常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

品倉山

2018年03月24日 | 登山



品倉山に登りたい。この希望で山の会が計画を立てて4年目。ある年は天候に恵まれず、またある年は参加者が少なく、ずっと計画は実現できずに来た。ついに今日、全ての条件を満たして、品倉山の山頂に立つことができた。その間、Sさんと二人でこのリフトを使い、この山の麓近くまで下見に来た。その折も、素晴らしい景観で、天気さえよければこの山行には太鼓判が押された。4年間、実に待った甲斐があった。残念ながら下見に同行したSさんは、もう大きな山に行く体力を無くしてしまった。Tさんと私、会員としては新しい女性2人、計4名のパーティーである。この山には、3度ほど登っていて、今回が4度目となる。最後に行ってから数えてみても、10年ほどの年数が経っている。



基部から見上げる品倉山は丸く優しく見える。我々に先行して山スキーで登る2人組がいた。北側の急斜面を、スキーを担いでジグザグに軌跡描いて登っている。写真をよく見ると、少し離れて登って二人に豆粒のような姿が確認できる。我々は、この急斜面を避け、西側を目指す。先日の寒気で20cmほどの新雪、その下は固く絞まった雪になっている。見れば所々に雪崩れた跡が見える。疎林の部分が雪が安定して見えるので、そこにコースを取って、ステップを切る。雪山は、パーティの体力に合わせてコース取りできるのも一つの魅力である。ここまで書いているとき、テレビで八ヶ岳の阿弥陀岳で7人滑落のニュースが流れてくる。安全第一、うちの会のモットーを改めてかみしめる。

品倉山は、品倉尾根の盟主、標高1211mである。月山(1980m)から湯殿山(1504m)、柴灯森に至る尾根に続くため、ここから月山を目指す豪の者もいる。北側を流れる田麦川支流の濁沢には天保3年に開削された天保堰の取り入れ口があり、山中の歴史を物語っている。登りに使ったリフトは湯殿山スキー場で、昭和53年に開設された。



前回の登山から10年、登り直して感じたことがある。記憶のなかで、苦もなく登りきったさほど難しい山でないこの山が、改めて眼前に大きく立ちはだかる。その大きさを、今さらのように確認している。体力の衰えが、山を大きく見せるのであろうか。また、目に飛び込んでくる景色の鮮明さはどうだろう。この年になって、ここに来るのはこれが最後、といいう意識がある。末期の目、という言葉もあるが、またいつでも来れると思っていたときとは、風景はあきらかに違って見える。何よりも、自分の足で、この大自然のなかに身を置くことが出来る喜び。頂上に立っているときは、まさに至福の時間であった。頂上着、12時。

雪嶺の光りや風をつらぬきて 相馬 遷子

帰路往路を取って下る。ゆるやかなコースをとった筈なのに、勾配が急であることに驚く。カンジキとアイゼンを併用して、注意して下る。急勾配を降りきったたところで昼食。持参した湯でカップラーメン。美味。登り初めて4時間足らずで、雪は融けてやわらかい。太陽の光も強く、白く感じる。カメラも朝の光りに比べて写りが悪くなっている。荷物を整理して車に乗ったのは3時30分、予定通りですばらしい一日であった。「今日も、最高!」との声。





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