
24節季の雨水に入ったが、外は見たとおりの雪景色。雪模様の日が続く。やってきたエアロバイクは大活躍だ。雪のちらつくなかを、スロージョギングでブックオフへ。20分のペタルこぎ、2㌔ほどのスロージョギングは身についてきた。心なし、身体が元気になったような気がする。睡眠も最近は、80点以上の指数が多くなっている。ブックオフで黒田三佳『森に暮らす』を買ってきた。著者の肩書は、里山ソムリエである。立春から始まる24節季が、頁建てになっていて、その季節の素敵な写真と里山の暮らしの様子を伝える小文がついている。不思議な親近感を覚えて、本を購入した。
著者は東京の出身。国際線のキャビンアテンダントを経てデンマークの森で暮らし、帰国して米沢の森に移住。譲り受けた1100坪の森、900坪の原っぱと畑。子育てをしながら移住した勇気に心を打たれる。地元のFM局で番組を持ち、英会話の教室や大学で留学生の教育にもあたっている。本の「雨水」のページを開く。雨水は雪が雨にかわっていく季節だが、雪国の米沢では雪原が広がり、朝日がキラキラと光っている。さらに、窓のガラスには美しい氷の結晶が絵のようだ。もう一枚の写真はオニグルミの冬芽のクローズアップ。
黒田さんの家に町内の人が、月に一度、家で作った料理を一品ずつ持ち寄ってランチ会が開かれる。日程が決まると、連絡はメモを持って家を廻る。ネットや電話などは使わない。町内の人と顔を合わせると、「山菜があるからたがってけ」「漬物持っていぐか」という会話が楽しい。裏山の山菜やきのこの食べ方を教えられ、黒田さんは日一日と里山の生活に親しんでいく。里山の魅力に、光りがあたりはじめた。先日の山登りで、脱サラして、農業を始める若者がいる、という話を聞いた。コロナ禍を経て、この国にも新しい生き方を模索する人がいる。黒田さんのような人が、里山に新しいコミュニティを生み出すような気がする。