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徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

書評:恩田陸著、『八月は冷たい城』(講談社タイガ)

2019年01月07日 | 書評ー小説:作者ア行

八月は冷たい城』(2018)は、夏流城(かなしろ)で4人の少年が緑色感冒に侵された肉親の死と向き合うために「林間学校」に参加します。主人公光彦(てるひこ)、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也、大柄でおっとりと話す耕介、そして唯一かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)を迎えに来た【夏の人】または【みどりおとこ】。

子どもたちは緑色感冒にかかった親に会うことは許されないが、死を間近に控えた患者はわが子を見ることができるようになっています。その体面が可能になるように、鐘が3度鳴ると子どもたちはお地蔵様の前に行くよう指示されます。

一度城に入ると、参加者の肉親が全員死亡するまで出られないことになっている中、彼らの命を狙っている何者かがいる気配があり、不安にさいなまされながら、光彦は【みどりおとこ】の正体やこの「林間学校」の意味について考え、幼馴染で女子部の方に参加している蘇芳と壁越しに議論します。はたして彼らは無事に城から出てくることができるのか?

奇妙な設定のサスペンスミステリーで、描写される子どもたちの会話や行動は青春ドラマのようですが、みんなが肉親の死に直面しているのでかなりヘビーです。それぞれがどのように親の死と向き合うかが問われています。【みどりおとこ】の正体に関してはホラーで、グロテスクですね。このため読後感はいまいちでした。

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三月・理瀬シリーズ

書評:恩田陸著、『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『黒と茶の幻想』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『黄昏の百合の骨』(講談社文庫)

関根家シリーズ

書評:恩田陸著、『Puzzle』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『六番目の小夜子』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『象と耳鳴り』(祥伝社文庫)

神原恵弥シリーズ

書評:恩田陸著、『Maze』&『クレオパトラの夢』(双葉文庫)

書評:恩田陸著、『ブラック・ベルベット』(双葉社)

連作

書評:恩田陸著、常野物語3部作『光の帝国』、『蒲公英草紙』、『エンド・ゲーム』(集英社e文庫)

書評:恩田陸著、『夜の底は柔らかな幻』上下 & 『終りなき夜に生れつく』(文春e-book)

学園もの

書評:恩田陸著、『ネバーランド』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『夜のピクニック』(新潮文庫)~第26回吉川英治文学新人賞受賞作品

書評:恩田陸著、『雪月花黙示録』(角川文庫)

劇脚本風・演劇関連

書評:恩田陸著、『チョコレートコスモス』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『中庭の出来事』(新潮文庫)~第20回山本周五郎賞受賞作品

書評:恩田陸著、『木曜組曲』(徳間文庫)

書評:恩田陸著、『EPITAPH東京』(朝日文庫)

短編集

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『私と踊って』(新潮文庫)

その他の小説

書評:恩田陸著、『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎単行本)~第156回直木賞受賞作品

書評:恩田陸著、『錆びた太陽』(朝日新聞出版)

書評:恩田陸著、『まひるの月を追いかけて』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『ドミノ』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『上と外』上・下巻(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『きのうの世界』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『ネクロポリス』上・下巻(朝日文庫)

書評:恩田陸著、『劫尽童女』(光文社文庫)

書評:恩田陸著、『私の家では何も起こらない』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『ユージニア』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『不安な童話』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『ライオンハート』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『蛇行する川のほとり』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ネジの回転 FEBRUARY MOMENT』上・下(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ブラザー・サン シスター・ムーン』(河出書房新社)

書評:恩田陸著、『球形の季節』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『夏の名残りの薔薇』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『月の裏側』(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『夢違』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『七月に流れる花』(講談社タイガ)

書評:恩田陸著、『八月は冷たい城』(講談社タイガ)

エッセイ

書評:恩田陸著、『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)


書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

2018年12月25日 | 書評ー小説:作者ア行

館シリーズの第8弾『びっくり館の殺人』(2006年、文庫は2010年発行)は「かつて子どもだったあなたと少年少女のために」と銘打って【少年少女向けの】ミステリーランドのために書かれた小説なだけあって、大人でも読めるとはいえ、やはり言葉使い・かな使いはもとより、プロットやトリックもやや単純です。また、回想部分の主人公「僕」が小学6年生であることも感情移入しにくい要因になっています。

主人公は大学生の永沢三知也で、ある日本屋で鹿谷門実の『迷路館の殺人』を手に取り、その中で言及されている建築家・中村青司と彼が関わった館について読んだことから、自分の少年時代に体験した「びっくり館」での出来事を回想します。1994年、当時小学6年生だった三知也は、いろんな噂の飛び交う兵庫県A**市六花町にある「びっくり館」に興味を持って覗きに行った際に、びっくり館に住む病弱であまり学校に行けないという少年・古屋敷俊生と友だちになり、誕生日には寄木細工のカラクリ箱を貰い、苦労して開けると、中には「Help us」と書かれた紙が入っていました。その意味するところは?

また俊生の誕生日には、彼の祖父・龍平(71)から屋敷の成り立ちやそこで起きた殺人事件などについてリリカと呼ばれるからくり人形を使った腹話術による「びっくり館縁起」というショーで知ることになります。2年前に母親に殺された俊生の姉・リリカは「悪魔の子」だったという。母親の精神錯乱によるものだけ?

クリスマスに招かれて行くと、祖父・龍平は「リリカの部屋」と呼ばれるびっくり箱の棚や隠し扉の仕掛けのある部屋で殺されており、その現場は「密室」でした。一緒に来ていた俊生の家庭教師・新名努とクラスメートの湖山あおいと相談して「対応」しますが、彼らのしたこととは?そして十数年ぶりに訪れたびっくり館で三知也が見たものとは?

密室殺人自体には複雑なトリックなどなく、語り方・レトリックによって「謎」が形成されているに過ぎません。そして締めくくりはホラー風です。そのへんがなんだか「子供騙し」な感じです。

暗黒館の殺人』同様、この作品でも島田潔こと推理作家・鹿谷門実の出番はほとんどありません。三知也少年が丘の上の公園からびっくり館の様子を見ている時、びっくり館をだめもとで訪ねた断られたという鹿谷門実に出会います。三知也少年にとってはただの「怪しいおじさん」でしたが、十数年後に手に取った『迷路館の殺人』の著者近影を見て、彼の正体を認識することになります。館シリーズはあくまでも中村青司の館たちが主体であり、素人探偵兼推理作家の島田潔こと鹿谷門実は主役ではないということでしょうかね。

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書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

2018年12月24日 | 書評ー小説:作者ア行

『暗黒館の殺人』(2004年、文庫は2007年発行)は、上下巻の『時計館の殺人』に優る長編で、これまでの館シリーズの集大成とも言うべき様々な要素がまさに「詰め込まれて」います。

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熊本の山奥の湖に浮かぶ島に建つ暗黒館の主人浦登柳士郎の息子玄児に東京で出会い、浦登家の大切な儀式「ダリアの宴」のある日程に合わせて(それとは知らされずに)招かれる大学で建築を学ぶ「私」。
一方、実家に帰った折に叔父に中村青司がかかわった暗黒館の話を聞いて、単身暗黒館に向かった江南孝明は地震のために車で事故を起こし、やむなく「見るだけ」のつもりだった暗黒館に助けを求めて敷地内に入り込み、十角塔のバルコニーから転落して記憶障害を起こし、客室の一つで休養せざるを得ない状況に。
山中に横たわる死体、門番兼ボート運転手の謎めいた事故、外出したきり帰らない玄児の叔父、近隣の村から冒険のつもりで暗黒館を目指した中学生・市朗、不気味な闇に閉ざされたような暗黒館の外装と内部、開かずの間、謎めいた儀式...
様々な不気味なピースが散りばめられ、まだそれらがどうつながっていくのか分からないかなり長い導入部と言えます。
建築家の中村青司ばかりでなく、「水車館」を建てた「幻視の画家」藤波一成の絵や、「時計館」の主人古峨倫典の会社古峨精計社に特注したからくり時計、そして、「迷路館」の主人宮垣杳太郎の署名本が登場します。

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2巻では浦登(うらど)家の薄気味悪い〈ダリアの宴〉の様子やその他さまざまな過去や関係が断片的に開示され、ますます謎が深まっていきます。玄児が「悪いようにはしない」と言いながら真実をきちんと語ろうとしないのはなぜなのか。
そして起こる連続殺人。嵐で外界から途絶された暗黒館で瀕死の門番を殺したのは誰なのか。また早老症の子供を産んで精神を病んでしまった、玄児の叔母・望和(もわ)を誰が殺したのか。その動機は?
また、迷い込んだ少年市朗はどうなるのか?
「私」の古い母の記憶の意味は何か?
様々な疑問を残したまま次巻へ続きます。

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3巻ではついに浦登家の秘密が玄児によって明かされますが、そのおどろおどろしいこと!特にダリア自身の魔女的行為とその最後が凄まじいです。玄児の母、そして玄児自身の出生の秘密も尋常ではありません。闇に憑りつかれた一家ということですね。

「私」の過去やいまだにぼんやりしている江南の過去の記憶が何度もリフレインしますが、それらがどう暗黒館または浦登家に関わってくるのか、気になります。
また、「視点」の主体が何なのかも。

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この最終巻でついにすべての謎が明かされますが、江南孝明の「視点」の不思議と浦登家の「不死」にまつわる不思議だけは不思議のまま残るという恩田陸的ファンタジー的締めくくりで、これまでの館シリーズとは趣を異にしています。
作中で詩人の名「中也」で呼ばれていた「私」の正体・中村青司といい、浦登家に娘婿に入っていた建築家・征順の旧姓「中村」といい、「中也」と同じ時期に(33年前)暗黒館に着て十角塔から落ちて記憶障害になった「江南(えなみ)」と「現在」において十角塔から落ちて意識不明となっていた「江南(かわみなみ)」孝明の体験の重なりといい、様々な偶然や符合が招く不思議ワールド。そして後の中村青司の館たちの要素の全てを持ち合わせていた「暗黒館」はまさに「始まりの館」だったというエピソード・ゼロ的な位置づけ。まるで呪われているかのように凄惨な事件が起こる中村青司の館たちの元祖ともいえる館ならば、「場」のもたらす不思議も許容しうるということでしょうか。
この作品がいろいろと詰め込まれている「集大成」であることは分かりますが、いまいち納得できない違和感が残ります。やはり「探偵小説」的感覚で読んでいたのに、恩田陸的ファンタジーワールドの結末になったというところが腑に落ちないというか。「意外な展開で読者を驚かせる」という推理小説の使命(?)は果たしているのでしょうけど… なんというか、こういう騙され方は望んでいなかったというか。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

2018年12月19日 | 書評ー小説:作者ア行

『黒猫館の殺人』(1992、新装改訂版は2014年発行)は館シリーズの第6作で、火災で重傷を負い、記憶を失った「黒猫館」の管理人だったらしい老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の依頼で、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と編集者・江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かうトラベルミステリー(?)です。鮎田冬馬が火災の際に唯一持ち出していた手記の内容をもとに、内容の真偽を確かめるために黒猫館の位置や所有者などを調査するといういささか地味な設定で、『人形館の殺人』の大掛かりな仕掛けやスペクタクルなエンディングとは対照的です。

確かに黒猫館の本当の所在地は意外でしたが、手記に記されていた自殺を模した密室殺人のトリックと犯人は、「まあ、そうだろうね」という感じで想定内の結末だったので、全体的にいまいちぱっとしない印象を受けました。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

2018年12月19日 | 書評ー小説:作者ア行

『時計館の殺人』(1991、新装改訂版は2012年発行)は館シリーズの第5作で、第45回日本推理作家協会賞を受賞した長編。

「時計館」は古峨精計社前会長の古峨倫典が本シリーズでお馴染の奇矯な建築家中村青司の助けを借りて建てた館で、旧館には数多い時計が保管されています。時計塔のある新館は娘の永遠(とわ)の死後に建て、完成後まもなく古峨倫典は死亡し、養子の由季弥が相続し、実質的な管理は伊波紗世子が請け負っていました。ここには少女の幽霊が出るという噂があり、オカルト雑誌がそこへW**大学超常現象(ミステリー)研究会のメンバーとともに取材に行くことになります。その雑誌の新米編集者は、かつて「十角館」で島田潔と行動を共にした江南孝明で、彼が島田潔こと新進推理作家鹿谷門実にこの企画のことを知らせたため、彼も取材班とは別に時計館を訪ねることになります。最初の訪問では伊波紗世子に断られますが、後で推理作家の推理力を買われ、故古峨倫典が残した不可解な「沈黙の女神」の詩の謎解きを依頼されます。こうして彼が新館で、時計館にまつわる過去と詩の意味を調査している間に、旧館にこもって交霊会をやる予定だった取材班のメンバーたちが霊媒師の光明寺美琴(こと寺井光江)が姿を消したのを皮切りに次々と仮面をかぶった殺人鬼に殺害されて行きます。凶器は時計館にある時計。外へ出るための鍵は光明寺美琴が持っていたため、メンバーたちは逃げることもかなわず戦々恐々としながら時を過ごす羽目になります。最終的な死者数は前4作に比べて多く、犯人も含めて11人という凄まじさ。 もうホラーです。

中村青司の関わった建物なので、当然隠し通路などがあるのですが、仕掛けはそればかりではなく、最後に時計塔が崩れて倒れて行く様は大掛かりな仕掛けでドラマチックです。警察が「犯人」を特定して処理した後、鹿谷門実が「沈黙の女神」の詩の謎解きをする際に真犯人とそのアリバイのトリックを明かすのですが、それは「時計館」という舞台装置ならではのトリックで、驚愕の一言です。館シリーズの館たちはただの舞台ではなく、館自体に意味があるということですね。

それにしても怖かったですね。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

2018年12月17日 | 書評ー小説:作者ア行

『人形館の殺人』(1989、新装改訂版は2010年発行)は館シリーズの第4作ですが、先行3作品とは趣を異にしており、島田潔の大学時代の友人だという飛龍想一の一人称で語られます。飛龍想一の父高洋が亡くなり、彼の生前住んでいた京都の屋敷に叔母で育ての母である池尾沙和子と住むことになります。離れの洋館は「緑影荘」というアパートになっており、そこには管理人夫婦と3人の間借り人が住んでいます。父高洋は彫刻家でしたが、自宅ではマネキンを製作していたらしく、屋敷内にもアトリエにも一部の欠けたマネキンが置かれており、遺言によってそれらは動かしてはならないことになっていました。これらのマネキンが「人形館」の由来なわけですが、このシリーズでお馴染の奇矯な建築家中村青司の手掛けた家かどうかは不明です。

ストーリーは想一が、彼に過去の罪を思い出させようとする脅迫状を受取り、様々な嫌がらせ(マネキンに血のような赤絵具が塗られる、郵便受けにガラス片が入れられる、猫の死骸が庭に置かれるなど)を受けながら、自分の「過去の罪」とは何かを思い出そうとすることで進行していきます。想一以外入れないはずのアトリエが荒らされ、鍵をかけたはずの母屋の叔母の寝室の石油ストーブから出火して叔母が亡くなり、さらに想一の又従兄弟にあたるアパートの住人の一人が「密室」で殺されます(警察では「自殺」として処理)。これらのことすべてを行う脅迫者「—」とは誰なのか、それがこのミステリーの焦点です。

ご存知の方にはネタバレになってしまいますが、この作品は夢野久作の『ドグラ・マグラ』の系譜に連なるものですね。あまり好みでないタイプです。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

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書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

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書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

2018年12月17日 | 書評ー小説:作者ア行

『迷路館の殺人』(1988、新装改訂版は2009年発行)は館シリーズの第3作。先行2作品とは違って、この作品では「迷路館」で起きた実話をもとにした小説『迷路館の殺人』が島田に謹呈され、島田がこれを読むという作中作の構成になっています。この小説の作者は鹿谷門実(ししやかどみ)となっており、作中にも名前を変えて登場すると宣言しているので、作中作で繰り広げられる連続殺人の犯人とトリック探しの他に、この鹿谷門実が誰かという謎解きが加わり、非常に凝った構成になっています。

作中作の『迷路館の殺人』では、引退して迷路館に引きこもった推理作家宮垣葉太郎(60)が若手推理作家4人、評論家1人、編集者1人とその妻およびファン1人(島田潔)を1987年4月1日の還暦祝いパーティーに招きます。招待者らが到着した後しばらくして、宮垣の秘書から宮垣が自殺を図ったことが知らされ、遺言が公開されます。その遺言とは、十数億円に及ぶ彼の遺産の半分を彼の名を冠した文学賞の創設に回し、後の半分を招かれた4人の作家のうちの一人に相続させるというもので、そのために推理小説コンテストを行い、作家らは5日間のうちに四百字詰め原稿用紙百枚程度に迷路館を舞台にした推理小説を書き、それ以外の招待客がこれらの作品を審査して相続人を決定する、というものでした。そして、相続人が決定するまで館外に出ることは禁じられ、もし出た場合はコンテスト自体が中止となり、遺言は無効になるという制約がつきます。こうして迷路館に閉じ込められる事態となった後に作家らが次々と殺害されることになります。この作中作では典型的な「バールストン先攻法(ギャンビット)」が使用されているため、大筋は簡単に読めますが、舞台が今は亡き奇矯な建築家中村青司の建てた地下迷路のある館(地上階はない)であるため、カラクリの存在は想像できても、実際にどんなカラクリかは分からないのでワクワクしながら読めます。また、迷路館の部屋がギリシャ神話のミノタウロス関係者に因んで名づけられているところも雰囲気満点です。

どんでん返しが来るのはこの作中作『迷路館の殺人』が終わった後で、「やられた!」と思わずにはいられませんでした。鹿谷門実が誰かが明かされるばかりでなく、作中に仕込まれたある意図も明らかにされ、唖然としてしまいました。作中作構成にした意味がここにあったのかと納得のいく結末でした。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

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書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

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書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

2018年12月16日 | 書評ー小説:作者ア行

『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(2008)は館シリーズの第2作で、岡山の山間に今は亡き建築家・中村青司によって建てられた3つの水車を持つ館「水車館」で起こる連続殺人事件の物語です。館の主人藤沼紀一(ふじぬまきいち)は有名な幻想画家藤沼一成(ふじぬまいっせい)の息子で、事故で傷ついた顔を下面で隠し、病死した一成の弟子の娘由理絵を形ばかりの妻として世間から隠れるように暮らしていますが、1年に1度、一成の命日である9月28日だけは一成と昔馴染みである4名を水車館に招き、絵画コレクションの鑑賞を許すことになっていました。1985年9月28日は、客たちが全員到着する頃には台風による暴風雨が始まっており、そんな中で住み込み家政婦が当のバルコニーから水路へ落ちて亡くなります。道路が土砂で不通となり、警察が翌朝まで来れないその夜、客の一人である古川恒仁(ふるかわつねひと、島田潔の友人)が「消失」し、さらにコレクションの一つの絵が無くなり、誰かが逃げる姿を見たと言って追いかけて行った館の居候・正木慎吾が翌朝焼却炉の中でバラバラにされた焼死体となって発見されます。その焼死体が正木のものと推定されたのは、焼却炉前に落ちていた左手の薬指が指輪の跡や血液型が彼のものと一致したからでした。警察では古川が正木を殺害し、絵を盗んで逃走したものとして捜査されますが、未解決のまま1年が経ち、古川を除く客たちがまた水車館に招かれます。そこへ友人の嫌疑に疑問を持った島田潔が招かざる客としてやってきます。そして、過去の事件を検証する間にもまた新たな殺人が起こります。

焼死体(顔のない死体)、残された身元証明のための指、行方不明者、そして仮面の男、と来れば、ミステリーを読み慣れている人ならすぐに「被害者と加害者の入れ替え」「バールストン先攻法(ギャンビット)」などの王道のトリックが思い浮かび、大筋の見当がついてしまいますが、この作品の面白いところは「犯人は誰か」という謎解きではなく、カラクリを依頼主に内緒でよく仕込んだといわれる変わった建築家中村青司による人里離れた館、そして嵐に閉ざされているという舞台設定の醸し出す雰囲気と、どんなカラクリが水車館に仕込まれているのか、そしてそれがどのように犯罪に利用されたのかを探るところにあります。1年前の事件と現在の状況・事件が交互に語られるところも面白いです。

最後に藤沼一成の最後の大作となったずっと非公開だった絵がついに明かされるところがファンタジックで印象的です。ずっと非公開だった理由はそれだったのか!と納得できる物語の締めくくりとなっています。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

2018年12月16日 | 書評ー小説:作者ア行

『十角館の殺人』(1987、文庫は2007年発行)は文藝春秋の東西ミステリーベスト100(2012)の第8位にランクインしている日本の本格ミステリーの一つで、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』をなぞったオマージュ作品、無人島に集まった男女が外界との連絡手段がないまま次々に殺されていく話です。もちろん動機や使われたトリックも違いますし、犯人が死なないという点も違います。

舞台となるのは角島と呼ばれる個人所有だった小さな島で、そこでは半年前に所有者中村青司とその妻および使用人夫婦が青屋敷と呼ばれる本館で殺害された上焼死体となって発見された曰く付きの場所。この四重殺人の犯人はその事件以来行方不明となっている庭師と推測されているものの腑に落ちない謎が多く残っている状況です。その島には建築家であった中村青司が自ら建てた十角館と呼ばれる別館が残っており、その物件を不動産業者が買い取り、その甥が大学のミステリー研究会のメンバーに島を訪れることを提案します。こうして5人の男と2人の女が角島へ集まって1週間滞在することになります。彼らは本名ではなく海外のミステリー作家の名前を渾名として呼び合っており、それ自体が犯人を読者から隠すトリックとなっています。

角島に行ったミステリー研究会のメンバーとは別に、元メンバーである江南孝明(かわみなみたかあき)のもとに「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」というワープロ打ちの手紙が死んだはずの「中村青司」から届きます。ちょうど春休みで暇を持て余していた彼はこの手紙の謎を追及する過程でこの館シリーズの探偵(?)島田潔と知り合い、共に半年前の事件の解明に向かいます。

ストーリーは島の状況と本土での調査状況が交互に語られながら進行していきます。次々に殺害されていく様子は『そして誰もいなくなった』に似ているところがかなりありますが、磁器の人形が壊される代わりに「第一犠牲者」「第二犠牲者」「第三犠牲者」と書かれたプレートが犠牲者の部屋のドアに貼られて行きます。これらのプレートは島に上陸した翌朝に十角館の中央ホールに並べられます。「犠牲者」のプレートは5人分で、後は「探偵」と「殺人犯人」と書かれたプレート。それが本当に殺人予告なのかミステリーファンならではのただのいたずらなのか議論になりますが、残念ながら本物の殺人予告であったことが翌朝に明らかになります。

犯人の独白が最後にあり、一見裁きを逃れたかに見えるのですが、最後の最後で「審判」が来るところが物語として引き締まった終わり方で素晴らしいと思いました。探偵の島田が「犯人を突き止めた」と明言せずに暗示に留めているところもすっきりしていい印象を受けました。


書評:綾辻行人著、『十角館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『水車館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『迷路館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『人形館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『時計館の殺人〈新装改訂版〉上・下』(講談社文庫)~第45回日本推理作家協会賞受賞作

書評:綾辻行人著、『黒猫館の殺人〈新装改訂版〉』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『暗黒館の殺人』全4巻(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『びっくり館の殺人』(講談社文庫)

書評:綾辻行人著、『奇面館の殺人』(講談社文庫)


書評:恩田陸著、『夢違』(角川文庫)

2018年12月07日 | 書評ー小説:作者ア行

『夢違』は一度読んだような気がしたのですが、書評を書いていなかったので確信が持てず、内容も思い出せなかったので読んでみることにしました。そしてかなり後半まで読んでから、やっぱり読んだことがあると確信いたしました。当時書評を書かなかったのは忙しさに取り紛れてしまったか、または感想がまとまらなかったといった理由のような気がします。

夢が可視化できる時代、「獏」と呼ばれる夢を読み取る機械は日本では心理療法分野に特化して使用されていた―という設定は、面白い未来ファンタジーだと思います。主人公は「夢判断」を職業とする野田浩章という男性で、ある日この夢読み取り(夢札を引く)技術の初期から被験者として関わって来た予知夢を見る古藤結衣子という女性の幽霊を見るという体験をするところから物語が始まります。古藤結衣子は彼の兄の婚約者でしたが、予知夢の件で世間の注目を浴びてしまった後は浩章の方が兄よりもむしろ親しい関係にあったという少々複雑に絡んで抑制された恋愛感情が、この物語の根底に仄かに流れています。彼女は10年以上前に火災事故で亡くなったことになっている(死体が確認できなかったため)ので「幽霊」なのですが、浩章が彼女の幽霊を見た日に同僚との見に行った先で彼女とかかわりの深かったドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が不自然にリピートされていた、というこれからの物語の展開を暗示するような不思議な出来事があります。その後で次の仕事の話があり、全国で散発しているらしい小学生たち(常に一クラスのみの生徒たち)が「何かが教室に入ってきた」とパニックを起こし、その後一部の子たちが悪夢を見続けるという事件の当事者の子どもたちの夢札を見ることになります。子どもたちの夢から実際に何が起きたのかを分析しようという試みでしたが、謎は深まるばかりで、そうこうしているうちにある小学校の1クラス全員が担任の先生とともに神隠しに会うという事件が起こります。子どもたちの集団パニックと神隠し、それにちらほらと見える古藤結衣子の影は関係があるのか、あるとしたらどのように関係しているのか、という謎を追うミステリーは非常に興味深くドキドキしながら読み進みました。

が、しかし、これらの謎はまあ、おおよそはファンタジー的に解明されるのですが、そこまでの話の流れにそぐわないような納得しがたい結末が非常に残念です。ページ数の関係で話をぶった切ったのかと疑いたくなるほど、前後の繋がりが希薄で、謎を残したまま暗示的にフェードアウトする感じです。クライマックスまですごく面白かったのに、「え、これだけ?」というエンディングは腹立たしいですね。自分でエンディングを書き換えたいくらい(笑)


三月・理瀬シリーズ

書評:恩田陸著、『三月は深き紅の淵を』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『麦の海に沈む果実』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『黒と茶の幻想』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『黄昏の百合の骨』(講談社文庫)

関根家シリーズ

書評:恩田陸著、『Puzzle』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『六番目の小夜子』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『象と耳鳴り』(祥伝社文庫)

神原恵弥シリーズ

書評:恩田陸著、『Maze』&『クレオパトラの夢』(双葉文庫)

書評:恩田陸著、『ブラック・ベルベット』(双葉社)

連作

書評:恩田陸著、常野物語3部作『光の帝国』、『蒲公英草紙』、『エンド・ゲーム』(集英社e文庫)

書評:恩田陸著、『夜の底は柔らかな幻』上下 & 『終りなき夜に生れつく』(文春e-book)

学園もの

書評:恩田陸著、『ネバーランド』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『夜のピクニック』(新潮文庫)~第26回吉川英治文学新人賞受賞作品

書評:恩田陸著、『雪月花黙示録』(角川文庫)

劇脚本風・演劇関連

書評:恩田陸著、『チョコレートコスモス』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『中庭の出来事』(新潮文庫)~第20回山本周五郎賞受賞作品

書評:恩田陸著、『木曜組曲』(徳間文庫)

書評:恩田陸著、『EPITAPH東京』(朝日文庫)

短編集

書評:恩田陸著、『図書室の海』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『朝日のようにさわやかに』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『私と踊って』(新潮文庫)

その他の小説

書評:恩田陸著、『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎単行本)~第156回直木賞受賞作品

書評:恩田陸著、『錆びた太陽』(朝日新聞出版)

書評:恩田陸著、『まひるの月を追いかけて』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『ドミノ』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『上と外』上・下巻(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『きのうの世界』上・下巻(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『ネクロポリス』上・下巻(朝日文庫)

書評:恩田陸著、『劫尽童女』(光文社文庫)

書評:恩田陸著、『私の家では何も起こらない』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『ユージニア』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『不安な童話』(祥伝社文庫)

書評:恩田陸著、『ライオンハート』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『蛇行する川のほとり』(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ネジの回転 FEBRUARY MOMENT』上・下(集英社文庫)

書評:恩田陸著、『ブラザー・サン シスター・ムーン』(河出書房新社)

書評:恩田陸著、『球形の季節』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『夏の名残りの薔薇』(文春文庫)

書評:恩田陸著、『月の裏側』(幻冬舎文庫)

書評:恩田陸著、『夢違』(角川文庫)

書評:恩田陸著、『七月に流れる花』(講談社タイガ)

書評:恩田陸著、『八月は冷たい城』(講談社タイガ)

エッセイ

書評:恩田陸著、『酩酊混乱紀行 『恐怖の報酬』日記』(講談社文庫)

書評:恩田陸著、『小説以外』(新潮文庫)

書評:恩田陸著、『隅の風景』(新潮文庫)