民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Vol. 217 三味線と言うもの

2007-08-24 00:27:14 | Weblog
読者の半数は民謡に関係なく、三味線を詳しくご存じない方も居られたのですね。

少しだけ説明をしておきましょう。昨夜は話の成り行きから皮の話になりましたが、胴体の部分を「胴」と良い、どんな高級な三味線でも「花梨」と言う木で出来ています。詳しく言えば胴の中に細工をしたものを「綾杉彫りの胴」と言い更に手を加えて音質を高めたものに「子持ち綾杉」と言うのがあり最高級である。

長い軸が「棹」で、どんな安物の三味線でも三つに抜きはずせる様になっている。木材であるから、自然な反りなどが出ないように木取りがしてある。ここでは見えないが継ぎ手の「臍=ほぞ」に金を用いたものが「金ぼそ」と呼ばれ最高級品の欠かせないパーツである。大工仕事でも5間も6間もある長い桁などには「三味線継ぎ」と言われる手法が使われる。・・形は似ず非なるものである。

やっと写真の所まで上がってきた。写真の棹20cmほどを「上棹」と言い、耳掻き状に曲がった所が「天神」。白い象牙の「糸巻き」。3本の糸を巻き取る空間が「糸蔵」。糸巻きを差し込む穴の金具も十八金から九金(くきん)安いものなら真鍮である。値段を言うと卑しいが金具だけでも30万は下らないだろう。三味線はいくつものパーツが別々の職人によってに作られ、値段に合ったものが組み合わされるのです。

例えば「胴師」その「研ぎ師」その胴に棹を仕込む「仕込み師」。「棹師」「塗師」パーツでは「駒師」「金具師」糸巻きを作る「○○師」・・詳しくは??。音緒(ねお)を作る人、胴賭けを作る人、最後に「皮張り師」。袋を縫う人、ケースを作る人・・etc・・おっと、最近の殆どの三味線は「東ざわり」という部品が付いている。・・写真で見れるか?、糸を支えている細い金具(上駒)のチョット下、太い糸の下に見える。小さいが大きな役目を果たす。・・とマー・・大変なのレス。

写真左にあるのが「天神カバー」とでも言おうか・・コレが津軽の馬鹿塗リです。
演奏する時ははずして使うのがステージマナー。この天神、木取りの方向もあって良く欠けるので要注意・・修理は高くつく。この三味線は、以上の部品の全てが最高のもので作られている・・のレス。

最後に棹・・並みから順に「樫」「花梨」「紫檀」「紅木」という材木。インド/スリランカなどアチラの木らしい。刃物が立たない「刃が立たない」木なのでやすりと直角の特殊なカンナで仕上げる。黒檀と共に水に沈む木なのだ。ちなみに黒檀は余り真っ直ぐな木ではないらしく「糸巻き」にしか使わない。

都々逸に「♪三味線の さおを手に取りしみじみ眺め したんじゃないかと なでてみる」・・ヨウヨウ!!。・・この深い意味を何処まで読み取れるかお一人ずつに聞きたいものです。・・まさか未成年者は居りませんな?。
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