保健福祉の現場から

感じるままに

医療崩壊危機

2020年12月14日 | Weblog
12.14CBnews「医療崩壊を目前に、必要な医療の線引きは可能なのか」(https://www.cbnews.jp/news/entry/20201211181055)。<以下一部引用>
<新型コロナウイルスの第3波で、重症者の人数が過去最多を更新し、死亡者も増加している。コロナ病床の利用率がかなり高まっている地域もあり、医療提供体制はいよいよ逼迫している。旭川市では過去最大規模のクラスターが発生し、自衛隊の医療チームが送り込まれ活動を開始している。大阪にも看護官が派遣された。これ以上患者数が増えていけば、通常の医療提供が行えなくなる危険性をはらんでいる。グラフ1に示すように、第1波では緊急手術はほぼ前年度並みに実施されたが、緊急事態宣言の時期でもあった5月は、定例手術や検査目的の内視鏡等が制限された。緊急手術は生命に直結するため、それを止めなかったことは医療機関の努力の結晶とも言え、第3波の今も急性期病院はその心構えではいるものの、地域によっては緊急対応に支障を来すかもしれない。私の関連する各病院データを見ても、約8割の病院が第1四半期の手術・全身麻酔件数が対前年比で低水準にあった。一方でこの時期に、大幅に手術を増やした病院も中には存在する。地域や機能の差もあるが、これは安全管理体制も含めた病院の取り組みの成果であり、第3波の今は見習うべきお手本と言えるだろう。もちろん、眼科、整形外科、形成外科、耳鼻咽喉科など、全国で受診が減少した診療科のウエートが大きければ、その影響は色濃く出るだろう。ただ、コロナ禍で件数を激減させた病院が多い中で、これらの診療科であってもむしろ増加したケースも存在する。不急の予定手術の延期は患者のQOLに影響を及ぼすであろうし、中長期的な生命予後にも影響を及ぼすかもしれない。延期された手術を取り戻そうと手術室、カテーテル室等を高稼働で回しているのが、昨今の病院の状況である。ただ、その手術が不要だったということにはならないだろうし、医療において必要かどうかの線引きは難しい。医療崩壊で「通常の医療」が行えなくなれば、患者の利益が損なわれ、病院業績も著しく悪化する。本稿では、稼働額ベースで見た際に、コロナ禍で著しく減少した循環器系疾患に焦点を当て、「通常の医療」とは何か、そして「必要な医療」と「不要な医療」の線引きについて、地域差データを基に言及する。>

12.11日本病院会「新型コロナウイルス感染症対策に関する声明~感染拡大防止のために国が行うべきこと~」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20201211_01.pdf)は切実である。今や、厚労省「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html)の「症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について」「問4 「PCR検査がしたくても、受けられない」、「日本のPCRの実施件数が諸外国と比べて少ない」との指摘がありますがどうなっているのですか。」の「潜在的な感染者を捕捉できていないということはないと言えます」との政府公式見解を信じる医療従事者は、検査拡充反対の専門家以外ほとんどいないであろう。9.15DIAMOND「「コロナも救急も絶対に断らない」を、湘南鎌倉総合病院が実践できている理由」(https://diamond.jp/articles/-/248563)の「積極的なPCR検査の実施と建物の外での発熱外来の設置」(https://diamond.jp/articles/-/248563?page=3)に早くから対応されている病院も少なくない。8.3厚労省「新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる患者の取扱いについて」(https://www.mhlw.go.jp/content/000656009.pdf)、10.15「医療施設等における感染拡大防止のための留意点について(その2)」(https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2020/201019_4.pdf)、10.16「医療従事者・介護従事者の中で発熱等の症状を呈している方々について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000683611.pdf)、11.16「医療機関、高齢者施設等の検査について(再周知)」(https://www.mhlw.go.jp/content/000695267.pdf)、12.8「医療機関、高齢者施設等の検査について」(https://www.mhlw.go.jp/content/000703307.pdf)が連続発出されているように、検査を組み込まない感染対策は厳しいであろう。
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