アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

十二月大歌舞伎 夜の部

2005年12月12日 | 歌舞伎

段治郎休演のため、弥十郎三連発っっっ!!
いくらなんでも全部に出られちゃっちゃぁ、食傷ー。
色んな人に演らせてあげましょーよ。
、上下、親類縁者、しがらみは山程あるでしょ、そりゃそーでしょ。
あ、忘れちゃならない”好き嫌い”もね。
でもさぁ、サプライズ配役もたまには用意してもらえんかねー。

杵勝三伝の内/船辨慶(ふなべんけい) 

荒ぶる亡霊・知盛は豪快な所作が求められることもあり、
ここ約30年間、本公演で真女形が演じた例はない。
そんな舞踊にレッツトライなのは玉三郎。

「いつもの通りじゃぁ、か弱さがマイナスに出ちゃうわ。いけないわ」
玉三郎がこう言ったかどーか知らないけんど
新歌舞伎十八番より古く、能により近いと言われる、
二世杵屋勝三郎作曲、藤間勘吉郎振り付けの、長唄舞踊劇。
”もの珍しい”というベールを纏ってみました~。

舞台面に吊るしてあるのは破風屋根だぁね。きっと。
3階席から見下ろしてるからピンと来ないんだけんどもよ~。

弁慶(弥十郎)の登場。あ~こりゃ標準タイプだわ。
段治郎だったら華があっただろ~な~。

義経は薪車!!
日高川入相花王』(2005・10)では、ワサッとしててユニークだったけど、
武者人形の様に美しいぞ~。ビックリしたなぁもォー(by三波伸介)

さぁ~大物浦から出発だー。
静御前とは♪今日でお別れね~もう会えな~い♪(by菅原洋一)

玉三郎、情が溢れる舞でございます~。
清楚な華やかさを撒き散らしながらツツと歩んで参ります。
赤を基調に四種の花をあしらった唐織の衣装。
ああ、こりゃまた”抑えた美”っ!衣装から眼が離せない~。
玉三郎の顔は双眼鏡の枠外になってしまった。ハハ。

ハ~。静・義経・弁慶…。
ビジュアルで楽しみたかったなぁ。段治郎がいたらなぁ…。
綺麗どころや~い!…。
そんな悲痛な想いに唐辛子塗ってくれたのが船頭ー。
グハーッ勘三郎だがや~。

たった1人かよ~。つまらんなぁ。
声が響く俳優じゃないし、空間が埋まってないって!
これこそ、ハッシーに演らせりゃどーよ。
アララ、船体のオブジェ抱えてきてセッティング。
義経&弁慶は、それを跨いで船上の人となりましたとサ。

あの~。
これならいっそのこと、能で観た方がステキなんじゃぁないの?
なぁんてね。能の『船弁慶』は未だ未体験。
俄然、興味が沸いてきたっ。今度行ってみるゾっ。

後ろ向きになってジ~ッとしている勘三郎は、鳴り物さん達と御対面~。
真正面にいるのが、田中三兄弟の三男坊じゃな~い?
太鼓 田中傅次郎っっ!!
眼がキリリッッとしてカッチョイイのだ。
勘三郎と視線合わせちゃマズイもんな。
眼力を一点に集中~っっ!!どこ見てるんだ~?

ワ~ッッッ!知盛の怨霊登場ー!
「立役の方のようにはできないので、隈取りもうっすらとしました」
だからなの?いつもの知盛より怖いヨ~~。
ゾクゾク~っきてたら、
能面の怪士(あやかし)っていうのに似てるんだと!フォ~!!
大河ドラマ『義経』の阿部寛知盛と比較するまでも無いわな~。

これ、1階だと海が広がってるって想像出来るかもしんない。
けどさ、もっと小さい劇場で上演した方がイイ気がする。
新橋演舞場とか大阪松竹座とか…。
おっと!柳家小三治もお気に入りの前進座劇場ー!
ギューッッて”気”を詰め込んだ方が、引き立つんじゃないかなー。
玉三郎ワールド!
まぁ、どっちにしろ1階席で。ってか~。チェ~。

実は、何度観ても爆睡する苦手な舞踊なんだ。
今回初めて寝なかったっっ。なのに満足度低い~。

爆睡譚はこちらから
『船弁慶』(2003年11月 吉例顔見世大歌舞伎)

恋女房染分手綱/重の井

”重の井子別れ”だぁ。福ちゃんと児太郎かぁ。
ホンモノ親子だし。行ってみっか…。

手元が狂って破いた紙を、セロハンテープでくっつけた。
だけど微妙にズレちゃった~。って感じだ…。

世話物以上時代物未満で、ギリギリONラインの”丸本歌舞伎”!
これが”福助の時代物”って言うんなら納得するけど…。
毎回この危うさ演ってくれるなら、それはそれでドキドキだけど…。

太夫の語りと、微妙に福ちゃんの動きが噛み合わないよーな。
ホホ、私やっぱり義太夫に開眼したのかなぁ。
あの呂勢大夫の”イヒヒ顔”見てから~。しつっこくってゴメンヨ~。

で、「文楽版」を思い出してしまったわけさ。
物語もチト違うよ。
福ちゃんの重の井は情の深~い母親。
それが全面に押し出されてる。…泣く。
でも、文楽は最後まで厳しいっ母親。”顔は般若で心は菩薩”
あれもまた…泣く。

いよいよお姫さま御一行のご出立~。
「景気づけに唄でも歌えよっ!」
「オラオラオラっ!」
三吉(児太郎)に馬子唄を命ずる侍2人。
顔似てるし、ありゃ兄弟だな。って亀三郎と亀寿じゃん。
アっ!三吉の頭叩いた~!
弱いものいじめすんなよ~っ。

でもね、やっぱりね
「重の井子別れ」って、三吉の生い立ちがあってこそ
母子の再会にジ~ンと来るんだわさ。どやさ。どやさ。(by今いくよくるよ)

文楽版はこちらから
『恋女房染分手綱』 2004年9月 国立小劇場 

十二月 歌舞伎座 夜 「松浦の太鼓」「重の井」「船辨慶」