ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ドニー・フリッツ@渋谷O-EAST その1

2009-09-29 17:32:50 | ルーツ・ロック
THE DECOYS / SHOT FROM THE SADDLE

9月28日、ドニー・フリッツ&ザ・デコイズを観てきました。場所は渋谷O-EAST。当日券も出ていたようですが、見た感じは満席状態でした。先日の渋谷タワレコでのインストア・ライヴもそうでしたが、開演までの待ち時間、年期とこだわりを滲ませる客層からは、本物の南部サウンドへ期待感がひしひしと伝わってくるようでした。

*以下、完全なネタバレになりますので、これからライヴを観に行かれる方は読まないことをお勧めいたします。

トムス・キャビン代表、麻田浩さんの挨拶に続いて紹介されたのは、オープニング・アクトのカラ・グレインジャー。日本でもこの9月にデビュー作が発売になったばかりというオーストラリア出身の美人シンガー・ソング・ライターだそうです。土っぽいスライド・ギターを滑らせながら歌う様は、なるほどフライヤーに「ボニー・レイットを彷彿させる」と紹介されるだけのことはありました。サポートは男性ギタリスト(兄弟?)唯一人と言うデュオ形態のライヴでしたが、前半のルーツ色豊かな味わいから、後半のスライド・バーを外したフォーキーな色合いまで、なかなか聴かせてくれました。これからの活躍が楽しみですね!

そして、いよいよドニー・フリッツ&ザ・デコイズですが、まずはザ・デコイズのみが登場。元COWBOYのスコット・ボイヤー(G)を中心に、リトル・リチャードのバックも務めていたと言うAMAZING RHYTHM ACESのケルヴィン・ホリー(G)、パーシー・スレッジやグレッグ・オールマンのバックを務めたN.C. サーマン(KEY)、そしてマスル・ショールズ・リズム・セクションのレジェンダリー・ベーシスト、デヴィド・フッド!! さらにドラムスのマイク・ディロンを加えた5人編成です。まさに現在のマスル・ショールズを伝える5人集といった感じ。今回のドニー・フリッツの来日公演は、あのドニーが観れることが楽しみなのはもちろんですが、このバックバンドのデコイズに期待していた人も多いと思います。もちろん私もなのです。

ステージは彼らのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」のタイトル曲からスタート。1発目の出音から先日のインストアとは全く別物と思い知らされました。とにかくリズムの重心が低く太いのです。さらにメリハリが効いてる上に懐が深い。ドラムスが加わるだけでこうも変わるのか?と。インストアでのドラムス抜きの緩い感じもアレはアレで南部集プンプンで良かったんですけどね。それにしてもこのドラムスのマイク・ディロンはパワフルで安定感もあってかなり良い!そして何と言ってもデヴィッド・フッドのベースですよ!出音が大きい!ズンズンと腹に来る低音はこれぞサザン・グルーヴ!!

バンドの中心は元COWBOYのスコット・ボイヤー。彼の歌声もソウルフル且つカントリー・フレイバーに溢れていてかなり良い感じでした。2曲目は「Love And Happiness」。アル・グリーンですか!? AMAZING RHYTHM ACESもやってますが、言わばマスル・ショールズからの、メンフィスはハイ・サウンドへのエールといったところでしょうか? 続いてスコット・ボイヤーのCOWBOY時代の名曲「Please Be With Me」。エリック・クラプトンが「461 OCEAN BOULEVARD」で取り上げたことでも知られる美しいスロー・ナンバーですね。この曲には日本人ギタリストのクニオ・キシダがアコースティックなスライド・ギターで参加し、哀愁のメロディに華を添えました。ちなみにこの人、失礼ながら邦アーティストにめっぽう弱い私はよく知らなかったのですが、マスル・ショールズでアルバム制作などもしている有名な方だそうですね。

そのクニオ・キシダがレスポールに持ち替え、歪んだ爆音でスライドを弾きまくったのが「Statesboro Blues」。もう完全にオールマン・ブラザーズ・バンドですよ! そう言えば、デュアン・オールマンは60年代にマスル・ショールズのフェイム・スタジオでセッション・ギタリストをやっていて、デヴィッド・フッドと共にアレサ・フランクリンなんかの名作に携わってたんですよね。ちなみにドラムスのマイク・ディロンはデッキー・ベッツのバンドで叩いていた人だとか。なるほど~。で、この曲はそのマイク・ディロンがヴォーカルをとっていました。なかなかの迫力。そしてクニオ・キシダは充分過ぎる存在感を残して去っていきました。

続くケルヴィン・ホリーのソリッドなギターをフューチャーした曲は「Mary Had A Little Lamb」だったでしょうか? 似たような曲が結構ありそうなので曖昧なんですけど…。でもスティーヴィー・レイ・ボーンが好きそうな感じはしましたよね。レイ・ボーンよりはまろやかですけど、そのキレ味はかなりなものでした。何て言うか、テレキャスらしい音で気持ちよかったです。ちなみにこの曲はケルヴィン自らマイクをとりました。見た感じの人柄そのままなふくよかでソフトな良い声でした。

そしてデコイズ単体としてのラストを締めるスローは「Oh, Lucky Me」。AMAZING RHYTHM ACESですか?良い曲ですね~。枯れた味わいのスコット・ボイヤーの歌に絡むケルヴィン・ホリーのしっとりとしてブルージーなスライド・ギターが最高でした!決して派手ではないんですがジワっとくるんです。この人、相当な職人肌ですよ!

そしていよいよスコット・ボイヤーに紹介され、本日のメイン、ドニー・フリッツが登場です。このオープニング・アクトがあって、バック・バンド単体の演奏の後、満を持して主役が登場するという、なんかサザン・レビューを観ているかのような構成が良かったですね。これにはワクワクさせられました。そしてそのドニー・フリッツ、先日のタワレコではTシャツにキャップというラフな姿でしたが、今夜はちゃんとジャケットを着ています。上下黒でビシッと決めております。そしてサングラスが格好良いです!

1曲目は「Sumpin' Funky Going On」でファンキーにスタート!!

…おっと、なんか長くなってしまったので、続きは次回。


*一応、メモを取りながら観ていたんですけど、曲目等間違っていましたらごめんなさいね。

*写真のアルバムは01年リリースのザ・デコイズのアルバム「SHOT FROM THE SADDLE」。アダルトな雰囲気のタイトル曲「Shot From The Saddle」で始まり、サザン・グルーヴが気持ち良い「 Nadine」や「24-7-365」、スワンピーなロックン・ロール「Get Down」、さらにオールマン・ブラザーズ・バンド「Melissa」、プロフェッサー・ロングヘア「Her Mind Is Gone」のカヴァーなどなど。ゲストにドニー・フリッツはもちろん、スプーナー・オールダム、ボビー・ウィットロック、マスル・ショールズ・ホーンズなどが参加した、フェイム・レコーディング・スタジオ録音。しかしこの日のライヴではタイトル曲しか演りませんでした…。終演後のサイン会でメンバー5人のサインを頂きました。


ドニー・フリッツ@渋谷タワレコ

2009-09-27 15:14:38 | ルーツ・ロック
DONNIE FRITTS / ONE FOOT IN THE GROOVE

9月26日、渋谷タワーレコードへドニー・フリッツのインストア・イベントを観に行ってまいりました。ドニー・フリッツって人気あるんですね。まさかあんなに大勢のお客さんが集まるとは思いませんでした。私は開演45分程前に現地に着いたのですが、その時ちょうどリハーサル中で、既にかなりの人が入って盛り上がっている様に「え?始まってるの?」と勘違いして焦った程ですから。その後もさらに人が集まって来て、始まる頃には立ち見のお客さんでいっぱいになる程に。伝説のスワンプ・シンガーをこの目で観たい、本物のマスル・ショールズ・サウンドを体感したいというお客さんの期待がひしひしと伝わってくるようでした。

司会者に紹介され登場するドニー・フリッツ。アラバマからそのままひょいっと来たようなTシャツにキャップというラフな出で立ちが良く似合います。そして注目はバックの4人。ギタリストに元COWBOYのスコット・ボイヤーとAMAZING RHYTHM ACESのケルヴィン・ホリー、キーボードにN.C. サーマン。この人は小柄でいい雰囲気の叔父ちゃまって感じでしたが、プロフィール曰く「マッスルショールズでのスタジオワークに加えてグレッグ・オールマンや、パーシー・スレッジなどのツアーにも参加」している方だそうです。そしてベーシストはかのデヴィッド・フッド!! 60年代からマスル・ショールズでソウルやロックの名盤に携わって来た名ベーシストですね。

この4人は THE DECOYS と名乗り数年前に「SHOT FROM THE SADDLE」というアルバムもリリースしている。そのアルバムにはドニー・フリッツもゲスト参加していたようですが、ドニーの最新作「ONE FOOT IN THE GROOVE」もこの THE DECOYS の面々がバック・アップしています。今回のドニーの来日は、ドニー・フリッツが来日してくれるだけでも嬉しい限りですが、 THE DECOYS を引き連れて来てくれるということが奇跡に近いのです。日本で本物の南部サウンドが堪能出来る訳ですから。ドニーの後ろでふくよかなサザン・グルーヴを醸す4人の佇まいは、さしずめ現在のマスル・ショールズ・リズム・セクションといったところでしょうか。

曲目は1st作からトニー・ジョー・ホワイトとの共作「Sumpin' Funky Going On」に始まり、最新作から「Nothing But The Blues」、レイ・チャールズやリタ・クーリッジがカヴァーしたことでも知られる「We Had It All」、2nd作からまたもトニー・ジョーとの共作「Short End Of The Strick」、最後はダン・ペンとの共作「Memphis Women and Fried Chicken」だったかな? インストア・イベントということで、静かなしっとりとした曲中心になるのかと思いきや、意外にもファンキーな曲を並べて来てびっくりしました。さらにドニー・フリッツのヴォーカルは、名作「PRONE TO LEAN」での柔らかく優しい歌声が印象的ですが、これが予想外に力強いというか、荒くれた感じで痺れました。ミネラル・ウォーター片手に歌う姿は、どちらかというとお酒飲みながら歌ってるような雰囲気で、なんか南部魂を感じましたね。会場も割れんばかりの拍手と歓声で盛り上がりました。

終演後はお楽しみのサイン会。私もしっかりサインを頂きました。しかしまたしても自分のスペルが伝わらない…。「R」が伝わらないんですよね~。「アール」って言っても「i?」とか「Y?」とか聞かれちゃって…。結局机の上に指で「R」と書いてやっと分かってもらえました。いや、でも「ROYJI」じゃなくて「RYOJI」なんですけど…。ま、いいか。 THE DECOYS の面々もいい人ばかりで、サイン会の最中、ず~っと残って熱心なファン達と懇親していました。彼らがマスル・ショールズの強者達なら、観に来る人達も流石に強者ばかりで、皆さん自慢のレコードやCDを持参してサインを頂いたり談笑したりしていましたね。なかには、よく見えなかったのですがたぶん、COWBOY や THE DECOYS のアナログ盤を持って来てる方もいらっしゃって、凄いな~と。

そんな中、一番人気があったのはやはりデヴィッド・フッドでしょう。入れ替わりでサインをしたり写真を撮ったりで、忙しそうでした。なかにはトラフィックのアナログ盤を持って来られた方がいらして、その中ジャケの写真を観ては懐かしそうに楽しそうに話しをされてましたね。英語が喋れない私も根性でなんとかデヴィッド・フッドのサインだけは頂きました。


*写真はサインを頂いたドニー・フリッツの最新作「ONE FOOT IN THE GROOVE」。腎臓移植手術を経ての復帰作です。プロデュースはダン・ペン。バックには THE DECOYS の面々の他、スプーナー・オールダム(key)、トニー・ジョー・ホワイト(g)、ジェイムズ・ペネベイカー(steel g)、ウェイン・ジャクソン(t)などが参加しています。ドニーのいなたくもソウルフルな歌声を含め、マスル・ショールズの土の匂いを感じさせる彼らの演奏は極上です。トニー・ジョー・ホワイト夫妻との共作「One Foot In The Groove」からスワンピーなグルーヴが炸裂。2曲目「She's Got A Crush On Me」はドニーらしい、じんわりとしたメロディーと今にも崩れそうな歌がとても味わい深い。これぞサザン・リズムな「Chicken Drippings」はダン・ペンとの共作。さらにドニーらしい温かさが滲み出るようなテックス・メックス風味の「Huevos Rancheros」も良いです。珍しいレゲエ調「The Heart」は盟友クリス・クリストファーソンのカヴァー。そして1st作にも収録されたスプーナー・オールダムとの共作による大名曲「My Friend」のセルフ・カヴァー。良いですね~。こういうのライヴで聴きたいです!月曜日に演ってくれないですかね~。(ちなみに太字がドニー・フリッツのサインで細字がデヴィッド・フッドのサインです。)

9月28日、月曜日のライヴがますます楽しみになりました。

上原ひろみ@表参道ヒルズ

2009-09-11 18:21:51 | ジャズ
上原ひろみ / PLACE TO BE

9月8日、上原ひろみのスペシャル・ライブ・イベントを観に表参道ヒルズへ行ってまいりました。これは9月5日に発売されたばかりの彼女のニュー・アルバム「PLACE TO BE」の発売記念フリー・イベント。この「PLACE TO BE」は上原ひろみにとって6枚目にして初のピアノ・ソロ・アルバム。もちろんこの日のライヴもピアノ・ソロで、しかも表参道ヒルズという特異な雰囲気が否が応でも期待感を高めます。

表参道ヒルズは建物全体が吹き抜けになっていまして、さらに螺旋状のスローブがその吹き抜けをぐるぐると取り囲む構造になってるんです。この日はその吹き抜け中央にグランド・ピアノが鎮座し、スローブ数階に亘って観客がびっしりと取り囲む状況。まるで表参道ヒルズ全体がコンサート会場になったような雰囲気でした。

拍手に迎えられて上原ひろみが登場。新作のジャケ写通りの、おそらくピアノの鍵盤をモチーフにしたであろう白黒ストライプの可愛らしい衣装が良く似合っていました。本人のキュートさも含めて、まるでピアノの妖精か?って感じ。なんてったって靴まで鍵盤柄でしたから。

1曲目「BQE」からスタート。決して静かではない雑踏の中、一音目からグワッ!と自分の世界に入る上原ひろみ。この集中力が凄まじい! 広い吹き抜けに彼女の気が充満し、その中を躍動感溢れるピアノの音が駆け巡ります。彼女の弾く姿はまるでピアノと戯れるようでもあり、挑みかかるようでもある。時に低く唸るような声を漏らしたり、「あ!」とか「うん!」とか気合を入れるような声を発しながら。それでいて感情表現というか情景描写はいたって繊細。例えば2曲目に披露された「Place To Be」の美しさは感動的でした。このメロディってなんか日本人の郷愁を誘いますよね。彼女の暖かくエモーショナルな演奏がまたグッとくるんですよ!そして「Viva! Vegas」の組曲へと続きます。

今回のライヴで私にとっての白眉は左手のリズムでした。実は新作「PLACE TO BE」を聴いて、気づいたことがあるんです。何故私はこんなに上原ひろみが好きなのか?それは案外彼女のハネたリズム感と独特のタイム感にあるのではないか、と。それをはっきりと感じさせられたのは、残念ながらこの日のライヴでは演奏されなかった「Pachelbel's Canon」。この曲はピアノに何か細工をしているのか、チェンバロのような音で弾かれています。そして上原ひろみにしては音数がやたら少ないんです。前半こそバロック音楽のような雰囲気ですが、中盤からフリーキーな感じになっていきます。そして音数が少ない分、絶妙の間が生まれるんです。さらにその間を絶妙のタメで捌いていくそのタイム感がめちゃくちゃ心地良いのです。普段ならメロディやソロに耳が行ってしまうのですが、シンプルなプレイゆえに反ってリズムが体に染みるのです。この曲を聴いたとき、あ~、私は根本的に彼女のリズム感がすきなんだなと、悟ったという訳です。

ライヴで演った「Viva! Vegas: Show Cuty, Show Girl」でもそのリズム感は顕著。左手の刻む反復的なベーズラインのノリが最高でした。CDよりさらに勢いと跳ねを増したそのリズムのキレはまさにライヴならでは! さらに「Viva! Vegas: The Gambler」の左手は目の回るような早いフレーズながらワクワクするほどバウンシーにうねる! この上原ひろみ独特のハネたリズムに、彼女ならではの自由奔放かつエネルギッシュな感性が絡み付くことで、たった一人にしてあの圧倒的なスケール感を生み出すのことが出来るのでしょうね。もちろん私はソニックブルームも大好きです。でもバンド全体のノリとしては結構フュージョン的だったりするんですよね。そういう意味では、ピアノ・ソロだからこそ上原ひろみの体内に宿る躍動のリズムをストレートに体感できると言えるかもしれませんね。

さて、拍手喝さいで終わったライヴの後は楽しいトーク。ピアノを弾くときの緊張感が嘘のような“ほんわか”ムード。そこを司会者に突っ込まれると、本人曰くそれはピアノに全精力を傾けるためだとか。本当ですかね~。そして彼女は30歳になったばかりだそうですが、この新作について、自身の20代をちゃんとピアノと向き合って残しておきたかった、的なことも語っていました。しかもたった2日間で録音されたとか。彼女の集中力にも驚かされますが、このアルバムの生っぽい瑞々しさの秘密はその辺りにあるのかもしれません。

そして今後の目標は?という質問には「ピアノが上手くなりたい」と答えていました。この言葉、笑いを誘いましたが、案外深かったんです。彼女曰く、ピアノは完全な楽器で、自分は不完全な人間、だとか。この永遠に続く関係こそ、上原ひろみが常に挑戦し続ける所以であり、それこそが彼女の凄みなのです!

そんなトークの間、新作収録の「Choux A La Creme」という曲にちなんで、およそ千個のプチシューで作られた巨大なタルトが完成。これには流石の上原ひろみも驚いてましたね。近寄って触ってみたりなんていう可愛い一面も。さらに、せっかくだからということで、シュークリームを前に「Choux A La Creme」をまるまる演奏。これも素晴らしかった!彼女らしい軽やかなノリを存分に堪能。トークを挟んでもう演奏は終わりと思わせといてのサプライズ的な1曲。こういう演出は良いですね。なんか得した気分です。

それにしても上原ひろみは幸せそうにピアノを弾きます。そして真剣な中にも遊び心がある。天真爛漫。例えば低音部の弦をいじってのベース・ソロ的なプレイとか、「Viva! Vegas: Show Cuty, Show Girl」での「Smoke On The Water」のフレーズも楽しそうに弾いてました。彼女のピアノの躍動感と表情豊かな音色、そして全身全霊を込めて幸せそうに弾く姿には、観ているこちらも幸せな気分になります。11月からは日本でソロ・ツアーが始まるそうです。上原ひろみのピアノ・ソロ、見逃せません!!

さて、最後にお楽しみのサイン会。事前応募の抽選でしたが、くじ運にめっぽう弱い私が何故か当たっていたので、しっかり頂いてきました(写真)。目の前で書いてもらえるのではなく事前に書かれたものを渡されるだけでしたが、言葉を交わせるということでかなり緊張しました。結局「ライヴ最高でした。ツアー楽しみにしています。」しか言えませんでしたけど、上原さんは満面の笑みで「ありがとう」、そして握手してもらいました。



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 08.12.28 @有楽町(上原ひろみ ジャパン・ツアー・ファイナル@東京国際フォーラム)
 08.09.02 東京JAZZ2008まとめ、その1
 08.08.25 @東京JAZZ2008(上原ひろみ at 丸ビル)
 08.06.07 上原ひろみ(5月31日新宿タワーレコード&「BEYOND STANDARD」)
 07. 9.27 チック・コリア&上原ひろみ@ブルーノート東京 
 07.09.03 上原ひろみ結婚! 
 07. 8.06 フジロック07 第2位(HIROMI'S SONICBLOOM@オレンジコート)
 05. 8.25 フジロック05 第4位)

@DUTCH JAZZ GARDEN

2009-09-06 14:47:44 | フェス、イベント
結局今日も国際フォーラムに来ています。先程ニュー・クール・コレクティヴが終わりました。昼間っから盛り上がりましたね~。曲目は昨夜とほとんど同じだったものの、タイトでありながらうねるリズム、熱いソロの応酬、野外の空気に溶け込むパーカッションの連打、もう最高の一言!ライウ゛が始まると同時にあれよあれよとかなりの人が集まりました。やっぱり日本人はジャジーよりファンキーが好きなんですかね?アンコールもありましたし、即売のCDも早々に売り切れる程の盛況だったようです。東京ジャズ本編に行けなくても、これだけ凄いライヴが観れれば満足です。

夕方は丸ビルでやってるオーストラリアン・ジャズ・ナイトに行こうかな?

@DUTCH JAZZ GARDEN

2009-09-05 14:08:58 | フェス、イベント
今日は東京国際フォーラム地上広場で行われている、DUTCH JAZZ GARDEN に来ています。東京ジャズ関連のフリー・イベントです。例年とはステージの位置が変わりましたが、緑に囲まれたテントや、キラキラとした木漏れ日、飾り付けられた風船など、なんか海外のジャズ・フェスを思わせるような良い雰囲気です。屋台村も同時開催なので、よりフェス気分を満喫です。もちろん演奏も最高です。
先程、女性サックス奏者ティネカ・ポマスのカルテット、そしてロン・ヴァン・バヴェルのピアノ・トリオがおわりました。どちらも良かったですが、私はギターが好きなので、ギタリストがフューチャーされていたロン・ヴァン・バヴェルのトリオが特に良かったですね。演奏自体もスウィンギーかつスリリングで最高でした。真昼の野外で聴くジャズも気持ち良いもんですね。

夕方に出るニュー・クール・コレクティヴが楽しみです。


帰宅後追記:

DUTCH JAZZ GARDEN 夜の部は、昼の心地よさとはまた違う、夜ならではの熱気を呼び盛り上がりました。まずは何と言っても今夜のトリを務めたニュー・クール・コレクティヴでしょう! 想像以上にファンキーでした。特にベース! 個人的に昨日からアコースティック主体のジャズ三昧だったこともあり、久々に体感するエレキ・ベースの音色はメチャクチャ骨太でした!! そして私好みのグルーヴィー&スウィートなベース・ラインに腰が砕けました。そのベースとコンビを組むドラムスもスウィンギーですし、さらに2人のパーカッションがリズムを華やかに彩ります。やたら馬鹿テクなギターが駆け巡り、ファンダー・ローズの音色がソウルフルに揺れる。そして看板のサックスとトランペットの二管が夜空を突き抜ける。クラブ的なクールな感性を感じさせながらもとにかく熱いステージでした。リズムはラテン、カリブ、アジアン、さらにアフリカンなどをも飲み込んだ雑食性でありながら、ジャズ・ファンクとしてのソリッドさは失われない。期待を遥かにしのぐ凄いライヴでした。観客もおそらく昼の2倍以上に膨れ上がっていたでしょうね。ステージの後ろも人垣になっていましたし、いつしかレストランへ繋がる階段までもが客席と化していましたから。アンコールもありましたし、盛り上がりました!

そして、ニュー・クール・コレクティヴの前に出演したピーター・ビーツ・トリオも素晴らしかったです! 特に最後の曲のピアノは美しかったな~。あの曲、なんて曲なんでしょう? そしてニュー・クール・コレクティヴのリーダーにしてサックス奏者のベンジャミン・ハーマンのカルテットも観ました。こちらはニュー・クールに比べればもっとオーソドックスなジャズ寄り。とは言えかなり刺激的でしたけどね。特に両方でギタリストを務めるアントン・ハウトスミットが爆発でした。驚異的なギター・ソロもさることながら、バッキングでの自由自在なコード使いも流石。個人的には彼の技に目が釘付けでした。

今年は日本とオランダの通商400周年だそうで、その友好を祝して、このDUTCH JAZZ GARDEN はオランダの旬なアーティストばかりが集められているそうです。オランダも侮れないですね~。とにかく充実した1日でした。しかも無料ですからね。ちなみにニュー・クール・コレクティヴは明日9月6日のお昼ごろにも同所に登場する予定ですので、また観に行っちゃおうかな~。


メロディ・ガルドー@丸ビル

2009-09-05 11:40:27 | ジャズ
MELODY GARDOT / MY ONE AND ONLY THRILL

9月3日、丸ビル1Fのマルキューブにて、メロディ・ガルドーのショー・ケース・ライヴを観てまいりました。

1985年、フィラデルフィア生まれ。19歳のときに交通事故に遭い重傷。1年間ベッドの上で過ごしたうえ、視覚過敏という生涯後遺症を背負うことに。こんな辛い過去とハンデを持ちながら、彼女の歌声はしっとりとしたビターな質感の中にも明るい甘さを湛え、そこには優しく暖かく包み込むような柔らかさがあります。そしてジャズ本来の魅力を伝えてくれます。

ポスト・ノラ・ジョーンズの決定打と話題になったデビュー作「WORRISOME HEART」、そして今年リリースされ、その圧倒的な完成度でシンガー・ソング・ライターとしての個性と力量を見せ付けた2nd作「MY ONE AND ONLY THRILL」と、現在最も期待と注目を集める女性ジャズ・シンガー、メロディ・ガルドー。そんな彼女を一目見ようと丸ビルには大勢の観客が集まりました。定刻より10分程遅れて登場したメロディ・ガルドー。サングラスをかけ、全身黒っぽい衣装に身を包みむというシックなイメージに、華やかなブロンド・ヘアーが美しく輝く様はまるでモデルのよう。しかしそのトレードマークのようなサングラスはもちろん視覚過敏のためにかけているものですし、右手には杖を持っていました。

ライヴ自体はショー・ケースということで3曲しか演奏してくれませんでしたが、それでも彼女の歌声に痺れる至極の3曲でした。メンバーはギターを弾きながら歌うメロディ・ガルドーに、ドラムスとウッドベースというトリオ編成。ベース奏者は曲によってはギターに持ち替えてましたね。披露された3曲は全て新作「MY ONE AND ONLY THRILL」からで、1曲目は「Who Will Comfort Me」。新作の中でも最もアーバンでブルージーな1曲ですが、そのブルーな感覚はライブでさらに大人の艶やかさを増します。生で聴く彼女の歌声はCDで聴く以上に瑞々しく、えもいえぬほろ苦さを纏っています。これでまだ20代半ばですから驚きます。

2曲目はロマンチックな「Baby I'm A Fool」。CDではストリングスが印象的な曲ですが、シンプルなアレンジもまた格別。もちろん彼女のオリジナル曲ですが、良い曲ですよね~。うっとりです。ラストはカヴァーで「Over The Rainbow」。ブラジルっぽいアレンジも秀逸ですが、フワッとした感じに歌い上げる彼女の歌唱が素晴しい!たった3曲とは言え、メロディ・ガルドーの魅力が詰まった3曲でしたね。

ライヴの後はインタビュー。彼女は案外話し好きなようで、小さな可愛らしい声で色々な話をしてくれました。今回はギターを弾きながら歌っていましたが、元々彼女はピアノを弾いていたそうです。しかし事故のため寝たきりの生活を強いられ、その際に手軽なギターを弾き始めることになたのです。しかもそれには音楽によるリハビリという側面もあったとか。頭を強く打っていたため脳に障害があり、その神経を繋ぐ為に音楽が有効だったそうです。でも結局この時に録音したデモがその後の成功へのきっかけになっているのですから、彼女の努力と才能に恐れ入ると同時に、なにやら運命的なものも感じますね。

あと、メロディというのは本名だそうです。ここにも運命的なものを感じますね。御両親は彼女が生まれる前からお腹の中の元気振りから男の子を想定して名前を考えていたそうですが、予想外に女の子が生まれ、急いで付けられた名前がメロディだったとか。生まれる前から音楽を沢山聴かせ、音楽を聴かせるとお腹の中で静かになったりしたからだそうです。やはり才能のある人は生まれる前から違うんですかね。そして好きな日本食はありますか?という質問には「マンジュー、ダイフクー」と答える可愛い一面もありました。そこはやっぱり20代の女の子、甘党なんですね~。終演後は嬉しいサイン会。私も2nd「MY ONE AND ONLY THRILL」にサインを頂きました。女性らしい可愛いサインですね。(写真)

今回は東京JAZZの関連企画としての無料イベントでしたが、本編となる東京ジャズ公演ではホーンやストリングスも入るということで、今回とはまた違う、より「MY ONE AND ONLY THRILL」の世界に近いライヴが観れそうですね。とは言え、残念ながら私は今年の東京ジャズはパスなんです。夏フェスにお金を使いすぎました…。

*インタビューの内容につきましては、頼りない記憶をもとに書いています。間違い等ありましたらごめんなさい。雰囲気だけでも味わって頂けたら幸いです。