アメリカを守る正義か。
人々を救う正義か。
原題:CROSSING OVER
東宝シネマズ二条にて・・・。今回はポイントにて鑑賞しました。
ハリソン・フォードがメジャースタジオ以外の映画に出演するのは初めてらしいです。出演理由は彼がこの脚本の完成度とこの作品のテーマ性に惚れ込んだことだそうで・・・。何と低予算でも快くOKしたようです。インディ・ジョーンズシリーズとは180度かけ離れた作品だと言うハリソンさん。今までとは違った役柄を演じることで、新たな可能性が得られたことを自分でも嬉しいと感じていると話しています。
さてハリソンさんが惚れ込んだという作品とはどんなお話なのか?
(allcinemaさんから抜粋させて頂きました)
ロサンジェルスでICEの捜査官として働くマックス(ハリソン・フォード)は、密入国や不法就労者の取り締りに当たりながらも彼らにしばしば同情的で、同僚からも呆れられるほど誠実な男。そんなある日、メキシコ人女性ミレヤ(アリシー・ブラガ)が不法就労者の一斉摘発で捕まり、アメリカ生まれの幼い息子ホアンを残して強制退去に。それに心を痛めたマックスは、ホアンを捜し出してミレヤの実家まで送り届けるが…。女優を目指すオーストラリア出身のクレア(アリス・イヴ)は、グリーンカードの判定官コール(レイ・リオッタ)と出会い、ある提案を持ちかけられ…。バングラデシュ出身の高校生タズリマ(サマー・ビシル)は、9.11についての発言が問題視されICEとFBIの強制捜査を受けてしまい…。ある日、マックスの相棒でイラン出身の捜査官ハミード(クリフ・カーティス)の妹ザーラの死体が発見される。独自に捜査を進めるマックスは、やがて思いも寄らぬ事実に突き当たるが…。
ミレヤ役にはブラインドネスにも出演していたアリシ―・ブラガ。
この女性との絡みが本作の中心なのかと思っていたら、違いました。
ハリソンさん演じるマックスを中心に不法滞在者の家族や個人に焦点が当てられていくお話なのです。こうしてみるとかなり深刻ですね。生きて行くためには法をくぐり抜けていかなければならない現状は痛切です。そしてそれを取り締まるアメリカの移民局I・C・Eも事情は分かっていても、この状態を放置することは出来ない。9,11TEROのような惨事が起こりうる可能性も大だけに、難しいですよね。
ただこのような大物俳優、ハリソンさんが出演すると、ちょっとリアルさが欠けるような気もします。まあフィクション的な社会派作品なので、これでもOKなのかな?なんて思いますが・・・・。
そういえばこの人も出演していた。
ジム・スタージェスが演じる、南アフリカ出身のギャビンも不法滞在者の一人。「グリーンカード」(永住権証)を取得するため、その有力手段のひとつ「宗教関係者」に目をつけ、自らの身分をユダヤ教の教育指導者(ラビ)と偽るのだが…。
「あまりにリアルで身近に感じる役柄だから演じるのが難しかった」と自身の役をふり返るジム。実際、イギリスからハリウッドに進出した彼だからこそ、演じられる等身大の姿がギャビンからうかがえる。(ジム単独インタビューから抜粋)
ミュージシャン希望という役柄での登場のため、劇中で自身の歌も披露となる。
グリーンカード判定官役にはレイ・リオッタ。ジムの恋人クレアの弱みにつけ込むイヤらしいおじさん。リボルバーに出演していた方。
コールがクレアと〇〇しているとは知らず・・・。妻デニス・フランケル(アシュレイ・ジャッド)は施設に収容されているアフリカ人の女の子を養女にしようと考えていた。
一方バングラデシュ出身のタリズマは収容施設から、国外退去という結果になる。妹、弟、父はアメリカに残り、彼女と母は母国へ・・・。デニスの交渉で家族全員の退去は間逃れるも、悲しい結果となる。
マックスの相棒ハミードの妹の死には意外な事実が・・・・。
それぞれの人間模様が絡み合い物語は進んでいきます。
「国を守る」ために彼らを逮捕しなくてはならない立場のマックスは果たして本当の意味で彼らを「救う」ことができるのでしょうか?
9.11テロ以降ますます複雑化・深刻化しているアメリカの不法移民問題をハリソン・フォード主演で描く社会派群像ドラマ。I.C.E.(移民税関捜査局)捜査官の主人公が職務と良心のはざまで苦悩を深めていく姿を通して、不法移民たちの置かれた過酷な現状と移住をめぐる様々な問題をリアルに描き出す。監督は南アフリカ出身で、自身もアメリカでグリーンカード(永住権証)を取得した“移民”でもある「ワイルド・バレット」のウェイン・クラマー。
結論の出る問題ではありませんが・・・。アメリカ社会が抱えている不法滞在者は何と1100万人だそうです。膨大な数に驚きます。何処からどう解決していくのか?難しいことですよね。日本でものりこちゃん家族の問題がありましたが。日本も傍観者ではなく、当事者となる可能性の強い問題ではないでしょうか。
今日もマックスは取り締まりのために・・・・。
メディア | 映画 |
上映時間 | 113分 |
製作国 | アメリカ |
公開情報 | 劇場公開(ショウゲート) |
初公開年月 | 2009/09/19 |
ジャンル | ドラマ/サスペンス |
映倫 | PG12 |
オフィシャル・サイト
http://seiginoyukue.jp/
いろんな観点から移民問題を指摘するのは良いとして、
それぞれの突込みが浅く、展開が散漫になってました。
ハミード一家に絞ったサスペンスにしても
よかったかもしれません。
そして重要な役だったことも。
でも彼が酒屋で取った行動の裏に隠された悲しみは辛かったですね。