哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト

2005-10-10 21:27:20 | 音楽
 びわ湖ホールで開催された小澤征爾さんの音楽塾プロジェクト「セビリアの理髪師」を見てきました。さすが小澤さんの人気で全席完売です。

 「セビリアの理髪師」は、わかりやすく面白く、ハッピーエンドで終わるので、オペラ初心者にもお薦めの演目かも知れません。こういう喜劇ものを見ると、オペラ歌手は喜劇役者なのかと思ってしまいます。

 今回たまたま最前列の席が取れたので、小澤さんの息遣いというか鼻息というか、そんなところまで聞こえるほどたっぷり楽しませていただきました。しかも指揮者用の譜面台には楽譜がありません。超一流指揮者お得意の暗譜なんですね。凄いです。

 オーケストラや歌手の力量について云々言うことはできる能力は私にはありませんが、指揮者と主役歌手以外は、若手音楽家の育成のための公演ですから、演目を楽しめたことで十分だったと思います。

宇宙は何を考えているのか。

2005-10-10 02:43:45 | 科学
 雑誌ニュートンの最新号に生物の進化についての記事があったので、少し立ち読みをしました。

 口と肛門は元は一緒だったとか、カンブリア紀の進化大爆発で背骨ができたとか、器官の進化を一つ一つ説明していました。また、眼については、これほど複雑な器官がなぜ出来たのかは今もって謎なのだそうです。

 ところで「可視光線」といいますが、この言葉は進化論的にはむしろあべこべで、地球上でもっとも多い光を見えるようにしたのが、眼のできた原因と考えられます。眼よりも先に「光がまずあった」のです。

 そこでまた池田晶子さんの文の一節を取り上げるのですが、普段「科学の見方は一面的に過ぎない」とよく書いている池田さんにしては、科学的というか進化論的な発想をされている部分があります。
 それは、なぜ人間の脳が発達し、考えるようになったかという点についてです。人間の他の器官と同様、全く無目的に脳が発達したとは考えられず、むしろ脳が発達したのは、脳以前に「考え」が宇宙にあったからではないか。では「宇宙は何を考えているのか。」

 確かに言われてみれば、「考え」が先になければ脳の発達もないような気がします。でも宇宙が何を考えているのか、と言われても想像を絶します。光が眼の外部にあって眼は受信するのが役目とパラレルに考えれば、「考え」は脳の外にあって脳は受信するのが役目・・・とすれば、私たちが考えることそのものが宇宙の考えていることなのでしょうか?