哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

エノテカさん

2005-10-09 21:38:07 | ワイン
 その昔、ワインをもっとも勉強させてもらったのは、エノテカさんです。単なる消費者の立場ではありますが、ボルドーのトップシャトーを招いての垂直試飲会(同じシャトーの古い年代のものから新しい年代のものまで試飲する)では、シャトーのオーナーや社長から直接話が聞けて、本当に高級ワインを身近に感じることが出来ました。

 そういえばエノテカのインターネットサイトでのワイン・オークションも大変いい経験でしたね。0.何秒を争うネットオークションの熱狂振りは、本当に興奮ものでした。確か当時はワインの第4次ブームくらいでしたでしょうか。東京の広尾にしかなかった店が、あっという間に全国展開し、レストラン等も持たれてましたね。

 しかし、時代は変遷するのですね。エノテカさんと同様に現地からの直輸入で、コストパフォーマンスと品質の確かさを売り物にするワインショップは劇的に増え、消費者にとって選択の範囲はとっても増えました。私も長年継続していたエノテカさんの会員は脱会しましたが、メジャーリーグに挑戦した野茂投手と同様に、パイオニアとしてのエノテカさんの貢献は忘れません。

http://www.enoteca.co.jp/

塩野七生さんの「日本人へ」30

2005-10-09 03:13:37 | 時事
 今月の文藝春秋(11月号)の「日本人へ」は小泉首相についてでした。

 その昔から、行財政改革を一貫して言い続けてきた男っぷりは、先の選挙で国民の支持をしっかり得ました。永田町の常識を覆すやり方にも塩野さんはエールを送っています。しかし、一年後の任期切れで辞めることを公言していることには、塩野さんは苦言を呈しています。外国から見れば、1年待てば小泉首相はいなくなるのだから、あえて結論を急ぐ必要はなくなってしまう。つまり、バーゲンが1週間後にあるとわかっていて今買い物をするバカがどこにいる?という話だそうです。

 確かに言われてみればそうですね。時間をかけてでもやるという交渉姿勢でないと。相手から甘く見られる可能性があります。
 但し、外交についてはポスト小泉さんが安部さんになるなら、もっと過激な(タカ派な?)政策になるかもしれないし、そもそもアメリカ追随姿勢の強い日本外交が、それほど外国(とくにアジア)に重きを置かれているのか、今一歩良く分かりません。日本が出すお金だけは重きが置かれているかもしれませんが。

 今結論を出さないと後でもっと大変なことになるぞ、というような脅しになりうるなら期限を決めてよい交渉でしょう。ブッシュ政権はイラク戦争をネタに、ならず者国家を抑えていっている様ですが、まさに武力による脅しです。
 一方で日本の外交政策に一貫性のある信念などが、あるのかどうか。外交においては政権の変動に関係なく一貫性がなければいけないような気がしますが、実はそれは世襲制的な(?)外交官の資質に頼っていたりするのでしょうか。もしそうなら、外交に関しては小泉さんがいなくなっても大丈夫(?)です、多分。