家族の運命を変えたあの出来事。
人生最良の日に明かされた秘密とは──。
4月28日、京都シネマにて鑑賞。「プラダを着た悪魔」、「ゲットスマート」のアン・ハサウェイが何と薬の依存症の患者という役どころで登場。彼女はこの演技が認められて、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。惜しくも賞はゲット出来なかったけど・・・・・。今までのアンのイメージとまったく違った。彼女がこんなクレイジーな演技に挑んだのも、結構興味深々だっただけに・・・。早速鑑賞。
「グラン・トリノ」の後ということで、何か涙腺が弱くなっていたようなで何故か、この作品でもウルウル・・・・。どうしたものか。何でこんなにず~と引きずっているのんだろう。
で、どういうお話か?というと、アンはタイトルのレイチェルではなかった。レイチェルは、アン演じるキムの姉だ。
施設の担当者ローザは「しっかりね」とキムを励まして見送る。
姉レイチェル(ローズマリー・デウィット)が結婚することになった。結婚式のため、治療施設から退院したキムは父ポール(ビル・アーウィン)と継母キャロル(アンナ・ディーヴァー・スミス)の迎えで自宅へ戻ることに。9か月ぶりの我が家だ。
迎えに来た両親には「見捨てられたのかと思った」、と何か嫌みったらしいし、車の中では、「9カ月間も監禁された」や「ママは結婚式に来るのか?」「ママに会いに行きたい」等々・・・・・。
薬断ちはしているものの、煙草は止められないキム。
おめでたいムードもなんのその、煙草プカプカふかす・・・・。
結婚式は2日後に迫っていた。姉レイチェルは自宅で式を挙げるために、友人たちの手を借りて準備におおわらわだ。
9が月ぶりに帰ってきた家には他人が大勢いて、キムは落ち着かない様子。治療施設とは、薬の依存症を治す専門施設で、退院後も回復プログラムの一環であるミーティングに参加しなければならない。父から車の運転を禁じられたキムは自転車で少し遅れてミーティングに駆けつける。
父はキムに対して優しく接するも、今のキムにどのように接したらよいか?悩んでいるように見える。可愛い娘だけれど、腫れものにさわるような感じなのだ。
そしてこの祝賀モードで父はもちろんのこと、周囲も彼女の言動や何かやらかさないか?とハラハラ。
ミーティングで出会った青年アレンは偶然にもレイチェルの結婚相手シドニー(トゥンデ・アデビンペ)の親友。そして花婿介添人を務めることになっていた。
シドニーの親友キアレン
マーサー・ジッケル
その夜、両家の家族や友人たち集まってのリハーサル・ディナーに姉妹の実母アビーも現在の夫とともに遅れてやってきた。
実母アビー(デブラ・ウィンガー)
レイチェルの親友エマ(アニサ・ジョージ)の祝福のスピーチで、キムは新婚夫婦が遠いハワイで暮らすことを初めて知り、顔を曇らせる。帰宅後怒りを爆発させたのレイチェル。キムのスピーチが、結婚祝いではなく、自分のことばかりだったからだ。
キムのスピーチはこうだ。自分の存在が不幸を告げる破壊の神という自己紹介。自分の病気についての詳細を話し、薬が原因での失態の数々の告白。めでたい席での話ではないが、過去に対する謝罪。家族は眉をひそめ、出席者は驚き!でも本人とっては、今こうしてここに居られることに喜びを感じているという気持ちを理解してほしい。謝罪によって心からやり直そうとている自分を受け入れて欲しいという切実な願いのスピーチ。このスピーチが主役のレイチェルの気分を損ねたのは当たり前だよね。何でこんな話するのよ!なじられてもおかしくはない。
(とにかく何かと祝賀モードに水を差すキムだった。花嫁付添い人のサリーの色も気に入らないと駄々をこねる。)
キムは反論!姉妹で激しく言い合いしているうちに、レイチェルはふと妊娠した事実を明らかにする。家族は大喜びするも、自分の真剣な話をビッグニュースで吹き飛ばされたキムは「フェアじゃない!」と怒る。レイチェルはそんな妹にうんざりしてしまう。
翌日のミーティングで、キムは自分の過去を語る。それは、16歳のときに鎮痛剤でハイになったまま幼い弟イーサンを車で公園に連れて行き、帰り道、湖に車ごと落ちてしまい、弟を溺死させてしまったという悲しすぎる過去だった。
本番を明日に控え、パーティの席順決めで再び気まずい空気が漂うものの、姉妹は一緒に美容院へ。すると、ひとりの男性がキムに声をかけてきた。数年前、同じ治療施設にいたという彼は、キムの身の上話で勇気づけられたと語る。
その内容はこんな話→幼いころに姉妹で叔父からのSEI的な暴力を受け、姉は拒食症になったというキムの作り話だったのだ。それを聞いていたレイチェルはもちろん激怒!そのままキムを置き去りにして車で帰ってしまう。あとからタクシーで帰宅したキムも喧嘩腰で、姉妹は胸に秘めてきた辛い思いをぶつけ合う。
その感情を吐き出すためにか、今度はキムが車を運転して母アビーの家に行き、「なぜRARIっている私に弟を任せたの?」問い詰める。次第に感情が高まり喧嘩となる。母はキムの顔を殴り、思わずキムは母を殴り返す。
悲しみと怒りが爆発し、その気持ちに大きな動揺。そんな状態で車の運転をしていたキムは誤って夜の林に突っ込み、早朝発見されるのである。
顔に大きなアザをこしらえて帰宅したキム。そんな妹の体を、レイチェルは優しく洗ってやるのだった。レイチェルは見つける。キムの体に“イーサン”のタトゥーが入っているのを。
前日の雨は上がり、快晴で迎えた結婚式当日。音楽業界で成功しているシドニーらしく、式の後のパーティはバンドや歌手が次々と登場して陽気に盛り上がる。
その宴は夜まで続いた。
母アビーは娘の晴れ舞台だというのに、翌日夫の出張を理由に帰ると言い出した。そんな母の行動に、レイチェルはがっかりさせられる。思えば母は昔からわがままな人だった・・・・・。
翌朝、キムは荷物を持って家を出る。車で迎えに来たのは施設のローザ。レイチェルは外に出てきて、キムと抱き合う。
妹を見送ったレイチェルは、宴の後の庭をひとり静かに眺めるのだった。ここでエンディングとなり、静かなメロディが流れる。
何とか無事に結婚式は執り行うことが出来て、弟イーサンの死がもたらした家族間の確執も、解決したかのように見えたが・・・・。本当にどうなんだろうか?
キムの仕事を提供すると言う友人がキムに名刺を手渡したが、横から父が「預かっておくよ」と取ったのも、親心なのか?いやいやキムが大丈夫だと信頼されていないような??感じがした。父は優しくキムに接していたものの、どうも愛情のようなものではなく。やっぱり問題児キムという存在でしか見ていないのかもしれない。とにかく、彼女が完全に更生する確信がないとだめなのかな?何か虚しい気がする。
メディア | 映画 |
上映時間 | 112分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント) |
初公開年月 | 2009/04/18 |
ジャンル | ドラマ/ロマンス |
http://www.sonyclassics.com/rachelgettingmarried/ (英語)
オフィシャル・サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/rachelgettingmarried/
文章を拝読しまして、映画のディテールを思い出し、なにか懐かしい気分になりました~…自分の関係者のホームビデオのような…
あっちのああいう結婚式の様子を見ると、手作りの、本当に幸せそうな風情が伝わってきて、うらやましくなります。
踊って、歌って騒ぐけど、どっか節度もあるし。
ああいう結婚式に一回呼ばれたいです。
アンの演技は胸に迫りました。
母の思いもずしんと来ましたです。
いい映画でした。