誰がほんとの私を 知っているでしょう
知られたくない 教えられない
背中合わせの あぶなさを
生きてみる… それが今の私 慰める
たったひとつの救いだから
誘われる昼間より
誘う夜に燃えたい
長く女つづけて
はじめて私は女になれた
どうせ世間は 小細工めいた仕組みなら
流れたくない 変わるしかない
表ばかりを 見てるより
断ち切れる… せめて熱い何か 欲しいだけ
背くつもりはないのだから
陽に映える花よりも
闇にひらく夜顔(よるがお)
べつの女 演じて
はかない命で終わるもいい と
よもやま:1977年の日本での歌手デビュー以後、35年目になったキム・ヨンジャ。
このブログでは3篇UPしていて
・映画「EYES WIDE SHUT」 をイメージにたいそうエロティックで官能な「月光雨」
・2011年に亡くなった何人かの歌手への哀悼をこめた「手向け舟」
・好きだったTVドラマからイメージした「黒い魔蝶」 と
それぞれに趣のある個性的な詞ばかり。
この人は大変フィールドの広い歌手で、レパートリーもさまざまで
ある意味それが散漫になり固定層もばらつく感がある。
とはいえ日本クラウン在籍も長くなり、いずれまたいい作品に出会いヒットを勝ち取るだろう。
さて今回の書き下ろ詞は映画「夜顔」がイメージだが
個人的には同じ女優の「昼顔」のほうが秀逸だった。
こういった詞はキム嬢しか唄えないジャンルではあるが、キワモノになってはいけない。
書き手も女性の深層心理を理解しないと、ただの映画のなぞりになるだけ。
『この歌手のお勧め曲』1.「北の雪虫」2.「さいはて列車」3.「涙の鎖」