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統計の使い方に注意が必要ですね…

2007年12月18日 | たばこ弁護の諸説紹介
◎ 世の中には、各種の統計が氾濫しています。調査する側の目的が、必ずしも公正・公平なものではなく、当初から何らかの意図をもっている場合もなしとは言えません。統計全般については、一定の科学的データとして尊重すべきものですが、数値の読み方として、すべて鵜呑みにすることは危険極まりありません。そこで、私が問題意識を持っている喫煙に関するデータの一部について、表現方法の面から考えてみました。

【喫煙リスクについて(厚生省のホームページから抜粋)】

・ 喫煙男性は、非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が約4.5倍高くなっているほか、それ以外の多くのがんについても、喫煙による危険性が増大することが報告されています。

・ 喫煙者は、非喫煙者に比べて虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症等)の死亡の危険性が1.7倍高くなるという報告があります。また、脳卒中についても喫煙者は、非喫煙者に比べて危険性が1.7倍高くなるという報告があります。

◎ 「約4.5倍」および「約1.7倍」という表現だけをみれば、実に説得性のある感じを受けますが、お酒の強さ(飲める量)にも大きな個人差があるように、「約5倍」は普通のことで、「約1.7倍」ならば「ゼロ」等しいと言えるかも知れないのです。たばこはお酒と同様に、定期健康診断のたびに注意を促され、実際の病気になれば喫煙している患者および飲み過ぎの患者は、確実に医者から「禁酒・禁煙」を申し渡されます。その後は、大人としての判断に任されていますが、とくにたばこの場合、医者からの強い指導等によって、禁煙に踏み切る人たちが増えているようです。私の周辺でも、急速に「たばこはやめたよ!」という親戚・友人・知人が多くなっています。だからというわけではありませんが、大々的に統計の数値を使い(たばこの箱にまで印刷している)、「とりあえず健康で、たばこ好きの人」にまで、禁煙を強要するようなことはないと思っています。まして、厚労省を筆頭に、「先進諸国の中で日本の喫煙者率が一番高く、早急に欧米並みの喫煙者率にしなくてはならない。そのためには、国や自治体で明確な目標値を作成してとりくむべきだ」と声高に叫んでいるのは大いに「疑問」なのです。

◎ 「問題のすり替えである」という批判を覚悟の上で述べたいことがあります。それは、ICPO(国際刑事警察機構:通称「インターポール」)の「世界の犯罪率」に関する統計です。ここでは、日本がダントツの優等生です。その内訳をみますと、恐ろしいほどの倍率で欧米諸国を圧倒しているのです。とくに、人口10万人あたりの「強姦」および「麻薬」の犯罪発生件数(アメリカが1999年、それ以外は2000年の統計)をみると、次のような数値になっています。

【強姦】 []書きは日本との倍率
(日本)        1.78
(ニュージーランド) 22.48[12.8]
(オーストラリア)  81.41[45.7]
(イギリス)     16.23[ 9.1]
(オランダ)     10.36[ 5.8]
(ドイツ)       9.12[ 5.1]
(フランス)     14.36[ 8.1]
(スイス)       5.63[ 3.2]
(イタリア)      4.05[ 2.3]
(カナダ)      78.08[43.9]
(アメリカ)     32.05[18.0]

【麻薬】 []書きは日本との倍率
(日本)       22.24
(ニュージーランド)641.64[28.9]
(イギリス)    214.30[ 9.6]
(オランダ)     47.01[ 2.1]
(ドイツ)     297.25[13.4]
(フランス)    176.11[ 7.9]
(スイス)     643.44[28.9]
(イタリア)     60.31[ 2.7]
(カナダ)     285.54[12.8]
(アメリカ)    560.11[25.2]

◎ 口にするもの嫌な感じのする「強姦」をみる限り、さすが狩猟民族を先祖に持つだけのことはあってか、欧米諸国民たちの「欲しいものは力ずくでも手に入れる」という民族性や、その凶暴性・残忍性は、日本と比べようもないと再認識させられたのです。彼らは、自らの「凶暴性・残忍性」を自覚しているからこそ、様々な社会的規制や強い罰則を設けている、とも考えられます。また、麻薬に関するオランダの数値は「大麻」などのソフトドラッグが合法化されているために、近隣諸国よりも低い数値になっていると思われます。それにしても、ソフトドラッグを含めた日本の数値が、異様なほどに低いことは、「良き歴史、守るべき習慣」として高く評価されるべきでしょう。それに比べたら、少々の喫煙者率の高さなど、「まったく問題ない」とさえ言えるのではないでしょうか。「約4.5倍」とか「約1.7倍」とかの「喫煙による死亡率」(個人的には、この統計にも疑問を持っています)ではなく、世界各国が共通的かつ優先的にとりくむべき課題がたくさんあるわけです。というわけで、統計の使い方には注意が必要であり、誤った使い方をしてしまうと、かえってより重大な問題が隠蔽されるリスクを抱えていると思うのです。(2006 11/01)
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