哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

塩野七生さんの「日本人へ」30

2005-10-09 03:13:37 | 時事
 今月の文藝春秋(11月号)の「日本人へ」は小泉首相についてでした。

 その昔から、行財政改革を一貫して言い続けてきた男っぷりは、先の選挙で国民の支持をしっかり得ました。永田町の常識を覆すやり方にも塩野さんはエールを送っています。しかし、一年後の任期切れで辞めることを公言していることには、塩野さんは苦言を呈しています。外国から見れば、1年待てば小泉首相はいなくなるのだから、あえて結論を急ぐ必要はなくなってしまう。つまり、バーゲンが1週間後にあるとわかっていて今買い物をするバカがどこにいる?という話だそうです。

 確かに言われてみればそうですね。時間をかけてでもやるという交渉姿勢でないと。相手から甘く見られる可能性があります。
 但し、外交についてはポスト小泉さんが安部さんになるなら、もっと過激な(タカ派な?)政策になるかもしれないし、そもそもアメリカ追随姿勢の強い日本外交が、それほど外国(とくにアジア)に重きを置かれているのか、今一歩良く分かりません。日本が出すお金だけは重きが置かれているかもしれませんが。

 今結論を出さないと後でもっと大変なことになるぞ、というような脅しになりうるなら期限を決めてよい交渉でしょう。ブッシュ政権はイラク戦争をネタに、ならず者国家を抑えていっている様ですが、まさに武力による脅しです。
 一方で日本の外交政策に一貫性のある信念などが、あるのかどうか。外交においては政権の変動に関係なく一貫性がなければいけないような気がしますが、実はそれは世襲制的な(?)外交官の資質に頼っていたりするのでしょうか。もしそうなら、外交に関しては小泉さんがいなくなっても大丈夫(?)です、多分。