銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

ラースと、その彼女△▼彼女は雪のある日、彼の元に・・・・。

2009-01-05 | 映画:ミニシアター

彼女は雪のある日、ラースの元にやって来た。名前はビアンカ。

12月26日、「リダクデッド」の前に、この作品を鑑賞しました。同じく京都シネマにて。

ラース(ライアン・ゴズリング)は、アメリカ中西部の小さな田舎町で暮らしている。仕事は事務職。兄のガス(ポール・シュナイダー)と妻カリン(エミリー・モーティマー)が住む家の敷地にあるガレージを改造して住んでいる。幼いころの辛い経験から、人とのつながりを避けて生活し、社交といえば、毎週の教会への参列と会社の作業スペースを共有する仕事仲間とのおしゃべりくらいのものだ。

そんなラースに義姉のカリンは、何とかコミニュケーションをはかろうと食事に招待するが辞す。職場の若い女性マーゴ(ケリ・ガーナー)の明らかな誘いからも逃げ、ひと目を避けた孤独な人生を送っている。何とかカリンは、ラースに心を開けてもらい、交流を持とうと試みるが、失敗の毎日だった。

そんなある日、兄夫婦の家にラースがやって来た。何と「紹介したい人がいるんだ」と・・・・・。内気な弟にとうとう彼女が出来たとふたりは大喜びするが・・・・・。それもつかの間、ラースが連れて来たのは、インターネットで特注した等身大の“リアルドール”だったのだ!誰が見てもあきらかに彼女が“人形”だという分かるのだが。

ラースは真剣な面持ちで、この人形を“ビアンカ”と呼び、彼女はブラジル人とデンマーク人のハーフであると。そのうえに、彼女は修道女に育てられた敬虔な女性なのだと説明する。

これにより、兄ガスは弟が正気を失ったと呆然とする。カリンはこの現状を打破しようと、かかりつけのドクター、ダグマー医師(パトリシア・クラークソン)に状況を相談する。

この状況をダグマー医師は、“全てラースの妄想だが、周りの人が彼の世界を受け入れてあげることが、問題の解決につながることかもしれない”と助言。

※このドクターは凄いなあと思いましたね。確かにおかしいけど、その状態の彼をありのままを受け入れることって大事ですよね。

ここからがもっと凄い!兄夫婦がやったこと。感動的ですよ。ガスとカリンは自分たち夫婦だけでは彼の世界を支えきれないと判断し、町のコミュニティにも理解を求めた。住民たちはラースに対する愛情からこの奇怪なオファーを受け入れ、ラースの話に波長を合わせてビアンカを生身の女の子として扱うことに協力する。


ディナーの時も、ビアンカに優しく接するラース。兄夫婦は理解しつつも複雑な心境。

 

ビアンカは人気者になってしまう。

住民たちも、最初は渋々だったが、やがてビアンカの存在は皆の心を動かしていく。ビアンカはデイケアやボランティアに参加することで、コミュニティーのメンバーとなり、町の人たちも、彼女の面倒をみるために団結し、いつしか住民同士の交流が再生する。もちろんラースにも大きく影響し、彼はビアンカが町に溶け込んでいく姿に苛立ちを見せる。そのことは、二人の関係にギクシャク感をもたせることに。

しかしその真の原因はラースがマーゴに対して愛情という感情を抱き始めたことにあった。その気持ちにラースは自分で気づき始めたとき、ビアンカは病に倒れてしまう!

ラースは、マーゴとデイトに行くことに・・・・。人を避けていたラースがだ!

ビアンカの運命をコントロールできるのはラースだけ。さて一体ビアンカはどうなってしまうのか?家族や町の人たちの心配をよそに、ラースの心は新しい一歩を踏み出そうとしていた。

長い冬の後の春の訪れとともに・・・・・・。

ビアンカに出会ったラースは固く閉ざしていた心を開けた。その心は次第に彼のトラウマを消してくれたようです。それはビアンカを愛することによって、彼に勇気を与えたのかもしれませんね。

少しネタばれを→ラースの母は彼を産んだと同時に亡くなっている。義姉のカリンも妊婦さん。「彼女が無事に子どもを産めるのか?とても危険なことなのに」と不安そうに話すラース。彼は自分によって“女性”を失ってしまったという罪悪感を背負いながら生きていた。

好意を寄せてくれる後輩マーゴや義姉の女としての存在を意識し始め、女性と向き合わなければいけないと本能的に感じたことがビアンカという人形と付き合うことになったのではないか。その交際で、初めて“女性”と心通わせようとした。

そしてビアンカとの別れは、大人になるための儀式。つまり本当の恋愛への船出となった。

 ライアン・ゴズリン

ラース役の彼の素顔、なかなかイケメンですね。

最近のアメリカ映画はリメイク版が多い中、今回のこの作品はオリジナル脚本ということです。いやあなかなか良く出来た作品ではないでしょうか。

 

メディア 映画
上映時間 106分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ショウゲート)
初公開年月 2008/12/20
ジャンル コメディ/ドラマ/ロマンス

監督:クレイグ・ギレスピー

 

 

オフィシャル・サイト
http://www.larsandtherealgirl-themovie.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://lars-movie.com/

※リアルドールのお顔ですが、何となく神田うのさん似ているように思いましたが?

追記:今や、現代社会は心の病を抱えている人が増えています。昔から思えば、随分閉鎖的な社会から、開かれた社会へと変化していますが、まだまだ充分ではないでしょう。皆がお互いに助け合いながら生きていけるような社会が出来るといいですね。ハンディのある人、ない人、仲良くやれるように祈りますそんなメッセージをこめたこの作品にそして

 

 

 

 

 

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ワールド・オブ・ライズ★原題:BODY OF LIES

2009-01-02 | 映画:シネコン

 新年一発目は、この作品です。

ぼくも、民衆も知っている。

子どもでも知っていることだーーー

危険を加えられた者に

きっと仕返しをする、と。  W・H・オーデン 「もうひとつの時代」

12月28日、MOVX京都にて鑑賞。レオナルド・デカプリオとラッセル・クロウの共演に、監督があのリドリー・スコットというのだから、これは観ないわけにはいかない。

危険な場所で命からがらで潜入して働くCIAの工作員ロジャー・フェリス(レオナルド・ディカプリオ)に対してぬくぬくとした場所で彼に指示を送るCIAのエリート局員エド・ホフマン(ラッセル・クロウ)。なんだか割の合わないような二人の姿にちょっと疑問さえ感じる。当然フェリスはその状況に不満げなのは当たり前、物語が進むに連れて衝突する場面もある。普通ならホフマン、フェリスと近い現場へ行ってやればいいじゃん!と思うのだが・・・・・。なにゃらこの状況に意味もありそうです。

STORY

世界中を飛び回り、死と隣り合わせの危険な任務に身を削るCIAの工作員フェリス。一方、彼の上司はもっぱらアメリカの本部や自宅など平和で安全な場所から指示を送るベテラン局員ホフマン。そんな生き方も考え方も全く異なる彼らは、ある国際的テロ組織のリーダー、アル・サリーム(アロン・アブトゥブール)を捕獲するという重要任務にあたっていた。イラクのサマラで活動中のフェリスと助手のバッサーム(オスカー・アイザック)に、ニザールという男が情報提供を申し出る。その彼が差し出したのは、同志に向けてイギリス、シュフィールド爆破事件の犯行声明を出す。そして再びイギリス内で再び攻撃を行うと宣言するサリームの最新情報だ。その朝、マンチェスターで爆破事件があった。フェリスはホフマンにニザールの保護を要請するが、ホフマンはあっさり却下!その上、ニザールを泳がして、誰が殺されるかを確認しろと命じる。結局はフェリスが彼を殺すことに。やがて、命懸けで組織の極秘資料を手に入れ重傷を負ったフェリス、数日後、病院で瀕死の状態から目覚めたフェリスの皮膚にめり込んでいたのは、バラバラに砕け散った相棒 バッサームの骨だった。彼の遺族への補償を頼むもホフマンは却下。淡々と次の指令を出すのだった。フェリスは強引かつ非情なホフマンに不満を募らせながら、資料による情報のもと、次なる目的地ヨルダンへ向かうのだが…。奪った資料から、組織のアジトが発覚したのだ。

ヨルダンの総合情報局の責任者ハニ・サラーム(マーク・ストロング)に協力を仰ぐフェリス。ハニは油断のならない超一流の工作員だが、アラビア語が堪能で頭が切れるフェリスをひと目で気にいる!フェリスもまた、ハニに最上級の敬意を表し、ホフマンの命令に背いて情報を提供する。

上手く滑り出したフェリスの活動を邪魔したのは、ホフマンだった。フェリスに黙ってCIAの情報提供者をアジトに接触させたのだ。一連の騒ぎの中で、フェリスは犬に噛まれて病院へ行く。

そこで出会ったのが看護師のアイシャ(ゴルシフテ・ファラハニ)。彼女の美しい澄んだ瞳が、殺伐としたフェリスの心を癒してくれるのだった。

今度は、オランダのアムステルダム、ノーデルマルクトで爆破事件が起きる。新たな作戦でハニとフェリスが手を組んで信頼関係を築いたのに、ぶち壊すのはまたしても、ホフマンだった。ハニのスパイになった組織の戦士カラーミを利用したいと考えたホフマンはフェリスに黙ってカラーミ誘拐を企てた。しかし裏工作は失敗、せっかくつかんだアジトは組織によって壊され、フェリスはハニから国外退去を宣告される。

ワシントンDCでホフマンに再会したフェリスは、激怒!これ以上勝手な上司に従うのはごめんだ。現場を知らない上司の、頭だけで考えた作戦にもウンザリだ。

フェリスは自らの豊富な経験から、前代未聞の危険かつ大胆な作戦を思いつく。爆破組織をデッチあげて、嘘の爆破事件をニュースで流し、サリームが接触してくるように誘い出すのだ。

アンマンに戻ってハニの許しを得たフェリスは、彼にも極秘裏に作戦を開始する。まずはヨルダン人の建築家オマール・ナディキを組織のリーダーに仕立て上げ、客の振りをしたフェリスがドバイで彼に会い、次にトルコのインシルリクで爆破事件が起きたと報道させる。しかし組織に連れ去られたナディキはフェリスに騙されたと気づき、洗いざらい話た上で殺されてしまう。

いよいよ敵のアジトへ・・・・・。アイシャを救い出すために自ら捉われの身に!

作戦は最悪の失敗を招いた。組織はアイシャを誘拐し、フェリスとの交換を持ちかける。アジトに連行されたフェリスの前に遂に姿を現すサリーム。

そのとき、フェリスは自分の嘘を遥に超える、巧妙な嘘が仕掛けられていたことを知るのだった・・・・・・。

果たして、最後に勝つのは誰の嘘か???

ここからネタばれです→ フェリスとエドは、アリ・サリームをおびき出すために、何も知らない建築家を、架空のテロリストにでっち上げる。

そして、CIAが爆破事件を起こしてみせる。
すると、狙いどおりにアリ・サリームが接近してくる。
しかし、建築家から真相を聞きだしたアリたちは、フェリスの恋人アイシャ(ゴルシフテ・ファラハニ)を誘拐する。
フェリスはアイシャを救うために、みずからアリに捕らわれる。
そこで待っていたのは、アイシャではなくアリだけだった。
アリを捕らえるために、ハニに内緒でやった作戦だが、じつはハニは知っており、フェリスをアリに捉えさせたのだった。
フェリスを餌に、アリを捕まえる作戦である。
アリのもとには、ハニのスパイが泳がせてあり、フェリスが捉えられたら、連絡するような手はずになったいた。
今がその時だった。
フェリスが厳しい拷問にあっているときに、ハニの部隊が突入してアリを逮捕する。
と同時に、フェリスを救い出す。
 CIAは、ハニに内緒で罠を仕掛けたつもりだったが、反対にハニが罠を仕掛けて、アリを逮捕したのだった。
フェリスはそのネタに使われていたというわけだ。
この映画は、近視眼的なCIAの作戦を批判している。
CIAの役人をはじめ、アメリカの侵略者たちは、すぐに成果を上げないと自分の成績に響く。 アメリカ大統領だって、世論の反発が怖い。
そのため、どうしても短期間での成果を求めてくる。
しかし、現地で生活する人は、一生をかけてテロリストになる。
だから物事をみるスパンが長い。
ヨルダンの情報局も、アメリカの影響下にありながら、現地人のスパンで考えている。現場を無視した指令によって、CIAの作戦や工作は失敗ばかり。
これはイラク戦争そのものにも当てはまるだろう。
現場の侵略者は、どうしても本国のほうを向いている。
だから現場を良く知った者には勝てない。
これがこのメッセージだろう。
これはよく判る。(TAKUMIより抜粋)

要するに腕利きのCIAがどんなに素晴らしい作戦で挑んでも、イラク、アフガニスタンなどの中東の人たちは短期集中でテロリストを目指しているわけではない。長い時間をかけて、用意周到で挑むから、そんな簡単にはいかないということなのだろう。テロリストを撲滅させるなんてそんなに容易なことじゃないことが良く分かる。

というメッセージ性の高い作品かと思いきや、リドリー・スコット監督曰く、この作品は政治的なメッセージなんてないというのだ。単にこの映画を観て楽しんでくれればいいとおっしゃっている。

原作はデイヴィッド・イグネイシアス著の『ワールド・オブ・ライズ』(小学館刊)。

監督はその本のゲラを手に入れて読んだ。驚くほど濃密な内容で、すっかり魅了されたらしい。すばらしいスパイ映画の伝統に通じるものだったそうだ。

原作本の中から、いくつか取り除いた。実は原作本にはもうひとつ別の局面があった。それは主人公フェリスのサイドストーリーだそうで、彼が離婚に巻き込まれるというもの。私生活の話が詳細に書かれていたようだが、そこは取り除いた。全部を1本の映画に入れるのは無理だしね。要するにプライベートな部分を削除したわけだ。

今の政情や我々がどんなポジションにいるかということに関係ない映画を作ろうと決めた。あくまでも映画のキャラクターに重きを置いた。

大物テロリストを追いかけるとどうなるか?スパイが仕掛ける誘惑やありもしない組織や人間が存在していると思わせる手品のような手段が描かれている。パラノイアがクリエイトして相手を動かし、彼らがミスを犯すのを待つ。彼らがCIAの張り巡らした追跡装置の網にひっかかるのは唯一ミスを犯したときだけからね。

またエド・ホフマンがいつも家族の面倒みたり、いつも何かしながら、フェリスに命令をするキャラにしたのは?

このほうが現代の生活ではリアルだと思ったと。歩きながら電話をかけたり、車に乗りながら、打ち合わせをする。携帯電話が同時にいろんなことをやることを可能にした。何もない暗い部屋で机に座っている必要はない。すばらしいと同時に最低だ。任務から逃れるときがないんだ。

とリドリー・スコット監督はこの作品の意図を語っておられます。ちなみにラッセルの体重増加も監督の要望だそうです。何と20kg増も。このときの体重は100kgを超えていたようですね。

メタボリックなキャラでないとこの役は出来なかった?のかも・・・・。太ってくれと言われて、監督の考えがすぐに伝わるとこなんかは、やっぱり凄い!

デパーデッド、ブラッド・ダイヤモンドに続き、レオさま、迫真の演技とアクション。

「ギルバート・グレイブ」のアニー役が今も印象に残っています。あの演技で、彼は凄い役者になると思っていました。

楽しんでくれれば、いいということですが、かなり複雑?いや話の展開も早いテンポ。結局パンフレットを購入して読み、ようやくあらすじが把握できたような。目に見えて感じることは、レオ様演じる工作員の大変なのに、クロウ演じるCIA局員ののほほん状態での指示をする姿、こんなのあり?という感じだけ。

そして先程もネタバレの箇所で書いたが、CIAとテロリスト組織の違い。CIAは高度な機械を使い、テロリスト探しをする。しかしその組織は高度な機械から、逃れるための手段はいたってアナログ的。そのアナログ的な手段は高度な技術より勝るということなのだ。苛酷な環境で育った組織の人たちは半端じゃないっていうところですかね。

 「ブラックホーク・ダウン」のリドリー・スコット監督、「ディパーテッド」のレオナルド・ディカプリオ、「グラディエーター」のラッセル・クロウという豪華タッグが実現した緊迫のアクション・サスペンス。危険な現場で使命を帯びる凄腕の工作員と安全な場所から冷酷に命令を下すベテラン局員、対照的な2人のCIAエージェントを軸に、それぞれ重要任務を遂行するため味方をも欺く巧みな“嘘”の応酬で熾烈な頭脳戦を繰り広げていくさまをスリリングに描く。原作は中東問題に精通するベテラン・ジャーナリストにして作家のデイヴィッド・イグネイシアスが手掛けた同名小説。(allcinemaより)

 

ワールド・オブ・ライズ NY プレミアでの監督、ラッセル・クロウ・レオナルド・デカプリオ

 

オフィシャル・サイト
http://www.body-of-lies.com/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/
 

 
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謹賀新年☆2009年

2009-01-01 | その他

    明けましておめでとうございます!

        

2009年が明けました。昨年はお世話になり、ありがとうございました!今年も“銅版画制作の日々”を宜しくお願い致します。

さて映画のレビューですが、昨年末に鑑賞した作品から紹介する予定です。皆さん、お楽しみに 

私のお気に入りキャラクター くーまんです。

 

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