2009年最初に観た作品が“アラトリステ”です。
イースタン・プロミスのヴィゴ・モーテンセン主演最新作です。1月5日、京都 シネマにて鑑賞しました。
何でも世界中でベストセラーとなっている歴史小説の映画化だそうです。主人公のアラトリステは実在した人物ではなく、架空の人物。17世紀初頭のヨーロッパは全域で抗争が相次ぎ激動の時代だったそうです。原作小説は、黄金時代の帝国スペインが没落していく歴史のうねりを背景に、架空の主人公アラトリステの活躍を描いた冒険小説です。波乱に満ちた物語はスペイン国民を夢中にさせ、世界中で多くのファンを獲得しているそうです。
冒頭は、夜襲のシーン。フランドルのオランダ軍陣地に夜襲をかけるスペイン兵たちの姿。静かな夜、何か緊張が走る。その中でも獅子奮迅の戦いぶりを見せるのが、“隊長(カピタン)”の異名をとる剣の達人アラトリステ(ヴィゴ・モーテンセン)である。夜襲は成功するものの、部隊退却の最中に追撃に遭い、戦友ロペ・バルモアは息子イニゴ(ナチョ・ペレス)の将来を託して息を引き取るというところから、物語は始まっていきます。
血生臭い、泥臭いというのでしょうか?女性も登場するお話とはいえども、男性社会の独特なものがぷんぷんと臭うドラマという感じですね。またこの役がヴィゴ・モーテンセンにとってもマッチしていると思いました。
イニゴは、アラトリステの元に身を寄せて従者となる。父は息子が軍人になることを望んでいなかったため、その遺志を尊重して読み書きを学ばせるのだが・・・・。このときイニゴはわずか13歳。
舞台は17世紀のスペイン。新大陸発見による黄金時代も終焉を迎え、今やスペイン王国は破産寸前。首都マドリードは失業者で溢れかえっている。この苦難の時代にスペインを統治する国王フェリペ4世は、世襲の属領で豊かな富をもたらすフランドル地方を反乱軍から取り戻すべく、長い戦いを続けていた。
1623年、13才の少年イニゴは、兵士だった父親をフランドルで亡くし、首都マドリードへと旅立った。父の戦友である"カピタン"・アラトリステを頼るためだった。アラトリステの暮らしぶりは、イニゴの予想以上に厳しいものだった。カピタン(隊長)という呼称はあだ名に過ぎず、戦地を離れたこの頃は、暗殺稼業で食い繋ぐ日々。時にはベッドすら質に入れ、床に寝る程の貧しさだ。だが、それでもアラトリステは従者として亡き戦友の息子を引き取った。
かつての戦友であるサルダーニャ警部補から、暗殺の仕事を紹介されるアラトリステ。警官に命じて刺客を調達させるほど身分の高い男たちは、二人連れのイギリス人旅行者の闇討ちを依頼した。見知らぬ殺し屋マラテスタと共に標的を待ち伏せるアラトリステ。無言で剣を向けるアラトリステに、旅行者の一人が「連れの命だけは!」と懇願した。相手のただならぬ様子から、この一件に深い裏があると察したアラトリステは、独断で二人を救ってしまう。
直前で暗殺を中止したアラトリステは、そのことを旧知のグアダル・メディーナ伯爵(エドゥアルド・ノリエガ )に相談する。
グアダル・メディーナ伯爵
スペインの宮本武蔵と言われたアラトリステ
この二人の旅行者は、実は、スペイン王家にあるメッセージを伝えに来たイギリスの重要人物だった。二人の存在は、王宮の権力者である宰相オリバーレス伯爵に伝えられ、その命は保証された。暗殺計画を潰した為に、依頼主の怒りを買うアラトリステ。執拗な報復をかわした彼は、イニゴ(ウナクス・ウガルデ) と共に再び遠いフランドルの戦場へ向かった。だが、事件の関係者たちは、敵も味方も、アラトリステの名を忘れようとはしなかった。
オリバーレス伯爵は実在の人物だそうです。フェリペ4世の侍従となったことがきっかけで、栄達し、この時代は「窮臣」と呼ばれるスペイン王国の最高権力者となっていた。オリバーレス伯爵にはハビエル・カマラ 。“トーク・トゥ・ハー”(02)監督ペドロ・アルモドバルでは、昏睡状態のヒロインを世話し続ける看護師役を好演した。この作品は観ました!どこかで見覚えあるなあと思ったら、あの看護師さんだった。
イニゴ役(ウナクス・ウガルデ)
1978年スペイン生まれ。「コレラ時代の愛」(07)では、ハビエル・パルデム 扮する主人公の若き日を演じる。その他あの「宮廷ゴヤは見た」にも出演している。幼少時代のイニゴのイメージから比べるとちょっと・・・・?だけど。(追加いたしました)
10年後、フランドルの戦地から海路、帰国したアラトリステは、宰相オリバーレスからの極秘の指令書を受け取り、スペイン南部の都市セビリアへむかった。セビリアで公演中の女優マリア(アリアドナ・ヒル) の舞台を垣間見ながら、桟敷席の小部屋で任務の説明を受けるアラトリステ。大物のスペイン貴族が、新大陸から黄金を密輸し、敵国に横流しすることで私腹を肥やそうとしている。アラトリステの任務はその黄金の奪還だった。
アラトリステが愛したマリア
イニゴの恋人、アンへリカ
この密輸の一件には、かつての「イギリス人暗殺事件」の関係者が多く関わり、その中にはイニゴの恋人である美少女アンへリカ(エレナ・アナヤ) も含まれていた。アンへリカとの関係についてアラトリステと激しく口論し、彼の元を飛び出すイニゴ。そんなイニゴを、遠くから案じ続けるアラトリステ。実は彼自身もまた、複雑な恋の悩みを抱えていた。アラトリステの恋人である女優マリアは、アラトリステとの結婚を望んでいたが、人気女優としての地位と生活を維持するためには、金持ちのパトロン達との交際が欠かせなかった。マリアと結婚する男は、妻の浮気を黙認するという屈辱に耐えなければならない。アラトリステにとって、それは有り得ない選択であった。
イニゴの目には、時に冷酷とも映るアラトリステだが、愛する者たちを想うその厚い情熱は、やがて宮廷の権力者たちとの確執を呼び、物語を更なる悲劇へと導いて行く…。(ウィキぺデイアより所々抜粋)
イニゴも、アラトリステもそれぞれの恋に悩んでいた。
ちょっとネタバレを・・・・・。
結局はアラトリステはマリアとは結ばれません。ナルダーニャ警部補からマリアから手を引くように警告される。マリアは国王に見初められていたのだ。
一方イニゴはしがらみを捨てて、アンへリカとスペインを脱出することを望むが。二人の思いはすれ違い・・・・。破局を迎える。
そして時は流れ、1643年。ロクロワでフランス軍と対峙したスペイン軍は大敗を喫し全滅間近であった。降伏を勧告するフランス軍。だがアラトリステらはスペイン兵としての誇りとともに、散ることを選ぶ。ついに最後の戦闘が始まった。
歴史がよく分からないとこの手の作品は、面白くありませんね。ヴィゴが演じたアラトリステはかっこよくて、渋いなあと思いますが・・・・。まあヴィゴを観ただけでも値打ちはあるかなあなんて思いましたが。
http://www.alatriste.jp/(オフィシャルサイト)
※ヴィゴ・モーテンセンの単独インタビューもご覧下さい→こちらから。
ヴィゴファンにとっては最高な作品かもしれませんね。