遷。楽曲も、バックの演奏も、その全てから、かの地の空気を濃厚に感じさせられる3枚組。まさに疑似聖地への旅。アート・ワークも秀逸。ACE/ KENTから。



第2位 ALLEN TOUSSAINT / EVERYTHING I DO GONH BE FUNKY - THE HIT SONGS & PRODUCTIONS 1957 - 1978
ニューオーリンズの名プロデューサー、アラン・トゥーサンの初期仕事を纏めた2枚組。英チャーリーからリリース。これだけでも充分楽しめたのですが、その後もアーロン・ネヴィル、リー・ドーシー、ミーターズ、アーマ・トーマス、アーニー・K・ドゥと次々にアンソロジー盤がリリースされ、あらためてあの時代のニューオーリンズR&Bにどっぷり浸かってしまいました。そういったコンセプト企画として第2位!



第3位 AMEDE ARDOIN / MAMA, I'LL BE LONG GONE : THE COMPLETE RECORDINGS OF AMEDE ARDOIN, 1929-1934
ザディコの元祖とも言われる伝説的アコーディオン奏者/ヴォーカリストのアミディ・アルドワン。彼の1929年から1934年までのコンプリート録音集。アコーディオンの奏でる明るくも憂いのあるリズムと、荒々しくも感情的な歌声。弾けてるようにも聴こえるし、何かを訴えてるようにも聴こえる。さらに泣いているようにも聴こえる。何とも言えないディープな味わい。音質と合わせてタイムスリップ感も抜群。



第4位 CANDI STATON / EVIDENCE : THE COMPLETE FAME RECORDS MASTERS
キャンディ・ステイトンのフェイム録音完全版。やはりこの人のフェイム録音っていうのは特別なものがありますよね。数年前にキャンディのフェイム録音がCD化されたときも驚喜しましたが、今回はその時聴けなかった名曲や未発表曲がさらにてんこ盛りの2枚組です。こちらもACE/ KENTから。



第5位 BOBBY CHARLES / BETTER DAYS : RARE TRACKS ON BEARSVILLE
ルイジアナ生まれのウッドストック派、名シンガーであり名ソングライターでもあるボビー・チャールズ。彼の幻のセカンド・アルバムとされるポール・ロスチャイルド・セッションが日の目を観ました。録音はもちろんベアズヴィル・サウンド・スタジオ。バックにもお馴染みのメンバーが参加しているであろうと思われる、まさに桃源郷。(ライノ・ハンドメイドの3枚組には手が出ませんでした…。)



第6位 GEORGE JACKSON / DON'T COUNT ME OUT: THE FAME RECORDINGS VOLUME 1
またしてもACE/ KENTのフェイム物。しかもほとんど未発表音源という優れもの。シンガーとしてより、ソングライターとしての方が有名と言えるジョージ・ジャクソン。彼が手掛けた楽曲のデモ録音とも言われる音源ながら、これが凄く良い! ジョージ・ジャクソンの柔らかい歌声も味わいがあります。



第7位 THE ROLLING STONES / SOME GIRLS: DELUXE EDITION
この時代のストーンズの格好良さをあらためて確認。ライヴ・イン・テキサスのDVDと合わせてマスト!



第8位 J.B.'S & FRED WESLEY / THE LOST ALBUM FEATURING WATERMELON MAN
JB’Sの要であり、ファンキー・トロンボーンの第一人者であるフレッド・ウェスリー。72年の幻のアルバム。ジャズ・ファンク!



第9位 ALICIA KEYS / SONGS IN A MINOR COLLECTOR'S EDITION
デビュー作10周年。アリシア・キーズがデビューしたときの衝撃を思い出しました。



第10位 JAMES BURTON / THE EARLY YEARS 1956-1969
カントリー界の名ギタリストの初期音源集。続編もありそうなので楽しみ!
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2011年 ベスト・アルバム オルタナ編

2012-01-31 12:43:13 | 2011年総括
2011年の「ルーツな日記」的ベストアルバムを鋭意製作中ですが、大好きなアルバムなのに「ルーツな日記」としては扱いにくい、という個人的なこだわりから選外とさせて頂いたアルバムがいくつかあるので、今回は番外編としてそのベスト5を。題して「2011年ベスト・アルバム オルタナ編」です。





第1位 LOU REED & METALLICA / LULU
半端無いいびつさにゾクゾクしました。意外なコラボでありながら、私にとってはこれぞルー・リード!そしてこれぞメタリカ!



第2位 PJ HARVEY / LET ENGLAND SHAKE
これは素晴らしい作品。本編に入れようか迷ったほど。でもこっちの方が座りが良いかな?って感じで。



第3位 CSS / LA LIBERCION
発売以来聴きまくってるアルバム。最初はインパクトに欠けるか?と思ったものの、聴けば聴く程テンションが上がる! 何だかんだで名曲揃い。



第4位 BJÖRK / BIOPHILIA
難解過ぎる…。されどビョーク!



第5位 MY MORNING JACKET / CIRCUITAL
これも本編に入れようか迷ったんですが、もう違う次元に行っちゃってる感じなんでこちらに。


それと2011年はプライマルスクリームの「スクリーマデリカ」が20周年ということで、豪華アニヴァーサリー・アルバムが発売されたり、サマソニで再現ライヴが行なわれたりと、あの名盤の再評価が行なわれたのも印象的でした。私にとっても「スクリーマデリカ」は色々な意味で忘れられないアルバムでしたから、あの盛り上がりは嬉しかったですね。とは言え、アニヴァーサリー・アルバムも買ってないですし、ライヴも観てないんですけどね…。
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2011年 ブライテストホープ

2012-01-29 23:52:05 | 2011年総括
VINTAGE TROUBLE / BOMB SHELTER SESSIONS

2011年の「ルーツな日記」的新人賞は、2組! アラバマ・シェイクスとヴィンテージ・トラブルに決まり! とは言え、正直な話、この2組について詳しくは知りません。ですが、とにかく衝撃的に格好良い!! ジャンル的にはロックです。ですが2組ともブラック・ミュージックのエッセンスを濃厚に持っています。シンガーはどちらも黒人です。

まずはアラバマ・シェイクス。もう、名前から南部臭プンプンですよね。その名の通りアラバマ州アセンズの出身で、2009年に結成されたらしい。メンバーは、Brittany Howard(Vo. & G)、Heath Fogg(G)、Zac Cockrell(B)、Steve Johnson(Ds)の4人。2011年に4曲入りEP「ALABAMA SHAKES EP」を発表しておりまして、ここ→http://alabamashakes.bandcamp.com/ で全曲試聴できます。いなたい南部ノリを感じさせる一方で、それだけではない世界観、例えばマイ・モーニング・ジャケットのように作品を重ねるごとに巨大化していくような、そんな印象も受けます。


Alabama Shakes performing "Hold On" on KCRW

南部なノリでゆったりミドルなカントリー・サザン・ソウル。でもしっかり現代的なロック感があるから格好良い!


Alabama Shakes - You Ain't Alone

そしてこのスロー・ナンバー。ヴォーカルのお姉さんの歌が良い!! 新人らしからぬスケールの大きさを感じさせる。めっちゃソウルフル!!さらにロックの衝動に溢れてる!



そして2組目は、ヴィンテージ・トラブル。上の写真のアルバムは多分2011年に発売された彼らの1stアルバム。ここ→http://www.vintagetrouble.com/music.html でそのハイライトを試聴出来ます。こちらはLAのバンドらしい。という訳でアラバマ・シェイクスのような“いなたさ”は無いですが、名前の通り“ヴィンテージ”なソウル感は濃厚。そしてそれをロックのエッジを効かせてファンキーにドライヴさせた感じ。タイトなバンドと、キレの良いソウルフルなヴォーカルが格好良い。メンバーは、Ty Taylor(Vo. & G)、Nalle Colthttp(G)、Rick Barrio Dill(B)、Richard Danielson(Ds)の4人組。


Vintage Trouble Blues Hand Me Down Jools Holland Later Live April 2011

これやバイでしょ? バックはガレージ・ロックみたいなのに、ヴォーカルは歌も踊りも切れ味抜群のファンキー・ソウル!


Vintage Trouble - Run Outta You (Live in Session for BBC London 94.9)

そしてソウル・マナーのスロー。良いですね~。Ty Taylor はかなりの実力派ですね~。そしてジミヘンのようなギター・ソロがまた格好良い!



さて、今後も期待大、大、大、この2組。ぜひ生で観てみたい! フジロックでも、サマソニでも良いので、ぜひ早いうちに観たいです!!!
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2011年 天に召された偉人達

2012-01-28 19:41:35 | 2011年総括
PINETOP PERKINS & HUBERT SUMLIN / LEGENDS

昨年亡くなられた偉大なるシカゴ・ブルース・レジェンド。パイントップ・パーキンスとヒューバート・サムリン。方やマディ・ウォーターズのピアニスト。方やハウリン・ウルフのギタリスト。

パイントップ・パーキンスは70年代のマディー・ウォーターズを支えたピアニスト。1913年ミシシッピ州ベルゾニ生まれ。“パイントップ”という名はブギ・ウギ・ピアノの創始者パイントップ・スミスからとったそう。30年代からプロとして演奏を始め、南部を放浪したあとシカゴへやってくる。そして69年にオーティス・スパンの後がまとしてマディ・バンド入り。マディの死後は、コンスタントにソロ作を発表し、近年もブルース界の最長老として貫禄の活動を続けていました。98年にはパーク・タワー・ブルース・フェスティヴァルで来日しています。この時既に80歳代半ば。ですが元気にピアノを弾き、歌うパイントップの姿が印象的でした。2011年3月21日、97歳で亡くなられました。

シカゴブルースのもう一方の雄、ハウリン・ウルフを支えたギタリスト、ヒューバート・サムリン。映画「キャデラック・レコーズ」で、マディ・ウォーターズがハウリン・ウルフから引き抜いた若いギタリスト、あの人がヒューバート・サムリンです。あれはあくまでも映画の話ですが、実際、ヒューバート・サムリンは一瞬マディ・バンドに入った時期があったようですね。そう、「キャデラック・レコーズ」といえば、ウルフが演奏するスタジオのシーンで、ヒューバート・サムリンの横に、本物のヒューバート・サムリンが出演していたとか。残念ながら私は気がつきませんでしたけど…。それはそうと、ハウリン・ウルフとその片腕的存在のヒューバート・サムリンが醸すブルースというのは、ちょっと他にない迫力がありますよね。ウルフの死後はソロ作を発表し、来日もしています。2011年12月4日、心不全のため亡くなられました。享年80歳。

写真のアルバムは、そのパイントップ・パーキンスとヒューバート・サムリンの共演盤「LEGENDS」。98年作。





他にも沢山の方々が亡くなられました。以下、拙文ながら「ルーツな日記」的追悼。



PINETOP PERKINS & WILLIE 'BIG EYES' SMITH / JOINED AT THE HIP
2011年9月16日、パイントップ・パーキンスと共に70年代のマディ・バンドのリズムを支えたドラマー、ウィリー・スミスが亡くなられました。享年75歳。脳梗塞でした。アーカンソー州ヘレナ生まれ。60年代初め頃からマディのバンドへ出入り始めますが、69年から本格的なレギュラー・ドラマーの座に座ります。パイントップ・パーキンスのピアノとのコンビネーションには定評があったようです。2010年にはパイントップ・パーキンスとの共演盤「 JOINED AT THE HIP」(写真)をリリースし、グラミー賞『Best Traditional Blues Album』部門を受賞しています。このアルバムではドラムスを息子のケニー・スミスに任せ本人は歌とハープに専念しています。




MOJO BUFORD / CHAMPAGNE & REEFER
2011年10月11日に81歳で亡くなられたモジョ・ビュフォード。マディ・ウォーターズのバックで知られるミシシッピ出身のブルース・ハーピスト。マディのバンドには60年代後半から参加して出たり入ったり。70年代にはパイントップ・パーキンスやウィリー・スミスとも同僚でした。ちなみに本名はGEORGE BUFORD で、“MOJO”は「Got My Mojo Workin' 」を十八番にしていたことからついたニックネームだとか。写真は彼の99年のソロ・アルバム。ボブ・マーゴリン(g)と二人でやってる数トラックが凄く良いです!




AMY WINEHOUSE / LIONESS: HIDDEN TREASURES
2011年7月23日、ロンドンの自宅で亡くなられたエイミー・ワインハウス。まだ27歳の若さでした。死因はアルコールの過剰摂取だったそうです。まだまだこれからという若さと、いかにも彼女らしい死に方が、かえって衝撃的で悲し過ぎました。グラミー賞授賞式にて「Rehab」で賞主要3部門を立て続けに受賞した際の彼女の表情とパフォーマンスは今でも目に焼き付いています。写真は彼女の死後にリリースされた新作(蔵出し音源を中心にサラーム・レミとマーク・ロンソンが完成させた)。最後のレコーディングとなったトニー・ベネットとのデュエット「Body And Soul」は涙無しには聴けません。




GIL SCOTT-HERON / I'M NEW HERE
ギル・スコット・ヘロン、2011年5月27日にニョーヨークの病院で死去。享年62歳。ミュージシャンであり、詩人でもあった彼。ジャズやファンクをブレンドした音楽をバックにメッセージ性の高いポエトリー・リーディングをするスタイルは“黒いディラン”と評され、ヒップ・ホップなど後塵のアーティストに多大な影響を与えました。2010年には16年振りとなるスタジオ作「I'M NEW HERE」(写真)をリリースして存在感を示していました。この最新作が魔力的な刺激を持った素晴らしい作品だっただけに、そのリリースから間もない死は残念でなりません。




MARVELETTES / ULTIMATE COLLECTION
マーヴェレッツのヴォーカリスト、グラディス・ホートン。2011年1月26日、ロサンゼルスで亡くなられました。65歳。モータウンを代表するガールズ・グループの一つだったマーヴェレッツ。61年のデビュー曲「Please Mr. Postman」はモータウン初の全米ナンバーワン・シングルとなりました。もちろんこの曲でリード・ヴォーカルを務めたのがグラディス・ホートンでした。ビートルズがカヴァーしたことでも知られますね。他に「Playboy」や「Don't Mess with Bill」などのヒット曲も。グラディスのハスキーな声、好きでした。




CORNEL DUPREE / TEASIN'
テキサス生まれの名セッション・ギタリスト、コーネル・デュプリー。2011年5月8日に死去。享年68歳。晩年は肺気腫を患っていたそうです。キング・カーティス、アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ、ロバータ・フラック、彼のギターに彩られたアーティストは数知れず。また職人的名グループ、スタッフでの活躍も忘れられませんね。そしてもちろんソロ・アーティストとしても。写真は74年のソロ・デビュー作「TEASIN'」。これ良いですよね~。職人肌の佇まいから、聴けば聴く程味が出てくる。ジャジーで、ソウルフルで、そしてブルージー。彼ならではのファンキー&メロウな感覚も秀逸。日本にも何度も来日しています。私も一度だけ生で観たことがありますが、あの独特のタイム感に酔いしれました。

さらにこの「TEASIN'」に参加していたパーカッショニスト、ラルフ・マクドナルドも2011年12月18日、67歳で亡くなられました。肺癌だったそうです。ジャズ/フュージョン系を中心に、アリサ・フランクリン、ビル・ウィザース、アシュフォード&シンプソンなどのソウル系からデヴィッド・ボウイ、ビリー・ジョエルなどロック/ポップス系まで、まさに引く手数多、八面六臂の活躍を続けてきた鉄人。また、ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイの「Where Is The Love」など、コンポーザーとしても魅力的でした。




WARDELL QUEZERGUE / STRUNG OUT
2011年9月6日、鬱血性心不全のため81歳で亡くなられたワーデル・ケゼルグ‎。“クレオールのベートーベン”と賞されるニューオーリンズの偉大なるアレンジャー。もちろん編曲だけでなく、ミュージシャンであり、バンド・リーダーであり、プロデューサーでもありました。ニューオーリンズ作品の至る所で彼の名前を見つけることが出来ます。彼なくしてニューオーリンズは語れない程。あのプロフェッサー・ロングフェアの「Big Chief」のホーン・アレンジもこの人ですからね。しかもニューオーリンズだけではないんです。写真は彼がメンフィスのマラコ・スタジオで手がけた録音を集めたコンピ盤。C.P.ラヴ、ジミー・ドビンズ、ペギー・スコット&ジョ・ジョ・ベンソン等を収録。偉大な方でした。




BENNY SPELLMAN / GOLDEN CLASSICS FORTUNE TELLER
2011年6月3日、ニューオーリンズのR&Bシンガー、ベニー・スペルマンが亡くなられました。79歳。ヒット曲と言えば「Lipstick Traces」ぐらいしかないベニー・スペルマンですが、何故かニューオーリンズR&Bファンの間で人気が高いようです。私も大好きです。それは何故か?やはりアラン・トゥーサン作のこの曲が素晴らしく良いのと、人懐っこいスペルマンの歌声に魅せられ、この曲こそニューオーリンズを代表するR&Bの1曲と思えてしまうからでしょう。それにローリング・ストーンズがカヴァーした「Fortune Teller」のオリジナルを歌ったのもスペルマンでした。さらにアーニー・K・ドゥのヒット曲「Mother in Law」の低音のキメ部分を歌っているのもスペルマン。この曲でのスペルマンの活躍っていうのもニューオーリンズらしいんですよね~。わずかな大舞台でニューオーリンズ印の決定打を放ったベニー・スペルマン。でも生まれはフロリダだったりするんですけどね。写真は「Lipstick Traces」と「Fortune Teller」だけではないベニー・スペルマンの魅力がたっぷり味わえるコレクション。これぞニューオーリンズ!




BERT JANSCH / L.A. TURNAROUND
ブリティッシュ・フォーク界の伝説的ギタリスト、バート・ヤンシュ。2011年10月5日、肺癌のため67歳で亡くなられました。ジョン・レンボーン達と共にブルースからの影響も取り入れながら、それまでの英フォーク/トラッドの枠を越えた革新的な英国フォークを作りあげていった偉人。ペンタングルでの活躍も知られますね。写真は74年のソロ作。ブリティッシュ・フォークの香りを濃厚に残しながらも、マイク・ネスミスやレッド・ローズの参加による米カントリー色との兼ね合いが見事。ジェシ・エド・デイヴィスとのスワンプ・セッション的な曲もあったりで面白い。ついついギターに耳が行きがちですが、バート・ヤンシュの暖かく優しい歌声、そしてソングライターとしての資質も見逃せません。




EARL GILLIAM / TEXAS DOGHOUSE BLUES
ダイアルトーンが誇るテキサスのブルース・ピアニスト&オルガン奏者、アール・ギリアム。2011年10月20日(19日?)に81歳で亡くなられました。少なくとも50年代から活動しているブルース・マンで、当時わずかなシングルを残しているものの、その後の足取りはほとんど知られていないとか。そしてそれから数十年後の2005年、突如リリースされた彼のファースト・アルバムが写真の「TEXAS DOGHOUSE BLUES」。このとき既に70歳代半ば。エグ味抜群の鍵盤裁きも歌声も全てがディープ。流石ダイアルトーンなリアル・ブルースです。




HOWARD TATE / HOWARDE TATE
2011年12月2日、白血病及び多発性骨髄炎により72歳の生涯を閉じたハワード・テイト。03年の復活劇からの初来日も記憶に新しい不世出のソウル・シンガー。黒く輝くようなこの人の声は本当に素晴らしい! でも私は来日公演を見逃してるんですよね~。毎年行っていたパーク・タワー・ブルース・フェスティヴァル。ハワードが出た年は何故か敬遠してしまったのです。これは悔やんでも悔やみきれませんね。写真は72年にアトランティックからリリースされた彼のソロ作。ホーン隊を含むクールな熱を感じさせるバックの演奏に、抑制を効かせながらジワジワとエモーションを満たしていくようなハワードの歌声にはホント痺れさせられます。しかしこの後70年代後半から彼の人生は狂い始め、家族を失い、仕事を失い、ホームレス同然となり、消息不明になったとか…。そして03年に大復活を果たす訳です。復活作となった「REDISCOVERED」も素晴らしいアルバムでした。もう一度来日して欲しかった…。

そしてこの「HOWARDE TATE」をプロデュースしたのがジェリー・ラゴヴォイ。彼も2011年7月13日にニューヨークの病院で亡くなられています。ハワード・テイトにとっては育ての親のような存在。ハワードはこのアルバムだけではなく、60年代からラゴヴォイの元で録音を重ねヒットを出していました。また復活作「REDISCOVERED」のプロデュースももちろんラゴヴォイが務めました。このジェリー・ラゴヴォイはフィラデルフィアで活躍したプロデューサーで、東海岸のR&Bシーンを影で支えた功労者でした。またソングライターとしても知られ、ハワードの曲はもちろん、アーマ・トーマス~ローリング・ストーンズの「Time Is On My Side」、アーマ・フランクリン~ジャニス・ジョプリンの「Piece Of My Heart」の作者としても知られます。




ASHFORD &SIMPSON / THE BEST OF ASHFORD &SIMPSON
夫婦デュオ、アシュフォード&シンプソンの夫、ニック・アシュフォード。2011年8月22日、咽喉ガンのため亡くなられました。享年70歳。私がこの世で最も好きな曲、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの「Ain't Nothing Like The Real Thing」の作者がアシュフォード&シンプソン。もちろんマーヴィン&タミーの代表曲「Ain't No Mountain High Enough」もこの二人の作品。ヴァレリー・シンプソンが曲を作り、ニックが作詞をしていたそうです。楽曲クレジットに彼等の名前があればまずハズレ無しという、ソウル界屈指のソングライター・チームでした。70年代以降は自ら夫婦デュオとして活躍し「Found a Cure」や「Solid」などのヒット曲を残しています。09年には夫婦で来日し素晴らしいステージを見せてくれました。写真のアルバムは、83年にリリースされた通算11枚目の夫婦名義作「HIGH-RISE」。バックにはニューヨークの腕利きが集められ、ラルフ・マクドナルドも参加しています。




DAVID HONEYBOY EDWARDS / THE WORLD DON'T OWE ME NOTHING
伝説のブルースマンにして最後のデルタ・ブルースマン、デヴィッド”ハニーボーイ”エドワーズが2011年8月29日、 鬱血性心不全により亡くなられました。享年96歳。チャーリー・パットンやロバート・ジョンソンと同じ空気を吸った男、デヴィッド”ハニーボーイ”エドワーズ。2010年のグラミー賞で功労賞を受賞された時、大して嬉しそうな顔もしないブルース爺っぷりがえらく格好良く思えましたね。この人の弾き語りブルース、好きでした。そんじょそこらのひよっ子には絶対に真似出来ない本物のブルース。




BIG JACK JOHNSON & THE OILERS / ALL THE WAY BACK
ミシシッピのブルース・ギタリスト、ビッグ・ジャック・ジョンソンが2011年3月14日に亡くなられました。70歳。南部好きにとっては特別なギタリストですよね~。フランク・フロスト、サム・カーと組んだジェリー・ロール・キングスでもお馴染みでしたね。ですが彼が亡くなったことにより、元JRKの3人も皆故人となってしまいました。天国で仲良く再結成してくれてると良いですね。写真のアルバムは、彼が自身のバンド、OILERSを率いての98年作。脂ぎった南部汁、出てます!




LATTIMORE BROWN / Nobody Has to Tell Me
サザン・ソウル界屈指の名シンガー、ラティモア・ブラウン。3月25日に交通事故で亡くなられました。60年代に残したSound Stage Sevenへの名唱はもはや伝説的。そしてその後の長い不遇時代を乗り越え、近年は「Pain In My Heart」のシングルを発表するなどして元気な声を聴かせてくれていました。なのにそれから程なく、自宅近くで車にはねられてしまうという悲しい死。写真の作品は09年にリイシューされたSound Stage Seven録音集。名曲「I Know I’m Gonna Miss You」は泣けます。




EUGENE McDANIELS / OUTLAW
ユージン・マクダニエルズ。2011年7月29日に自宅で死去。76歳。私はロバータ・フラックの1st作「FIRST TAKE」が大好きで、特に1曲目の「Compared To What」にやられた口なんですが、その作者がユージン・マクダニエルズでした。もちろん、ロバータが歌ったユージン作と言えば、「Feel Like Makin' Love」の方が有名なんでしょうけどね。写真は彼の70年のアルバム「OUTLAW」。スワンプ・ロック風味のタイトル曲から始まり、SSWとしての味わいが色濃く感じられる雰囲気ながら、メッセージ性の高いアーティスティックな歌詞を真っすぐに歌うユージンの歌唱はやはりニューソウル。この時代、特にロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイ、レス・マッキャン、そしてユージン・マクダニエルズ、彼等の空気感、大好きでした。




SOUL CHILDREN / GENESIS
元ソウル・チルドレンのリード・シンガーのひとり、J.ブラックフット。2011年11月30日、メンフィス近くのメソジスト・ジャーマンタウン病院で死去。65歳。癌だったそうです。スタックス屈指のヴォーカル・グループであるソウルチルドレンは男2人、女2人の4人組で、メンバー全員がリードをとれる実力派グループでした。中でも野太くシャウトするJ.ブラックフットの歌唱! その強烈に南部臭を発散しながら突き進むかのような歌唱が、グループを引っ張っていました。写真のアルバムは72年リリースの3作目。もちろんスタックスから。ヒット曲「Hearsay」での、重心の低い南部産リズムにのったJ.ブラックフットの豪快な歌唱はまさにディープ。スロー・ナンバー「All That Shines Ain't Gold」も素晴らしい! ソウルチルドレン解散後はソロ・シンガーとして活躍し、「Taxi」などのヒットを飛ばしました。






他にもロレッタ・ハロウェイ、マーヴィン・シーズ、フィービー・スノウ、シルヴィア・ロビンソン、レイ・ブライアント、ジョージ・シアリング、ゲイリー・ムーア、クラレンス・クレモンズなど多くの方が亡くなられました。さらにスモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズのギタリスト、マーヴ・ タープリンとか、フォートップスのバンド・リーダーを務めていたジョージ・ラウントリーとか。スカタライツのオリジナル・ドラマーであるロイド・ニブとか。ボブ・ディランの元恋人スーズ・ロトロとか。



柳ジョージさん、ジョー山中さん、中村とうようさん、スーちゃん…。





私が個人的に多少なりとも思い入れのある方達だけでも、本当に沢山の方々が亡くなられました。残念でなりません。

みなさま、安らかに。
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2011年 ベスト・ライヴ

2012-01-25 11:49:06 | 2011年総括
IRMA THOMAS / AFTER THE RAIN

ぼちぼち2011年を振りかる企画にとりかかろうと思います。まずはライヴから。

2011年も、貧乏なりに色々なライヴを観ました。その中でも印象的だったのは以下のような感じ。

G.LOVE  @タワーレコード新宿店 2/09
CORINNE BAILEY RAE @渋谷AX 3/08
JOHNNY WINTER  @ZEPP TOKYO 4/13
上原ひろみ -ソロ・ピアノ-  @丸の内コットンクラブ 4/14
OVER THE RHINE @南青山CAY 4/25
上原ひろみ×熊谷和徳  @ブルーノート東京 4/26
JOE SAMPLE & THE CREOLE JOE BAND @ブルーノート東京  5/19
FUJI ROCK FESTIVAL 7/29~31
SUMMER SONIC @千葉マリンスタジアム 他 8/13
PRISCILLA AHN @ビルボードライヴ東京 8/17
SWEET LOVE SHOWER @山中湖交流プラザ きらら 8/28
FARMERS MARKET @東京JAZZ CIRCUIT 9/04
矢野顕子×上原ひろみ @昭和女子大人見記念講堂 9/09
BEAT CIRCUIT 2011 ASA & TETE @六本木ヒルズアリーナ 10/10
THE DIRTY DOZEN BRASS BAND @ビルボードライヴ東京 10/30
IRMA THOMAS @ビルボードライヴ東京 12/02
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト  @東京国際フォーラム 12/04
ERIC CLAPTON & STEVE WINWOOD @武道館 12/10


やはり何と言ってもフジロックですよ!コンゴトロニクス VS ロッカーズ、CSS、アマドゥ&マリアム、ウィルコ、マーク・リボー、みんな最高でした。

ですが2011年ベスト・ライヴは?と問われれば、それはアーマ・トーマス!! これに決まり!

そしてカーク・ジョセフ擁するダーティ・ダズン・ブラス・バンド。昨年はアーマ・トーマスとカーク・ジョセフを生で観れた。これにつきますね。

あと忘れてならないのが上原ひろみ。ソロ、デュオ、トリオ、公開録音と、色々な形で楽しませてくれました。特にあの震災の翌月に急遽コンサートを開いてくれたのは嬉しかったですね。今思えば、震災の後は随分ライヴに救われました。ジョニー・ウィンターが予定通り来日してくれたのも嬉しかったですね。その内容も含めて忘れられないコンサートとなりました。

あとはコリーヌ・ベイリー・レイとか、プリシラ・アーンも良かったです。


さて、2012年はどんなライヴが待っているのか? 楽しみですね!
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