哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

景気のいい話(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2005-10-08 07:50:14 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮今週号の「人間自身」は、「景気のいい話」という題でした。要旨をあえて言えば、景気がよくなろうが悪くなろうが哲学には関係ない、そもそも哲学(人生訓レベルではなく、存在の謎への思考を意味する)は時代と全く関係ない、と。

 確かに、「失われた十年」とかで経済が沈滞しているとき(今もまだ脱したとまでも言いがたい?)、中野孝次さんの『清貧の思想』がベストセラーになったりしましたね。池田さんが今回の文章で触れられている、景気が悪くなると人生の本質を考え始めるのではないかと人々が言っていたが・・、というのは、このことなどを指しているでしょう。

 結局、哲学と生活は全く関係なく、生活できようができまいが、哲学をする人はするだけのこと、だそうです。
 何となく当たり前の言質に見えますが、生活に全く関係なく、例えば日々の衣食に困る状態で、存在の根源を思考することが果たしてできるのか。凡人にはかなりハードルが高い話です。でも、そのくらいでなければ、池田さんのいう「哲学」もしくは「考えること」には至らないのでしょう。