猿之助十八番の内/當世流小栗判官 (とうりゅうおぐりはんがん)第2部
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第2部
澤瀉音頭で幕が開くヨ。
~乍憚口上(はばかりながらこうじょう)~
段治郎「今日おいでの何れも様には、定めし!
第1部もご覧頂いきましたることとは存じまするが」
客席から拍手~。
まだ観てない人の為にって、寸劇してくれんのよ~。
ひゃ~!サービス満点~。
碁盤の曲芸はこれでっ!
写真パネルがスルスルと降りてくる。
そこにおわしますは!ヤヤヤ!猿之助~!
主な俳優が並んだところで、後ろから見守ってるのは澤瀉屋の頭領っ!
この構図はたまらんなぁ~。
「これより第2部も、我々一同師匠の下(もと)にて、
精一杯舞台を勤めさせて頂きまする」
~三幕目~
秋で~す。美濃国で~す。
小栗(右近)は、照手姫と御家再興には欠かせない「勝鬨の轡(くつわ)」を
探しまわってる。
ひょんなことで、奴に会って情報を貰った。
照手は行方不明…。でも、くつわの在り処を知ることに!
縁は異な物味な物・その①
偶然助けた親子の家に求める品が!超ラッキ~!
娘と結婚したら、くつわが引き出物で付いてくる!
縁は異な物味な物・その②
その家の下女がっ!照手姫(笑也)~。
水汲の桶を担いでヨタヨタ登場。
ウッワ~ウッワ~児太郎(現:福助)思い出した~!!
あれ『オグリ』だよね。初々しかったな~。
小栗と照手の再会。
でも2人の間に「今日小栗と祝言を挙げる娘」(春猿)がいるっ!
恋のバミューダ三角水域。デンジャラスゾ~ン。
縁は異な物味な物・その③
くつわの鑑定を済ませた小栗の言葉は
「婚約破棄して~」
寝耳に水の母・お槙(笑三郎)と娘・お駒(春猿)!
「僕の許婚は照手姫!」
小栗が正体を明かして母は2度ビックリっ!
彼女こそ照手姫の乳母。
こりゃ~娘の希望は叶えてあげられんわ~。
娘の白無垢姿だけが浮いちゃってるわ~。
泣き崩れて「死にます…」と言やぁヨカッタんだけど
お駒、般若に変~身っ!
「母ちゃんの”忠義”が何だ~!諦めるつもりはね~だ!」
脇差片手にもみあう母と娘。
アッッッ弾みで娘の顔を…。そうして偶然が必然に…
お槙 「思えば因果なこの成行き、お主の為じゃ、娘、堪忍してや。
南無阿弥陀仏」
お駒 「モシ母さん、どうしてもわしを殺すのじゃなァ」
首飛びっっ!!灯篭の上に乗るッッッ!!
来た~来た~来た~!客席真っ暗~!
ドロドロドロ~
カッッッ!!と見開きお駒!
「エヽ胴慾な判官様、ただ恨めしいは照手姫、やわか二人を添わそうか」
立ち去ろうとする小栗&照手姫。
でも…引き戻されるヨ~。連理引きだヨ~。
「イタイタタッッッ」小栗が急に顔を押さえた。足も痛いッッッ(「かさね」男版ね)
お駒 「思いこんだる女子の一念、判官照手に憂き世の苦患を」
お槙 「テモ恐ろしき嫉妬の執念、コレ娘、迷わず成仏、してたもや。
南無阿弥陀仏」
春猿~頼むから成仏してくれ~!
~大詰~
冬で~す。熊野で~す。
土車に乗った小栗。か弱い体で懸命に引っ張る照手姫。
あれ?花道から「ヨイショヨイショ」って出てくるんじゃないの?
それは『敵討天下茶屋聚』か『スーパー喜劇狸御殿』か~。
√哀れなるかな照手姫、人の運命や芭蕉葉の、露の白雪ふりかけて、
片輪車の網手縄、つまにひかれて憂き難儀、しのぎしのぎて幾泊まり、
旅路重ぬる程もなく、果てなし越えも引き過ぎて、今ぞ始めて三熊野の、
湯の峯にこそ着きにけれ
遊行上人(段治郎)が読経しながら小栗を湯壷に入れてあげる。
僧達の♪踊り踊るな~ら~チョイト東京音頭 ヨイヨイ~♪(違うっ)
霊験あらたかなり~、小栗復活っっっ!
将軍から命令が!”横山大膳を討伐せよ”
待ってました~!でも~ここは熊野~。常陸までは遠いじゃ~ん。
「こんな所に馬が!」
「それ絵だよ~」
「大丈夫!熊野権現様~」お祈りすれば、ア~ラ不思議~。
♪呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ~ン♪
パカラッパカラッパカラッお馬さん登場~!
来た来た来た~お約束の~”天馬の宙乗り~”
でも~3階席に来ないよ~2階じゃ~んそれじゃ~。
歌舞伎座や演舞場の臨場感を味わえなんだ~無念じゃ~。
さてさて常陸国。
大滝ザァ~ザァ~流れる中、セリ上がりさ、
悪者横山大膳(猿弥)一家さ。
「鎌倉攻めの準備は万端っ」
「小栗がいないんだもんチョロイチョロイ」
ところがどっこい、小栗参上~!
「この紋所が目に入らぬか~」(違う気がする…)
大膳平伏す。
幕
ウッソ~。大立廻りしなくっちゃ~。
照手 「父の仇」
小栗 「イザ尋常に勝負」
皆々 「勝負」
大膳 「何を小癪な」
照手姫が見事仇を討った~!
上からドヒャドヒャ雪が降って来たっっ!!(「ヤマトタケル」だ~)
見得!ウヒョ~!人に降り積もる雪~。キレイ~。
照手 「恨みの刃」
小栗 「天命思い」
二人 「知ったるか」
チョンチョン。一同よろしく居並び
小栗 「東西、先ず今日は」
皆々 「これ切り」
幕
う~ん。1日で一気に観た方が、スピードを持続できたかも…
疲れると思って2日に分けたのに…残念…。
でも、アマチュア大向うが結構いて楽しかった!
澤瀉屋公演には、フリーパスを持った大向うは絶対に来ない。
だから、掛け声なしの寂しい時もあるんだよねぇ。
出演者も伸び~伸び~。
こりゃ、国立のスタッフとも息が合ってるんだぁなぁ。
そうして、国立のお客さん!歌舞伎座と雰囲気違うよ~。
皆さん、誰かの贔屓というより「作品を楽しみにしてる」って感じ。
平日だったから特にのんびりモードだったのかなぁ。
年齢層高いし男性多いし!
ロビーでゆっくりビールなんて飲んでいたりもする。
会場のゆったり感が、身体もリラックスさせてくれる。
座席も腰が痛くならないし。好きだわ~。
澤瀉屋の総大将が復帰しなくても、ここで止まることは出来ない。
兵隊達だけ進軍せねばならぬ。敵は幾万あるとても~!!
前進あるのみっ花形澤瀉屋~!