アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

菊五郎劇団

2005年12月28日 | 歌舞伎

<訃報> 尾上松助さん59歳=歌舞伎俳優
早すぎる~!!!
私の心に穴がポッカリ…
菊五郎劇団にもポッカリ…
脇の俳優陣にもポッカリ…
歌舞伎界にもポッカリ…
11月公演が最期になるとは…。
いつか元気に戻ってきてくれると思ってたのに…合掌。

噂音菊柳澤騒動(かねてきくやなぎさわそうどう)
2004年11月 国立劇場

本名題は、5文字か7文字と決まっているそう。
さすが河竹黙阿弥、シャレッ気たっぷり。
”音”と”菊”が入っているんだから、
今月の出演は“音羽屋”の”尾上菊五郎”

初演は『江戸』ではありません、明治8年。『東京』中村座。
時代の波にアップアップで演劇界は低迷。
そんな中、67日間の大ヒットを飛ばした作品。
それが、101年ぶりに蘇りました。

五代将軍綱吉の寵愛厚い柳澤弥太郎(菊五郎)は、
歌詠みの才能を認められドンドン出世。
今は、出羽守を名乗っている。

臣下たちが、将軍を自宅に招いての“お楽しみ会”。
柳澤は、お家を廓に模様替え。
それだけじゃぁ芸がないので、家臣達が役作り。
やってきた綱吉(菊之助)は御満悦。

ささ、奥座敷へ。
なんとそこは揚屋にクリソツ~。
局が茶屋女房で、腰元は茶屋女。
柳澤は幇間姿でお出まし。さあ芸を一発。

♪オーレ オーレ マツケンサンバッッ♪
目の前で繰りひろげられているのは、
今や日本国中が知っているあの「マツケンサンバⅡ」
サンバのリズムを和楽器で!
客席の笑いは雪だるま式に膨らんでゆく!

将軍に茶屋遊びも仕込んであげます。
茶屋女房と、客に扮した家臣がお手本をしめして、
さぁリピートアフタァミー。
やがて将軍と柳澤の妻(時蔵)がイイ仲に…。
ここは遊郭。だから締めは花魁道中。

さて、同じような男女の関係は町人社会でも。
この作品、武家と町人。
2つの世界を行ったり来たり。
出演者が、何役もこなして忙しい。
役者も大変だろうけど、お客もこりゃまた大変。

遂に将軍は、隠し子の世継ぎ計画を御台所に発表。
”天下の乱れ”と御台所は猛反対。
しかしこの戦い、言葉だけでは終わらなかった。

BGMは稲光っ。
「上様、御免!!」
将軍、思わぬ反撃を受けてバッサリー。
哀れ、女子の手にかかって死ぬのでありました。
「次の将軍は綱豊ヨ!」
宣言した者勝ちなのだ。妻は策士であった。

町人社会でも跡目争いを巡ってひと騒動。
でもラストは大団円でめでたし。めでたし。
「ロード・オブ・ザ・リング」も真っ青の大長編。
江戸時代の人は、自分の世界とダブらせて、楽しかったでありましょう。
でも、『補綴』のおかげで、現代人も大満足。
    
今年は話題を振りまくった『NINAGAWA十二夜』&『児雷也豪傑譚話』 
なんでも冒険してくれる菊五郎劇団。
来年はしょっぱなから国立劇場!お正月にTVでも観れる!

1/3(火) BS2 12:15~16:00
    初春・お茶の間招待席 「通し狂言 曽我梅菊念力弦」
 

今年は色々な方と、ここで出逢えてホントーに楽しかったです。
それでは皆様良いお年をお迎え下さい。チッチキチ~(by大木こだまひびき)