アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

新橋演舞場に行ってきた!その2 名作喜劇公演 お江戸みやげ

2017年07月21日 | 演劇

→ その1

東銀座駅から
テクテク歩いて…
さぁ着きましたぁあ。
暑いから、
チャッチャと中に入って…。
嗚呼…。
そんなに混んでないわねぇ。
3階席の両サイドは、
ほぼ空席だもんね…。
こういう公演は
あんまり満員御礼にはならないのかなぁ。 
残念だ…ぁ。

2017年7月16日(日)
新橋演舞場 11時開演 3階2列下手 

七月名作喜劇公演 
お江戸みやげ
川口松太郎 作
大場正昭 演出 
キャスト
お辻:波乃久里子
阪東栄紫:喜多村緑郎
お紺:小林綾子
常盤津文字辰:仁支川峰子
おゆう:市村萬次郎 

『お江戸みやげ』
懐かしいわぁああ♪
といっても、
私が観たのは2回だけ…。

お辻:7世中村芝翫
おゆう:中村富十郎 

そうして、
中村福助がお紺ちゃん♪
恋人が人気歌舞伎役者でさぁ。
今日初めて会ったっていう
田舎の行商人との仲を疑ってさぁあ。
キャワイかったなぁあ♪
(遠い目…)
っていう思い出話じぁあなくって。 

時は天保初年の春
所は湯島天神の茶屋 
茨城の結城から、
名産”結城紬”の反物を売りに
江戸へやって来た行商人の
オバサンが2人。 

そうなのよぉお。
これを歌舞伎で観た時は、
ビックリ仰天!!
背中にデッカイ葛篭を背負った
化粧っ気の無い、
田舎者のおばさんを、
名優達が演っちゃうんだからさぁ。 

芝翫のお辻は、
愛嬌のあるおばちゃんでね♪
富十郎のおばちゃんも
エエ味出しててねぇえ♪
歌舞伎役者の芸の振り幅って
スッゲェエエエ!!
アッパレじゃ!!歌舞伎役者!! 

毛氈を敷いた床几台の上に
チョコンと正座する
2人が可愛くってさぁ。
思わず舞台写真を買ったもんね♪
勿論、福ちゃんのお紺もね♪
ウフウフ
久しぶりに
押入れの奥からり出して
眺めてみたよぉお。

2001年4月歌舞伎座公演!!
キョエェエエ!!
月日は流れたのねぇええ。
いやいや、だからぁ
思い出話じぁあないってばさぁ。 

お辻は藤山直美
演るはずだったんけど、
乳ガンが見つかって只今療養中。
バトンを渡されたのが波乃久里子。 
お父ちゃんの十七世中村勘三郎
当たり役だったんだってね!
知らんかったぁあ。

初演が昭和36年12月明治座。
お相手のおゆうは、
十四世守田勘弥
玉様の養父だよね。
男前だったんでしょぉお。
昭和46年1月歌舞伎座まで3演。
そうなのかぁ。
観てみたかったなぁああ。 

お辻役はその後、
七世芝翫、十世三津五郎
そうして四代目が波乃久里子!
女方じゃなくて、
女性が女性を演じるんだから、
ビックリ感はゼロだったなぁ。 

おゆうの市村萬次郎は、
歌舞伎役者だから、
オヨヨ!って感じありあり。
化ける方がインパクとあるのねぇ。

酒好きで陽気なおゆう。
対するお辻は、
金勘定ばっかりしてる人。
ちゃっかりしてるっていうか、
しっかりしてる感じだよね。
って思ってたら、
おっとりしてるムード満点。 

反物はちょっと売れ残っちゃったけど、
稼ぎとしては上々。
お互い亭主も死んじまって、
何に使うわけじゃないんだから、
宮地芝居でも観て帰ろう!
茶屋の女房に勧められて
その気になったぁあ。 

あ、その前に
芝居の出番が終わった女方が
茶屋に来てさぁ。
一杯グイっと飲むのよぉ。

ここで、茶屋と芝居小屋が
地続きだって判るわけよぉお。
なるほどぉ。
昔はこういうシステムだったのか。

どうもお辻は禁酒している模様。
お酒を飲んで太っ腹になって、
えらいことを仕出かした過去があるみたい。
本人曰く”心が乱れる” 

「でも、ちょっとくらいイイじゃないか」
おゆうにそう進められて…
お猪口じゃなくって湯呑みで
グビグビッッ…。 

ほろ酔い気分で芝居を観て…。
イケメン阪東栄紫にズキュ~ン!!!
やられたぁああああああ。
またこの男がさぁああ。
喜多村緑郎なんだけどさぁあ。
エエ男やぁあああ。
もう1度会いたぁああいぃいい。 

茶屋の女房に、
たんまりお金をはずんだもんで…
お座敷で2人っきりぃいい!!
栄紫とマンツーマンぅうう!!
ドアップで拝めるんだから、
キャーキャー♪♪



劇場中の緑郎ファンが、
羨ましがっていることでしょう。
お酒を酌み交わしたりなんかして…。 
ウフウフ♪

しかぁし!
お辻の夢見心地な気分を
ぶった切ったのが…。 
お紺の登場!
前に茶屋で栄紫と
イチャイチャしてたから、
お客さんは知ってても、
お辻には何のことやら…。 

お紺は小林綾子なんだよぉお。
小林綾子といえば『おしん
いや、私の中では、『剣客商売
藤田まことと、年の差婚をした女房の
可愛かったこと。
あれから何年なの…ぉ。
そういえば、
時代劇専門チャンネル
ナビゲーターっていうか、
そういうことやってるよね。
いつまでも初々しいなぁあ。 

もう1人、座敷に侵入者がっ。
お紺の養母・文字辰。
娘を金持ちの妾にして
金を手にしようとしている悪い女。

この声と顔は…。
西川峰子じゃないかぁあ。
あっと、今は改名して
仁支川峰子になってるのね。
アレ…
結婚してどっかの島で暮らしてる。
…ってのは昔の話なのね。 

「今ここで20両出したら、
2人を上方に行かせてやる。
でもそんな金無いだろぉお」

そいう悪母に、
縞の財布に50両ぉお
ここ、ここ、
歌舞伎贔屓は笑う所だからねぇ。
仮名手本忠臣蔵』だからねぇ。 

16両とちょっと入った財布を、
ポーン!
と出しちゃったのよ。
誰がって…
お辻がだよぉおおお!!

これが例の、
”心が乱れる”ってやつだぁあああ。
おゆうも栄紫も止めるんだけどさぁあ。
あぁあああ…ぁぁ。 

夜更けの湯島天神。
ガックリと肩を落として
トボトボ歩いているのはお辻。
酔いが覚めたんだねぇえ。 

角兵衛獅子の
幼い兄弟が通りかかって、
2人は思わずお小遣いを。

「貰うだけじゃぁいけない」
ってんで、
兄の太鼓に合わせて、
弟が連続側転っ。
客席も大拍手っ。



お兄ちゃんは、
市村竹松が演ってるんだね!
萬次郎の長男だねっ。

市井の人々の
本当に慎ましやかな生活を
さり気なく描いてるよぉ。
ウルっとくるよぉ
お江戸の風が吹くよぉ。

そこへ、
栄紫とお紺がやって来た。
おゆうはお紺を引っ張って
あっちの方へ…。

再び2人っきりになったわヨ…。
ドキドキ…。

兎にも角にも
お礼を言いたかった栄紫…。
どこか寂しそうなお辻…。
嗚呼、こういうムードになると
波乃久里子ワールド全開!!
イイ味だすよなぁああ。
心と心が触れ合う、情の世界。 

栄紫は思わず、
長襦袢の片袖を引きちぎって
差し出したぁあああ!!
キャァキャァキャァ!!
恋の証じゃないのよぉおお。

弁慶上使』だって
片袖がキーワードだったじゃんかぁあ。
「一生に一度の恋」じゃないかぁあ。
ワァアワァア!
嬉しいよぉおお♪
栄紫、有難う!!!
これで、お辻も報われるよね。
女心が傷つかなくって良かったぁあ。
これが本当の”お江戸みやげ”
アッパレじゃ!川口松太郎! 

おゆうとお辻。
女方と女優で演っても、
違和感ゼロじゃったヨ。
これ、新派にお持ち帰りして、
いつか上演して欲しいなぁあ。

七月名作喜劇公演
新橋演舞場
2017年7月3日(月)~25日(火)

つづく 

小林綾子ブログ
結城市HP 

お江戸みやげ (2005.9.28記)

新橋演舞場に行ってきた! その1 (2017.7.19記)
新橋演舞場に行ってきた!その2 名作喜劇公演 お江戸みやげ  (2017.7.21記)
新橋演舞場に行ってきた!その3 名作喜劇 紺屋と高尾 (2017.7.22記)
新橋演舞場に行ってきた!その4 おみやげ (2017.7.23記)