アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

3月 歌舞伎座 道明寺

2006年03月31日 | 歌舞伎

ドキュメンタリー映画を観て惚れてしまった!!
幻の御方十三代目片岡仁左衛門
追善狂言で息子達、我當(71歳)・秀太郎(64歳)・仁左衛門(61歳)が活躍!!

三月 昼の部
 十三代目片岡仁左衛門十三回忌追善狂言
     菅原伝授手習鑑/道明寺(どうみょうじ)

祖父十一代目・父十三代目が大切にしていた役”菅丞相”
『十三世が神様に見えた』
そう評された役に3度目の挑戦っ!十五代目っっ!

身体で演じるというより心、魂で演じる…
演じたいとそう心がけています.
魂の昇華、と申しましょうか。雑念があってはできない。
ですから天神さまのお軸を床の間に掛け、
毎日拝んでから舞台に臨むようにしています。
楽屋でも心静かに過ごし、
身も心も天神さまにおあずけするような気持ちでつとめます。(筋書より)


時は平安。
菅原道真は幼少の頃からその非凡な才能を開花させ
成人して右大臣の地位をGET!
でも、よくある事でぇごぜぇますが、こーいう奴は妬まれる~。
政敵・藤原時平は道真を追い落とすチャンスを待っていた…。
ホラね、やっぱり嫉妬されてるー。

 ~賀茂堤~
桜丸夫婦が苅屋姫と斎世親王の逢い引きを手助け。
それが悪者にバレた!
”道真抹殺”の大きな引き金になっちゃった~!

だから「賀の祝」で桜丸が切腹。
なんてぇ悲惨なこと、しちゃうんですね。

その悲劇の美青年・桜丸と女房・八重。
この2人には、これから来る悲劇の予感は微塵も無く、
恋の取り持ちをしたことに有頂天!

牛車の中で逢い引き中の二人にほだされ
「ああ、たまらん」と、桜丸&八重、
駆け寄って抱き合って…ブチュッッ!

悪者に見つかって、逃げた苅屋姫と斎世親王!
その後を追っかけてった夫の替わりに
桜丸になりすまして、牛車を引っ張ることになった八重。

福助演じる八重(2002年)はお笑い担当だった。ハハハ。
おっと、これはまた別の話(by王様のレストラン)

苅屋姫と斎世親王の純粋な恋を、
”帝(醍醐天皇)失脚陰謀説”に摩り替えられて、
菅丞相(菅原道真)は、九州へ流罪が決定ー!
物語はここから始まる。

~道明寺~
ここは、河内国
世の中悪い人もいりゃぁ善い人もいる。
菅丞相に縁者と、最後の別れをさせてあげるー。

叔母・覚寿(芝翫)の館で休憩。
いるはずのない菅丞相の娘・苅屋姫(孝太郎)が!
立田の前(秀太郎)と一緒に泣いている~。
シクシク…シクシク…
そこへ、杖を振り振り!芝翫怒りの鉄拳!アチョ~!
 √ 折檻の杖を争う姉妹思い、老母は猶も怒りの顔色

刈谷姫の実の母は覚寿。彼女は菅丞相にとって養女なのね。

「これこれ、そんなことしちゃ~いけんヨ」
その声は!菅丞相ー!
いヨッ!仁左衛門顔、顔見せて~!!
 √ へだての襖押し開くれば、菅丞相は見え給わず、
  逗留のうち作られし、主の姿の木像ばかり。

オヨヨッ…!!木像が喋るんかい?
「3回も彫り直したんだから魂入ってるんだヨ!」覚寿はそー言うの。
「これを父だと思いなさい」刈谷姫にそー言うの。
そんなヤツおれへんで~(by大木こだまひびき)

立田の夫(段四郎)と父(芦燕
「準備はイイかな~?」「いいとも~」
一番鶏の鳴き声を合図に旅立つ予定の菅丞相。
だから、夜明け前(by島崎藤村)に鳴く鶏を連れてきて
菅丞相をかっさらお~ッつ~わけ。
そんなボケボケニワトリ、何処に行ったら会えるんじゃ~。

「ダメ~!」
立田(秀太郎)の願いも空しく…。
 √二人して、投げ込む死骸は紅の、
  血汐に染まる池までも、立田が名をや流すらん
青い布がチョコッと開いてドボンッッと沈んでった…
立田の前、可哀想すぎ~。

コ~ケコッッコ~ッ!
菅丞相出立のご用意を~。
アラ…?な~んか歩き方がロボットちっくヨ。
ど~なってんの?

サヨ~ナラ~菅丞相~
見送りに来なかった立田の前を探す覚寿。
奴(歌六)が、褌1丁で池へザブ~ンっっっ!
水底からは立田がブクブクブク…
「第一発見者こそ犯人!」大~きな声出す太郎(段四郎)。
ところがドンデン引っくり返って
「あ~たの着物の布っ端。立田が口に咬んでんだヨ!」
覚寿は太郎をグサグサグッサリ~!!
これにて一件落着

判官(富十郎)が菅丞相を迎えに来たヨ
「さっき行っちゃったよ~」
「え~!?」
「え~!?」
「菅丞相はこれにあり」
あの御声は仁左衛門ー!!
2人はビックリ!お客もビックリ!
悪人・弥藤次(市蔵)がやって来て
「輿の中は木像やんけ!われ~」
皆がビックリ~!

輿を開けてみると~
♪チャラララララ~ン♪(byポールモーリア”オリーブの首飾り”)
やっぱ木像~ハテ面妖な…。
「クソ~家宅捜索だ~!」
見つかったのは、相棒太郎の無残な姿。
弥藤次と兵衛(芦燕)はお縄に。
これにて一件落着

奥から菅丞相が!木像ならぬ優美の姿~
 「道真こゝへ来たらずば、かゝる嘆きもあるまじきに」
立田を想い菅丞相も泣く…覚寿も泣く…

さあ出立の時。
刈谷姫に会うことも拒否する菅丞相。
愛しい娘の泣き声に背を向け、去って行くのでありました…。

孝太郎の刈谷姫は、健気、健気…健気なのじゃー!!
「お父ちゃ~んごめんなさい~」って、
ズーッと心の中で言ってるんだ。
お父ちゃんの心は「このアホ娘がー」(ちゃうちゃう)
理屈なしに娘を許してるやん。
自分の事より、娘を心配してる…
花道でクッッと顔を歪めて天を仰ぐ仁左衛門のその姿~。
涙ドバ~~ッッ!鼻水ズル~~ッッ!!

2年後、道真が悲運のうちに生涯を終えた途端っ
奇怪なこと続きー。
ライバルや帝の周りで災いが!遂に帝が崩御!
祟りじゃ~!呪いじゃ~!

怨霊を鎮魂する為に、道真は京都北野の天満天神に変~身!
天神とは元々雷のことで、農耕の神だったんだけど、
それからは
「学問の神」「書道の神」「詩文の神」「芸能の神」となったのじゃ。
『天神さま』を祀るお社は、全国に12,000~!なのでございまする~。
はは~。
嗚呼、大宰府天満宮に行きた~い。

偶然にも来月のお仕事は
親チーム(歌舞伎座)と子供チーム(大阪松竹座)に別れてる!
いつかまた、『松嶋屋だヨ!全員集合~!して欲しいな。
待ってまっせ~!!!

松嶋屋公認HP(期間限定:3/31まで) → 十三代目片岡仁左衛門さん 

ルポレポはこちら
 昼の部 「吉例寿曽我」 「吉野山」 「道明寺」
 夜の部 「近頃河原達引
 「二人椀久」「水天宮利生深川」

 十三代目のドキュメンタリー映画 → 歌舞伎役者 十三代目片岡仁左衛門
 
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