猿之助十八番の内/當世流小栗判官 (とうりゅうおぐりはんがん)第1部
国立劇場の空気が弾んでる!
いつもと違うこの雰囲気は何だ~?
”市川猿之助十八番の内”の作品が国立で初お目見え!
なんつーかダイナミックに、いろんな所をブラッシュアップ!
この自由さ、この柔軟性が”澤瀉印”なんだね~!(詳しくは筋書で)
第1部
~乍憚口上(はばかりながらこうじょう)~
とざい、と~ざい~。
主な人物の顔アップなパネルの下、右近・春猿・笑三郎。
初っ端から一気にパ~ッと華やいだ~。
右近、堂々の声で
「左右におります者は第1部には出ないから、せめてここで!」
と笑いを誘う~。グハハハ。
「第2部も観て頂けると信じております」
と客の心をクスグルことも忘れない。グハハハ。
若いPOWERがグイグイお客を引っ張る不思議な空気っ!
~発端~
春で~す。鶴ケ岡八幡宮で~す。
常陸国乗っ取り大作戦~!
横山大膳(猿弥)親子は、領主がお兄ちゃんなのに殺しちゃってさ、
その娘・照手姫(笑也)をかっさらった!
ところが、通りがかった管領・上杉(門之助)が
落ちていた小柄の紋を見つけて犯人にピンときた(110番してね)
落し物には気をつけよーね。
イヤホンガイドの割引券落としちゃった~。グスン…。
~序幕~
横山大膳館に監禁されてる照手姫。
許婚の小栗判官(右近)がやって来るとは露知らず、奴に助けられて脱出!
将軍家の使者・小栗判官登場~ッ!!
”古典”の額縁にきちんと納まる、さすがは市川右近っ!!
バキバキバキッッ!!金襖を破って走り込んだのは暴れ馬ッ。
小栗は大膳に「こいつを調教してちょ~」と頼まれる。
こっからお馬さん見せ場っす!
前足上げて後ろ2本で、立っちゃう、立っちゃう、また立っちゃう~ッ!!
パカラッパカラッパカラッ~、逃げてった~。
と思ったら奥から再びパカラッパカラッパカラッ。
なんと!ここで、もう1組の馬の足チームと交代してんだと!(イヤホンガイドより)
でね、なななんとその昔、笑也が馬の後ろ足演ってたんだって!(筋書より)
小栗判官ヒョイと跨り、何やらお馬さんと会話しておるー!(ドリトル先生か!)
お友達になったみたいよ。
悔しいのは大膳!「じゃあこれに乗せて曲芸してみろヨ!」
碁盤…ってあのフツーに碁をうつ盤!
ムムム。馬だってちょっと待って~って考えてます。(ホント~か)
小栗と打ち合わせして(ほ、ホント~か)
オッオッオッ乗っちゃったよ~!ブラボ~!
「何だよっクソ~」大膳が思わず投げつけた小柄。
それこそ領主殺しの物的証拠~。
バレちゃったじゃんか~猿弥~。
小栗っ!荒馬毛に乗って、颯爽~と去って行った。
ヤンヤヤンヤ~の拍手拍手大~拍手~!!
~二幕目~
夏で~す。琵琶湖湖畔の猟師宅で~す。
鬼瓦の胴八(猿弥)が、裸に蒲団巻いた格好で帰宅。ハハハ
でも、マジな裸体はお客に迷惑~(笑)
”着肉”ってのを着てます。裸のスーツね。
これがまた上手く出来ててさ~(いつも見惚れる)
すね毛のブツブツは何で書いてんでしょ~か?グフフ。
胴八は、悪仲間の四郎蔵(延夫)の儲け話にありついた。
”照手姫を探し出せ!”
お藤(門之助)の旦那・浪七(段治郎)も、一口乗ることに。
ところが、誰もいなくなると床下から現れたのは照手姫~。
浪七が隠してたのさ~。
ところが、ところが、胴八が!♪アラ見てたのね~♪(by都はるみ)
胴八と四郎蔵が悪巧み中~。
きちゃな~い身形の橋蔵が「仲間に入れてくれ~」
「師匠が、昔は小栗の役とこの役は1人で演った!って言うから~
売店にある資料集みてね」
って言ってるこいつは~?大向うが一声「右近ッ!」
場内のお客さん、大きく頷きガッハッハ~。
何でもありやな~しかも楽しそうやな~。
橋蔵が加わったはええけど、頭がパ~やし、
手も不自由で、足もアカン。1人でな~んにも出来へん右近。
これを手助けしてやるのが延夫。
2人ベッタベタの関西弁でんねん~(中身は観ての楽しみ~)
ここは難波グランド花月(NGK)?い~や国立グランド花月や!
OH!国立も”National”だけにNGK~!(アホか~)
ノリノリの右近!
「また白塗で出るし、しんどいな~。こんな時はご贔屓さんから貰ったあれ飲も~」
ジャジャ~ン”ウコンの力”!!!
ググッと飲んでポイッと瓶を客席に~。
これだけじゃぁ終わらないっ。
金メダルぶらさげで”イナバウアー”…これは食傷気味ぃぃ。
せっかくの花道、一直線にカーリングポーズで決めて欲しかったな~。
右近・猿弥・延夫のてんぷくトリオ(笑)じゃぁ段治郎を騙せず、
胴八(猿弥)は横恋慕していた妹・お藤(門之助)を
「可愛さあまって憎さ100倍~」でグサッッ!
猿弥は、ごーいんに笑也を葛篭に入れて行っても~た(石川五右衛門か)
姫も気になり、女房も気になる浪七
「私のことはいいから忠義のために!」
そーなんです!浪七は実は!魔女だったのです!(違う~)
元小栗家の家臣だったのですっっ。
浪七 「女房どもなんにも言わぬ。忝ない。
未来は再び一つの蓮(はちす)、台(うてな)の上で必ず待て」
お藤 「嬉しゅうござんす」
浪七 「そんなら女房」
お藤 「こちの人」
舞台は夜の波~波~波~。
浪七は、大勢で飛び掛ってくる敵を投げ倒すっ倒すっ!
最後は皆でお舟の形にぃぃ。澤瀉屋~!
小舟で逃げる胴八(猿弥)。
このままではどーしよーもない浪七(段治郎)
刀を自分の腹に突っ立てて!内臓えぐって!湖の龍神に捧げたーッ!
♪風よ吹け吹け~嵐よ吠えろ~♪(byサスケ)
小舟~カムバ~ック!胴八をグッサリ~!血が岩場にベッタリ~!
舞台は廻る…照手姫は1人ぼっちで舟の中…。
「照手姫様~!!!」
遠ざかる舟。岸壁でたった1人で見送る人影(「俊寛」ね)
浪七、遂に力尽き…真ッ逆さまに落ちたッッッ!
チョンチョンチョン…。
ポッポポッポの高揚感ッ!スカッと爽やかスッキリ感ッ!
こりゃスポーツ観戦じゃん!
澤瀉屋のもっとう”3S”!!さ~皆さんご一緒にっ、
『ストーリー・スペクタクル・スピード』ここにありッッ!!
第2部~行かいでか~!!
こちらへつづく → 第2部
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