太宰治 生誕100年
ある夫婦をめぐる「愛」の物語
遅まきながらようやく鑑賞して参りました。何を隠そう、実は浅野忠信さんが好きです!だからどうしても観たい作品でした。破滅的な大谷の役は浅野さんにはぴたりはまっていますね。そんなダメな男をを支える妻佐知役にはあの松たか子さん。
才能はあるのだが、大酒飲みで、浮気を繰り返すどうしょうもない男性です、でも何故か?これがもてる・・・・。確かにこういう軟弱でどうしょうもない男性って何故か魅力がありますよね。女性の持つ母性をくすぐるのだと思います。母性はある時は狂気というマイナスの面を生み、また心を強くするというプラスの面を生むこともある。
物語(日経トレンディネットから抜粋)
大谷が全力で疾走、自宅に逃げ込むシーンから幕を開ける。行きつけの飲み屋で酒代を踏み倒した大谷は、その上、大金まで盗んでしまったのだ。追いかけて来たのは飲み屋の夫婦巳代 (室井滋)と吉蔵(伊武雅刀) 。刃物を振り回し、自宅からも逃げ出した夫に代わり、妻の佐知は罪を詫びると、翌日、飲み屋に出向き「お金は自分が返す」と言って、店で働き始める。子供を背負って働く佐知。
子供と佐知をほったらかし。夫として、父親として何もせず・・・・。
大谷の恋人秋子(広末涼子)。
その日から飲み屋は、佐知の美貌と気立ての良さもあって、客でごった返す盛況ぶり。佐知もまた、家で夫の帰りを待ち、悶々としていた頃と比べ、日に日に輝きを増していく。やがて佐知の前に、男の影が見え始めると、自分のことを棚に上げ大谷は、そのことに嫉妬をしはじめる──。
大谷に憧れ、毎晩店にやってくる青年岡田(妻夫木聡)。次第に岡田は佐知に惹かれ・・・・。また 佐知のかっての恋人辻 (堤真一)との再会も。
佐知の周りに2人の男が・・・・。大谷は嫉妬の炎を燃やし始める。
自分の浮気を棚に上げ、佐知の男関係を聞きただす。
岡田と佐知が毎晩、電車で帰る噂を聞きつけた大谷は岡田を追いかけ飲み屋に誘う。しまいには、岡田を自宅に連れて帰る大谷。揺れる佐知の心、岡田の切ない佐知への想いがヒシヒシと伝わってくる。しかし岡田の想いは叶うことなく・・・・。
実は、SINTYU相手は秋子だった・・・・。
ついに大谷はある女性SINTYU未遂。この事件の始末に佐知は駆り出されることに。弁護士でかっての恋人辻に助けを求めることに。辻はその事を引き合いに、彼女に迫る。佐知はダメな亭主を助けるべく辻と・・・・。
真っ赤なルージュを初めて塗る佐知。
才能はあるが、酒癖も女癖もが悪く、1回、お金を渡してしまえば数日は戻ってこない夫。彼の弱さを受け止め、笑顔で乗り切ってしまう妻。そして彼を助けるために全身全霊で・・・・。
ベースとなっている小説は、太宰治が自殺の2年前に書いた『ヴィヨンの妻』。ヴィヨンの妻の物語というより太宰そのものを語る映画。確かにそうだ!
「愛など信じたら、すべてが消えてしまうと、男は恐れている」
「すべてを失ったあとに、残るのが愛だと、女は知っている」
太宰治は何度もSINTYUを繰り返し、最後は入水ZISATUでこの世を去った。好き勝手に生き抜きたけれど、ある意味自分を正直に生きたのかもしれない。多くの女性ファンが今も太宰作品に魅了されるのは、この太宰の刹那的な生き方が作品に反映しているからだろう・・・・。
太宰治の同名短編を「隠し剣 鬼の爪」の松たか子と「母べえ」の浅野忠信主演で映画化。放蕩者の小説家と、そんなダメ夫をしなやかな逞しさで包み込んでしまう妻が織りなす心の機微と愛の形を繊細に描き出す。共演に伊武雅刀、室井滋、広末涼子、妻夫木聡、堤真一。監督は「遠雷」「サイドカーに犬」の根岸吉太郎。第33回モントリオール世界映画祭でみごと監督賞を受賞した。
メディア | 映画 |
上映時間 | 114分 |
製作国 | 日本 |
公開情報 | 劇場公開(東宝) |
初公開年月 | 2009/10/10 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 |
PG12 |
http://www.villon.jp/