アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

三月 歌舞伎座 近頃河原の達引

2006年03月09日 | 歌舞伎

ドキュメンタリー映画を観て惚れてしまった!!
幻の御方十三代目片岡仁左衛門
追善狂言で息子達、我當(71歳)・秀太郎(64歳)・仁左衛門(61歳)が活躍!!

歌舞伎座の入り口左には巨大な十三代目の写真!
2階には「思い出」と題して沢山の大型パネル!
「この追善でお客様が父のことを思い出され
その印象をもう一度焼き直していただけたらと思います。」(by十五代目)
ジ~ン…ジ~ン…ジ~ン…。


3月 夜の部
 十三代目片岡仁左衛門十三回忌追善狂言
    片岡十二集の内/近頃河原の達引(ちかごろかわらのたてひき)

『達引』
 ①意地を張り通すこと。義理を立てること。
 ②意地を張り合うこと。談判。喧嘩。
 ③主に遊女が客の遊興費などを立て替えること。
  人に振舞いをしたり肩入れしたりすること。

アカンアカン~。鼻水ズルズル~。涙ボロボロ~。
もー泣かせんといてぇぇぇぇ。となるはずなのだ~!

四條河原の場

河原はすこぶる足元が悪いようで、人影もない。

團蔵!今月はスッキリ顔で悪役サ。コソコソ悪巧み~。
人の気配に、そ~っと身を隠したゾ。

ターゲットは自分だと気づいていない伝兵衛登場~!
”山城屋っ!”と大向うから声が掛かるヨ。
脂がノッテる藤十郎~、和事バリバリ~。

小川を渡る粗末な仮橋を渡って来たのは、恋人のお俊。
うう~ん、秀太郎~。嬉しやな~♪こっちも上方バリバリ~。

お俊の手を引いているのは片岡りき弥
もしや…筋書見てみれば
片岡千志郎・千次郎・千壽郎・富吉郎・松次郎・松之・祐次郎・千蔵・
富史弥・松四朗・上村純弥・吉昇
『平成若衆歌舞伎メンバー』
全員集合~!!
 
※平成若衆歌舞伎
   片岡秀太郎が大阪の匂いのする歌舞伎創りをめざし、
   「上方歌舞伎塾」の卒業生で作るLoveりんを中心とした俳優集団
   1年に1度 夏の大阪で公演を行っている
キャッホ~♪♪
お江戸のエキスを吸いまくって帰るんやで~っ!

さて、お俊と伝兵衛。
お金が出来たからもう安心っ!
ジャラジャラやってたんですけどね、お俊は遊女。
店に呼ばれて行きましたわ。

そこへ出てきたのが悪人の團蔵。
「お前がさっき受け取った金を見てみろ」そう言われた伝兵衛。
封印を切ってみると!に、に、贋金~!
小判バラバラ~手からこぼれる~(封印切か)
「お俊は俺が身請けするのだ。グワッハッハ」
カッッときた伝兵衛さん。
あ~あ、殺っちゃったよ~。團蔵様、南無~。
伝兵衛、羽織が裏返しになってんで~!フラフラ行ってもうた。

堀川与次郎内の場

貧しい貧しい家~。
盲目の老婆が子供に唄・三味線を教えている。
その曲が『鳥辺山心中』っちゅうのが…ねぇ。
老婆はお俊の母。
わ~い。今月も吉之丞に会えた~。嬉しやな~。
ここはお俊の実家。
お兄ちゃんは猿廻しの芸で、ホソボソと生計を立てている。
あっ、お兄ちゃんが帰って来たっ!
我當~!!父、十三代目仁左衛門の当たり役を引き継いでますっ!
貧乏くさい役、なんでこんなに似合うんや~。
めっちゃエエ感じ~。
肩に乗ってるお猿さん、ヒョイと飛び降りたっ!お見事~!
ホンマもんか?んなあほな。

伝兵衛は、お尋ね者となった。
それでお俊は、実家に隠れることになったんやて。
だから、さっきから兄・与次郎と母親は気をもんでいたんやなぁ。

きっと心中しに来るはず…いや!お俊が殺される!!
いつの間にか凶悪犯になってんで!
「退(のき)状」いうもんを渡したらええはずや。
妹は、手紙を差し出した。実はそれは「書置」!
…兄は文盲、疑いもせずに受け取ってる~。

さあこれで安心や。寝よ、寝よ。母者人おやすみ。
一間で寝るのは、兄と妹。
お兄ちゃんが寝床敷いてあげてるっ。優しいと思えへん?
わッ!ペチャペチャの煎餅布団やんか~。
わわッ!掛け布団は1式しかないんや~。
お兄ちゃん、敷き布団にグルグル包まったで~。
西川の羽毛布団をプレゼントしてあげたい~。

 √ あいとお俊がともどもに、暫しこの世を仮蒲団、
   薄き親子の契りやと、枕に伝う露涙、夢の浮世と諦めて、
   更け行く鐘も哀れ添う

ゴ~ン。
真夜中0時でございます。表の戸を叩く音っっ。
お俊がそ~と出てみると、そこには恋しい恋しい伝兵衛。

お兄ちゃん気配に気がつき、袖をひっぱり中に入れ、
バタンッッと戸を閉めた!
やるやん兄貴っ!と言いたいのはやまやま~。
でもな、家の中にいるのはどー見ても伝兵衛~!
場内爆笑~!こりゃ新喜劇~?

お俊 「これいナア兄さん、わしゃ表にいるわいな」

お兄ちゃん、声色だと思い込む!(オオカミと七匹の子山羊か!)
母者人にも加勢を頼む!
母も娘と思い込み、心配するな。と背中を擦る手…が…。
また場内爆笑~!やっぱり新喜劇~?

行燈に火を灯して…ガ~ンッッッ!!
でも負けへんで!お兄ちゃん!
さっきの手紙を伝兵衛に突きつけたっ。

震える手で受け取った伝兵衛。読み出して皆がビックリッッ!
母と兄へ別れの言葉や~ないかいな~。

でも1人で逝くよ…と言う伝兵衛にお俊は
「そりゃ聞こえませぬ伝兵衛さん」(おッ名セリフ)
2人とも刀持ったり、剃刀持ったり。とにかく死にたいんや~。

母は涙ながらに、山の奥ででもいいから生きていて欲しい。
お兄ちゃんも、そのままでは目立つから編笠を持って行け。

 与次 「幸い猿廻し、まめで二人が末長う、めでとう女夫(めおと)に成りとげる、
      門出の祝いにこの与次郎がお初徳兵衛が祝言の寿、
      こなた衆も別れの盃、イヤイヤ祝言の盃」

母とお俊と伝兵衛を並べて坐らせる…。
お猿さん2匹で『曽根崎心中』やて…。
またこのお猿さんが、きちんとお辞儀して始めるんや~。
三味線2丁も涙、涙~。
泣かなしゃ~ないでぇぇぇ、ほんまにぃぃぃ。

そんでな、飯行李ギュウギュウにご飯を詰めてあげるねん。
梅干も入れてあげてる~。
合間にお猿さん達が欲しがって、米粒あげてんねん。
も~あかん、こんなん見てたらビィエ~ン~。

編笠のホコリを叩いて払ってあげて…。
母とお兄ちゃんは、2人を見送る「命全うしてや…」


ぽかぽかと心温まる人片岡我當~!
与次郎はアホちゃうで~。優しいだけの人やねんで。 
河庄』の孫右衛門役といい、お兄ちゃんがピッタリッ。
実生活でもそうやからかな。
孝夫が仁左衛門を襲名した時、どんな思いやったんか…。
長男としての心構えで乗り切ったんちゃうんかなぁ…。
世界中(オーバーな)の長男・長女のみなさ~ん、お判ですよね~。

こんなエエもん、上方でも演ったってーな。頼んまっさ松竹さん~。


松嶋屋公認HP(期間限定:3/31まで) → 十三代目片岡仁左衛門さん 

ルポレポはこちら
 昼の部 「吉例寿曽我」 「吉野山」 「道明寺」
 夜の部 「近頃河原達引」
 「二人椀久」「水天宮利生深川」

 十三代目のドキュメンタリー映画 → 歌舞伎役者 十三代目片岡仁左衛門
 平成若衆歌舞伎 → 花競(はなくらべ)かぶき絵巻

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