ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ブルース&ソウル・カーニバル

2006-07-24 23:25:11 | ソウル、ファンク
OTIS CLAY / RESPECT YOURSELF

オーティス・クレイ一人勝ち! 男は喉!

7月23日、日比谷野音へ「ブルース&ソウル・カーニバル」を観に行って来ました!
いきなり「オーティス・クレイ一人勝ち!」なんて書くと誤解を産みそうですが、
私はそれぐらい、初めて観たオーティス・クレイに感動してしまったのです!

もちろん近藤房之助も、ヴァン・ハントも、エディー・クリアウォーターも良かったですよ。
司会進行の後藤ゆうぞう&静沢真紀さんもね。

ヴァン・ハントはファンキーな曲中心に、このメンツではアウェーであったであろう客席を
盛り上げ、スローではファルセットを交えたエモーショナルな歌で聴かせました。
そして一見クールで悪そうなイメージでしたが、意外とサービス精神旺盛な人でした。
そして妖艶な2人の女性を含めたバックも良い感じでした。

エディ・クリアウォーターはいきなりの「メッシン・ウィズ・ザ・キッド」から
噂通りのブルース有り、ロックン・ロール有りで、黒人特有のアクとエンターテイメントに
溢れた、ディ-プなイナタさに痺れました。カッコ良かったです!

でも私にとっては、やっぱりオーティス・クレイです! 本当に素晴らしかったです。
バック・バンドは3人のホーン隊と、2人の女性コーラスを含めた10人編成。
このバックの大所帯ぶりから、オーティスがいかに本気モードかが伺われます。
もちろん実際に本気印の熱くディープな歌の数々に酔いしれました。

さらに演奏された曲がまた良い曲ばかり! 
とくにスローな曲での暖かいメロディーと、オーティスのソウルフルな声が、
何故か日比谷の森と夏の空気に妙にマッチし、しみじみと今ここに居る幸せを味わいました。
また、いかにもライブ的な長尺アレンジをカチッと決めるバックも最高でした。

「I Can Take You To Heaven Tonight」は、バックと一体の自由自在な緩急が
ドラマチックで素晴らしく、オーティスの表情豊かな歌がまた極上の味わいでした。

「When Hearts Grow Cold」は南部的なメロディーが心に染みる素晴らしい曲。
それにしてもオーティス・クレイ、良い喉しています。

そして一際しっとりと歌われた「For The Good Times」。
クリス・クリストファーソンの曲ですが、も~美しすぎて厳かですらありました。
これも極上。

そして静謐な雰囲気の「For The Good Times」から一変して、彼の代表曲であり、
アップテンポの「Trying To Live My Life Without You」を始めるあたりの、
ドラマティックなステージ展開もまた、圧巻でした。

最後は出演者総出のセッション。曲は「Knock On Wood」。
オーティス・クレイの滋味溢れるヴァイブの名残りも有り、
めちゃくちゃ良い雰囲気で盛り上がりました。いや~最高でした!

ただ一つ残念だったのは、とても短かったこと。いや短く感じただけなのでしょうか?
でもたぶん7~8曲しかやってないと思います。もっとたっぷり観たかったです。
また来日してくださいね。 

*写真は05年に発表されたオーティス・クレイのライブ盤です。
03年のLUCERNE BLUES FESTIVALの模様を収めたもので、今回のライブでも演奏された
曲がかなり収録されているので、コレを聴くと、野音のあの感動と興奮が甦ります。
でも、生とCDの差はもちろん有ります。っていうか、野音の方が絶対良かったです!
とは言え、もちろんこのアルバムも最高ですよ!



ヘンリー・バトラー・ライブ!

2006-07-16 19:03:22 | ソウル、ファンク
HENRY BUTLER / HOMELAND

7月15日、丸の内コットンクラブ、午後9時半頃。
開演前、ステージ中央に静かに鎮座していた大きなグランドピアノは
ヘンリー・バトラーが鍵盤を叩くと同時に生命を吹き込まれたかのように
芳醇なニューオーリンズ・フィーリングと弾力抜群のリズムを奏で始めました…。


昨日、ニューオーリンズの盲目のピアニスト、ヘンリー・バトラーのライブを観に、
丸の内のコットンクラブへ行ってきました。私が観たのは2ndショー、つまり最終公演でした。
今回はピアノ・ソロでの来日でしたが、いや~、最高のピアノでした。

まるで重戦車のような迫力の左手、いかにもニューオーリンズな右手と、
ある意味ピアノの魔術師のように、彼の指は鍵盤の上で踊り続けていました。

そして特筆すべきは、そこここで飛び出す、まるで聴き手を翻弄するかのような
遊び心に溢れた、ある意味前衛的な展開とフレージング。カッコ良いです!
バック・バンドが居ない分、ピアノの面白さが際立っていました。

もちろん彼の魅力はピアノだけではありません。それはコクと艶のある声です。
黒人特有のまろやかな響きが素晴らしかったです。ホント良い声してました。

演奏曲は既にうる覚えですが、「Jump To The Music」他、アップテンポの曲での
ノリとバネは格別でしたし、スロー・ナンバーも絶品。
メロウな歌に、美しいピアノ、聴き惚れました。

MCで先月亡くなったビリー・プレストンについて触れ、続いて演奏されたのはビリーの
「Will It Go Round in Circles 」。これは嬉しかったですね~。

そしてプロフェッサー・ロングヘアの「Tipitina」に「Mardi Gras In New Orleans」。
これには客席も湧きました。

ピアノソロとは言え、曲によっては客席に手拍子を促したり、「ハリハリハリホー」と
歌わせたり、なかなか盛り上げてくれました。

なりやまない拍手にアンコールは「You Are My Sunshine」。
お馴染みJIMMIE DAVISの超有名曲です。ヘンリー・バトラーは02年のソロ作
「THE GAME HAS JUST BEGUN」でこの曲を取り上げていますが、
私はヘンリーの歌うこの曲、ソウルフルで大好きです。
この曲で締めてくれたのはホントに幸せでした。

いや~、ヘンリー・バトラー最高でした! 
やっぱりニューオーリンズって素晴らしいですね。

*写真は現在の彼の最新作である、04年のアルバム「HOMELAND」。
ニューオーリンズの魅力に溢れながら、ヴァラエティに富んだヘンリーの魅力を味わえ、
ライブでもやったノリノリの「Jump To The Music」を収録しています。
残念ながら、少なくとも私が見た日にはやらなかった「CASINO」では、
迫力満点にブルースを唸ってます。贅沢を言えば、ライブでこんなブルースも聴きたかったです。