想いのままに…

日々の生活の中で感じたことを、想いのままに綴りたいと思います。

遠い昔の…今日

2022-02-17 21:41:26 | 日記
2月17日と言えば…、私の社会人としての初出勤の日。
遠い昔、高校を卒業した年のことを思い出します。

商業高校を卒業しましたので、お友達の多くは事務員として
地元の会社に就職するのが、当時の「当たり前」でした。
当時、事務員として働くためには、
珠算や簿記、かなタイプ、和文タイプなどの資格を持っていることは
とても有利だと言われていました。

私も卒業までにそれらの資格を取ったのですが、
私が就職先として選んだのは、知的障害施設。
その数年前から、そうしたところで働きたいと思っていましたので、
そのためにと、通信教育で保母の勉強もしました。

就職活動と言うほどのものでもありませんでしたが、
施設に書類を提出し、面接をして…、さあ社会人です。

初出勤の日、私を出迎えてくれたのは、
「新しい先生が来る。」ことを知った園生(障害者)達です。
玄関に入る私に…と、何人もの園生が競争でスリッパを出してくれます。
「先生」「先生」と言いながら、私が歩けないくらいそばに来て
大歓迎をしてもらいました。

その施設では、18歳以上の障害者が入所していて
当時18歳の私よりも年上の園生がほとんどでした。

園長さんは、大柄な人が多い園生に対して小柄な私を心配して、
園内のイベントでのお手伝いはしてもらいたいけれど、
通常の勤務としては経理をしてほしいと言われました。
「せっかく商業高校を卒業し、その資格があるのだから…。」とも。

その後、春になった頃、園生に変化が起こってきました。
『木の芽どき』と言われるこの時期は、
昔から「身体的・精神的に一番バランスを崩しやすい」と言われているのです。
そしてまさに、園生たちの目の色が変わり、けんかをしたり叫んだり…と
それまでの園生たちの穏やかさがなくなっていました。
けんかを止めるにも、男性の職員が必死で対応しなければいけないほどでした。

園長さんは、そんな時に私では対応できないと判断されたのでしょう。

私はしばらくの間、その施設で経理を担当させてもらったのですが、
経理だけでなく、園生たちとの交流も含めて、とても良い経験をさせてもらえたと、
半世紀経った今までも、2月17日になると思い出すことができます。

コメント
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