奥州の藤原清衡(ふじわらのきよひら)が中尊寺に奉納したと言われる箕面山瀧安寺所蔵の至宝「中尊寺経」の実物公開と、「八天石蔵(はってんいしくら)」の仏像写真や仏像発掘のきっかけとなった勝尾寺所蔵「勝尾寺文書」の写真パネルなどを期間限定で特別公開する、リニューアルオープン記念企画展「箕面の至宝展~中尊寺経と八天石蔵~」を、令和6年5月17日(金曜日)から7月7日(日曜日)まで、箕面市立郷土資料館(船場西3-8-22)で開催しています。
「中尊寺経」は、箕面山瀧安寺で発見され、平成15年に行われた調査で、1126年、奥州の藤原清衡が平泉の中尊寺に5400巻奉納したと言われる「紺紙金銀字交書一切経(こんしきんぎんじこうしょいっさいきょう)」の一部であることが判明しました。
現存する4500巻のうち、5巻を箕面山瀧安寺が所蔵しており、企画展では、「中尊寺経」の現物展示に加えて、「中尊寺経」の歴史や経典の構造、経典が発見された瀧安寺についての展示を行っています。
また、「中尊寺経」は、瀧安寺住職の「できるだけ良い状態で後世に残したい」という思いから平成26年・27年に修復が行われており、企画展では経典の修復前・修復後の比較展示や修復工程について解説するパネルを展示しています。
「八天石蔵」は、鎌倉時代に勝尾寺の周囲8カ所に築かれた石組の方形壇の総称であり、勝尾寺と麓の村との境界標や魔界の障難を防ぐ結界の役割を果たしました。石壇を境界標として用いていた例は全国でも極めて少なく、国史跡に指定されています。勝尾寺に伝わる文献をもとに昭和37年から38年にかけて行われた発掘調査では「八天石蔵」の最上段中央に陶製容器に納められた仏像(四明王・四天王)が、構築時の状態のまま発見され国重要文化財に指定されています。
企画展では「八天石蔵」の地図や仏像(四明王・四天王)の配置図、仏像が埋納されていた陶製容器や「発掘場所」の画像などのパネル解説を行います。また、「八天石蔵」の発見の元となった「勝尾寺文書」のデジタルデータ(画像提供:東京大学史料編纂所)をもとにした原寸大パネルの展示および、箕面市と勝尾寺で新たに撮影した実物大の仏像の写真展示を行っています。
箕面市立郷土資料館は、今年3月に延伸した北大阪急行「箕面船場阪大前」駅から徒歩8分ほどの訪れやすい場所にリニューアルオープンし、箕面の文化や歴史について、世代を超えて楽しみながら学んでいただける施設となっています。
本企画展を担当した郷土資料館の学芸員の馬場さんは「このリニューアルオープン記念企画展を通じて、箕面の至宝をぜひ身近に感じていただきたいと思います。」と話しました。
また、同資料展では6月23日(日曜日)に企画展関連講座「勝尾寺文書から読み解く八天石蔵と勝尾寺」を開催します。国立歴史民俗博物館研究部特任准教授である小野塚航一さんによる講演会となっています。
●企画展「箕面の至宝展~中尊寺経と八天石蔵~」
【期間】5月17日(金)~7月7日(日)まで ※毎週月曜日休館
【時間】午前10時~午後5時
【場所】郷土資料館(船場西3-8-22 市役所第二別館2階)
【問い合わせ】郷土資料館 電話:072-736-9370 FAX:072-736-9410
【費用】無料
●箕面の至宝展 企画展関連講座「勝尾寺文書から読み解く八天石蔵と勝尾寺」
【日程】6月23日(日)
【時間】午後2時~午後3時
【場所】船場生涯学習センター5階(船場東3-10-1)
【定員】30名(申込順)
【申込期間】6月1日(土)から(月曜日を除く午前10時~午後5時)
【申込方法】下記電話かFAXで受付
【問い合わせ】郷土資料館 電話:072-736-9370 FAX:072-736-9410
【費用】無料
<八天石蔵の歴史おもしろいモミ~!