11月29日(火曜日)箕面市北部の止々呂美地区、箕面市立とどろみの森学園(止々呂美小・中学校)3年生67人が、ゆず畑で課外授業を行いました。
箕面森町の学校を午後1時に出発、30分ほど歩いて、下止々呂美地区 生産農家さんと農業サポーターさんが収穫作業をしている“ゆず畑”に到着です。
ものづくりの歴史と魅力を語ってくださるのは、ゆず農家の尾上善治さん。
「今でこそ、交通機関が発達していますが、昔は、箕面市北部の止々呂美から池田や大阪市内に出かけるには時間がかかった。だから、この地で現金収入を得て生活しようと山をきり開いて、栗、びわ、山椒、ゆず、炭などを生産する生活を始めました。」
「止々呂美のゆずは、全国的に見れば大生産地の徳島や高知には収穫量では到底及びません。でも、全国の大量生産される地域のほとんどは、大木に若木をつなぐ「接ぎ木」栽培です。
箕面のゆずの特徴は、自然に種から育てる実生栽培です。
村史に記載があるのは1330年ごろ、栽培が始まったとあります。ゴツゴツ荒々しく、実が大きいのが特徴です。」
(“地域の歩み”を熱く語ってくださる尾上善治さん)
続いて、ゆずの実際の収穫方法など、生産農家 中上忠彦さんから説明がありました。
「剪定ばさみでこのように挟みます!収穫にあわせて枝木の剪定もします。
みんなも月に1度ぐらい散髪しますよね。ゆず樹木も散髪して風通しよくしてあげます。」
(剪定ばさみを使って実演、説明される中上忠彦さん)
中上さん:「皆さん。何か質問はありますか?」
子どもたち:「なぜ、するどい棘(とげ)があるのですか?」
中上さん:「難しい質問するなあ・・・もっと、簡単な質問ありませんか?」
熱のこもった小学生の質問に尾上さん、中上さんもタジタジです。
「うわー。あんなに高いところに上って収穫するんだ。すごい!」
現地で土を踏みしめ、観察して、さわって、感じて、“五感で愉しむ畑での授業”です。
高齢農家さんの農園の収穫についてどうしているのかについて、
「人手が足りない農園の収穫は、市民のボランティア「ゆず収穫・剪定サポーター」に応援に来ていただいています。今日は10人の皆さんが来てくださっています。」と説明があり、3年生は、収穫サポーターの活動も見学しました。
小学生や学校の先生ら、多くの方でにぎわったゆず畑。
農業サポーターさんに囲まれながら、尾上善治さんは、「子どもたちが、歴史や文化を学んで、この地を大切に想ってくれることは本当にうれしいことです。そして、子どもやサポーターさんが農園に来てくださることが、農作業の一番の励みにもなります。」と話されていました。
ひんやりと静まりかえったゆず農園。 心のどこかで、なんとなく懐かしさも感じる原風景、誰もが思わず深呼吸したくなります。
生産農家さんから直接お話しをうかがい、地域の生活を学べる体験学習でした。
尾上さん、中上さん、貴重な機会をありがとうございました。
<箕面のゆずには、古くからの歴史があるんだねー