☆たくさんの映画が公開される土曜日であったが、私は、仕事であった。
しかも、遅番であり、レイトショーを観るのも難しいと思われた。
ならば、と、仕事の前に一本観ようと、MOVIX昭島に。
時間が丁度良いのは『マックス・ペイン』で、それを観ようと思ったのだが、ヒロインが、私の姪っ子にそっくりのオルガ・キュリレンコだったので、これは日を改めて、姪っ子と一緒に観に行キュレリンコ! と思うのだった(←バカ)。
で、次に時間が具合いいのが、『クレヨンしんちゃん オタケべ! カスカベ野生王国』だった。
私は、前作の『クレヨンしんちゃん:ちょー嵐を呼ぶ 金矛(きんぽこ)の勇者』(クリック!)に非常に感動してしまった口で、
今回の『クレしん』も観に行くつもりだったが、まさか、仕事前に、仕事のユニフォームを着て、その公開日に、四十路男一人で観に行くことになるとは夢にも思わなかった^^;
MOVIX昭島では、ポイントが4回分ほど溜まっていて、私は、いつものネット予約ではなく、カウンターに並んでポイントを鑑賞チケットに交換したのだが、そこに凄まじい美少女(12歳くらいか)がいたので、私はときめいた☆
この子、前にも見たような気がする。
前世の記憶かも知れない。
もし、話す機会があったら、私が最近考えたギャグを披露したいと思った。
「モンドセレクション受賞のうまい棒ッ!!!」
・・・・・。
◇
『クレヨンしんちゃん』最新作は素晴らしかった。
その完成度で言ったら、感動したはずの前作の3倍は見事な出来だった。
前作は、部分的に突出した魅力があったが、CGの使い方が無様であったり、しんちゃん一人の冒険であり、野原家や春日部市のメンバーが脇に追いやられていた、…敵の世界観が狭かった、などの理由で、どうも完成度は低かった。
今回は、そんな欠点がなくなり、物語全般が高いレベルを保っており、その中で、物語の進行を通して、見ているこちらの情動を更に高みに連れて行ってくれた。
◇
春日部でのしんちゃんの日常があった。
この日常がちゃんと描かれていてこそのしんちゃんの個性の際立ちがある。
キビキビしたお母さんも、マイペースのお父さんも、いかにも「らしく」、妹のひまわりは、こおろぎさとみの声も含めて可愛く、シロはペタンコである。
朝食の目玉焼きに代表できるような描き込みも、青ジャケット時代の『ルパン三世』のリアルがあり、マンガでありながら、その物理法則は現実と同じだよと教えてくれている。
そんな中で、町内で、やや過剰なゴミの分別が始まる。
新しい町長が、過激エコロジストだったのだ。
新興宗教にも似たパワーで、そのエコロジーは、春日部を席巻していく。
そして、時を同じくして、しんちゃんの両親が動物化していくのだった。
・・・しんちゃんが拾ってきたジュースをそれと知らずに飲んでしまった両親、それは、「人間こそが地球を汚す」と考えた新町長の、「人間動物化薬」であった。
動物になってしまい、外に出れなくなってしまった両親、とりあえず、母親ミサエは、ご飯を作ろうと、コンロの火をつける。
しかし、急に恐怖を感じてしまうミサエ。
「どうした?」と、ニワトリになった父親ヒロシが「コ、コ、コ、コケ…」とやってくるが、やはり、彼も急に怯えてしまうのだ。
答えは簡単、動物になってしまったので、火を恐れる体質になってしまったのだ。
これは、物語上、あまり意味はないのであるが、そういった些細な描写が、物語にリアリティを呼ぶ。
アクション仮面シャンプーの伏線なんかも、小さなアイテムだが、世界観構築としては大きな意味のあるものである。
また、ミサエは、豹になってしまうのだが、ここのエピソードでの、火から飛びのく動きの演出など、実に見事であった。
「女豹」になったミサエだが、もうちょい写実的な絵柄だったら、なかなかエロかったと思う^^;
◇
両親は、エコロジー軍団に襲われるのだが、その逃走カーチェイスのシーンが面白かった。
色んなアクションをするのだが、その動きにいちいち必然性があり、意味もあるし、ギャグも含まれていた。
助けてくれる謎の女・ビッキーが、各種兵器を必ず紙袋の中から取り出すのも面白いし、
エコロジーのために人力車に改造された乗用車を、ヒロシとミサエが交互に運転する展開も面白い。
追っ手のエコロジー軍団が、陸上ヨットで、橙色の夕焼けの中、通りを滑走してくる絵面もシュールだ。
◇
今回は、しんちゃんの友達の活躍も顕著だ。
メンバーは『ちびまるこちゃん』の仲間のように個性を突出させていないが、ここでもリアルな園児像が描かれ、それぞれの現実的な個性がある。
友達4人は、両親と同じく動物になってしまう。
他の仲間は、変身した動物の特性で、エコロジー軍団と戦う。
しかし、いつもは利発な風間君が、ペンギンと言う特殊能力のない動物に変身し、しんちゃんらに嫌味を言われるのは面白かった。
まあ、最後には活躍するのだが、私が作り手ならば、風間君には、今回、最後まで活躍させないな、そのほうが面白い^^;
前作ほどではないにしても、5歳のしんちゃんたちは、何やら得体の知れない集団と戦う。
5歳なんてのは、私の甥っ子もそうだが、大人の前にあっては全くの無力である。
私は、その2頭身の子供たちの活躍を見ていると、私が子供の頃に読んでいた、今はうろ覚えのジョージ秋山のマンガ『花のよたろう』を思い出すのだった・・・。
◇
今回の物語の肝は、動物化して、人間だった頃の記憶を失いつつあるミサエとしんちゃんの母子の絆である。
割とオーソドックスな展開で感動させるのだが、その前の段階は強烈だ。
人間であった頃の記憶を喪失した豹ミサエは、再会したがっていたしんちゃんに襲いかかるのだ。
ここで、しんちゃんは、猛獣であるミサエにコテンパンにされる。
文字通り、コテンパンにされるのだ。
しかも、そのシーンは長い。
流血こそ、ご法度のようであるが、しんちゃんはズタボロに傷ついていく。
このシーンは、ショッキングであった。
幾らなんでも、やりすぎじゃないか・・・、と思った。
私は、このシーンの是非を、いまだつけられないでいる・・・。
◇
そして、町長との最終対決。
遂に、しんちゃんも変身する!
しかし、ちゃんとギャグ属性にあった動物化である。
ここは、安易にドラゴン化させて、その上乗せの面白さを放棄した映画『ケロロ軍曹4』のスタッフには勉強して欲しいところだ。
ひまわりも意外な動物に変身して、さて、野原ファミリーで「未来への最終決戦」だ!!!
それぞれが、キメラに変身した町長に戦いを挑む。
相変らず、ニワトリのヒロシは口だけなのだが、シロの攻撃が、「おしっこマーキング」だったのは笑ったし、細かいところまで鋭いギャグを忘れていない作り手に感心した。
これは間違いなく、『ケロロ』よりも、『ドラえもん』よりも、『コナン』『アンパンマン』よりも楽しめる作品だと思うぞ^^v
(2009/04/18)
しかも、遅番であり、レイトショーを観るのも難しいと思われた。
ならば、と、仕事の前に一本観ようと、MOVIX昭島に。
時間が丁度良いのは『マックス・ペイン』で、それを観ようと思ったのだが、ヒロインが、私の姪っ子にそっくりのオルガ・キュリレンコだったので、これは日を改めて、姪っ子と一緒に観に行キュレリンコ! と思うのだった(←バカ)。
で、次に時間が具合いいのが、『クレヨンしんちゃん オタケべ! カスカベ野生王国』だった。
私は、前作の『クレヨンしんちゃん:ちょー嵐を呼ぶ 金矛(きんぽこ)の勇者』(クリック!)に非常に感動してしまった口で、
今回の『クレしん』も観に行くつもりだったが、まさか、仕事前に、仕事のユニフォームを着て、その公開日に、四十路男一人で観に行くことになるとは夢にも思わなかった^^;
MOVIX昭島では、ポイントが4回分ほど溜まっていて、私は、いつものネット予約ではなく、カウンターに並んでポイントを鑑賞チケットに交換したのだが、そこに凄まじい美少女(12歳くらいか)がいたので、私はときめいた☆
この子、前にも見たような気がする。
前世の記憶かも知れない。
もし、話す機会があったら、私が最近考えたギャグを披露したいと思った。
「モンドセレクション受賞のうまい棒ッ!!!」
・・・・・。
◇
『クレヨンしんちゃん』最新作は素晴らしかった。
その完成度で言ったら、感動したはずの前作の3倍は見事な出来だった。
前作は、部分的に突出した魅力があったが、CGの使い方が無様であったり、しんちゃん一人の冒険であり、野原家や春日部市のメンバーが脇に追いやられていた、…敵の世界観が狭かった、などの理由で、どうも完成度は低かった。
今回は、そんな欠点がなくなり、物語全般が高いレベルを保っており、その中で、物語の進行を通して、見ているこちらの情動を更に高みに連れて行ってくれた。
◇
春日部でのしんちゃんの日常があった。
この日常がちゃんと描かれていてこそのしんちゃんの個性の際立ちがある。
キビキビしたお母さんも、マイペースのお父さんも、いかにも「らしく」、妹のひまわりは、こおろぎさとみの声も含めて可愛く、シロはペタンコである。
朝食の目玉焼きに代表できるような描き込みも、青ジャケット時代の『ルパン三世』のリアルがあり、マンガでありながら、その物理法則は現実と同じだよと教えてくれている。
そんな中で、町内で、やや過剰なゴミの分別が始まる。
新しい町長が、過激エコロジストだったのだ。
新興宗教にも似たパワーで、そのエコロジーは、春日部を席巻していく。
そして、時を同じくして、しんちゃんの両親が動物化していくのだった。
・・・しんちゃんが拾ってきたジュースをそれと知らずに飲んでしまった両親、それは、「人間こそが地球を汚す」と考えた新町長の、「人間動物化薬」であった。
動物になってしまい、外に出れなくなってしまった両親、とりあえず、母親ミサエは、ご飯を作ろうと、コンロの火をつける。
しかし、急に恐怖を感じてしまうミサエ。
「どうした?」と、ニワトリになった父親ヒロシが「コ、コ、コ、コケ…」とやってくるが、やはり、彼も急に怯えてしまうのだ。
答えは簡単、動物になってしまったので、火を恐れる体質になってしまったのだ。
これは、物語上、あまり意味はないのであるが、そういった些細な描写が、物語にリアリティを呼ぶ。
アクション仮面シャンプーの伏線なんかも、小さなアイテムだが、世界観構築としては大きな意味のあるものである。
また、ミサエは、豹になってしまうのだが、ここのエピソードでの、火から飛びのく動きの演出など、実に見事であった。
「女豹」になったミサエだが、もうちょい写実的な絵柄だったら、なかなかエロかったと思う^^;
◇
両親は、エコロジー軍団に襲われるのだが、その逃走カーチェイスのシーンが面白かった。
色んなアクションをするのだが、その動きにいちいち必然性があり、意味もあるし、ギャグも含まれていた。
助けてくれる謎の女・ビッキーが、各種兵器を必ず紙袋の中から取り出すのも面白いし、
エコロジーのために人力車に改造された乗用車を、ヒロシとミサエが交互に運転する展開も面白い。
追っ手のエコロジー軍団が、陸上ヨットで、橙色の夕焼けの中、通りを滑走してくる絵面もシュールだ。
◇
今回は、しんちゃんの友達の活躍も顕著だ。
メンバーは『ちびまるこちゃん』の仲間のように個性を突出させていないが、ここでもリアルな園児像が描かれ、それぞれの現実的な個性がある。
友達4人は、両親と同じく動物になってしまう。
他の仲間は、変身した動物の特性で、エコロジー軍団と戦う。
しかし、いつもは利発な風間君が、ペンギンと言う特殊能力のない動物に変身し、しんちゃんらに嫌味を言われるのは面白かった。
まあ、最後には活躍するのだが、私が作り手ならば、風間君には、今回、最後まで活躍させないな、そのほうが面白い^^;
前作ほどではないにしても、5歳のしんちゃんたちは、何やら得体の知れない集団と戦う。
5歳なんてのは、私の甥っ子もそうだが、大人の前にあっては全くの無力である。
私は、その2頭身の子供たちの活躍を見ていると、私が子供の頃に読んでいた、今はうろ覚えのジョージ秋山のマンガ『花のよたろう』を思い出すのだった・・・。
◇
今回の物語の肝は、動物化して、人間だった頃の記憶を失いつつあるミサエとしんちゃんの母子の絆である。
割とオーソドックスな展開で感動させるのだが、その前の段階は強烈だ。
人間であった頃の記憶を喪失した豹ミサエは、再会したがっていたしんちゃんに襲いかかるのだ。
ここで、しんちゃんは、猛獣であるミサエにコテンパンにされる。
文字通り、コテンパンにされるのだ。
しかも、そのシーンは長い。
流血こそ、ご法度のようであるが、しんちゃんはズタボロに傷ついていく。
このシーンは、ショッキングであった。
幾らなんでも、やりすぎじゃないか・・・、と思った。
私は、このシーンの是非を、いまだつけられないでいる・・・。
◇
そして、町長との最終対決。
遂に、しんちゃんも変身する!
しかし、ちゃんとギャグ属性にあった動物化である。
ここは、安易にドラゴン化させて、その上乗せの面白さを放棄した映画『ケロロ軍曹4』のスタッフには勉強して欲しいところだ。
ひまわりも意外な動物に変身して、さて、野原ファミリーで「未来への最終決戦」だ!!!
それぞれが、キメラに変身した町長に戦いを挑む。
相変らず、ニワトリのヒロシは口だけなのだが、シロの攻撃が、「おしっこマーキング」だったのは笑ったし、細かいところまで鋭いギャグを忘れていない作り手に感心した。
これは間違いなく、『ケロロ』よりも、『ドラえもん』よりも、『コナン』『アンパンマン』よりも楽しめる作品だと思うぞ^^v
(2009/04/18)