春めいてくると、食べたくなるのがおみ漬けだ。山形の特産の青菜を、茎はもちろん葉も小さく刻んで、大根やニンジンも加えて、醤油漬けにする。温かいご飯のともとしてうれしい。春めいてくると、少し酸味が加わり、納豆に混ぜて食べるのもクセになるおいしさだ。畑を作っていた頃は、秋まきの種を蒔き、雪の来る前に収穫して、青菜漬けにした。今は、漬物屋さんから買ってくる。葉から漬物する手数を考えると、数百円で買える漬物は、ありがたい。何よりも、混じりけのない手作り感があって、朝の食卓を豊かにしてくれる。
作り置きの塩こうじで、豆腐の漬物も作ってみた。豆腐一丁をしっかりと水抜きをして、両面に塩こうじを塗り、プラスチックの容器に入れて冷蔵庫に置く。3日も経てば、チーズの味に似た豆腐の漬物ができる。豆腐のたんぱく質にこうじの栄養(ビタミン類)がしみ込んで、びっくりするようなおいしさだ。鳥の胸肉も塩こうじにまぶして半日もすれば、柔かくて美味な焼き肉ができる。セロリのサラダを付け合わせにすれば、贅沢な焼き肉になる。食品の値上がりの時代には、知恵と情報を取り合わせて、自分の食卓を安上がりでおいしくする。