哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

自分であり自分でない体(『暮らしの哲学』)

2007-07-29 20:55:00 | 哲学
 若い頃は自由だった体が、年をとるにつれ不自由になるもどかしさを池田さんも感じていたそうです。


「体は自分が作ったのではない、では誰が作ったのかと言えば、言うまでもなく「自然」です。自然は人間の意志を、どうこうしようという賢しらな意図を、完全に超えている。」


 その結果、自分の体は自分の意志を超えている、と書いておられます。

 確かに、体は自分のもののようで、自分の思う通りにならないことがよくあります。病気になる時はそうですね。とくに池田さんのようにガンになるというのは、全く予期できません。それにガンに限らず、治らない病気もよくあります。

 よく医者の話に、人は病気を自然に治癒する力を持っている、それを医者は手助けするだけだ、というのがありますが、そもそも体には病気になるという特質があるわけですよね。それが「自然」であり、人はコントロールできません。

 人智でわからないことがあって何がおかしいか、ということもよく池田さんは書いておられましたが、人間は日頃から体でもって体験しているわけです。