銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

パンズ・ラビリンス(T_T)/~~~迷宮へようこそ・・・・。

2007-12-04 | 映画:ミニシアター

ファンタジーの中に、現実を見る

 

10月26日、「題名のない子守唄」鑑賞後、この映画を鑑賞した。どちらもかなり重たい作品だった。特にラストシーンは、かなり衝撃的だったでも多分主人公自身は幸せだったような感じがするんだけどね。

主人公の少女が出会うさまざまな怪物は不気味な雰囲気で、リアルさも感じる。まるで本当に存在するかのように思える。そして観客もその不思議な世界「パンズ・ラビリンス」に一緒に旅に出かけていくような気がしてならない。怖いけど、見てみたいって気持ちでドキドキハラハラする。

 

お話の舞台は1944年のスペイン、内戦が終結しても、ゲリラたちはフランコ将軍の圧政に反発山奥で血なまぐさい戦いが繰り広げていた

おとぎ話が好きな少女の名はオフェリア(イバナ・バケロ)。臨月の母カルメンと山奥の駐屯地へと向かっていた。仕立て屋だった父が亡くなり、母はフランコ軍のビダル大尉と再婚した。母は妊娠してから、体調を崩していた

休憩中、オフェリアは山道で石塚の破片を見つける。元の場所に戻すと昆虫ナナフシが飛び出した。

 

 不思議な昆虫ナナフシを見たオフェリア

 

オフェリアはダビル大尉をどうも好きになれない大尉は母より、どうもお腹にいる子どものことが心配そうだ。それは誕生する子どもは“男”と決めつけていからなのだ。

 

オフェリアと母は駐屯地に到着。母のために車椅子も用意されていた。ビダル大尉がお腹の子どもを気遣ってのことらしい。

オフェリアが快く思っていないのが通じてか?ビダル大尉は、オフェリアには冷たい態度だった。

そんな中で、小間使いのメルセデス(マリベル・ベルドゥ)はオフェリアに打ち解けてくれた。そんなメルセデスはビダル大尉の主治医となにやら密談何かありそう???

 

その夜更け、母カルメンは体調優れず・・・・。オフェリアは付き添い眠るそんな彼女の前にあのナナフシが「妖精さんなの?」と訪ねると・・・・。

 

ナナフシは妖精に姿を変えるそしてオフェリアは妖精に導かれ、の庭の奥にある迷宮(ラビリンス)へと誘う

そこで彼女を待っていたのは、ヤギの頭と身体をしたパン(牧神)。パンは彼女に驚くべき事を伝える

「あなたこそ、はるか昔から地下にある、嘘や苦痛のない“魔法の国”のお姫様。その昔、人間の世界に憧れて地上に出た途端、に目がくらみ、すべての記憶を失ってしまったのです」と・・・・・。

オフェリアは魔法の国のプリンセス、モアナだというのだ左肩に紅い印としてあるのが証拠らしい。

今も姫君のままか?それともただの人間になっているか?確かめなければならないと話す。

 パン(牧神)

パン役を演じたのは、「ファンタスティック4」でシルバーサーファーを演じた、ダグ・ジョーンズ。彼はギレル・モ・デル・トロ 監督作品の「ミミック」、では巨大昆虫役、「ヘルボーイ」では半魚人を演じている。何と身長192cmという高さまたこの作品では怪物ペイルマンの役も演じている。素顔はどんな方なのか・・・・。

父国王陛下と月の女神が、待っているという・・・・・

 

翌朝、オフェリアは左肩に紅い三日月のようなアザがあるのを確かめたそのことで、パンの言葉を信じた。パンにもらった道を標す本を。3つの試練に立ち向かう決心をする

 

 

第一の試練・・・・・死にかけている森の巨木を救い、花を咲かせること

 

そのためには根っこに居座る巨大カエルの口に石を投げ入れ、お腹から、黄金の鍵を見つけなければならない。

 

 巨大カエルは本当にでかい

何とか成功したぁ~~

 

さて第二の試練?・・・・・・壁の向うの世界に行き、時間内に鍵を使って、あるものを持ち帰ることだった。不思議の国には豪華な料理がいっぱ~い輝く短剣を手に入れたオフェリアは牧神(パン)との約束を破ってブドウを二粒だけ口にするいいのかな??

 

不思議な事に壁の向うにこんな世界が

 

 誘惑に負けてしまった

その途端大変な事が!!!!子どもが大好物な怪物が、オフェリアを食べようと追いかけて来る逃げろ

 

 これが子どもをおびき寄せ食べるお化けぺイルマンだ。豪華な食事で不意をつくのだ

 

この失敗で、パンは怒っちゃい見放されてしまう。 オフェリアは結局すべての希望を失う母は難産の末弟を生んで死んでしまうし最悪の事態だ。

実は母を助けようとマンドラゴラの根っこ(パンからもらった)をベッドの下に忍ばせた。この根っこの力で、母は見る見るうちに元気になったのだけれど、ところがあの大尉に見つかり、この根っこは燃やされてしまう冷酷な大尉に腹が立つ

 

 ビダル大尉こそ、冷酷無比な怪物かもしれない。

罪のない農民までも殺してしまうファシストオフェリアはこんな養父にあたってしまい、お気の毒

 

これが人にパワーを与えたマンドラゴラの根っこ。薬草だ。人間の形に似ているところから、「神が人間を作る前に雛形として作った」という伝説がある。地面から引き抜かれるときに上げる「金を切り声の悲鳴」を聞いた人間は死ぬといわれている。

 

どん底に落とされたオフェリアだったが、何と牧神(パン)が突然現れた

 

「最後のチャンスをあげよう。弟を連れて迷宮へ行きなさい」

 

 

その頃ゲリラ軍は、ビダル大尉率いるフランコ軍に大打撃を

生き残ったビダル大尉は、自分の息子を取り返すために、オフェリアを追って、「迷宮」へ入る

その後、迷宮で何が起こったのかオフェリアはどうなったのか?

 

 

最後の試練に立ち向かったオフェリア。気がつけば紅い靴を履き、魔法の王国にいました。そしてそこで彼女の見たものは・・・・・。

 

現実では、悲しい結末だが、やっとオフェリアにとって本当の幸せがやって来たのかもしれない。だから魔法の国が、彼女の現実なのだと思えた。

 

お恥ずかしい話だが、スペインでの内戦についての詳細は何も知らなかった。この作品を通じて、歴史的背景を少しだが知ることができた。いつの世も、世界のあちらこちらで、こうした人々の争いが絶えず起こっているのだと思うと、悲しくなる。そんな背景をおりまぜてながら、こんな独創的なファンタジー作品が出来たことに感動。現実から目を逸らさずにいきたいものだ。

 

監督 ギレル・モ・デル・トロ 1964年 メキシコ生まれ

主な作品:「ブレイド2」(02年)、「ブレイド3」等 ハリー・ポッターシリーズのオファーが舞い込んだが、断っている。

 

パンズ・ラビリンス公式サイト

 

 

 

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池田満寿夫の版画★THE M&Y COLLECTION

2007-12-02 | 銅版画関連

IKEDA MASUO`S PRINTS

 

12月に入りました。師走ですね。今年も残すところ、一ヶ月をきりました。一年あっという間に過ぎて行きます。

ただ今京都国立近代美術館で、池田満寿夫の版画展が開催されています。

先日鑑賞してきました。彼の作品展を観るのはこれで3回目です。今回の作品は彼の最後のパートナーであるバイオリニスト佐藤陽子が池田とともに運営してきたM&Y事務所から寄贈されたものだそうです。「M&Yコレクション」として近代美術館に収蔵・登録されています。

 

これらの作品は池田満寿夫自身が厳選して、手元に残した作品であり、1956年~1997年の約40年間の版画作品を網羅してるものです。

その数、何と300点凄い多くの作品を制作したんですね。

なかなか見ごたえのある展覧会でした。(展示されていないものを含めると800点)

個人的には1956年から1960年半ばまでの作品が好きです。なかでも「ボーリングをする婦人たち」(1964年)が好きな作品でした。この頃はドライポイント・エッチング・ルーレットという技法での作品が中心で、結構抽象的なものが多いです。

1970年以降はメゾチントを取り入れて、デザイン的な要素の作品が多く、完成度も高いものですが。私はあまり好みではありませんが。あわせてリトグラフ作品も出てきます。

 

後半でもエッチング・ドライポイント・ルーレットを使った作品が登場しますが、やはりその作品より、初期に製作されたもののほうが、いいなあ!と思いました。

 

それにしても池田満寿夫は精力的に作品を作り続けたものだと驚きでいっぱいです

 

 スプリング・アンド・スプリングス 1966年

 

ロマンテックな風景 1965年

 

自画像 1964年

 

空からの贈物 1967年

 

絵葉書を購入しました。私のお気に入りのもはありませんでしたが。

 

 

京都国立近代美術館会期中、佐藤陽子さんのバイオリンコンサートがあります。

 

 

 

 

 

 

 

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