銅版画制作の日々

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ハンティング・パーティ☆サラエボでの現状をリアリティに描いた作品

2008-05-20 | 映画:ミニシアター

  

何と、現地サラエボでの撮影。かなりのリアリティ作品です。

5月16日、京都シネマにて鑑賞。この作品も字幕は戸田奈津子さん。確か、リチャード・ギアとは親交が深いとか・・・・。彼は日本が好きな俳優さん、しかも京都が好きだということ。仏教にも興味を持っているということを、戸田さんが話しておられました。そういえば、今回のチベット問題での抗議発言をしているのもテレビで放映されていましたね。

 

と言うことで、今回のこの作品もある意味、ギアにとってはやりがいのあるものだったようですね。ギアの役どころは、サイモンという報道ジャーナリストです。現地での現状をやはりナマで伝えるということの重要性は何ものにもたえ難いはずそのことは今回のロケで実感したと話しています。

 

さてギア扮するサイモン・ハントと組むカメラマン・ダック役にテレンス・ハワードです。アフリカ系アメリカ人俳優として、今最もアカデミー賞に近い男と呼ばれているようですね。そしてその2人に絡む第3の男、ベン・ジャミン役にジェシー・アイゼンバーグ、記憶に新しい作品では「イカとクジラ」(05)で、ローラ・リニー&ジェフ・ダニエルズが演じた夫婦の長男役で、インディペンデント・スピリット・アワードの助演男優賞等をゲットした若手俳優。そんな彼がベテラン俳優2人を相手になかなかいい演技をしています。

 


スピード感あふれる追跡劇のなかで、命知らずなジャーナリストたちの魅力と絆を描くヒューマン・サスペンスが誕生した。ストーリーを動かすのは、決して人間として完成されているとは言えないが、それゆえに魅力的な3人の男たち。主人公サイモンは、危険を危険とも思わぬ“イカレ”た男。だが、酒を飲む金にも事欠くほどに落ちぶれながら、魂は失わない。ダックは、成功者として全てを手に入れながら、危険な生き方に引かれていく男。天と地ほどに境遇は違っても、“戦友”への友情は変わらない。そして、ベンは、父親へのコンプレックスを野心に変えた負けん気の強い若者。未熟な常識人だが、いざという時に爆発する大胆さはサイモンですら舌を巻く。彼らは、窮地にあってもユーモアと誇りを忘れない。そして、権威にひれ伏さず、金や名声よりも危険な冒険を選びとってゆく。

 かってサイモンはスターリポーター、ダックは戦場カメラマンとして二人でタッグを組んでいた。ところが、ある事件をきっかけに、サイモンは破滅し、消息を絶つ。

 

イントロダクション


ぶつかり合って絆を深めながら、果敢にも世界の欺瞞(ぎまん)に立ち向かい、世界の、そして自身の“真実”を見いだそうとする3人のジャーナリストたち。危険を承知で追跡を続ける、彼らの本当の目的とは?そして、近づくほどに迫り来る、世界が隠す驚愕の事実とは?予想外の出来事が次々に勃発するスリリングなサスペンス展開と、3人の主人公が生み出す深い人間ドラマに、観る者の心は興奮と感動で満たされるに違いない。

映画の基となったのは、「エスクァイア」誌に掲載された驚愕の実話。紛争終結5年後、2000年のボスニアで、5人のジャーナリストが、「民族浄化」という名の大虐殺を行った戦争犯罪人・カラジッチを追跡する。その過程で、彼らは、なんとCIA工作員に間違えられ、世界が隠蔽する真実にぶち当たる‥。その体験は全て映画に散りばめられ、驚きに満ち、かつ真実味のあるストーリーを構成した。

監督・脚本は、エミー賞受賞に輝くTV界の精鋭にして、映画“The Matador”(05)で高い評価を受けたリチャード・シェパード。事実に裏打ちされた予想外の出来事が次から次へと勃発するスピーディな展開、3人組の人物設定の妙と彼らのドラマが生み出すカタルシス。映画は、3人の心情をリアルで粋なセリフの応酬に乗せ、観る者をぐいぐいと引き込んでゆく。加えて、国際情勢でも、人間においても、表に見えていることだけが真実ではない、という視点が盛り込まれ、奥行きのある極上のエンタテインメントが誕生した。(anemo movieより抜粋)

 

STORY

 

国連にもCIAにも捕らえられない重要戦争犯罪人=フォックスへの取材に挑んだ、3人の命知らずのジャーナリストがいた。かつて戦場リポーターの頂点に輝きながら破滅し、どん底からの再起を求めるサイモン。サイモンと共に戦火をくぐり、今や出世街道を昇りつめた元戦場カメラマンのダック。そして野心に満ちた新米TVプロデューサーのベン。このたった3人の男たちが、命を危険にさらしながらフォックスの至近距離までたどり着いた時、彼らの前に立ちふさがったのは、誰ひとり想像しえなかったある事態だった。

懸賞金500万ドルをゲットするため、そしてもうひとつサイモンにはフォックスを捕らえる目的があった。3人はフォックスの潜伏すると言われる、チェレビチへ向かう。

 

 

途中、不審な密輸団に囲まれ、殺されそうになったりして、山奥には侵入できないことも・・・・・。

 

ある、国連司令部のポリスの手引きで、情報屋マルヤナ(ダイアン・クルーガー)との接触が成功セルビア人だが、フォックスを憎んでいたマルヤナは危険の代償として法外な金を要求。ベンジャミンはCIAと思われていることを逆手に取ってタダで潜伏場所に案内させる交渉に成功

しかしこの地では、全てフォックスに筒抜けだった3人には尾行がつき、周囲には秘かに見張る目があった。

CIA暗殺部隊と思われた3人は行動を起こすより先に拉致されてしまう。

 

目隠しをされ、フォックスの潜伏先へ・・・・・。

 

 

 

 

捕えられた3人は絶体絶命状態。相手は斧を振り上げてくる。ベンジャミンをかばうサイモンに斧が

ダックはサイモンを死なせなまいと、猿ぐつわの下から怒号を絞りだす

 

この男が斧を振り上げるのだ

 

さて3人の運命は?この結末は?

 

 

 

ギア演じるサイモンの恋人は、フォックスによる「民族の浄化」という名の大虐殺で妊娠中にレイプされ、惨殺された。そのことがサイモンのフォックス捜しの発端であるる。

 

ボスニアという国について少し勉強を。

かつてはユーゴスラビア連邦を構成する一共和国だったが、1992年3月に分離独立。首都はサラエボ。面積は約5万1000k?(九州と四国を合わせた程度)で人口は約400万人。独立直後から約3年半にわたり紛争が続いた。民族構成は、ムスリム人(イスラム教徒、人口比44%)、セルビア人(セルビア正教徒、人口比31%)、クロアチア人(カトリック教徒、人口比17%)であり、最近はムスリム人が自らをボス二ア人と呼ぶようになってきている。3民族の言語は方言程度の違いしかないが、セルビア語はキリル文字を用いている。異なった民族間の結婚は自然なことだった。イスラム教徒の信仰も敬虔とは言えず、中東のような厳格な雰囲気はない。紛争終結後、国家はムスリム人とクロアチア人による「ボス二ア・ヘルツェゴビナ連邦」(国土面積に対する面積比51%)とセルビア人による「スルプスカ(セルビア人)共和国」(国土全体に対する面積比49%)という独自性の非常に高い二つの地方政体(エンティティ)によって構成され、これら二つの地方政体の上に、中央政府の機構があるという複雑な仕組みである。



ボスニア紛争について

 1992年3月に独立を宣言したが、3民族の利害の対立や主導権争いから4月に紛争が勃発。紛争前の人口約435万人のうち、1995年11月まで3年半にわたる紛争で死者約20万人、難民・避難民は200万人以上。

当地にそもそも深刻な民族対立は存在していなかったが、隣国に本国を持ち、ユーゴスラビアの中で政治的に発言力を持つセルビア人と、経済力を有しナンバー2とも言える存在のクロアチア人が、ボス二ア・ヘルツェゴビナでは少数派となってしまうため、セルビア人とクロアチア人は独立に反対した。両民族は本国からの支援を受け、自民族の支配地域を拡大するために戦闘を続けた。セルビア人勢力は圧倒的な武力を有し、人口では多数派のムスリム人が最も劣勢であり最大の犠牲を出した。民族浄化のために居住地から追い立てられる際に、男性や子供は殺害され、女性は性的暴力を受けた。紛争中、国連は国連保護軍(UNPROFOR)を展開し人道援助物資の輸送支援では活躍したものの、紛争を押さえる力はなかった。1995年になり、NATOの軍事力を背景にアメリカが本格的な仲介に乗り出し、11月に3民族は和平に合意した。和平の履行は民生面を、世界の国々や国際機関から構成される和平履行評議会の上級代表事務所(OHR)が、軍事面ではNATOを中心とした多国籍部隊、現在はEU諸国の部隊(EUFOR)が展開し担当している。政情や治安は安定してきており、紛争直後には6万人の部隊が展開したが、現在は2500人にまで減少した。

本作品でサイモンとダックが、最初にボス二ア・ヘルツェゴビナを訪れたのは、紛争中の1995年。再会して“フォックス”の追跡を始めた2000年の時点では、治安は安定していたが、民族の住み分けが進んでいた。作品に登場するチェレビチやフォチャ、ヴィシェグラードはボス二ア・ヘルツェゴビナの東部に位置し、もともとはムスリム人が多数派だったが、戦闘と民族浄化により現在はセルビア人が大多数を占める。

 

 

【スレブレニツァの虐殺】

1995年7月、スレブレニツァ(当時の推定人口4万人強)に侵攻したセルビア人勢力により、数日間で約8000人のムスリム人が殺害された。当地は国連が「安全地域」に指定し、国連保護軍(UNPROFOR)のオランダ軍部隊が派遣されていた。しかし、約400人の兵力ではセルビア人勢力に対して抵抗できず、一部の兵士は拘束され、住民を守ることができなかった。国連の活動は中立が基本であるため生じた惨劇とも言える。当地以外でも、民族浄化により殺害された人々の集団埋葬地の発掘と身元探しが現在も続いている。

監修:ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦公共放送東京支局長 西浜滋彦

 

※かってサラエボで冬季オリンピックが開催された。この町並は渋いものだったそうだ。ある日突然、民族が違う!宗教が違う!そんな些細なことが原因でお隣同士が銃を持って戦いだす。血で血を洗う抗争になった。信じられないけど、これが現実なのだ。今もあちらこちらで、このような内戦が起こっている。どうにかならないのか?

 

 アメリカを出しぬいたのは
わずか3人のジャーナリストだった・・・・。

 

キャスト

リチャード・ギア(サイモン・ハント役)、テレンス・ハワード(ダック役)、ジェシー・アイゼンバーグ(ベンジャミン役)、ダイアン・クルーガー(マルヤナ役)

 

スタッフ

監督・脚本:リチャード・シェパード/原案:スコット・アンダーソン/製作:マーク・ジョンソン、スコット・クルーフ/撮影:デヴィッド・タッターサル

 

2007/アメリカ/103分/原題:THE HUNTING PARTY/字幕翻訳:戸田奈津子/ノベライズ:扶桑社/第64回ヴェネチア映画祭 正式招待作品

ハンティング・パーティ 公式サイト

 

 

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1 Comments

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TBありがとうございました (sakurai)
2008-05-22 15:29:58
本当に悲惨でしたね。
冷静に振り返るのは、コンだけの時間も必要だった、という気もしました。
リチャード・ギアが、ラマ教にはまって、結構経ちますね。
その辺の政治状況に対する彼の意志も、感じられました。
今もどこかで紛争が置いてるんだろうなと暗澹たる気持ちになりますが、干されていたサイモンが「世界中、探せばどこかで戦争はやってる」という言葉が重かったです。
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