ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

7月の日本はブルース天国!!

2012-06-25 23:39:27 | ブルース
もうすぐ7月、何故かブルースが来てます! 来日ラッシュです。その辺のところ、纏めてみました。



BUDDY GUY / LIVING PROOF
バディ・ガイ

7月28日(土) FUJI ROCK FESTIVAL '12
7月30日(月) Shibuya O-EAST

泣く子も黙るバディ・ガイ、去年のキャンセルからのリベンジ来日です。70歳代半ば、50年以上のキャリアを持つリヴィング・レジェンドでありながら、いまだ全盛期まっしぐらという奇跡。衰え知らずな暴君ぶりを見せてもらいたいところ。



ELVIN BISHOP / THE BLUES ROLLS ON
エルヴィン・ビショップ・バンド

7月25日(水) 下北沢 Garden
7月26日(木) 横浜 Thumbs Up
7月28日(土) FUJI ROCK FESTIVAL '12

元ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのギタリスト、エルヴィン・ヴィショップ。最近もコンスタントに新作を発表し続け、グラミーにノミネートされるなど、注目度も高いですね。フジロックのサイトでアナウンスされているバック・メンバーは、Bob Welsh(G)、Ruth Davies(B)、Bobby Cochran(Dr)、Steve Willis(Piano/Accordion)、Ed Earley (Trombone)という布陣。いなたい南部ノリのブルースを期待したいです。



CHICK RODGERS / ESSENTIALLY YOURS
チック・ロジャース

Koko Taylor's Blues Machine
7月19日(木)~21日(土)JAPAN BLUES FESTIVAL 2012@青森

Shun Kikuta Band feat Chick Rodgers
7月22日(日) 蓮田 スタジオJazz

Funky Blues & Real Blues @ KOBE Chick Rogers with 菊田俊介
7月23日(月) 神戸 CHICKEN GEORGE

菊田俊介 PRESENTSシカゴ・ブルース / R&B ナイト!feat チック・ロジャース&山本恭司 !!
7月24日(火) 原宿 La Donna

ココ・テイラーの秘蔵っ子、後継者、さらにはシカゴ・ ブルースの新しき女王とまで賞されるチック・ロジャース。こういう人を呼んでくれる青森の「JAPAN BLUES FESTIVAL」って凄いな!って思いますよ。しかもこのフェスでは再結成したココ・テイラーのバンド、ブルース・マシーン(Vino Louden(Gt), Shun Kikuta(Gt), Melvin Smith(B), Brian T Parker(Ds))と共演しちゃうんですからね。これは羨ましい~!! そして22日の蓮田以降は、残念ながらブルース・マシーンとの共演ではなく、日本人を中心にしたバンドとのステージとなるようです。とは言え、全てのステージの中心は、ブルース・マシーンのメンバーでもある我らが菊田修介さんですからね!



LURRIE BELL / LET'S TALK ABOUT LOVE
ザ・ローリー・ベル・ブルース・バンド

7月19日(木)~21日(土)JAPAN BLUES FESTIVAL 2012@青森

そして青森の「JAPAN BLUES FESTIVAL」のもう一つのメインがローリー・ベル。いや~、シカゴ・ブルースの美味しいところを持ってきてくれますよね~。バックはWillie Hayes(Ds)、Felton Crews(B)、Bill Sims Jr(Key)、Matthew Skoller(Harp)という面子。このハーピストのマシュー・スコーラーも現在のシカゴ・ブルース・シーンにおいて注目の人。ホント、青森が羨ましい。東京には来てくれないんですかね~?



KELLY JOE PHELPS / SLINGSHOT PROFESSIONALS
ケリー・ジョー・フェルプス

7月18日(水) 横浜 Thumbs Up
7月21日(土) 鎌倉 招山由比ケ浜
7月23日(月) 西麻布 新世界

ブルース/カントリーを独自の感性でエモーショナルに表現する孤高のギタリスト、ケリー・ジョー・フェルプス。この人のライヴも一度は観てみたいですね(インストア・ライヴなら観たことあるんですけどね~)。ちなみに横浜はSpecial GUESTに中村まりが登場し、鎌倉は小野一穂、The Mud Chuck Bobs (サム・ベネット&桜井芳樹)、Celtic Windも出演するミニフェスとのことです。



CHRIS DUARTE GROUP / VANTAGE POINT
クリス・デュアーテ・グループ

7月15日(日) 広島 Live Juke
7月16日(月) 博多 Gate's7
7月17日(火) 松山 YAHMAN 33
7月19日(木) 神戸 WYNTER LAND
7月20日(金) 松阪 MAXA
7月21日(土) 大阪 なんばHatch
7月22日(日) 金沢 MANIER
7月24日(火) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
7月25日(水) 郡山 HIP SHOT JAPAN
7月26日(木) 東京 BLUES ALLEY JAPAN

テキサス出身の熱き白人ブルース・ギタリスト、クリス・デュアーテ。日本には何度も来てくれてるのでもうお馴染みですね。それにしてもこれだけの都市を回ってくれるのですから、さすが熱血漢! 21日のなんばHatchは「BLUES AND ROCK FREAKS ~なんばHatch 10th anniversary~」というイベントで、日本のブルースマン達も総出演な感じで豪華です。




お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!!

フジロック第9弾!

2012-06-23 21:05:34 | フジロック
VA / SCRATCHY SOUNDS: COMPILED BY DJ BARRY "SCRATCHY" MYERS

数日前ですが、フジロック出演アーティスト第9弾がオフィシャルサイトにて発表になりました。今回はレッドマーキーにカナダ期待の新鋭インディー・ロック・デュオ、JAPANDROIDS、日本からフラワーカンパニーズ、そしてオレンジコートに元PILのジャー・ウォブルとキース・レヴィーンが組んだMETAL BOX IN DUBが追加された他、オールナイト・フジ、ジプシー・アヴァロン、パレス・オブ・ワンダー、苗場食堂、デイ・ドリーミング、木道亭、ピラミッド・ガーデン、カフェ・ド・パリと、細かいところが一気に発表となりました。案外、この細かいところが案外「ルーツな日記」的にディープだったりするんですよね~。

まずは最奥の小屋、カフェ・ド・パリ。多国籍音楽の集積地としてミクスチャーのメッカであるパリをイメージしたであろうこのステージ。NEW COOL COLLECTIVE、ONDA VAGA、CHE SUDAKA、MIMI MAURAといったオレンジコート出演者がこの小さな小屋で見れるのは非常に嬉しい。特にMIMI MAURAはオレンジとは違うセッションを聴かせてくれるのかな?と思ったり。あとカフェ・ド・パリと言えばビッグ・ウィリーですが、今年はザ・ニュー・リセッショネアーズというバンドを率いて登場とのことで、こちらも楽しみです。何げでサマンヨル with サラーム海上 & 空中紳士も気になります。さらに加藤登紀子さんがシャンソンを歌ってくれれば、パリの雰囲気濃厚ですね。

そしてカフェ・ド・パリと言えば、アトラクションとしてのあの辺りの充実も気になるところ。先日FUJIROCKERS ORG. にアップされた「大将インタビュー」によりますと、今年はムーン・キャラバンがピラミッドガーデンの奥へ移動することになったので、あの周辺でバスキングをやったり、ボーリング場をつくったりなんてことを企んでるようです。ボーリング場ですよ!! フジロックにボーリング場とか、訳分かりませんよね。そう言えば昔、アヴァロンにお化け屋敷作ってましたけどね。あれはすぐ無くなっちゃいましたが…。果たしてボーリング場は?

でもこのカフェ・ド・パリ周辺の充実の裏には、ムーン・キャラバンの強制移動がある訳で、あそこでのキャンプを楽しみにされていた方達のことを思うと、なかなか複雑です。ピラミッド・ガーデン近くでのオート・キャンプが素敵なキャンプになることを祈っています。ま、フジロックですからね、多少の環境の変化はあるでしょうが、楽しいに決まってますよ!

続いて木道亭。ボードウォークの中程に佇む、森の中の小さなステージ。ここにもONDA VAGAが出ます。森の中で観るONDA VAGA、ちょっと楽しみ! そしてカナダはトロントからの正統派カントリー・バンド、Kensington Hillbillysも登場。フジロックを気に入ってくれたんですかね?昨年に続いて2年連続の出演です。さらにダチャンボのAO YOUNG(vo,g)とマジェスティック・サーカスのGORO SHIBATA(key)によるユニット、AO YOUNG with GORO SHIBATA 辺りも気になります。

お馴染みジプシー・アヴァロン。気になるのは若きボトルネック・ウーマン、Chihanaですよ!まだ20歳代半ばですからね。もちろんフジ初出演。彼女は苗場でどんなブルースを聴かせてくれるのか?もちろん昨年に続いてアトミック・カフェ・フェスティヴァルも催されます。ゴジラ・放射能・ヒカシューに期待ですね! なにせバンド名からしてアレですからね。そしてここアヴァロンにもやっぱりONDA VAGA(また!)。

毎年、妙に充実していて困ってしまう苗場食堂。今年も凄い!奇妙礼太郎リトルスイング、キノコホテル、Kensington Hillbillys、ONDA VAGA(またしても!)、チャラン・ポ・ランタンなど、気になるアーティストが目白押し。昨年に続いて苗場音楽突撃隊も3日間出ますしね。さらに気になるのが土曜のSpecial Guest!! ですよ! 誰なんですかね? そう言えば「大将インタビュー」で日高社長が、去年は苗場食堂にBUDDY GUYを予定していた、なんて語っててびっくりしましたけどね。今年はどんなサプライズが待っているのでしょうか?

毎年充実と言えばパレス・オブ・ワンダーのクリスタル・パレス・テント。今年もここならではの独特な雰囲気。ザ・トロージャンズ、クンビア・キッド、ベイビー・ソウル、ビッグ・ウィリーズ・バーレスク、勝手にしやがれ、山名昇などなど、いかにもパレスな面々が並んでます。ですが個人的に最も気になるのは土曜一発目のGYPSYPHONIC DISKO aka Ben Ellman from Galacticですね。ギャラクティックでもその独特のミクスチャー感覚で異彩を放っている彼ですから、このプロジェクトで一体どんなサウンドを聴かせてくれるのか?楽しみですね~。ま、時間的に観れないですけどね…。そしてDJ SCRATCHY!!ザ・クラッシュのツアーDJを務めたパンク系DJの草分け的存在ですよね。ジョー・ストラマーとの深き縁を考えれば、彼がパレスに出るのはなんか感慨深いものがありますね。昨年のドン・レッツに続き、流石はフジロック! あ、そうそう、ONDA VAGAも出ますよ!

さらに深夜すぎてなかなか観れないオールナイト・フジ、下界の面子が充実しすぎてドランゴンドラに乗れずじまいなデイ・ドリーミング、キャンプサイト券が無いと入れないピラミッド・ガーデン、フジロックってホント広い!そして深い! 早くタイム・テーブル出ないかな~。


*写真はDJ SCRATCHYこと、バリー“スクラッチー”マイヤーズがトロージャンズ音源からコンパイルした「SCRATCHY SOUNDS」。04年のリリース。ドン・レッツ同様にジョー・ストラマー達に多大な影響を与え、パンクス達にレゲエの魅力を浸透させたレジェンドならではの、スカ、ロック・ステディ、アーリー・レゲエ、ダブな2枚組です。Big Youth、Dennis Brown、Gregory Isaacs、Max Romeo、Lee Perry、Ken Boothe、U-Roy、Augustus Pabloなどを収録。今年のフジに出演するToots & The Maytalsも「It Was Written Down」が選ばれてます。これを聴きながらアングラな英クラブの雰囲気を想像してみるのも楽しいです。




~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 12.06.17 フジロック予習:ロス・ロンリー・ボーイズ
 12.06.12 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その2)
 12.06.06 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)
 12.05.30 フジロック予習:マイケル・キワヌカ
 12.05.25 フジロック予習:トゥーツ&ザ・メイタルズ
 12.05.08 フジロック予習:ギャラクティック
 12.03.20 フジロック予習:チェ・スダカ

 12.06.07 フジロック第8弾&ステージ割!!
 12.06.01 フジロック第7弾!
 12.05.15 フジロック第6弾!
 12.05.02 フジロック第5弾&日割り!!
 12.04.19 フジロック第4弾!!
 12.03.30 フジロック第3弾!
 12.03.15 フジロック第2弾!!
 12.03.01 フジロック第1弾!!

フジロック予習:ロス・ロンリー・ボーイズ

2012-06-17 12:20:07 | フジロック
LOS LONELY BOYS / ROCKPANGO

フジロック予習企画第6弾、ロス・ロンリー・ボーイズです!!

今年2月に待望の初来日を果たしたテキサス生まれのラテン系ブルース・ロック3兄弟、ロス・ロンリー・ボーイズ。東京一夜限りのライヴはWOWOWで生中継されたので、テレビ越しに彼らのステージを生体験された方々も沢山いらっしゃったことでしょう。実はかく言う私もテレビ組でした…。画面から溢れんばかりのテハーノ流テキサス・ブルース・ロックに、ああ~やっぱり行っとけば良かった~!っと後悔しきり。ですがそこへフジロック出演決定の報! 願ったり叶ったりですよ!

私が初めてロス・ロンリー・ボーイズを意識したのは05年のグラミー賞。もちろんヒット曲の「Heaven」ぐらいは聴いたこと有ったと思いますけど、なんて言いますか、いわゆる“売れ線”のバンドだと思ってさほど注目してなかったんですよね。で、この時のグラミー賞でロス・ロンリー・ボーイズは栄えあるオープニング・パフォーマンスの大役を果たしたんです。とは言えこの年のオープニングは5アーティストのメドレーによるパフォーマンスだったんですけどね。ちなみにその5アーティストとは、ブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴ、ロス・ロンリー・ボーイズ、マルーン5、フランツ・フェルディナンドの5組。ロス・ロンリー・ボーイズはブラック・アイド・ピース、グウェン・ステファニー&イヴに続いて3番手で登場。客席中程に作られた小さなステージで「Heaven」を披露しました。

ポップな曲調と爽やかなメロディーが印象的なこの曲ですが、やはり“売れ線”のイメージながら、乾いた音色でゴリゴリとしたブルージーなカッティングを決めるギターが格好良かった!このギターはただ者ではないと思いましたね。一見爽やかなヴォーカル・ハーモニーも聴けば聴く程に男臭い骨太さを感じさせる。そして芯の強いグルーヴ。これはただの“売れ線”ロック・バンドではないと、俄然興味が沸いたんです。

メンバーは、テキサス州サン・アンジェロ出身のメキシコ系アメリカ人、ヘンリー(vo、g)、ジョジョ(vo、b)、リンゴ(vo、cho、ds)の、ガルザ3兄弟。彼らの父親エンリケ・ガルザはテックス・メックス系のグループで活躍するミュージシャンだったそうで、3兄弟も10代の頃から父のバンドに加わり鍛え上げられたそうです。やがて3兄弟は独立しロス・ロンリー・ボーイズを名乗り、自主制作での作品リリースを経て04年に「LOS LONELY BOYS」でメジャー・デビュー。その1stアルバムがいきなり大ヒットし、その翌年のグラミー賞では主要部門である『最優秀新人賞』を含む4部門でノミネート。そして「Heaven」で見事『最優秀ポップ・グループ』部門を受賞しました。先のオープニング・パフォーマンスを披露したのもこの時でした。

やはりロス・ロンリー・ボーイズの魅力と言うのは、まず骨太なブルース・ロック・バンドであることと、グラミー賞のポップ部門を受賞しオープニングに抜擢される程の、メインストリームなメロディー・センスが両立していること。そしてそのバック・ボーンにテックス・メックスがあることでしょうね。テックス・メックス系のバンドでこれ程までにメジャー感を打ち出せるバンドはそうそうないですし、しかもブルース・ロックとしての骨太さを失わずにですからね。彼らの音楽からは、何やら熱いスピリッツを感じさせられずには居られません。

そんなロス・ロンリー・ボーイズの最新作が、昨年リリースされた「ROCKPANGO」(写真上)です。彼らにとって4枚目のスタジオ作(クリスマス・アルバムを除く)で、初の単独セルフ・プロデュースだそう。タイトルの「ROCKPANGO」とは、“Rock”と、パーティーを意味する“Pango”を掛け合わせた彼らの造語だそうです。つまりロック・パーティーですね。

1曲目「American Idle」からヘンリー・ガルザのテキサス・スタイルなギター・リフが炸裂。このストラトから鳴らされる太い音色とファンキーな感覚はスティーヴィー・レイヴォーンからの影響を感じさせられますね。ラテンな感覚とヘヴィーなブルース・フィーリングが交わる「Love In My Veins」、ローカル色豊かな独特のグルーヴを醸す「16 Monkeys」、スクラッチ音やラップなどヒップホップ風味を覗かせる「Porn Star」など、テキサスならではのミクスチャーなブルース・ロックに嬉しくなります。なかでもタイトル曲「Rockpango」でのジミヘンばりのギター・リフがグイグイと突き進んでいく感じは痺れますね。実は“Pango”にはパーティーの他に、メキシコのダンス・ミュージックであるファパンゴ(Huapango)の意味も含ませているようで、この曲「Rockpango」はそのファパンゴのリズムをベースにしているとか。

さらにアコースティックな質感がポップに弾ける「Fly Away」、メロウなメロディと兄弟のハーモニーが秀逸な「Road To Nowhere」などは、彼らのソング・ライター/メロディー・メイカーとしての魅力を存分に味合わせてくれます。ストリングスが印象的なスロー・ナンバー「Smile」も良い曲ですね~。それにしても、こういったメロディアスな曲を散りばめつつ、ラテン、カントリー、ハードロック、ヒップホップなどジャンルの垣根を容易く越えながらロス・ロンリー・ボーイズというパワフルなブルース・ロックに集約させてしまうあたりは、さすが天晴なバンドですよね!


そんなロス・ロンリー・ボーイズのフジロック、楽しみですね~。野外で聴く彼らのライヴはまた格別でしょうね。もちろん先の東京一夜限りのステージも最高でしたけどね(私はテレビ観戦でしたが…)。あれはクラブクアトロという小さな箱で、ゲスト無しのトリオだけというスタイルが逆に濃密でしたね。ギター&ベース&ドラムスが織りなすアグレッシヴなうねり。心地良いメロディー・ラインとハーモニー。兄弟なので息もぴったりですしね。で、やはりヘンリー・ガルザのギターですよ!!ホント切れ味抜群でした。哀愁溢れる泣きのギターにも痺れました。さらにベースのジョジョ・ガルザもかなりのテクニシャン。6弦ベースで早弾きも含めてヘンリーに負けず劣らずの存在感でしたね。そしてその2人のテンションをグイグイと押し上げるようにパワフルなリズムを叩くリンゴ。強烈です!! きっとフジロックでもエネルギッシュなライヴを見せてくれることでしょう!




LOS LONELY BOYS / LOS LONELY BOYS
グラミー受賞曲「Heaven」を収録した彼らのデビュー・アルバム。04年リリース作品。







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 12.06.12 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その2)
 12.06.06 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)
 12.05.30 フジロック予習:マイケル・キワヌカ
 12.05.25 フジロック予習:トゥーツ&ザ・メイタルズ
 12.05.08 フジロック予習:ギャラクティック
 12.03.20 フジロック予習:チェ・スダカ

 12.06.07 フジロック第8弾&ステージ割!!
 12.06.01 フジロック第7弾!
 12.05.15 フジロック第6弾!
 12.05.02 フジロック第5弾&日割り!!
 12.04.19 フジロック第4弾!!
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 12.03.15 フジロック第2弾!!
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フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その2)

2012-06-12 13:57:27 | フジロック
フジロック予習企画、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクトの(その2)です。今回は上原さんと脅威のトライアングルを組むサイモン・フィリップス(ds)とアンソニー・ジャクソン(b)の2人にスポットを当ててみたいと思います。と言ってもですね、膨大なセッション活動歴をお持ちの2人ですから、ここで紹介出来るのはほんのさわり程度ですのであしからず。

上原ひろみがソロ・ピアノ作「PLACE TO BE」をリリースし、それに伴うソロ・ツアーも大成功に終えた後、さて、次はどんな手を打ってくるのか?という点は非常に興味深いものがありましたね。そしてサイモン・フィリップス&アンソニー・ジャクソンを向かえた強力トリオの結成という報を聞いたときは流石に驚きました。特にサイモン・フィリップスのドラミングは上原さんに合うのかな~?と不安がよぎったりもしましたが、蓋を開けてみれば、そのミスマッチ感がこのトリオのスリリングなところでもあり、サイモンのスケールの大きなドラミングが、上原さんの作る楽曲のドラマ性をよりダイナミックな領域に押し上げているようでもあり、2人のエモーションのぶつかり合いはなかなか刺激的でした。そしてその両者を結びつけるような懐の深いアンソニー・ジャクソンの重低音ラインに痺れるのです!!




SIMON PHILLIPS / ANOTHER LIFETIME
まずはサイモン・フィリップス、97年のソロ作がこちらの「ANOTHER LIFETIME」。ベースはアンソニー・ジャクソン。タイトルからも分かる通り、この年に亡くなられた名ドラマー、トニー・ウィリアムスに捧げられた作品。やっぱりサイモンの手数の多さなんかはトニー・ウィリアムスの影響が大きいんでしょうか? フュージョン/ジャズ・ロック的なサウンドながら、スケールの大きなグルーヴは流石。やはりサイモン&アンソニーのリズムは鉄壁。



JEFF BECK / THERE AND BACK
ジェフ・ベック、80年の名作。やっぱりサイモン・フィリップスの出世作と言えばこれになるんでしょうね。収録曲8曲中の4曲でサイモンが作曲にも携わっているなど、この作品でのサイモンの存在感は大きいですよね。そして何と言っても「Space Boogie」ですよ! このドタバタと疾走するドラムスはホント格好良い! ある意味、ジェフ・ベック以上に目立ってます。そう言えば、上原さんってジェフ・ベック好きなんですよね~。そういう繋がりか? ちなみにこのアルバムのリリース前、78年にジェフ・ベックはサイモン・フィリップスを伴って来日しているんですが、その時のベーシストはスタンリー・クラークでした。



MICHAEL SCHENKER GROUP / MICHAEL SCHENKER GROUP
私は若い頃、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かっていたので、サイモン・フィリップスと言うと、ゲイリー・ムーア、デヴィッド・カヴァーデイル、ジューダス・プリースト等の作品でドラムを叩いている、その界隈の必殺請け合い人というイメージが強いんですよね~。中でも印象的だったのがマイケル・シェンカーのこの80年作。これは名盤ですよね。マイケル・シェンカーよりリッチー・ブラックモア派だった私でしたが、このアルバムはよく聴きました。サイモンのドラムスも印象的な「Armed And Ready」は今聴いてもゾクゾクする程格好良い!!



MICK JAGGER / PRIMITIVE COOL
ミック・ジャガーの87年作にジェフ・ベックと共に参加したサイモン・フィリップス。翌年にミックが初来日した際もサイモンが一緒に来たので、日本のロック・ファンにとってサイモンは「ミック・ジャガーが来日した際にバックでドラムを叩いていた人」というイメージがあるかもしれませんね。ちなみにその来日公演でのギタリストはジェフ・ベックではなくジョー・サトリアーニでした。



THE WHO / JOIN TOGETHER
89年にザ・フーが結成25周年の再結成ツアーを行うにあたって、ドラマーとして白羽の矢を立てられたのがサイモン・フィリップスでした。ま、彼はピート・タウンゼントのバック・バンドで叩いていたので、その縁での参加な訳なんですけどね。ロック・オペラなどドラマッティクな展開でのサイモンのドラミングはやはり流石。抜群の安定感のなか、タム回しとツーバスのコンビネーションでグイグイと引き込んでいきます。手数の多さではキース・ムーンに通じるものがあるかもしれませんね。



ANTHONY JACKSON & YIORGOS FAKANAS / INTERSPIRIT
そしてもう一方のアンソニー・ジャクソン。実は純粋なソロ作品が1枚も無いアンソニーですが、こちらはギリシャ人のベーシスト、ヨルゴス・ファカナスと共同で製作した2010年の双頭作品。ですがライナーによりますと、ヨルゴスはアンソニーのために曲を作り、アンソニーはこれを自身の初めてのソロ・アルバムと位置づけているそうです。アンソニー・ジャクソンはニューヨーク出身のベーシストで6弦ベースを操ります。しかもそれをコントラバス・ギターと呼び、低音域を担当するギターと捉えているそうです。だからと言ってギタリストよろしく闇雲に弾きまくるタイプではなく、自分の役割を黙々とこなす職人肌。この作品でもベースソロはほとんどヨルゴスがとっているそうです。



MFSB / MFSB
アンソニー・ジャクソンはその活動初期の70年代前半、意外にもフィリー・ソウルの総本山、ギャンブル&ハフのフィラデルフィア・インターナショナル・レコード(PIR)に出入りしていたようです。そのハウス・バンドであるMFSBの73年のファースト作「MFSB」にも彼の名はクレジットされています。とは言え、正式メンバーという立ち位置なのかどうかはよく分かりませんが…。これ以外にもビリー・ポールやオージェイズの作品等にアンソニーの名を見つけることが出来ます。特にオージェイズの名曲「For the Love of Money」はギャンブル&ハフと共にソングライターとしてもアンソニーの名がクレジットされています。



DIANA ROSS / THE BOSS
やはりアンソニー・ジャクソンと言えば、ジャズ/フュージョン界のファースト・コール・ミュージシャンとして知られる訳です。アルディ・メオラ、リー・リトナー、ミシェル・ペトルチアーニ、ミシェル・カミロなどなど、ありとあらゆるアーティストに呼ばれては数々の名作に参加しています。そしてそれはソウル系を含むヴォーカル作品にも及びます。ロバータ・フラック、ランディ・クロフォード、チャカ・カーン、サイモン&ガーファンクルなどなど。そして私の大好きなアルバム、ダイアナ・ロスの「THE BOSS」にもアンソニー・ジャクソンの名がクレジットされてます。ただベーシストはもう一人、アシュフォード&シンプソン御用達のFrancisco Centenoが参加しているので、アンソニーがどれだけベースを弾いてるのかは分からないんですけどね。ちなみにこのアルバムはアシュフォード&シンプソンのプロデュースでモータウンからリリースされていますが、アンソニーはモータウンの伝説的ベーシスト、ジェームス・ジェマーンンから多大な影響を受けているそうです。



ERNEST RANGLIN / GOTCHA!
そして意外なところでは今回のフジロックにも出演するジャマイカの国宝級ギタリスト、アーネスト・ラングリンの01年作「GOTCHA!」。ここでもアンソニーはベースを弾いています。この作品はアーネスト・ラングリンがニューヨークの腕利き達を集めて作った作品で、爽やかなレゲエとジャズが自然にクロスオーヴァーしたような心地良いサウンドに仕上がっています。アンソニーのぶっといベース・ラインはやはり存在感抜群。ちなみにドラムはスティーヴ・ジョーダン。



HIROMI / ANOTHER MIND
実はアンソニー・ジャクソンの上原ひろみ作品への参加は今回のトリオが最初ではありません。03年のデビュー作「ANOTHER MIND」、続く04年の2nd作「Brain」で一部ベースを弾いています。上原ひろみを見初めた大物ジャズ・ベーシストと言えばスタンリー・クラークが頭に浮かぶかもしれませんが、アンソニー・ジャクソンはデビュー時から上原さんをサポートしていたんです。何となく、アンソニーがベースを弾いてると、妙な安心感がありますよね。



最後に映像もいくつか。

Toto Drumsolo Simon Phillips Falling in between
http://www.youtube.com/watch?v=eAYM0z_rjTQ&feature=player_embedded
まずはサイモン・フィリップス。やはり90年代以降のサイモンと言えば、TOTOですよね。ですが私はTOTOってほとんど聴いたことないんです…。すいません。こちらはTOTOのライヴにおけるサイモンのドラムソロのようです。正直、めちゃくちゃ格好良いです! ソロとしてはもちろん、楽曲としても格好良いです。正直、上原ひろみトリオで観たサイモンのドラムソロより格好良いかも。フジでもドラムソロやるかな~? (チラッと写るベーシストはリー・スクラー?)



矢野顕子 * Water Ways Flow Backward Again
http://www.youtube.com/watch?v=AsX48p1oc-w&feature=player_embedded
こちらは上原さんとも馴染みの深い矢野顕子さんのバックを務めるアンソニー・ジャクソン。途中、およそベース・ソロとは思えないような長尺ソロを弾くところも注目。




~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!


 12.06.06 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)
 12.05.30 フジロック予習:マイケル・キワヌカ
 12.05.25 フジロック予習:トゥーツ&ザ・メイタルズ
 12.05.08 フジロック予習:ギャラクティック
 12.03.20 フジロック予習:チェ・スダカ

 12.06.07 フジロック第8弾&ステージ割!!
 12.06.01 フジロック第7弾!
 12.05.15 フジロック第6弾!
 12.05.02 フジロック第5弾&日割り!!
 12.04.19 フジロック第4弾!!
 12.03.30 フジロック第3弾!
 12.03.15 フジロック第2弾!!
 12.03.01 フジロック第1弾!!

フジロック第8弾&ステージ割!!

2012-06-07 15:30:56 | フジロック
THE VERY BEST / WARM HEART OF AFRICA

いや~、不意打ちくらいました。もうてっきり次の更新は6月15日前後とばかり思って油断してましたね。という訳で、フジロック出演アーティスト第8弾、及びステージ割がオフィシャルサイトにて発表になりました! まず追加アーティストは以下の4組。


7月27日
THE VERY BEST

7月29日
toe
DJ BAKU
DE DE MOUSE + Drumrolls


もうこの時期ですからね、ちょこっと追加されただけって感じですね。ですがザ・ベリー・ベストは観たいですね~。アフリカ人シンガーと白人DJ/プロデューサーによるアンダーグラウンドなダンス・ユニット。上の写真はM.I.A.やヴァンパイヤー・ウィークエンドのエズラ・クーニグもゲスト参加した彼らのデビュー・アルバム「WARM HEART OF AFRICA」。緩いながらも刺激的なダンスビートと大らかなアフリカン・スピリットが気持ち良い09年の作品。アフリカン×DJという先鋭感と妙にポップでハッピーな曲調が何とも言えない魅力を醸しています。このアルバムのリリース時は、マラウイ共和国出身のエサウ・ ムワムワイヤと、UK&フランスのDJチームであるレディオクリットが合体した3人組とのことでしたが、現在はDJが一人抜けて2人組になったんですかね? ま、どちらにしろ流石はフジロック!と言いたいブッキングですね。



そして待ってましたのステージ割! 詳しいところはオフィシャルサイトを観て頂くこととして、ここでは「ルーツな日記」的な展望を少々。

まずグリーン・ステージ。土曜日のノエル前にスペシャルズが入ったのは少々意外でしたね。ホワイトかな~?と睨んでいたのですが。そしててっきり奥の方かと思っていたシェウン・クティ&エジプト80、トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ、ギャラクティックもグリーンの大舞台。特にギャラクティックは最終日のトップ・バッターですかね?それにしても今年のグリーン、特に土日はかなり渋い感じですけど、大丈夫なんですかね? レイ・デイヴィスやエルヴィス・コステロ、井上陽水といった大物達が頑張ってくれそうです。

続いてホワイト。ジェイムス・ブレイク、ジャスティス、アト・ザ・ドライヴ・インの3組がトリ。ここは順当な感じですかね? 全体的にはもうごちゃごちゃ。脈略無くありとあらゆるジャンルが並んでる感じ。でもグリーンとは違う、どこか尖った感じがあって、やはりホワイトならでは。個人的には初日のザ・ベリー・ベスト、サード・コースト・キングスは観たいですね~。あとゴシップも。

そしてレッド・マーキーはどうでしょう? オーシャン・カラー・シーン、スピリチュアライズド、ザ・シンズでトリはほぼ確定なんでしょうか? 一応、金曜と日曜はまだ枠があるので、サプライズが残されている可能性もあるのかな? やはりここはトウェンティー・ワン・パイロット、マイ・ベスト・フィーンド、ザ・ハートブレイクス、ハウラーなど、ロック系の新人さん達が気になりますね。そして何と言ってもマイケル・キワヌカ!! 彼は見逃せません。あと、M・ウォードは奥の方で観たかった…。

で、その奥の方。まずはフィールド・オブ・ヘヴン。今年は3日間とも夕方から夜の時間帯は鉄板の布陣。金曜はアーネスト・ラングリン~ロス・ロンリー・ボーイズ~トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ。土曜はエルヴィン・ビショップ~スティーヴ・キモック。日曜はダンプスタファンク~ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド~レイ・デイヴィス!! 充実してますね~。特に最終日のトリにレイ・デイヴィスと言うのはサプライズですよね~。ちなみにこのレイ・デイヴィスとトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズのヘヴン出演分は、今回の第8弾発表による追加エントリーです。個人的に今年のフジロッック3日間を締めるのはレイ・デイヴィスで決まりです!! ヘヴンで観るレイ・デイヴィス、楽しみですね~!

さらにオレンジ・コート。ヘヴンが充実している分、確実に被ってくる訳ですが、ここも強力。初日は上原ひろみ、中日がバディ・ガイ、最終日が渋さ知らズオーケストラ。特にオンダ・バガ~チェ・スダカ~アンソニー・ジョセフ&ザ・スパズム・バンド~バディ・ガイと続く土曜は強力。


う~ん、やはり被りますよね…。とりあえず、最終日のニューオーリンズ勢が被らなかったことだけでも良しとしますか。基本的には3日間ともスタートはグリーン周辺、徐々に移動しつつ、夕方からは奥の方に居っぱなしという感じになりそう。問題は移動のタイミング。まあ、タイム・テーブルが発表になるまで悶々とした毎日を過ごすことになりそうです。しかもこれにまだアヴァロンや木道程、カフェ・ド・パリなんかが加わる訳ですからね。うわ~、楽しい!!







~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!


 12.06.06 フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)
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 12.05.25 フジロック予習:トゥーツ&ザ・メイタルズ
 12.05.08 フジロック予習:ギャラクティック
 12.03.20 フジロック予習:チェ・スダカ

 12.06.01 フジロック第7弾!
 12.05.15 フジロック第6弾!
 12.05.02 フジロック第5弾&日割り!!
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 12.03.15 フジロック第2弾!!
 12.03.01 フジロック第1弾!!

フジロック予習:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト(その1)

2012-06-06 19:23:33 | フジロック
HIROMI THE TRIO PROJECT FEATURING ANTHONY JACKSON AND SIMON PHILLIPS / VOICE

フジロック予習企画第5弾、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat. アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス!!

きましたね!個人的な大本命、上原ひろみさんですよ。フジロック出演は今年で3回目。思い返せば、私が初めて上原さんを生で観たのは彼女がフジロック初出演を果たした05年でした。その時の彼女のパフォーマンス、まるでピアノと一体となり身体全体からエモーションが溢れ出るような演奏スタイルにやられて以来、私は彼女を追いかけている訳です。もう上原さんのライヴは色々な会場で何度も観ていますが、やはりフジロックで観た2回は忘れられません。1度目はマーティン・ヴァリホラ(ds)、トニー・グレイ(b)との当時のレギュラー・トリオ、2度目はそのトリオに奇才デヴィッド・フュージンスキー(g)が加わったバンド、ソニックブルームでした。やはりロック・フェスで観る上原さんと言うのは、そのアグレッシヴな開放感という点で一味も二味違う。そして今回はアンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップスという、明らかに格上のジャイアント達を従えたトリオでやってきます。

私は昨年夏のスウィート・ラヴ・シャワー、そして年末の国際フォーラム公演と、既にこのトリオのステージを2回観ていますが、そりゃあもう、最高でしたよ! 躍動感溢れる上原さんのピアノはもちろん、アンソニー・ジャクソンのぶっといグルーヴ、ツーバスを駆使したロック感横溢なサイモン・フィリップスのドラム、その3者が交わりながら重厚かつ深遠な音楽風景を描いていく。やはりこれまでのステージとはまた違う、このトリオならではの強力ライヴでした! これがいよいよフジロックで観れる! 嬉しいじゃないですか! ぜひ、オレンジのトリあたりでたっぷりじっくりと観せて欲しいところですが、どうでしょうね?

さて、上原ひろみさんと言えば、ゲスト参加したスタンリー・クラークの「The Stanley Clarke Band」でグラミー賞『Best Contemporary Jazz Album』部門を受賞したのも記憶に新しいですが、その世界的な活躍には本当にワクワクさせられますね。今年4月には、ユネスコとその親善大使をつとめるハービー・ハンコックが主催し、NYで開催された「インターナショナル・ジャズ・デー」に出演し、テレンス・ブランチャード(tp)、クリスチャン・マクブライド(b)、ヴィニー・カリウタ(ds)との共演による「Sakura Sakura」というスペシャルなステージを披露。これはネットでも配信され、もちろん私もPCにかじり付いて観ていた訳ですが、上原さんの勇姿と「さくらさくら」という選曲には、日本人として嬉しくもあり、誇りにすら感じましたね。だって、トニー・ベネット、ウェイン・ショーター、ロン・カーター、スティーヴィー・ワンダー、ウィントン・マルサリス、エスペランサ・スポルティングなどなど、錚々たるアーティスト達が続々と出てくる流れの中で、上原さんが彼らと同じステージに登場したんですからね。ちなみに上原さんの直前はチャカ・カーン、そして直後にはディー・ディー・ブリッジウォーターが出演していました。

まあ、上原さんはこれまでも世界を舞台に活躍されてきた訳ですから、これもその長い旅路のほんの一場面に過ぎないのかもしれませんけどね。そしてそんな上原さんは、現在もワールド・ツアーの真っただ中で世界を飛び回っています。5月はアジアを回っていたようですが、それも終わり、今頃はオーストラリアか?ポルトガルか? そして6月23日の米デラウェア州ウィルミントンで開催される「Dupont Clifford Brown Jazz Festival」出演を皮切りに、そのツアーはまるでフェス・ツアーの様相を呈してくる。

6/24 カナダ「Toronto Jazz Festival 」~6/28 カナダ「Montreal Jazz Festival」~7/1 ニューヨーク「Saratoga Jazz Festival」~7/5 ラトビア「Rigas Ritmi Festival」~7/7 イタリア「Sant's Elpido a Mare」~7/8 オランダ「North Sea Jazz Festival」~7/10 スイス「Jazz Parade」~7/11,12 スペイン「Canary Lslands Jazz Festival」。まさにフェスからフェスへ。そしてフェスの空気を目一杯吸いこんで日本に帰ってくることになります。

さらに帰国後の7月23日は「Kobe Jazz Meeting」、24日、25日のブルーノート東京2DAYSを挟んで26日は「Kanazawa Jazz Meeting」、そしていよいよ27日にフジロックです。楽しみですね~。それにしても凄いスケジュールですね。23日から連続5日間、休み無しに神戸、東京、金沢、新潟ですよ! ま、上原さんにしてみれば日本なんて狭いもんかもしれませんけどね~。

しかもさらにその後すぐ7月29日にはイタリアの「Piano Jazz Festival」に出演し、しばらくイタリアを回った後、8月4日にはスウェーデン「Ystad Sweden Jazz Festival」に出演。そして再度帰国しての8月10日は北海道の「Rising Sun Rock Festival」です。

ツアー日程も凄いですが、演奏フォーマットの方もザ・トリオ・プロジェクトを中心に、ソロ出演もありますし、スタンリー・クラークとの共演もある、さらにライジング・サンは矢野顕子さんとのデュオですしね。そんな相変わらずの自由奔放な活躍ぶりも上原さんらしくて嬉しいところ。


何はともあれ、我らが上原ひろみさんがフジロックに帰ってくる訳です。しかもアンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップスとのトリオという超強力布陣で。さらに今年、数々のジャズ・フェスを渡り歩いてくる彼女ですが、ザ・トリオ・プロジェクトでロック・フェスに出演するのはこのフジロックだけですからね!! これはハジケてくれることでしょう! ロックな上原さんに期待です!!







~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 11.09.14 矢野顕子×上原ひろみ@昭和女子大学人見記念講堂
 11.09.02 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト@SWEET LOVE SHOWER 特別編
 11.09.02 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト@SWEET LOVE SHOWER

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コージー大内@渋谷タワーレコード

2012-06-03 12:07:28 | インストアイベント
インストア・イベント観覧記その10 コージー大内@渋谷タワーレコード

5月30日、渋谷タワーレコードにてコージー大内さんのインストア・イベントを観てまいりました。今年4月に2ndアルバム「ばってんブルース」を発売した、話題のブルースマン、コージー大内さん。ギター弾き語りによるカントリー・ブルースを軽快かつディープに披露してくれました。

失礼ながら音を聴くのもライヴを観るのも初めてだったのですが、驚きました! コージー大内さんは九州の大分県日田市出身だそうで、ブルースを日田弁で歌う。いわゆる和製ブルースな訳ですが、標準語や関西弁とは明らかに違う九州の方言と米南部のブルースというミスマッチ感が新鮮。しかしミスマッチとは言え、私のような東京人にとって日田の方言が持つイントネーションはすこぶるいなたく、その言葉で歌われるカントリー・ブルースというのもなかなか味わい深い。北九州のローカル線をテーマに失恋を歌った「おんぼろトレイン」や、故郷大鶴村での家族の暮らしを歌った「大鶴村のサイレン」など、地方の生活感が伺われる歌詞も秀逸。

なかでも「ブルースん奴隷」という曲には引き込まれましたね~。コージー大内さんはライトニン・ホプキンスを師と仰いでるそうで、この曲なんかはドロリとしたライトニン臭が感じられて良かったですね~。やはりポイントは日田弁。聞き慣れない方言がまるで呪文のようにブルースに纏わりつく、その響きにはある種の秘境感を持った怖さすら感じられる。これぞブルースの魔力ですよ。痺れましたね。

素朴な語り口が印象的なMCも相まって、これまでの和製ブルースとは一味違う土っぽさが感じられるコージー大内さん。そんな彼のブルースは「弁ブルース」と呼ばれてるそうです。

そそるライヴ 6月編

2012-06-02 12:26:30 | そそるライヴ

関東近辺にて6月に行われるライヴ、フェス、イベントのなかで、気になるものをピックアップしてみました。


6/02(土)Thao & Mirah @鎌倉 Cafe Goatee
6/02(土)ITADAKI2012 @静岡県榛原郡吉田町 吉田公園
6/03(日)ITADAKI2012 @静岡県榛原郡吉田町 吉田公園
6/02(土)TAICOCLUB’12 @長野県木曽郡木祖村 こだまの森
6/03(日)TAICOCLUB’12 @長野県木曽郡木祖村 こだまの森
6/03(日)THE MANFREDS @新代田 FEVER
6/08(金)JASMINE KARA @ブルーノート東京
6/12(火)Robert Glasper Experiment @ビルボードライヴ東京
6/14(木)SOLAS  @渋谷クラブクアトロ
6/16(土)GOLDIE(DRUM & BASS x DUBSTEP WARZ 2012) @代官山UNIT
6/17(日)Natalia Zukerman & Scrappy Jud Newcomb @鎌倉 Cafe Goatee
6/18(月)Bernard Purdie & FRIENDS @ビルボードライヴ東京
6/22(金)Gaz Coombes  @タワーレコード渋谷店(インストア・イベント)
6/24(日)Willis Earl Beal(Hostess Club Weekender) @恵比寿ガーデンホール
6/30(土)Candi Staton @ビルボードライヴ東京
6/30(土)New Orleans Outbound @目黒 ラテン文化サロン
6/30(土)アースガーデン“夏” @代々木公園 入場フリー
7/01(日)アースガーデン“夏” @代々木公園 入場フリー



お出かけの際は事前のご確認をお願いいたしま~す!

フジロック第7弾!

2012-06-01 23:46:14 | フジロック
NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS / NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS

フジロック出演アーティスト第7弾がオフィシャルサイトにて発表になりました。追加アーティストは以下の7組。例年ならそろそろステージ割も発表される時期なのですが、残念ながらそれはまだありませんでした。

7月27日
GOTH-TRAD
TWENTY ONE PILOTS

7月28日
NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS
PURITY RING
ROVO

7月29日
IDJUT BOYS
奇妙礼太郎トラベルスイング楽団


「ルーツな日記」的には、しょぼ~んな感じですけど、これで3日間全てのヘッド・ライナーが決定しました。金曜がザ・ストーン・ローゼス、土曜がノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、日曜がレディオヘッドです。3日間ともUK勢。しかし豪華ですね。イギリスのフェスかと思っちゃいますよ。でも日本ですからね。奇跡に近いですよ! ま、私はどれも観ないと思いますけどね…。


しかしノエル・ギャラガーはなかなかお騒がせで面白いですね。先日のミュージック・ステーションに出演した際に「フジロックで会おう」的なフライング発言したかと思えば、自身のブログでこの日の収録や共演者のことをジョーク混じりに「クレイジー」だと語ったことが、大げさに日本語訳されちょっとした騒動になったり。でもノエルのこれまでの舌戦歴から見れば可愛いもんですよね。ちなみにレディオヘッドのトム・ヨークとも結構やってるようです。(一方的にノエルが絡んでるだけかもしれませんが…。)

あと弟リアム・ギャラガーとの仲はどうなんでしょうね? 今回のフジロックはギャラガー兄弟が揃って出演するということで、分裂したオアシスのその後を同時に体験出来るという貴重なフェスになる訳ですが、ノエルがヘッドライナーを務めることでリアムがへそを曲げてしまうのではないかとちょっぴり心配だったり。

それにしてもノエル・ギャラガー、やけに日本に来てくれますね~。 1月と5月に来て、フジロックで早くも今年3回目ですか? もちろん嬉しいことではありますけどね。でもフジ終わりに「次は秋に会おう!」とか言われそうでちょっと怖い…。



ま、そんなこんなでもう2ヶ月切ってるフジロック。もうすぐですね!!





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 12.03.15 フジロック第2弾!!
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