「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督の最新作は、個性派アメコミヒーローの中でもひと際異彩を放つ“ヘルボーイ”シリーズ。
1月9日、東宝シネマズ二条にて鑑賞。前作は2004年の10月に公開されている。キャストはもちろん今回とほぼ同じで監督もギレルモ・デル・トロであった。“パンズ・ラビリンス”のようなダークファンタジーとは違うものの、登場するキャラクターは、やはりデル・トロオリジナルらしい独特なもの。
この“ヘルボーイ”の原作者は、マイク・ミニョーラ。マーベルコミックに就職して、“ハルク”や“バットマン”等のコミックを手がけて、定評を得るものの、本人はうんざりだったらしい。 だが「バットマン:ゴッサム・バイ・ガスライト」、「アイアンウルフ」、コッポラ監督の映画「ドラキュラ」コミカライズなどの作品を経て方向性を掴んだ彼は、やがてオリジナル作品「ヘルボーイ」を生み出した。
ヘルボーイ、生まれは地獄。使命は魔物退治。炎のように真っ赤な巨体は大地を揺るがし、闇の世界から侵入した魑魅魍魎を一撃で叩きのめす。見た目はかなり恐ろしく、腕力の唯一無二。だが、安心して!ヘルボーイは人間の味方!
鬼のような姿とは裏腹に、彼は人間以上に人間的な性格の持ち主でもある。口は悪いが、情けに厚く、仲間や愛するもののために命すら惜しまない。折れた2本の角にチョンマゲ頭はサムライを思わせる。サムライ・ムービーにインスパイアさせているようで、まさに武士道の心を持ったヒーローらしい。
1994年のコミック単行本発売以来、熱烈な支持と絶賛を集めてきたヘルボーイ。その活躍を大迫力のアクションとCGでスペクタクルな映像にしたこの「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」は全米で、超大作が目白押しの2008年のサマーシーズンに公開された。2004年の前作を上回るヒットを記録、そして興行収入成績第1位に輝いた。
それは、遥か昔、
地球支配を目論む人間と戦を繰り広げられていたエルフの国のバロル王が
ゴブリンの鍛冶師に造らせた不滅の鋼鉄兵団だった。
しかし王はその恐るべき戦闘力に心を痛め、人間との休戦を決意することに。
ゴールデン・アーミーは永久封印され、
王はそれを支配する魔力を秘めた王冠を3つに分けてしまったという・・・・・。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは、魔界の力を味方につけようと、地獄から悪魔の子を呼び出した。しかし連合国よって阻止され、その子はアメリカ政府の監視の下、心優しいブルーム教授(ジョン・ハート )に育てられた。いつしかその子はヘルボーイと呼ばれた。成長したヘルボーイ(ロン・パールマン )は、魔物たちから人間を守る秘密組織BPRD=超常現象捜査防衛局のエージェントとなる。
同僚は、彼の恋人で念力発火の使い手リズ(セルマ・ブレア )。高い知性と感応力を持つ水棲人エイブ(ダグ・ジョーンズ )。しかし、最近リズとの関係がこじれストレス気味のヘルボーイは問題行動続き。そのため極秘である彼らの存在が世間にばれ始め、監督役のマニング(ジェフリー・タンバー )は悩んでいた。
そんなある日、古美術のオークション会場を魔物たちが襲うという事件が発生!BPRDが駆けつけたが、“歯の妖精”トゥース・フェアリーの大群によって一瞬のうちに食いつくされかける。何とか窮地を脱出するが、その様子がマスコミに撮られヘルボーイたちの存在は公となってしまう。
実はオークション会場を襲ったのは、エルフ=妖精族の王国ベツムーラの王子ヌアダ(ルーク・ゴス)。彼は不滅の鋼鉄の兵士軍団(ゴールデン・アーミー)が封印されることに腹を立ていた。ヌアク王子は人間に対して不信感を持っていることもあり、何とかこの軍団を復活させ、人間を滅ぼそうと考えていたのである。軍団を復活させるためには王冠の3つのパーツを集めなければ出来ない。2つはこのオークション会場から取り戻し、何と父バロル王まで手をかけてしまう。残り1つは双子の妹ヌアラ(アンナ・ウォルトン)が持ち出した。
失態続きのBPRDにテコ入れ要員として、新たにドイツからヨハン(ジョン・アレクサンダー、ジェームス・ドット)が加わる。彼は肉体を失い、気化状の魂となった霊媒、しかも生真面目なもので、当然ヘルボーイとは対立する。だがヨハンの能力で事件の手がかりをつかむことに。
それは、ニューヨークの裏世界で行われている妖精・魔物たちの集会“トロールの市場”だった。その場所に潜入、そこでヌアラと彼女を追うヌアダの下僕ウィンクと出くわす。ウィンクを倒し、ヌアラを助けるヘルボーイだったが、運悪くヌアダが現れる。彼は森の精=エレメンタルをけしかけてきた!植物巨人と化したエレメンタルはニューヨークの街を破壊。ヘルボーイたちは何とか撃退するも、市民たちから感謝されるどころか、彼ら自身がトラブルの種だと非難!
赤ちゃんを救うヘルボーイなのに・・・・。
ヌアダからも、「お前は人間ではなく、俺たちに近い存在なのだ!」と言われショックを受ける。
ヌアラは、BPRDに保護され、いつしかエイブはヌアラに恋をしていた。だがそこをヌアダが急襲!ヘルボーイに“人間では治せない傷”を負わせ、ヌアラを連れ去る。
ヌアラを追って、ヘルボーイたちは“ゴールデン・アーミー”が眠る北アイルランドに向かった。リズはそこで“死の天使”という予言者と出会い、死が迫るヘルボーイについて驚愕な事実を知らされる。果たしてその真実に下したリズの決断とは?エイブとヌアラの恋の行方は?そしてゴールデン・アーミーは目覚め、人類に戦いを挑むのか?
これが、死の天使です。監督のキャラクターって独特ですよね。“パンズ・ラビリンス”のパン(牧神)のキャラの何処か重なっていませんか?
従来のアメコミヒーローのようなかっこいいキャラではありませんが、古いものと新しいものが合体しているような感じもありますね。それと宗教的なものもちょっとあるように思えます。ヘルボーイのヘアスタイルはサムライだし・・・・。様々なものが取り入れられた不思議なヒーローものですね。
監督と出演者たち
撮影風景
2008年10月30日、ギレルモ・デル・トロ監督来日
少年時代、故郷メキシコで日本のTVアニメや特撮ヒーローものをほぼリアルタイムで観て育ったそうです。“創作部屋” という別宅には、来日のたびスーツケースいっぱいに買い込むフィギアがひしめいているということだ。自称“オタク”の監督。
オフィシャルサイト:http://www.hellboy.jp/
ジョン・ハートは冒頭のみの出演でした。個人的には「パンズ・ラビリンス」の方が好みですが、まあそれなりに楽しめたかなと思います。
あんなごっついのに、可愛いと思ってしまいました 笑!
監督のティーチインに参加しておきながら、まだレビューを書いていない私です(汗
ギルレモ監督の作品は好みです。
今回も監督らしい表現力で最後まで楽しませてもらいました。
きもかわいいキャラクターも大好きです。
デル・トロ監督の風貌が、小太りでいたずらっぽくて、どこか理知的でもあり、オタクの鏡ですね(笑)