アッパレじゃ!

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新橋演舞場に行ってきた!その3 名作喜劇 紺屋と高尾

2017年07月22日 | 演劇



病気療養中の藤山直美ちゃんの、
ピンチヒッターとして登場したのは
浅野ゆう子!
予定してた演目も彼女に合わせて
変更したんだってね。 

2017年7月16日(日)
新橋演舞場 11時開演 3階2列下手 

七月名作喜劇公演 
紺屋と高尾
一竜斎貞丈:作
平戸敬二:脚本
浅香哲哉:演出
キャスト
高尾太夫:浅野ゆう子
紺屋職人久造:喜多村緑郎
医者山之内玄庵:曽我廼家文童
吉兵衛女房おかつ:大津嶺子
紺屋吉兵衛:市村萬次郎 

上方から江戸へ出張してきた
職人3人連れが吉原見物。 
この場面そっくりよ!
籠釣瓶花街酔醒』にっ。
ウヒャヒャァ。 

”田舎から出てきた見物人”
ってのが、
ここでは上方人なもんやから、
上方言葉丸出し!
オモロイオモロォイ♪ 

この人達は、
松竹新喜劇関係の俳優なのかなぁ。
気になったもんで、
筋書を買ったらさぁ、
顔写真だけで、
なぁんにも載ってへんかった…。
ガッカリ。
余白はいっぱいあるんやから、
ちょっと載せといてぇなぁ。 

後で、田舎の御大臣役で出てきた
いま寛大のことすら、な~んにも…。
ガッカリ。
はな寛太・いま寛大”知らんかぁ。
「ちょっと待ってね」いうギャグ
知らんかぁ。 

で、その職人の1人が、
花魁道中に遭遇してやね。
ホラホラ、
花魁が花道で…ニッコリィ。
まさに籠釣瓶やないかいなぁ。 

段治郎から、月乃助になって、
新派に入って喜多村緑郎を襲名。
歌舞伎界にいたら、
こんな大役がつくチャンスに
巡り合うことは無かっただろうけど、
今や新派を支えるスター!
マッハな出世だよなぁあああ。
スッゲェファンってわけじぁあ
ないんだけど、
嬉しいなぁああ♪ 

その久造の人生を狂わせた花魁が、
浅野ゆう子
花魁道中が豪華だったぁあ。
でも、外八文字歩きはしないんだね。
あれは歌舞伎でだけなのね。
あんな重い物を身に付けて、
ワサワサ動けるのは、
男性だけ…いや、女方だけなんだろうな。 

浅野ゆう子が登場した時、
ここは明治座か!
って錯覚しそうになったわぁ。
新橋演舞場にこういう
ゴージャスな女優って出ないもんねぇえ。 

さて、上方に戻った久造は、
仕事も食事も手につかず。
プラプラ病…。
とにかく、恋煩いなわけヨ。 

店の人達が、ほんまに善人の集まりやねん。
久造が8歳の時から奉公して、
貯めたお金が25両。
後25両稼いで、
もう1度、太夫に会いに行ったらええやん。
いうことになったでぇえ。 

緑郎が上方言葉を使ってはる!
私の見立てでは…
ウゥン…95点くらいかな。
時々アクセントが違うんやぁ。
惜しいなぁ。
なんでも以前、
直美ちゃんに、
大阪弁を誉めてもらった事があるんやて。
新派の俳優になったんやから、
何にでもチャレンジせんとあかん!
って思って、
去年の大阪松竹座公演で挑戦っ。

うっわぁああ!!
めちゃくちゃ前向きやないかいな!
ええやないかいなぁあ!!
それが今回の、
『紺屋と高尾』に繋がったんやね。
『お江戸みやげ』では、
シュッとしたイケメン歌舞伎役者やったのに、
ここでは市井の職人。
しかも、どっか頼んなさそう。
ククク。 

1年経過…。
上方の金持ちの坊々。という触れ込みで
憧れの太夫に会えるんやぁああ。
そやけど手は真っ青やぁあ。 

【紺屋】
布を藍(あい)で青く染める業の者。
転じて広く染物屋。こんや。 

そうやねん。こういう仕事してはるねん。
そりゃしぁあないわなぁ。
けど、
それを見せては身元がバレる…。
そうや!
手を袖から出さない事。
何を聞かれても
「オウ。オウ」と答える事。
……
ギャハハハハ
これがもう笑わずにいられるかいなっっ。
何日も思い出し笑いを
してもうたくらいインパクト大っっ!
イヒヒヒ

2枚目スターが
こんな3枚目を演ってるんやからぁあ。
”つっころばし”とかいう
可愛いもんとちゃうでぇええ。
喜劇ドストライクやぁああ。
ガハハハ 

飛び出す変顔っっ。
あっ!これ、もしや
藤山寛美が演ってたんとちゃうか!
って今頃気がついたんかい。

いや、ね、
落語噺ちゃうんかな。
と思ってたもんで…。
正解は講談。
今は落語でもあるんやて。
エ!浪曲にもなってるって。
エ!映画化もぉおお。
エノケンが舞台化もしていたとは!
そうして、
昭和43年に松竹新喜劇でも!
いやぁああ!
緑郎はこんな分野にまで
トライしてるんやなぁあ。
アッパレじゃ!緑屋!

大向こうがこの屋号を
エエ声でビシッ!
浅野ゆう子には「浅野!」
って掛けてくれたでぇえ。
やっぱり気持ちが良いねぇ!
盛り上がるねぇ! 

そういえば、
浅野ゆう子の舞台を観るのはお初。
TVでは…うぅむ。
最近は全然知らないんだけど…。 

高尾太夫。
幼い頃から廓で生きて来た女性。
今や吉原一の花魁。
その品格と孤独感が出てるのよぉお。
結構低い声なんだね。
それが落ち着いたムードを
醸し出しててね。
オドオドしまくる久造との
コントラストが、
客席の笑いを呼んでてね。
ガハハハ 

久造の純愛に、ズキュ~ン!!
ハートを射抜かれた高尾太夫。
起請文を交わす場面が…また…
ガハガハ 

それから月日が経って…。
来年の3月15日に
年季が明けたら上方へ。
そう堅く約束したのに…。
高尾の姿はまだ見えず…。
店の皆は、騙されたんやと騒ぎ出し…。 

OH!駕籠に乗った一行がっっ!
江戸から13日かけてやって来たぁあ。
久造はその日程を
勘定に入れてへんかったっちゅうわけや。
おっちょこちょいめがっ。
アハアハ 

全員が祝福するのかと思ったら、
久造のお母はんが反対っ!
確かになぁ。
花魁やった人が、
ほんまに職人の妻になれるんかなぁ。 

高尾は染料の入った壺に、
ズボッと手を入れて、
覚悟をアピール!
やっとお母はんの許しを貰って
ワーイワーイ♪ 

高尾の青い手が、
久造のおデコにペチっ!
当たってしもうたぁあ。
おデコ真っ青やぁあ。
めでたしめでたしやぁあ。 

三味線、唄、そうして鳴物も
ジャンジャカ鳴って
気持ちヨカッタぁああ♪
『籠釣瓶』とは、
似て似つかぬハッピーエンド。 

笑って笑って涙がポロリ。
これぞ喜劇の王道!
フワァッとホッコリする舞台やったぁあ。

七月名作喜劇公演
新橋演舞場
2017年7月3日(月)~25日(火)

つづく

二月大歌舞伎 籠釣瓶花街酔醒 播磨屋と音羽屋のコラボ♪ (2016.3.8記)
二代目喜多村緑郎襲名披露 口上 (2016.9.18記)

新橋演舞場に行ってきた! その1 (2017.7.19記)
新橋演舞場に行ってきた!その2 名作喜劇公演 お江戸みやげ  (2017.7.21記)
新橋演舞場に行ってきた!その3 名作喜劇 紺屋と高尾 (2017.7.22記)
新橋演舞場に行ってきた!その4 おみやげ (2017.7.23記)