ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

フジロック第4弾!

2009-04-28 13:37:27 | フジロック
AARON NEVILLE / BRING IT ON HOME...THE SOUL CLASSICS

フジロック・フェスの出演者発表第4弾&日割りが公式サイトで発表になりました。今回の追加アーティストは以下の通り。

・CAGE THE ELEPHANT
・Chara
・Curly Giraffe
・GUITAR WOLF
・LOW IQ & THE BEAT BREAKER
・The Neville Brothers
・オルケスタ・デ・ラ・ルス
・WHITE LIES
・a flood of circle
・SOIL&”PIMP”SESSIONS
・TOM FREUND
・TRASHCAN SINATRAS
・浅井健一
・COBRA STARSHIP
・CRYING NUT
・FRICTION
・JIMMY EAT WORLD
・MASS OF THE FERMENTING DREGS
・渋さ知らズオーケストラ
・SOUL FLOWER UNION
・サニーデイ・サービス
・TAKKYU ISHINO
・WILKO JOHNSON
・頭脳警察

ー オールナイトフジ ー
・DJ TEI TOWA
・KEN ISHII
・YOJI(ex.YOJI-BIOMEHANIKA )

とまあ、こんな感じの27組ですが、個人的にはとにかくネヴィル・ブラザーズ! 逆にネヴィルズの名前が無かったらかなりがっかりな追加メンツだったりするんですけど…、贅沢は言いません、ネヴィルズだけで充分です! とは言え、ブルージーな味もあるケイジ・ジ・エレファント、ベン・ハーパー人脈のトム・フロインド、パブ・ロックの神様ウィルコ・ジョンソンあたりは観たいですね~。

さて、そして今回は注目の日割りも発表されました。過去の傾向からステージ割りも予想しつつ、気になるところをいくつか。

まずは金曜日。
グリーンはキラーズ~オアシスで決まりですね。ホワイトは、ORG.の大将インタビュー曰くネヴィル・ブラザーズだと。で、ORG.BBSではトータスがヘヴンのトリではないかと?なるほど~。じゃパティ・スミスは?またレッドのトリですかね?個人的にこの日はネヴィルズとパティの被りが一番心配なので、パティがレッドで、ネヴィルズがホワイトのトリを務めてくれればギリで間に合うのではないかと…。それにしてもこの日のホワイトは読めませんね~。ネヴィルズだけが浮くって感じにはならないとは思いますけど。それと個人的に密かに気になっている、ブラカ・ソム・システマ、ディプロ、ギャング・ギャング・ダンス、エボニー・ボーンズ!といった、無国籍でグロイ音を出す系の人達もこの日にかたまりましたね。深夜も含めたレッドでしょうか?濃いですね~。そしてゴングやSYSTEM 7 がオレンジですかね。で、「ルーツな日記」的にはここにジェフ・ラングやラフヴェンがどう絡んでくるのか?

さらにもっと深刻に被ってきそうなのが土曜日。
グリーンはフランツ・フェルディナンド。で、まだ隠し球が有るのか? ホワイトはおそらくメルヴィンズ、バッド・ブレインズ、パブリック・エネミーあたりでしょう。問題はヘヴンとオレンジ。まず、私が絶対に観たいアーティストは、ベン・ハーパー、ブッカー・T、ファンキー・ミーターズ、プリシラ・アーン、イーライ・リード。このどれが被っても泣きます。そしてこの日は気になるレゲエ/スカなアーティスト達もかたまっています。アグロライツ、クール・ワイズ・メン、イージー・スター・オール・スターズ、スカ・フレイムスなど。ヘイリー・セールズもレゲっぽい曲歌ってますし。この人達がごっそりヘヴンに出るとすれば、先に揚げたアーティスト達はみんなオレンジになって被りの心配が無くなるのでは? でもベン・ハーパーは分からない。流れ的と言うより、ネームヴァリュー的にヘヴンですかね~?ホワイトもあるか? となるとオレンジのメインがミーターズ?じゃあ被っちゃうじゃないですか~。どちらにしろこの日はヘヴンとオレンジから離れられなそう。

そして日曜日。
グリーンはウィーザー。そしてファール・アウト・ボーイ、ジミー・イート・ワールド、コブラ・スターシップといったUS勢が並びそう。ホワイトはベースメント・ジャックスでしょうか?となるとロイクソップやサニー・J、卓球あたりも絡んでダンス大会になる感じかな~。う~ん、ほとんど興味が湧きません…。いやベースメント・ジャックスとサニー・Jは観たいかも。何はともあれ、今のところこの日はファナ・モリーナとショーン・クティ、そしてディスコ・ビスケッツが観れればOKです。そうだ! この日はドラゴンドラに乗ろう!

それにしてもUKロック勢が少なすぎじゃないですか? 妻は相変わらずオアシスとフランツしか観るものがないと嘆いています。ま、その二組だけじゃないですけどね…。でもやっぱり妻の気持ちも分かりますよ。ORG.の大将インタヴュー曰く、金曜グリーンは「UKのロックを中心」だとか。いやいやオアシスだけじゃないですか! ホワイトライズ? 足りませんよね~?この日のグリーンもまだ隠し球が有るということですかね?

とまあ、もっともらしく語ってみましたが、あくまでも妄想です。この時期は毎年どうしてもステージ割りを想像したくなりますが、まともに当たった試しがありません。ま、ほんの余興です…。


*写真はネヴィル・ブラザースが誇るゴールデン・ヴォイスの持ち主、アーロン・ネヴィルの06年作「BRING IT ON HOME...THE SOUL CLASSICS」。ソウルの名曲をあの声で歌う極上アルバム。いよいよあの”黒いヨーデル”とも”山彦唱法”とも例えられる、あの声が、あのファルセットが、苗場の森にこだまするんですね!!!




フジにネヴィルズ~!!!

2009-04-28 01:13:56 | フジロック
フジロックにネヴィル・ブラザーズが!!!

ORG.に日高社長のインタヴューがアップされましたね。その中で日割りと追加アーティストがすっぱ抜かれましたが、なんと、ファンキー・ミーターズに続いて、ネヴィル・ブラザーズが!! これはヤバいでしょ! ファンキー・ミーターズでイアン・ネヴィルが来るってことは、ネヴィルズでもギター弾くでしょ! 昨年のネヴィルズ来日公演にはイアンは来ませんでしたからね~。あの時のネヴィルズはファンク度が薄かったという意見が多かったように感じられましたが、フジではファンキーなネヴィルズが観れるかもしれませんね! 楽しみ~!!!! でもパティ・スミスと被る可能性が…。その時は諦めます!どっちを? パティを…。今年のフジはネヴィルズとミーターズを観るぞ~!!

と、一人で盛り上がっていますが、まだ公式発表ではありませんからね。とりあえず、オフィシャル・サイトでの正式発表を待ちましょう。


追記:
あれ?公式も更新されましたね。てっきり5月1日発表かと思っていました。いや~、今年は久しぶりに被りに泣かされそうです。特に金曜と土曜。ただただ日割りリストを見てため息つくばかりです。いくら凝視してもタイムテーブルが出ない限りは何の解決にもならないんですけどね…。ま、嬉しい悩みです。

ジョシュア・ジェイムス

2009-04-24 14:33:59 | SSW
JOSHUA JAMES / THE SUN IS ALWAYS BRIGHTER

昨今の男性シンガー・ソング・ライターと言うと、ジャック・ジョンソンやジェイソン・ムラーズなど、耳馴染みの良い、心地よいサウンドがトレンドですよね。もちろんそれが悪いと言うつもりはありませんし、むしろ私も好きなのですが、ただちょっと似たような感じの人達ばかりだな、と思わされるのも事実。ま、一種のブームみたいなものですかね。で、ジョシュア・ジェイムスです。

ネブラスカ州リンカーンの出身。83年生まれ。デモ音源がMySpaceで評判になり、デビュー作がiTunesのチャートでトップを記録するなど、今時なアーティスト像を連想させます。そしてそのデビュー作「THE SUN IS ALWAYS BRIGHTER」が今年になって日本盤でリリースされ、めでたく本邦デビューとなったのですが、私も初めてタワレコで試聴した際、1曲目「The New Love Song」を聴いて、正直、一連のサーフ系ブームに乗っかったシンガーの一人だと早合点してしまいました。でも良い曲だなと思い、後日インストア・イベントへ彼の生の歌声を聴ききに行ったのです。そして試聴の印象が間違っていたことを知ると同時に、完全に打ちのめされました。この人、一連のブームとは完全に一線を画するシンガーです!

彼が06年に制作したデビュー作「THE SUN IS ALWAYS BRIGHTER」。確かに1曲目「The New Love Song」はポップですし、アレンジ的には今時のサーフ系を思わせますが、歌に耳を傾ければ、そのハスキーな声には量り知れない感情が宿っています。さらに特筆すべきは2曲目以降です。例えば、トラディショナルなフォークな香りを漂わす「Soul And The Sea」。素朴なコード・カッティングと郷愁を誘うメロディーに心奪われる「Geese」。荒涼としてブルージーな前半から暖かみを帯びたサビへと流れる展開が美しい「Today」。悲しげなメロディー・ラインに一本筋の通った力強さが感じられる「Lord, Devil, And Him」など、オーソドックスなフォーク・スタイルながら、流行に流されない普遍的な歌が並びます。

そして楽曲のクオリティもさることながら、とにかくその歌唱に心打たれます。ただただひたむきに、そして真摯に歌われるその歌声! そこから溢れ出るエモーションは、じわじわと、そしてひりひりと胸に響きます。囁きのような声に孤独と愛情を閉じ込めたような「Tell My Pa」。祈りのような静謐さから感情が溢れ出す「Dangerous」。ピアノとアコーディオンの調べにのった素朴且つしっとりとした歌声が素晴らしい「Abbie Martin」。さらにストリート・シンガーのような佇まいの「Commodore」では、その朴訥と紡がれる歌声に深い悲しみが宿っているよう。

歌詞の面でも、「Tell My Pa」では兄弟の薬物使用による葛藤を、「Commodore」では戦争の悲惨さを、「Geese」では環境問題をと、その類い稀な歌声からメッセージが発せられています。しかも彼は力任せに叫ぶのではなく、内なる心の叫びを静かに絞り出すように歌います。そしてそこには凝縮された感情の発露があり、何かを訴えかけてくる力があります。そして悲しみや苦悩といった凍てついた感情と同時に温かさや希望を感じさせる歌声でもあります。

そんな彼の魅力はライヴではさらに引き立ちます。先日のインストア・イベントでは、基本アコギの弾き語りにエレキ・ギターが装飾程度にサポートするといった感じで、よりいっそう彼の歌声がストレートに響きました。シャイなのかほとんどうつむき加減に歌い、ギターを弾くときなど後ろを向いてしまうこともしばしば。顔見せ的なインストア・イベントとは言え、曲中にお客さんに愛想を振りまくことなど一切無し。ただただ真摯な姿勢で歌に没頭する。アコースティックということもあり、声はアルバム以上に囁き声的に歌っているように感じましたが、その静かな声からは聴いてるこちらが怯む程深い感情が響いていて、私はその響きにグイグイと惹き込まれて行きました。ギターの腕前も確かなもので、抑揚感のあるバッキングは歌との一体感があり、間違いなく彼の感情表現の一部となっていました。サポートのエレキ・ギターも荒涼とした雰囲気を絶妙に演出していましたね。ライヴの後はサイン会があり、ステージではほとんど見せなかった笑顔でファンに応えてました。私もアルバムを買い、サインを貰いました。

さて、ジョシュア・ジェイムス君、セカンド・アルバムが楽しみです。願わくば、あまり“売れることを狙った”作りにはしないで欲しい。2曲目以降の路線で行って欲しいなと思います。でも確かに“華”がない、もしくはちょっと“暗い”かもしれません。でも彼みたいなシンガーも今は貴重なのではないでしょうか? そしてまたライヴが観たいです!



アルバムの内ジャケットに書いてもらったサイン。

フジロック第3弾!

2009-04-18 10:20:56 | フジロック
BOOKER. T / I WANT YOU

フジロック・フェスティヴァルの出演者第3弾の発表が公式サイトでありましたね。気になる追加アーティストは以下の通り。

・THE AIRBORNE TOXIC EVENT
・BOOKER T.
・BURAKA SOM SISTEMA
・COOL WISE MEN
・EBONY BONES!
・髭(HiGE)
・IDA MARIA
・MAXIMO PARK
・Rafven
・THE SHOES
・Steve Nieve Band featuring Joe Sumner
・UA

またマニアックな感じですね~。今年のフジって、ORG.BBSではおおむね好評のようですが、どうなんですかね?個人的に観たいアーティストは沢山有って困るぐらいなんですが、やっぱり、ネーム・ヴァリューのあるロック・バンドがもう少し欲しいと思うんですけど…、なんか豪華さに欠けると言うか、ま、まだまだこれからですかね? って言うか豪華さより、ツウを唸らせる音楽の見本市的なスタンスを目指しているのかもしれませんね。

さて、今回の発表のなかで「ルーツな日記」的にひときわ目につくのが、もちろん ブッカー・T です。ソウル史に燦然と輝くスタックスの箱バン、BOOKER T.&THE MG’S のオルガン奏者です。MG’Sでの参加でないのが残念ですが、先日のブルーノート公演を見逃している私としては、ブッカー・T だけでも嬉しい限りです。今年はミーターズもくるので、メンフィス VS ニューオーリンズ、伝説の南部屋台骨対決みたいな感じですね。

そして、かなり早い時期からメンバーが自身のMySpaceでフジ参加を表明していた Rafven 。正直知らないバンドでしたが、スウェーデンのジプシー系のバンドのようで、ラフヴェンと読むらしい。同じジプシー系として昨年のゴーゴル・ボルデロはあまりにも荒くれていたと言うか、パンキッシュな方向へのテンションが高すぎて私はちょっぴり苦手でしたが、このラフヴェンは、いくつかの動画を観る限りではもっとトラディショナル寄りで、かなり私好み。オレンジやアヴァロンが似合いそう。

そしてまだ出てくるダンス系。今年は多いですよね? しかも一筋縄ではいかないような人達が。その決定版と言えそうなのが、ブラカ・ソム・システマです。ポルトガル出身だそうですが、アフリカ産の“クドゥル”というダンス・ミュージックをベースにしたサウンドはかなりグロイです。ちょうど先日来日していましたが、どんなライヴを観せてくれたのでしょうか? 個人的には今回のフジでは、ギャング・ギャング・ダンスやこのブラカ・ソム・システマのような、ちょっと得体の知れないアーティストが楽しみです。そういう意味では今回発表されたEBONY BONES!もかなり凄そうですが、この人はどうなんですかね?

UKロックのマキシモ・パークや、昨年サマソニで単純明快に楽しかったフランスのエレクトロ・デュオ、ザ・シューズ辺りは素直に嬉しいです。THE AIRBORNE TOXIC EVENTやIDA MARIAなんかも気になります。邦楽勢もUAやCOOL WISE MENはちょっと観たいですね~。

今のところ大物と言うか、分かりやすいアーティストが少ない感がありますが、興味惹かれる個性派が集まった今回のフジ、かなり楽しめそうですね。これからの発表も楽しみです。

それと、今年はフジ最奥の地「キャバレーフィエスタ」が、ムーランルージュを意識した「Cafe de Paris」に生まれ変わる予定があるとか。ステージも強化されそうということですので、こちらも楽しみですね。去年はここのステージを観れなかったので、今年は観たいです! でも「キャバレーフィエスタ」の雰囲気、好きだったんですけどね。でもこれはまだ本決まりではないような雰囲気ですので、どうなるのか見守りましょう。


一方、サマソニも少し前に第4弾の発表が有りましたが、昨年観そびれたパオロ・ヌティーニが嬉しいです!でもビヨンセが出る日曜のチケは既に予約済みですが、実はまだ土曜は迷っています。財布的な問題で…。どうしようかな~。


*写真は81年リリースのブッカー・T のソロ作「I WANT YOU」。時代が時代なので、MG’S時代とは趣が全く違うディスコ&メロウな作品。ソウルフル&セクシーな喉もかなり良いです。そしてソロ名義としてはおそらくこれが今のところ最後のアルバム。ですが、もうすぐ新作が出る予定。って言うかもう出てるんですかね? DRIVE-BY TRUCKERSがバックを務め、ニール・ヤングもゲスト参加しているらしいです。これは楽しみですね!






エイモス・ギャレット@渋谷クラブ・クアトロ

2009-04-16 12:51:42 | ルーツ・ロック
AMOS GARRETT / GET WAY BACK : A TRIBUTE TO PERCY MAYFIELD

4月11日、渋谷のクラブ・クアトロにてエイモス・ギャレットを観てきました。ウッドストック・シーンの国宝級ギタリストです。トムズ・キャビンさん主宰の「聴かずに死ねるか!」シリーズで07年に久々の来日を果たし、その大盛況からのアンコール・ツアーと言ってもいい、2年振りの来日公演です。前回を見逃している私にとっては、まさに聴かずに死ねるか!って感じで気合充分に観てまいりました。

*以下、完全にネタバレになりますので、これからライヴを観に行かれる方は読まないことをお勧めします。


今回は最新作となるパーシー・メイフィールドのトリビュート作「GET WAY BACK : A TRIBUTE TO PERCY MAYFIELD」(写真)を引っさげての来日ということで、そのアルバム・ジャケットで持つ、箱型のエレキ・ギターを弾くのかと思いきや、それはまったく登場せず、メインはトレード・マークのテレキャスで、途中にアコースティック・セットを挟むという構成。これは前回の公演とほぼ一緒のスタイルですかね? ま、アルバムはアルバム、ライヴはライヴって感じで、我が道を行く感じですかね。

ですが演目は「Never Say Naw」、「River's Intention」、「Lost Mind」、「Fading Love」、「Ha Ha In The Daytime」など、新作からの曲を結構演ってましたね。とは言え、昔からエイモス・ギャレットはパーシー・メイフィールドがお気に入りだったようで、お馴染みのレパートリーなんでしょうけどね。他にはルイ・ジョーダン「Is You Is or You Ain't My Baby」、ジミー・ロジャース「Carolina Sunshine Girl」、チャック・ベリー「La Juanda」など。アコースティック・セットではホーギー・カー・マイケルの「Lazybones」とか「Hong Kong Blues」あたりを演ってましたね。サポートは今井忍氏のギターと岡嶋文氏のベース。このお二人も前回と同じようですね。今井忍氏はアコースティック・セットで8弦ウクレレを弾いたりしていました。

まあ、何はともあれ、エイモスのギターですよ! 指の動きなんかは決してしなやかではなく、今にも崩れそうで、フィーリング的にはかなりブルージーなんですが、出てくるフレージングは神業的にロマンチック。複弦での多彩なベンディングが聴くものを夢心地の世界へ連れて行ってくれます。私はてっきりスライド・バーを使ってるものだとばっかり思っていましたが、この目でしかと魔術のようなベンディングを見てきました。そして常人には決して真似することができない、まるで宇宙で星が儚く弾けるような音使い。どうやったらあんな音階を弾けるんでしょう?「星屑のギター」は健在でした!

でも、曲間では何度か「あー!」と唸り声を上げながら、まるで痺れか痛みでもあるかのように左手をブンブン振ったりしてました。思うように指が動かないのかな?と心配にもなりましたが、曲が始まれば絶品の「星屑ギター」を鳴らすのです。職人と言うか、もう手に染み付いた技なのでしょうね。もちろん年齢的な衰えもあるとおもいますよ。でもそれすら絶妙の間やフィーリングに変えてしまう程、エイモスのギターは特別なのものでした。

一番盛り上がったのは意外にもジミー・リードの2曲でした。「Big Boss Man」と、もう1曲は「I'll Change My Style」だったかな? この2曲のギター・ソロは素晴らしかったですね~。ソロが終わると拍手喝采が巻き起こり、エイモスも笑顔で軽く会釈して応えてましたね。シカゴ・ブルースもエイモスにかかると、何処を切ってもエイモス色に染め上がります。

もちろんギターだけではなく、深いバリトン・ヴォイスも魅力的です。やっぱりパーシー・メイフィールドの曲はエイモスの声に合ってますよね~。人間味溢れる素朴な味わいながら、声自体が60代後半にしては艶やかですし、年齢を重ねたコクもある。そんな低音ヴォイスには男の私もうっとりです。

そして終盤にキラーチューン「Sleepwalk」。目を閉じると、その滑らかで振り幅の大きな音の揺れは、まるでスティール・ギターのような音色ですが、もちろん全てベンディングです。そして星が降ってくるような音階に指がネックの上を舞います。素晴らしい! これを生で聴きたかったんです! 生で観たかったんです! まさに聴かずに死ねるかです!

本編ラストはロバート・ジョンソンの「Walkin Blues」。それにしてもセット・リストを振り返ると、エイモス・ギャレット流のルーツ探訪の旅のようでありながら、エイモス・ギャレット自身のキャリアを振り返るような選曲でもありましたね。例えば「La Juanda」や「Carolina Sunshine Girl」は78年のジェフ・マルダーとの共演盤「GEOFF MULDAUR & AMOS GARRETT」収録曲ですし、「Lazybones」や「Hong Kong Blues」もジェフとのライヴ盤に入っていた曲です。そして「Walkin Blues」はポール・バターフィールドと組んだベターデイズで「New Walkin Blues」としてとりあげていた曲。「Sleepwalk」は89年のソロ作「I MAME MY HOME IN MY SHOES」から。そう言えば同作から「Move On Down The Line」も演ってましたね。

そしてアンコールはエイモスを一躍有名にした必殺のソロが入ったマリア・マルダー「真夜中のオアシス」。ゲスト・ヴォーカルに中村まりさんを迎えてのセッション。失礼ながら私は彼女のことを良く知らなかったのですが、05年のフジロックにも出演していたシンガー・ソング・ライターだそうです。そして前回のエイモス公演でもゲストに招かれこの曲を歌ったとか。今回はステージも客席もかなり年齢層高めな男性が多かったので、彼女の登場で一気に華やぎましたね。出だしのファルセットから「オー!!」と思わせる美声でした。そしてその声に寄り添うように艶やかな音色を奏でるエイモス。まさか彼のギターでこの曲を聴けるとは! 感無量でした。

途中15分程の休憩を挟んで約2時間。20曲程演ってくれたでしょうか? 終演後には恒例のサイン会が。私も長い列に並んでサインを頂きました。ギターは右利きですが、サインは左手で書いてましたね。09と年を入れてくれたのは、この先また来てくれると言うメッセージでしょうか?

ちなみに、この日のステージは今回の日本ツアーの初日で、このあと関西方面から九州まで回り、さらに仙台へ向かい、最後は4月29日の北海道鶴居村「ヒッコリーウィンド」まで続くようです。元気ですね!

*曲目等、間違ってましたらごめんなさいね。





ケリー・ジョー・ヘルプス@渋谷タワレコ

2009-04-13 13:52:36 | ブルース
4月12日、渋谷のタワー・レコードでケリー・ジョー・ヘルプスのインストア・ライヴを観てきました。実は私、これまでケリー・ジョーにはさほどのめり込んで来ませんでした。デビュー時のスライドで聴かせるブルースから、近年の多彩な指弾きで紡ぐフォーキーな歌物まで、決して嫌いではないですが、何て言うか、上手すぎて、しなやかすぎて、ディープさに欠ける、みたいな勝手なイメージを持っていたんですよね。最新作のインスト・アルバムも企画的には興味深いですが、結局試聴だけで済ませてしまいましたし…。

ですが百聞は一見にしかずでした。目からうろこが落ちました。短いインストア・ライヴとは言え、素晴らしい演奏でした。4~5曲でしたが、最新作からのインスト曲を演るのかと思いきや、全てアコギ弾き語りでした。まず曲への気持ちの入り方が凄い。体をクネクネとよじりながら、ギターと一体化するかのごとくに奏でられるその音色のエモーショナルこの上ないことたるや! 別に激しいソロを弾く訳でもなく、ただひたすらアルペジオを主体にしたコードワークのみなんですが、それがたまらない程アメリカーナな情景を感じさせる。卓越したリズム感と絶妙の強弱でキレのあるグルーヴを生む右手のフィンガー・ピッキング、そして次々にフォームを変えながらメロディアスに紡がれる右手のコード・ワーク。もう、グイグイと惹き込まれましたね。もちろんブルージーな枯れの中に優しく暖かみのある歌声にもグッときました。

人柄的には、シャイなのか、大人しそうな印象で、MCらしいMCもなく、淡々と進められていましたが、インストアとは言え、リハも含めてすごく真面目に取り組む姿が印象的でした。赤いキャップも似合っていましたね。演奏以外ではあまり表情を変えない感じでしたが、アンコールを望む拍手には流石に嬉しそうにしていましたね。それと観に来ていた観客も凄く多かったです。人気あるんですね~。

そんなケリー・ジョー・ヘルプス、4月14(火) 横浜 Thumbs Up から日本ツアーが始まるようです。本番では最新作からのインスト曲や、伝家の宝刀スライド・ギターも披露されるのでしょうか? 私はこれからのフェス・シーズンに向けて金欠なので今回はパスせざるを得ませんが、行かれる方はホント羨ましいです!! でもインストア・ライヴだけでもみれて良かったです!

サマソニ第3弾&日割り

2009-04-03 10:55:18 | フェス、イベント
WAR / THE WORLD IS A GHETTO

WARってこのWARですか?


フジロックの第2弾発表で盛り上がっていましたら、サマソニでは速くも日割りが発表されましたね。「ルーツな日記」的にはビヨンセさえ観れれば、って感じでしたが、個人的な趣味でCSSも観たかったので、両者が同じ日のマリンに出てくれれば一日参加で済んで万々歳だったのですが、残念ながらビヨンセが日曜、CSSが土曜に割れました。ま、被らなかっただけ良しとしましょう。と言う訳で私は今回のサマソニ、土日参加になりそうです。

今回の発表ではステージ割りまでは明らかになっていませんが、ロッキング・オン誌5月号のクリエイティヴマン清水社長のインタビューで、かなりのところまで見えてきます。

まずCSSは土曜のソニック。この日のソニックはトリにクラクソンズ、そしてティン・ティンズも出る。濃い並びですね~。クラクソンズはそれほど好きではないのですが、ラヴフォックスの飛び入りとかしょうもない期待をしてたり…。しかしマウンテンのトリがスペシャルズ!! これも観たい! どうしましょ? ちなみにスペシャルズの前がコステロで、さらにその前にジョーン・ジェットも入るらしい。テーマはレトロ? レゲエのマティスヤフはビーチだそう。これも観れないか…。

ビヨンセはもちろん日曜マリンのトリ。インタビューではこの日のマリンについてビヨンセ以外の出演者について明言を避けられていますが、「ビヨンセだけ浮かせるのもなんだから…」と言っているので、これからの発表が楽しみです。フィメール系よりむしろブラック系に期待したいのですが…。とりあえず第3弾としてビヨンセの妹ソランジュが発表されましたので、おそらく二人揃ってマリンに出るのでしょうね。それとこの日の個人的注目株はVVブラウン。私はダンス・ステージ辺りを予想していたのですが、黒人女性シンガーと言うことでいきなりマリンも有るのかな~? あと気になるところでは、ジプシー・パンクのゴーゴル・ボルデロがビーチだそう。あの砂場でゴーゴルは凄いことになりそう。それと第3弾で発表されたWARってあのWARですか?70年代から活躍するミクスチャー・ファンク・バンドの? だとしたらかなり観たいです。って言うかまだ活動していたんですね…。そしてロック・ファンとしましては、フレーミング・リップスをトリにソニック・ユース、ティーンエイジ・ファン・クラブと並ぶソニックが凄い。でもこの時間帯は確実にマリンにいます…。

そして今年は3日開催と言うことで、その副産物なのか、金曜と土曜はオールナイトでライヴとダンスの2ステージがフル稼働するとか、凄いですね~! どんどんでかくなるサマソニ! と言ってもオールナイトなんて40過ぎの私には縁が有りませんけどね…。でも昨年久しぶりにサマソニに参加して感じたんですが、なんかフジより疲れるんですよね。やっぱり二日間自宅と幕張を往復するのがきつい。しかも朝が早い。なにせ朝一から観たいアーティストが出ちゃったりしますからね。マリンとメッセ間も妙に長く感じますし…。なので今回はあまり動かないようにします。究極的には、土曜はメッセだけ、逆に日曜はメッセには行かない、とか。ま、それも今後の発表次第ですけどね。

*写真はWARの代表作「THE WORLD IS A GHETTO」。ラテンやニューオーリンズからレゲエまでをもクールに飲み込んだミクスチャー・ファンクの傑作。72年の作品。邦題は「世界はゲットーだ!」。凄いタイトルですね~。ま、直訳ですからしかたないですけど。結成当時、バンドの顔だった元アニマルズのエリック・バードンは既に脱退していますが、「The Cisco Kid」やタイトル曲「The World Is A Ghetto」と言ったヒット曲を収録。でも個人的には長尺インストの「City, Country, City」が一番好きだったり。それにしても今回来日するとしたら、メンバーってどんな感じなんですかね?

エディー・ボーを偲ぶ

2009-04-02 01:33:07 | ソウル、ファンク
EDDIE BO AND THE SOUL FINDERS / THE HOOK AND SLING

スヌークス・イーグリンに続いて、ニューオーリンズの重鎮エディ・ボーまで亡くなられてしまいましたね。3月19日、心臓発作だったそうです。悲しいかぎりです。

1930年ニューオーリンズ出身。ピアニスト兼シンガー。ジャズ・ピアニストとして音楽活動をスタートし、後にR&Bへ転向、レコード・デビューは1955年だそうです。50年代から60年代にかけての若きエディの歌声は、キレのなかにも優しさが宿るようなテナーで、溌剌と歌われるいかにもニューオーリンズなR&Bが最高でした。代表曲はちょっとコミカルな「Check Mr. Popeye」でしょうか。それと有名なところではリトル・リチャードのヒット曲「Slippin' and Slidin」はエディ・ボーの「I'm Wise」という曲だったりします。この「I'm Wise」がまたガンボなもっちゃり感で愛らしい曲なんですよね~。

でもエディ・ボーと言えば、近年再評価が著しい60年代後半以降のファンキー路線でしょうね。アラン・トゥーサン周辺がニューオーリンズ・ファンクの正史なら、エディ・ボーはその裏街道と言ったところでしょうか。数々のプロデュース・ワークや彼自身のファンキー・ソングにはどこか“いかがわしさ”が漂い、ある種の強烈な“臭い”を発散しています。この時期の代表曲「Hook & Sling」の格好良いこと!

その後も自信のレーベルを立ち上げたり、近年には自らのクラブ「チェック・ユア・バケット」をオープンさせたりと、意欲的な活動をしながらコンスタントにアルバムも発表していたそうです。残念ながらあまり日本には来てくれなかったかもしれませんが、私は一度だけ彼のライヴを観たことがあります。それは91年のニューオーリンズ・カーニヴァル。ジョン・ムーニーやアール・キングの後、トリとして登場したのがエディ・ボーでした。バックはジョージ・ポーター・ジュニア率いるニューオーリンズ・ファンク・オールスターズ。実はこの頃まだ私はニューオーリンズ・ミュージックをかじり始めた頃で、ジョージやアール・キング、ジョン・ムーニーは知っていたものの、肝心のメインであるエディ・ボーについては名前すら知らなかったのです。

ですが彼の登場シーン。あのパレードで使われる派手な傘を持ち、踊りながらピアノに向かうエディの愛嬌いっぱいの姿を見て、一瞬にして惹き込まれましたね。なんかファンキーなおっちゃん出てきちゃったよ~!!みたいな。その後もエディから発散される強烈な“濃さ”にやられっぱなしだった記憶が残っています。もちろん曲目等細部は全く覚えていませんが…、とにかく全てを食う圧倒的な印象を残してくれたのは間違いありません。それ以来、私にとってエディ・ボーは忘れられないアーティストになりました。

エディ-・ボーさんのご冥福をお祈りいたします。


*上写真は70年前後のファンク時代を捉えた97年リリースのコンピ盤。おそらくレア・グルーヴ発掘の波に乗ってリイシューされた感じでしょうか? 「Hook & Sling」がやっぱり格好良い!後半に並んだ緩めのスロー・ナンバーもまたいい味わい。




EDDIE BO / CHECK MR. POPEYE
こちらは59年から62年にかけての録音を集めたコンピ盤。代表曲「Check Mr. Popeye」を収録。残念ながら「I'm Wise」は収められていませんが、その焼き直しと思われる「Baby I'm Wise」が収録されています。



EDDIE BO / NEW ORLEANS SOLO PIANO
こちらは95年リリースのピアノ弾き語りアルバム。バックにはパーカッションが鳴っています。ドクター・ジョンにも通じる渋い味わい。